結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年02月14日(金曜日)

Valentinedayのウォルマート・アマゾン・CVSヘルスの1兆ドル

聖バレンタインデー。

雪が積もれば
Christmas♪
想いが募れば
Valentine♬

赤いリボンで結ばれた
贈り物が待ってる

さよならだけがよく似合う
僕のValentineday
寂しくなんかないぞとつぶやくと
誰かがすみのほうで
くすっと笑った♬
〈詞・曲 山﨑眞幹〉

いい曲です。

大学時代の1年先輩がつくった歌。
毎年、2月14日が近づいてくると、
いつも、必ず、自然に、口ずさむ。

雪が積もれば
Christmas♪
想いが募れば
Valentine♬

口ずさみつつ、
東横線、南武線、武蔵野線を乗り継いで、
新小平へ。

第一屋製パン㈱本社・小平工場。IMG_53120

冬なのに春みたいに 
あたたかい日には
ゆくさき不明の汽車にのり
荷物のようにがたごとと
はこばれてゆきたいと思うのです
〈詩・鈴木順子〉

こちらも1年先輩の天才詩人。

もうすぐ春です。
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東証一部上場企業。
第一屋製パンの取締役会。
私は独立社外取締役。

「おいしさに
まごころこめて」

ひたすら仕事しましょう。

会議が終わると、
横浜商人舎オフィスに戻る。

夕方、来客。

片山隆さん
㈱寺岡精工前社長。
現在、RTK Design代表。
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片山さんとは30年来の付き合い。
ヨーロッパでは、
様々な情報を提供していただきつつ、
何度もご一緒した。

アメリカや中国の最新情報も、
適宜、供給していただいた。

今日はその欧米や中国のITの変貌、
日本のチェーンストアが抱える課題、
そして将来展望などなど、
2時間半ほど熱談。

素晴らしい。

互いに同年配なので、
まだまだ業界のお役に立てる。
片山さんの知見を埋もれさせるのは、
本当にもったいない。
一緒に仕事しましょう。

「世のため、人のため。」に。

さて今日の商人舎流通スーパーニュース。
海外編も凄く充実している。

CVSヘルスnews|
’19年通期は総収入32%増の2568億ドル

全米第1位のドラッグストア。
12月31日締めの2019年度決算。
総収入2567億7600万ドル。
1ドル100円換算で25兆6776億円。
なんと売上高は前年比プラス32.3%。

営業利益は153億3900万ドルで36.2%増、
1兆5339億円。
純利益は66億3100万ドルの6631億円。
前年度は純損失5億9600万ドル(596億円)。
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飛躍的な改善だが、
とうとうウォルマートの半分くらいまで、
スケールを増やしてきた。

そのウォルマートはまだ、
1月末日の決算が発表されていない。
昨年は5144億500万ドルで2.9%増、
円換算すると51兆4405億円だった。

CVSヘルスの3割を超える成長の理由は、
医療保険会社3番手「エトナ」の買収にある。

一方、先週の月曜日、
2月3日の商人舎流通スーパーニュースは、
アマゾンnews|
売上高2805億ドル・21%増/純利益15%増も成長率鈍化

こちらも12月末締め。
2019年通年売上高は20.5%増で、
2805億2200万ドル(28兆522億円)。

営業利益は17.1%増で、
145億4100万ドル(1兆4541億円)。
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北米部門が20.8%増の1707億7300万ドル、
国際事業が13.4%増の747億2300万ドル、
AWSが36.5%増の350億2600万ドル。
AWSはアマゾンウェブサービスの略で、
クラウドによる出展者へのサービス事業だ。

アマゾンもウォルマートの半分を超えて、
しかもM&Aを展開するわけではない。
だからこのまま2割ずつ伸びていくと、
4年でウォルマートに追いついてしまう。

凄いことになってきた。

第1位のウォルマート52兆円、
第2位のアマゾン28兆円、
第3位のCVSヘルス25兆円。

トップ3のスケールを足し算すると、
1兆ドルの100兆円を超えて、
日本の国家予算に並ぶ。

そのウォルマートも、
1年に3%足らずの伸び率だが、
その金額は実に1兆5000億円。

そして規模の拡大だけではない。
ウォルマートnews|
1/29「ウォルマート・ヘルス」2号店を開店

1月29日に新フォーマットの2号店を始めた。
「ウォルマート・ヘルス(Walmart Health)」。
プライマリー・ケア・クリニック実験である。
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スーパーセンターに併設されて、
手頃な価格でヘルスケアを提供する。

プライマリケアから、
ラボ、X線、診断、カウンセリング、
歯科、眼科、聴覚サービスまでを提供する。

これまでもターゲットなどが、
ミニッツクリニックサービスを展開した。
それらをはるかに超えた、
総合的なヘルスセンターだ。

しかも患者の健康保険の有無だとか、
ステータス(序列)に関係なく、手頃な価格。
その価格表も明示されていて、
明朗会計の診療が受けられる。

便利な医療サービスセンターである。

小売業は規模だけではない。
つまりレース型競争だけではない。
新たにコンテスト型競争が生まれた。

元学習院大学院長の故田島義博先生。
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最後の講義で述懐。
「私は製造業の規模の経済を、
流通業に持ち込んだ。
これは間違いだった」

ウォルマートもCVSヘルスも、
もちろんアマゾンも、
レース型競争の規模の経済と、
コンテスト型競争の範囲の経済を、
併せ持ったサービス業になろうとしている。

そしてそれを果たさなければ、
今後の成長はない。

一方の日本のチェーンストア。
昨日の日本経済新聞[Deep Insight]
「荒野生む 流通0強時代」
イオンとセブン&アイ・ホールディングス。
筆者は両者を、そして小売業全体を、
停滞する敗北者のごとく描く。

この記事の「流通」の見方、考え方、
そして基本的なスタンスに対して、
私は、全面的に「否」を唱えるものだ。

「流通は『0強』の時代に突入した」

否。

両者ともに、
組織の制度疲労は起こしているだろうが、
「0強」ではない。

規模の経済の原理はなくならないからだ。

「恐らくこの先、
イオンとセブンを中心とした再編劇は
見られなくなる」

これは完全な間違いだ。
事実が証明してくれるだろう。

「撤退した小売りや店舗の買い手はつかず、
各地に荒涼とした風景が広がりそうだ」

これも的外れだ。

「居ぬき出店こそ、
これからの店舗展開に必須の要件だ」

異論・反論は月刊商人舎で、
十分にスペースを取って、
展開しなければならない。

現場をよく見よう。
よく聞こう。
モニタリングしよう。

日本もアメリカもヨーロッパも、
そしてアジアも。

そこには躍動する現場がある。
見る、聞く、考えるが足りない者には、
その躍動感はわからない。

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • 日経の論評に対する結城先生の厳しい批評、感服いたしました。
    それは筆者に対する怒りというよりも、こんなことを書かれてどうする!という
    流通業に対する厳しいエールと受け止めました。
    業界の末席で働くものとして、背筋が伸びる思いでした。
    ありがとうございます。

  • 釘宮聡さん

    勇気あるご投稿、感謝します。
    ご指摘の通りです。

    日経新聞は見識のあるメディアです。
    その流通専門の論説委員から、
    こんなことを書かれてしまいました。

    奮起してほしい。
    そして必ず見返すことができる。

    私はそう思っています。

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