結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年06月16日(火曜日)

「小売企業からは一銭ももらわない」PBコンサル会社・デイモンのビジネスモデル

麻生太郎内閣支持率、急減。
朝日新聞19%。
読売新聞23%。
日経新聞25%。  

三紙のスタンスが、見事に表れた。

しかし、公平にしているはずの世論調査で、
こんなに新聞の姿勢が明快に出てしまうとは、
いったい何だ、という気になる。

特に朝日は、少し、やり過ぎでは?
と思いきや、
毎日新聞19%、
共同通信は17%。  

東京新聞をはじめとする地方紙やスポーツ新聞は、
通信社としての共同通信の記事を配信している場合が多いから、
地元の新聞やスポーツ紙しか読んでいない国民は、
17%の支持率を信じてしまうかもしれない。

いずれにしても、世論調査には、
意図が入りすぎ。

全体のサンプル数を足し算して、
それを平均する機関が登場すれば、
それが一番、冷静で公平かもしれない。

商人舎が、それをやってみようか。

さて、熊本に来ているから、
九州ネタを一つ。

福岡の老舗百貨店・岩田屋。  
経営破たんに近い状況が続いているが、
株式の51%をもつ三越伊勢丹ホールディングスが、
完全子会社にすることに決めた。

私は、福岡の生まれで、
子供のころには、
両親から岩田屋のレストランに連れて行ってもらうのを、
楽しみにしていた。

地元には、特に地方百貨店に、
強い愛着がある。

私の母など、横浜の松坂屋を
最後まで、「野沢さん」と呼んで愛していた。

岩田屋にもそれはあるはず。
だから福岡伊勢丹とか三越福岡店などと、
店名を変えることはないだろうとは思うが、
ここは、お客さまの気持ちをくんでほしいものだ。

さて昨日は、午後から東京・神田。
日本セルフ・サービス協会。  
三井物産㈱食料・リテール本部西日本食料部の面々と打ち合わせ。
三井物産
左から西澤康樹さん、堀田安紀さん。
そして協会営業本部長・村尾芳久さん。

11月6日、7日と、私の講演とパネルディスカッションを、
関西地区で行います。

お楽しみに。

その後、羽田から、熊本へ。  
全国的に梅雨前線が立ち込める上空は、
こんな雲海で満たされている。
sky

そして熊本に来たら、どうしても、
馬肉料理店として有名な「菅乃屋」へ。
ume
レバ刺しは絶品。
(商人ねっとの録音ディレクター・梅ちゃんと)  

さて、先週のデイモン・ワールドワイド・ジャパン・インクでの話。
daymon1
デイモンはプライベート・ブランド専門コンサルティング会社。
それも世界的ネットワークを持つ世界最大のコンサルタント集団。

アメリカでは、第1位のスーパーマーケット・クローガー、
第2位のセーフウェイ、
HEバット、ウェグマンズ、
そのほか、多くのローカルチェーンの指導をしている。

世界を見渡すと、ウォルマート以外のほとんどのチェーンストアに、
プライベート・ブランドのコンサルティングを展開しているのが同社。

「それでいて、小売企業からは、
一銭ももらっていない」  

こう、サービス・マネジャーの和田浩二さんは言う。
wada
和田さんは、コーネル大学RMPジャパン第一期生。
つまりは、私たちのお弟子さん。

その縁もあって、7月3日のセミナーに協力してくれている。
商人舎と流通ニュース共催。
タイトルは「日本のPBはこうなる!」

現在、デイモン・ワールドワイド・ジャパンには、
230人の社員がいる。

その一人が、フィリップ・コップさん。  
ストラテジー・ディレクター。
戦略を立案し、マーケティングを展開する。
Filip
顧客の消費行動をしっかりリサーチして、
それを商品化や販売政策に活用する。

結局、いかにその徹底をするかが、
プライベート・ブランドにも求められている。

先の「小売企業からは一銭ももらっていない」という言葉。
その理由は、小売業ブランドをつくるサプライヤーから、
コンサル料が出るから。

だからデイモンは、メーカー・サプライヤーと、
共通のクライアントをもち、
そのクライアントのカスタマーの喜ぶ商品を開発する。

1970年に誕生したコンサル会社デイモンの、
このビジネスモデルこそが、
まったくもってブルーオーシャン戦略。

世の中にコンサルタントは山ほど存在するが、
直接のコンサルティング企業からフィーをもらわない者は、
本当に少ない。

例えば、親から料金をとって、
子供の教育をする塾のようなもの。
子供からは金を取らない。

小売業が子供というわけではない。

しかし、指導する先からフィーをもらっていると、
妥協やおもねりが出る。

それが、デイモンにはない。

みんなが、プライベートブランドが売れることを志向する。
そしてそのブランドが売れたとき初めて、
全員がハッピーになる。

その全体最適を、デイモンは目指す。

この考え方こそが、優秀なビジネスモデルなのである。

現在の日本では、イオンのコンサルティングをしている。
もちろん、イオンからは一銭ももらわず。

不思議な関係づくりが、デイモンの真骨頂。

会社の入口には、開発プランドが並べられている。

7月3日、東京・サンケイプラザ。
「日本のPBはこうなる!」  

私も今から、楽しみだ。

<結城義晴>  


1 件のコメント

  • ほとんどの社員はイオンからの出向者で固められており、メーカーサイドから見たらリベートの徴収の抜け道にしか見えないです。

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