結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年05月14日(月曜日)

クローガー、セーフウェイとホールフーズ、トレーダー・ジョーの差異

Everybody! Good Monday!
[2012vol20]

2012年も、第20週。
5月の第3週が始まる。

昨日の母の日。

どんな店も、きっと、
いい成果が上がったと思う。

母の日という大切な記念日を、
自分のこと、自分の母のことのように、
考え、行動しさえすれば。

邪念が入ると、
母の日は成功しない。

私はそう思う。

その母の日が終わると、
つぎのイベントは、
来週月曜日の金環日食。
5月21日午前7時半ごろ。

そしてこの日は、
二十四節気の小満(しょうまん)。
「万物が次第に成長して、
一定の大きさに達して来るころ」
のこと。

いい季節だということ。

しかし5月中旬の今ごろから、実は
梅雨前線が天気図上に現れる。
この前線は華南や南西諸島付近に停滞。

そして沖縄では、早ければ小満のころから梅雨に入る。
さらに5月下旬から6月上旬、
九州、四国が梅雨前線の影響下に入る。

そう考えると、梅雨はもうすぐ。
いまは、その梅雨の前のいい季節ということになる。

いい季節のいい1週間を過ごして、
300年後にしか見られない金環日食を楽しむ。
晴れてくれることを祈りつつ。

私は今、アメリカ合衆国ネバダ州ラスベガス。
この地は1年で3回しか雨が降らないと言われる。

ここでならば金環日食は絶対に見られるのに、
なんて思ったりする。

今月は月終わりの5月29日・30日・31日に、
商人舎ミドルマネジメント研修会開催。

いまのところ110名の参加状況だが、
あと10名くらいの席を用意した。
今週末まで、まだまだ、募集中。

是非ご参加を。

さて私はラスベガス。
もう4日目が終わった。

ラスベガスの食品小売業の企業業態別市場占拠率は以下。
これは2011年の数値。
1.クローガー系スミス27.7%
2.ウォルマート スーパーセンター16.2%
3.アルバートソン9.2%
4.コストコ9.0%
5.セーフウェイ系ボンズ7.7%
6.ウォルマート・サムズクラブ7.5%
7.ウォルマート・ネイバーフッドマーケット4.1%
8.ホールフーズ・マーケット2.9%
9.ウィンコ・フーズ 2.4%
10.フレッシュ&イージー(テスコ)2.3%
11.トレーダー・ジョー2.2%

このうちスーパーセンター、サムズ、
そしてネイバーフッドマーケットを合わせると、
ウォルマートが27.8%。

ウォルマートとクローガーが、
それぞれ27%台を占める2強であることがわかる。

かつて、このネバダ州のローカルチェーンは、
スミスとボンズだった。

それらはクローガーとセーフウェイの傘下に入ってしまった。
その最大の理由はウォルマートの侵入。
さらにホールフーズ、ウィンコ、フレッシュ&イージー、
そしてトレーダー・ジョーなどの参入。

商人舎ベーシック編は、
当然ながら、これらの店をすべて訪れる。

今日は、スーパーマーケットのナショナルチェーン2社と、
ホールフーズ、トレーダー・ジョーを紹介しよう。

まず、売上げナンバー1のクローガー系スミス。
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クローガーは全米小売業第3位。
スーパーマーケット第1位。
2011年売上高903億7400万ドル。
100円換算で9兆0374億、伸び率9.9%。
純利益が6億0200万ドル(602億円)、こちらはマイナス46.0%。
総店舗数は3574。

「最高の品質」をうたう青果売り場。
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極めてオーソドックスな店づくりだが、
そのオーソドックスさが許されるのは、
トップ・シェアのクローガーだけ。

カラー・コントロールされたプレゼンテーション。
ボリューム陳列も美しい。
「商品に語らせる」とはこのことだ。
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青果に続くデリ売り場は、
サラダの対面コーナーから入る。
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下段にはカップサラダが並ぶ。

精肉も対面売り場から入る。
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最高品質のチョイス、カンザスのプライムビーフを品ぞろえ。
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対面売り場の次に、セルフサービスの多段ケースのミート売り場。
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これもオーソドックスな販売方式。
1930年、マイケル・カレンは、
「80%をセルフサービス、20%を対面売り場」とする方式を生み出した。
それがスーパーマーケットだった。

