結城義晴のBlog [毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2007年10月2日(火曜日)


横浜は、すっかり秋。

世の中、合併・提携のオンパレード。
合併と提携とは大きく違うのですが、
それでも、企業同士が協力し合って、
マーケットや顧客に対応しようという趣旨は変わりません。

とうとう、朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞が提携。
インターネット共同事業や共同配達に取り組む。
朝日読売提携
今年6月、㈱商業界で、
私は急遽、「合併・提携対策セミナー」を企画しました。
小売流通業に限らず、この問題、
避けて通ることが出来ないと考えたからです。

M&Aは、すべてのビジネスマンにとっての、
課題なのです。

合併・提携を仕掛ける企業にとっても、
それを仕掛けられる企業にとっても。

このセミナーは、日本リテイリングセンターの渥美俊一先生を中心に、
公認会計士、弁護士の専門家に出講していただき、
私が、商業界としてのメッセージを発するという構成でした。

私のM&Aに対する考え方は、いつも変わりません。

それは必要な企業にとっては、
避けて通ることが出来ないこと。

だから、一人ひとりは、
「商人としての本籍地と現住所」を持て。

『商売十訓』最後の言葉は、
十 正しく生きる商人に誇りを持て

締めくくりの第十訓ですが、
これが、例えばM&Aに関係したときにも生きてきます。

この第十訓は、他の十訓同様、二つの言葉の組み合わせです。
①正しく生きよ
②誇りを持て

この二つの言葉のキーになっているのが、商人です。

私は、この第十訓を「ビジョン」と命名しました。

M&Aに遭遇したとき、
誰もが持たねばならないのが、
自らの将来に対する信念です。

すなわちビジョンだと考えるからです。

どんな環境になっても、
どんな境遇になっても、
正しく生きる。
そして正しく生きることに、
誇りを持つ。

だから、耐えられる。
切り拓ける。
前進できる。

それが、現代のビジネスマンの生き方なのです。

M&Aや合併・提携時代の、仕事への向き合い方なのです。

朝日と読売、そして日経まで提携。
自らに当てはめて、考えてみてください。
自分のライバルと共同する。
それが現代なのです。

明日から、私はアメリカです。
そこはM&Aの本場です。

<結城義晴>

2007年9月21日(金曜日)


ドラッカー著
理屈っぽいけれど、昨日のつづき。

今日は、写真の本に、お世話になりっぱなし。
ピーター・F・ドラッカー著。
ジョセフ・A・マチャレロ編。
上田惇生訳。
『ドラッカー365の金言』。
当然ながら、ダイヤモンド社刊。

以下のドラッカー先生の言葉は、すべてこの著による。
私が、ちょっとだけ表現を変えさせていただいたところがある。
ご容赦願いたい。

さて、『商売十訓』第九訓。
九 文化のために経営を合理化せよ

私は、この第九訓を“マネジメント”と命名した。

『商売十訓』は実は、全体で、
商業経営のマネジメントを表している。

だから私は、十の教訓に一つ一つ命名した。

一 損得より先きに善悪を考えよう⇒プリンシプル
二 創意を尊びつつ良い事は真似ろ⇒イノベーション
三 お客に有利な商いを毎日続けよ⇒マーケティング
四 愛と真実で適正利潤を確保せよ⇒プロフィット
五 欠損は社会の為にも不善と悟れ⇒コスト
六 お互いに知恵と力を合せて働け⇒チームワーク
七 店の発展を社会の幸福と信ぜよ⇒サクセス
八 公正で公平な社会的活動を行え⇒ミッション
九 文化のために経営を合理化せよ⇒マネジメント
十 正しく生きる商人に誇りを持て⇒ビジョン

命名することによって、マネジメントの本質を、
『商売十訓』が表現していることに気づかされた。

すなわち、『商売十訓』は商業経営の体系なのである。

ピーター・ドラッカー教授は言う。
「鋸や金槌、あるいはペンチしか持たない者は、大工は出来ない。
それらの道具を一揃えにしたとき、
初めて大工道具を手にしたということが出来る。
それが、私が『現代の経営』で行ったことだ。
私はマネジメントを体系としてまとめたのだった」

