結城義晴のBlog [毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年11月26日(土曜日)


小売り流通業界話題の企業統合&トップ人事。
マックスバリュ西日本会長の藤本昭さんが、
25日付で退任し、マルナカの代表取締役会長に就任。

マックスバリュ西日本は、
イオン・グループ最大にして、
最高利益を上げるスーパーマーケット企業。

藤本さんはそのマックスバリュ西日本の社長・会長を歴任し、
中国地方と四国瀬戸内海方面に明るい。

10月にイオン傘下に入ったマルナカと山陽マルナカの会長として、
これ以上ないといううってつけの人物。

私は昨年10月にヨーロッパで、藤本さんとご一緒した。
スーパーマーケット経営の専門家であり、
見識の高さ、経営力は定評のあるところ。

イオンの強みは、
藤本さんのような経営者群の存在にある。

マルナカの現社長・中山明憲さんは在任、
山陽マルナカは中山さんが代表権のない会長に就き、
新社長にはイオン琉球社長の栗本建三さんを迎える。

藤本、栗本両氏は常駐して、
イオン本体やマックスバリュ西日本と、
マルナカ・山陽マルナカとの連携に目を配る。

藤本さんを頂点に、
イオン傘下にある現在のマルナカは、
今後も店名や雇用体制に変化はない。

中国新聞によると、
イオン側は「両社の強みを生かし、
より満足していただける売り場づくりに励んでいく」とコメント。
マルナカは「イオングループの一員となり、
新生マルナカとして地域により貢献したい」と発言。

この件によって、イオンの売上高は、
セブン&アイ・ホールディングスを超えた。

すなわち現在の日本小売業界最大売上高企業はイオンとなった。

今朝の日経新聞『大機小機』。
「人口減少・高齢化と需給のミスマッチ」と題して、
コラムニスト希氏が書く。

「人口減少が既存産業での需要減退につながることは間違いない」

しかし、コラムニストの指摘はマイナスばかりではないという点にある。
「高齢化は新たな需要も生み出すはずである」

「現状は、その需要を生かし切れていない」

そして2つの問題点を挙げる。

第1は、「高齢化に伴い、顕著に需要が増加する分野が
公的コントロール下に置かれていることだ」

「病院の混雑ぶりや介護施設の不足をみれば、
莫大な未充足需要は明白だが、
自然に価格が上がったり、
供給が増えたりする仕組みにはなっていない」
つまり高齢化で需要が拡大する分野に、
市場原理が働いていないという指摘。

第2は「民間の努力不足」。

従来から「団塊世代の退職で巨大なシルバー市場が生まれる」との期待があった。
しかし現状は「シルバー市場は難しい」との嘆きばかり。

なぜか。
「若者は人数が減ってもマスである」
対して高齢者は、
「所得・資産・嗜好のあらゆる面で細分化されている」

「高度成長期のマス市場に慣れた企業には、
若者狙いの方が楽なのだ」

この指摘、実に鋭い。

その証拠となる現象を明らかにする。
「高齢化が進むこの国で、
街にはファストフード、ファストファッションが花盛りという奇妙な光景」

「円高などで産業空洞化を懸念する声が強いが、
人口減少社会で企業がグローバル市場に活路を求めるのは当然だ」
この見解にも私は同感。

「今求められるのは、
官民双方の工夫で内需=シルバー市場を活性化し、
空洞化を埋めていくことだろう」

まったくもって、賛成。

産業の空洞化を埋めるのが民間の仕事であるし、
小売りサービス業の役目だ。

さて昨日は、大阪。

AKR共栄会主催の第六回AKR協力会で講演。
AKR共栄会は、平成9年、
大阪市旭区小売市場連合会からスタート。
いわゆる「公設市場」の連合会。
AKRのAは旭区のA、
Kは小売り市場(Kouri-ichiba)のK、
Rは連合会(Rengokai)のK。

現在は、名称を変更し、
オール小売市場連合会(All Kouri-ichiba Rengokai)。

「共同仕入れ」「共同配送」事業によって、
市場活性化を目指す事業組織として活動している。

加盟小売り市場は、
大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県にまたがる。

AKR共栄会本部は、
店舗支援として企画提案、店舗運営の経営アドバイス、
さらに店舗視察や研修、勉強会の支援を行うが、
今回の講演はその勉強会のひとつ。
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私のタイトルは「製配販協業のマーケティング・マネジメント」
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中小の小売業連合会に、
製造業や卸売業が協力する。
すなわち製配販の協業。

そのためのマーケティング・マネジメント論。
フィリップ・コトラーは言う。
「マーケティングは個人によっても行われるが、
交換には相当量の業務と技術が必要であり、
組織体がこれを行うのが普通である。
その意味でマーケティングとは組織体のマーケティングを指しており、
そこでマーケティング・マネジメントを論じることになる」

私は製配販の協業体全体で、
「マーケティング・マネジメントを展開せよ」と訴えた。

そのためにマーケティングの定義を確認し、サービス産業化を提案し、
そのうえで、コモディティとノンコモディティの持論を展開。
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アメリカから持ち帰った「パワーレード」を掲げて、
コモディティ化現象を解説。
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最後は、ドラッカーとクリステンセンのイノベーションのすすめ。

小売業には大動脈・大静脈もあるが、
毛細血管もなければならない。

両方が必要なのだと思う。
これは私の確信。

AKR幹部の皆さんと記念写真。
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コープこうべから転籍し、
AKRの事務方を支える島本博史さん。
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イオン・マルナカの統合で、
寡占化はますます進む。

一方で、かつての公設市場も、
毛細血管としてしっかり機能している。

私が考える「自然界の森」のような小売業界になってきた。
大木も雑草も、
環境に適応できる者が生き残る。
それが産業の空洞化を埋め、
新しい産業構造を構築するに違いない。

<結城義晴>


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