クローガーはその伝統的な方式を踏襲している。

通常より1ポンドあたい1ドル30セント割引価格のボンレスポーク。
パック当たりいくらお得かをパッケージに表示して訴求。
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チーズ売り場も対面とセルフサービスを組み合わせる。
その対面のチーズ売り場。
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セルフのチーズ売り場。
チーズとワインの充実は必須となってきた。
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対面には人手がかけられる。
だからノンコモディティ商品。
セルフは説明しなくともわかる商品。
すなわちコモディティ商品。

グルテンフリー商品は、
アメリカでは当たり前に品ぞろえされている。
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低価格商品はスポッターで強調する。
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店のいたるところで、
2012年ラスベガスのベスト店舗に選ばれたことを告知している。
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今回で7回目。

クローガーのスミスは、
このエリアナンバー1の地位を占めるだけあって、
オーソドックスな店づくりだが、
まさにマーケット・リーダーの戦いぶりだ。

一方、セーフウェイ系のボンズ。
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セーフウェイの2011年度売上高は、
436億3000万ドル、6.3%。
純利益は5億1700万ドルだが、
前年比マイナス12.4%、
期末店舗数は1678店。

このほとんどの店舗を、
「ニューライフスタイル」ストアに改装して、
セーフウェイは脱皮を図っている。
「オーソドックス」の伝統型が通用するのは、
地域ナンバー1シェアの企業だけのようだ。

入り口を入ると、プロモーションコーナー。
価格訴求の商品が並ぶ。
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母の日を控え、
切り花コーナーは入り口付近で充実。
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「LOWER PRICE」をアピールする青果売り場だが、
オーガニックの取り扱いを強調している。
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壁面は多段ケースでの葉物の展開。
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木製の床と什器でシックな高級感を演出する。
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ドライフルーツの展開。
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高い平台は、お客にとっては商品が見やすい。
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今日のオーガニックフルーツと野菜のコーナー。
鮮度をアピール。
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プライベートブランド「Oオーガニック」のカット野菜のパック。
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りんごなどの青果物にもOオーガニック商品が数多く開発されている。
リンゴ一つ一つに「O」ブランドマークがついている。
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青果部門の次が、
奥に調剤薬局のあるファーマシー売り場。
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現在のスーパーマーケットは、
ほとんどがドラッグストア併設型。
フード&ドラッグと言ったり、フード&ファーマシーと呼んだり。

そしてドラッグストアの大半は、
奥壁面に位置付けられる。

このことによって、
店内をくまなく回遊してもらうことができる。

壁面がR型に湾曲したデアリー・コーナー、
すなわち乳製品の売り場。
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店舗左翼はサービス・デリのゾーン。
レンジ商品の「meals to go」コーナー。
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温めるだけですぐに食べられる調理済みメニューが豊富にそろっている。
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「HOT SPOT」とPOPでアピールされたお買い得商品。
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視察の金曜日は、売り場全体で「5ドル」キャンペーンが行われていた。
ピザ、ロティサリーチキンなど5ドル商品を展開し、よく売っている。
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グロサリーのアイルは陳列線が長い。
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そして店舗左が酒売り場。
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ただしこの店、ちと苦しい。

三番目はタウンスクエア地区にあるホールフーズ。
ライフスタイルセンターと呼ばれるショッピングセンターの核店舗。
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昼時には、周辺のオフィスで働く人たちが訪れる。
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ホールフーズの2011年売上高は、
311店舗で101億0800万ドル、
対前年比12.2%。
100円換算ながら、ついに1兆を超えた。

既存店伸び率は8.5%。
純利益は3億4300万ドルで、
これも39.4%の驚異的な伸び。
店舗数も311となった。

オーガニック&ナチュラル・フーズを中心に、
健康的なライフスタイルを提供する。
ラスベガスでも独自のポジショニングで固定ファンをもつ。

入り口を入ってすぐの壁面には、
「ロウ・フード」のコーナー。
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Raw Food。
つまり加工されていない生の食材を用いた食品。
これを主体に食生活する考え方を「ロウフーディズム」という。
「リビングフード(Living Food)と呼ばれることもある。