『商売十訓』のすべてが揃ったとき、
真の商人が出来上がる。

さて、私が第九訓を、あえて“マネジメント” と名づけたのは、
「経営を合理化せよ」というフレーズが入っているからだ。

ドラッカーは、なおも言う。

「仕事が出来る者は、集中する。
集中するための原則は、
生産的でなくなった過去のものを捨てることである。
過去を捨てなければ、明日をつくることは出来ない」

これが、一言でいう「経営の合理化」である。

ドラッカーは、言い切る。
「あまりにわずかの企業しか、昨日を捨てていない。
あまりにわずかの企業しか、明日のために必要な資源を手にしていない」

経営合理化とは、人員の削減ではない。
昨日を捨てることだ。

私流に言えば、「自ら、変われ!」

「死臭を防ぐことほど、
手間のかかる無意味な仕事はない」
これもドラッカーの言葉。

私など、躍り上がって喜ぶ言葉だ。

生産的でなくなった過去のものを捨てる。
何が残るか。

生産的な過去のもの。
それが「文化」である。

明日につながる昨日のもの。
それが「文化」である。

だから「文化」のために「経営」を「合理化」することは、
なんら矛盾するものではない。

全うな理屈となる。

とりわけここでいう「文化」を、
「企業文化」と捉えると、
『商売十訓』第九訓は、明快になる。

不要となった過去のものを、捨て去る。
それが、経営の真髄である。
マネジメントの本質である。

では、何が、不要な過去のものなのか。

非生産的なもの。
明日につながらない過去のもの。

ここにはノスタルジーはない。

「企業文化」をつくっていくうえでは、
それ自身が商品価値を持たない限り、
過去のノスタルジックな要素は、
「死臭」でしかないのだ。

<結城義晴>

2007年9月20日(木曜日)


杉山先生
杉山昭次郎先生と会う。
いつものように、
飯能パークカントリークラブでゴルフして、
焼鳥屋・多貫喜(たぬき)で語り合う。

一所懸命に仕事している人には申し訳ないけれど、
杉山先生は80歳の隠遁者。
私は今、55歳の自由人。

お許しいただくとして、
いつも必ず、いい話になる。
皆さん、こんな、自分の先生を、
つくりなさい。
もちなさい。

杉山先生は、流通システム研究所所長。
コンサルタントとしては、あの坂本藤良の愛弟子で、
血筋は申し分なし。
坂本藤良は日本のコンサルタントの草分け。
「倒産学」「再建学」などの著書でも知られる。

私は、(株)商業界入社1週間で、
高橋栄松という先輩に連れられて、
杉山先生に会いに行った。

いきなり「ソシオ・テクニカル・システム論」を、
黒板に書きながら教えられた。

この理論は今でも、私の考え方のひとつになっていて、
立教大学大学院で教えるときの教材の中に入るテーマである。

流通産業研究所所長・理事長を務められた故上野光平先生は、
杉山先生の盟友で、私もその門前の小僧をやっていた。

上野先生は、(株)西友ストアー副社長として同社を創業し、
日本の商業やチェーンストアの歴史に輝きをつくった。
その上野先生の、思い出話も当然、いつものように出てくる。

杉山先生は、現在、水曜日にゴルフ、
後の6日間は、雨が降らなければ、
フナ釣り。
「フナに始まりフナに終わる」といわれる、あのフナ釣り。
まさに隠遁の生活。
うらやましい限り。

さて、その杉山先生との話は、
「企業文化」へと流れていった。

企業には、負の文化もあるが、
正の文化もある。
正の文化の継承が、ない。
これが最大の問題である。

あたかも、ウォルマートは、
そのキャッチフレーズを変えたばかりである。
1980年から10年ほどは、「エブリデー・ロープライス」。
それから19年間、ほぼ同じコンセプトのまま、
言葉は“Always Low Prices”
そして今、
“Save Money.Live Better.”

1962年に、サム・ウォルトンが、
ウォルマート第1号店をオープンさせたとき、
店頭には二つの言葉が掲げられていた。
“Satisfaction Guarantees”と”We sell for less”

現在も彼らはこの理念を守り続けて、最新店の店頭にも掲げている。
ウォルマートの正の文化である。

それが「Save Money. Live Better」によって、
どのように変わろうとしているのか。
はたまた崩れようとしているのか。
きわめて面白い局面に入ってきた。

『食品商業』で連載をしている「誰がウォルマートを殺すのか?」
その大テーマがまた表出してきた。

『商売十訓』の第九訓は、
九 文化のために経営を合理化せよ
である。

ここで言う「文化」には二つの意味があることに、
杉山先生と話していて、私は気づかされた。
「社会の文化」と「企業の文化」である。

杉山昭次郎というマネジメントの鬼(優しい白髪鬼?)は、
覚醒している限り、マネジメントを考えている。
だから「文化」といえば「企業文化」となる。
ドラッカー先生もそうだったに違いない。

ウォルマートはまさに、
文化のために経営を合理化し続けてきた。
日本の西友の450人の早期退職奨励を発表したばかりである。
同社は、3年前、売上げも利益も絶好調のときに、
アーカンソーの本部要員の1割、約790名の削減を断行したほどだ。


「文化」と「合理化」

倉本長治は、なんとも結びつきにくい概念を、
二つ、池に投げ込むようにして、
第九訓をつくった。

長治独特の言い回しである。

しかし、この言葉に、正鵠を射た解答を、
私は、ついぞ聴いたことがなかった。

杉山昭次郎とのマネジメント談義。
ウォルマートのキャッチフレーズ変更の発表。
そして上野光平がつくった会社・西友の人員合理化。
私は、なんだか、第九訓の真髄に近づいたような気がした。

<つづく、結城義晴>

2007年9月18日(火曜日)