一般に、全食事の6割以上であれば、
ロウフーディストと考えられる。

その売り場を入り口右手に大々的にもってきた。
意欲的な試みだ。

青果部門から入るが、どの店もカラーコントロールと陳列の技術が高い。
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そして鮮魚の対面売り場。
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作業台が一段高くなっていて、
顧客を見下ろすような態勢となる。
しかしこれがコミュニケーションをしやすくする。

精肉対面コーナーのひき肉からステーキ売り場。
「マザーズ・デー」のPOPがつけられている。
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惣菜コーナーはホールフーズの売り物の一つだが、
対面方式の大皿盛は、とりわけてうまい。
もちろんオーガニック素材がふんだんに使われている。
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店舗左奥がワイン&チーズのショップ。
オーガニックワインも品揃えされているし、
1ドル99セントワインも開発されている。
それらのワインとチーズを組み合わせて、
ショップ展開するところまで、
ホールフーズは専門性を追求している。
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ベーカリー売り場に最近お目見えした新しい什器。
品質維持が可能で、しかも顧客からすごく見やすい。
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レジの手前には、コーヒー豆売り場。
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そしてレジのうしろのフードコートに、
急きょ登場したエコバッグゴンドラ。
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カスタマーサービス担当のケンドラさんと、
マーケティング担当のジムさんの2人にインタビュー。
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ホールフーズに働く喜びや、やりがい、
そして生きがいまで語ってくれた。

その後、全員で記念写真。
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ケンドラさん、ジムさんというホールフーズのナレッジ・マーチャント。
そして日本からやってきた知識商人たち。
とても良い交流ができた。

つづいてトレーダー・ジョー。
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2011年売上高90億ドル。約9000億円。
伸び率は5.8%と相変わらず。
期末店舗数も375と成長は続く。

ホールフーズもトレーダー・ジョーも、
1兆円の大台に乗るかという企業になってきた。
ずっと両者を認め、応援してきた私としては、
嬉しいかぎり。

両者がチェーンストアでないとは言えないし、
両者がスーパーマーケットでないとも絶対に決めつけられない。

入り口を入ったところに花売り場。
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青果部門の鮮度、品質、品ぞろえのレベルも、
ずいぶん高くなってきた。
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トレーダー・ジョーは、
リミテッドアソートメントのグロサリーストアであった。
しかし客数が多くて商品回転が速いと、
生鮮食品も充実してくる。

このオーガニック・バナナのおいしそうなこと。
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バナナの奥のリンゴなども島陳列。
必需の品が鮮度よく、安全で、安い。
全てがセンター供給。
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Artisan Breadの島陳列。
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最近一番力を入れているのが、チーズ。
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ナチュラルチーズも、安くて、うまい。

そしてワインコーナー。
トレーダー・ジョーのプライベートブランド「リザーブ」が、
9ドル99セントでエンド陳列。
私がお土産に持って帰る、定番ワイン。
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1000円だが3000円から5000円くらいの価値がある。

そして最後におなじみのレナートさんのインタビュー。
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固い握手。
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そしてトレーダー・ジョーでも、
全員で記念写真。
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ラスベガス地区のマーケットシェアは、
クローガーとウォルマートがクリティカル・マスを超えている。

この2強に対抗することができる企業は、
明らかにホールフーズとトレーダー・ジョー。

最近はこれらにウィンコ・フーズが加わる。
こちらはディスカウントタイプのスーパーウェアハウスストア。

ウィンコはウォルマートと、
激しく競争する。

その影響を最も大きく受けるものは、
クローガーだろう。

ホールフーズとトレーダー・ジョーの、
両者のポジショニングを揺るがす者は、
しばらく登場することはない。

クローガーもセーフウェイも、
頭が痛いに違いないし、
ウィンコはウォルマートにとって、
これまた目の上のたんこぶだ。

そこで企業規模もマーケットシェアも
小さな者たちの方が、
優位な競争を進めている。

不思議な現象が起こっている。

これがアメリカの面白いところだし、
知識社会が訪れていることを証明するものでもある。

そしてなぜか元気が出てくる。

皆さんに、その元気を、
おすそ分け。

では、Good Monday!
(明日につづきます)

<結城義晴>

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