カエサル
『商売十訓』第八訓は、
八 公正で公平な社会的活動を行え
である。

第七訓で、
「店の発展を社会の幸福と信ぜよ」
といった途端、間髪を与えずに言い放つ。

社会貢献せよ。

私には、そう聞こえる。

それがいい。

それも公正で公平な社会的活動。

“ミッション”である。

だから、七訓と八訓はセットということになる。

社会的活動の意味を、私は二つに分けて考えている。

第1は、自分の本業の仕事における社会貢献。
第2は、ボランティア活動。

どちらも必須である。

本業は、もともと社会的なものである。
商売にしろ、仕事にしろ。
オーナー経営者であれ、
サラリーマンであれ、
その仕事とは、本来、何らかの形で、社会貢献につながっている。
だから、本業で公正さ、公平さを貫きなさい、
と『商売十訓』はいう。

公正・公平でない商売や仕事は、
いかにそれが巨大な事業でも、
偉大そうに見える仕事でも、
本当に社会貢献したことにはならない。

広域暴力団が本業で、
ボランティアが暴走族の教育・指導というのは、
大きくジャンルが外れて、よろしくない。

本業を全うしながら、
ボランティアの活動をする。
報酬の伴わない仕事をする。

第二の、社会的活動を一言で言えば、
[自分のためではないこと]。
労働組合や商店街、業界の「組合」と名のつくところの役員は、
結局、自分のためであるから、本業の一部と考えたほうがいい。

人それぞれが、
自分なりのボランティアを見つけ出し、
それに力を傾ける。
時間を費やす。

これが、人間の生き方である。

ユリウス・カエサルやアウグストスといったローマ人たちは、
この面での達人であった。
“ノブレス・オブリージュ”
といった。
この二つの社会貢献で、
ローマ社会が形成され、維持されていた。

イオン岡田卓也名誉会長は、会社が小さなときから、
風樹会という奨学金制度を設けていた。
いま、「木を植えています」という活動を、
イオン環境財団を通じて、大きく展開している。

イエローハット相談役の鍵山秀三郎さんは、掃除をする。
それが「日本を美しくする会」となって、
ボランティアの輪が広がっている。

会社が大きくなったら、
利益がたくさん出るようになったら、
ボランティアしよう。
これでは、会社も大きくならないし、
利益も十分には出てこない。
不思議なことだ。

私自身、翻って考えてみても、
仕事が多忙を極めて、
ボランティアをおろそかにすると、
途端に、仕事はうまくいかなくなる。

私は、地域の子供たちのためになることを、
私の社会貢献として、やってきた。
今も、続けている。

ここで大事な法則がある。

第1の社会貢献では、
「小さな経費で大きな収益」
が上がることを目指す。
すなわち生産性を高めることを目標とする。

第2の社会貢献は、
「大きな努力で小さな成果」
に満足する。
大きな努力で、成果がないことをすら、する。
もちろん、無駄なことをせよ、というのではないが。

鍵山さんあたりになると、
本業もボランティアも変わらなくなるらしい。

この境地には、なかなか達することが出来ない。

最後に、念のためにお断り。
自分のための宗教活動はこれには、含まれない。
しかし、宗教活動を通じた社会貢献は、これに含まれるであろう。

倉本長治主幹は無宗教であった。
私も、無宗教である。

しかし、宗教の大切さは知っているし、
それを認めている。

この立脚点は、共通している。

ここから先は、「マックスウェーバーの研究」とともに、
いずれ深く考察し、展開しなければならないと思っている。

<結城義晴>

2007年9月17日(月曜日)


倉本長治
“Everybody Good Monday!”

9月、第3週の月曜日。
しかし、今日は「敬老の日」
一般のお客さんは、祭日。

お店は、3連休の書き入れ時。
サラリーマンはお休み。

サラリーマンでも、
小売業のサラリーマンは、繁忙期。

そのサラリーマンには、
すべての人間に、上司が存在する。

ピーター・ドラッカーは言う。

「上司をマネジメントするにはコツがある。
1年に一度は、上司の役に立っていることは何か、
邪魔になっていることは何か、
それを聞くことだ。
あなたの仕事は、
上司が、それぞれのやり方によって、
成果を挙げられるようにすることである」

<『経営者の条件』より>

さて、お約束どおり倉本長治『商売十訓』第七訓。

七 店の発展を社会の幸福と信ぜよ

これは、極めて、優れたパラドックスだ。
一般の経営セミナーや経営コンサルタントが教えるのは、
店の成功法である。
仕事のサクセスストーリーである。

どうしたらうまくいくのか。
どうしたら成功するのか。

しかし、『商売十訓』はそれには沈黙。

沈黙というより、暗黙のうちに、
第六訓までを実践せよ、と教える。

すなわち、
一 損得より先きに善悪を考えよう
二 創意を尊びつつ良い事は真似ろ
三 お客に有利な商いを毎日続けよ
四 愛と真実で適正利潤を確保せよ
五 欠損は社会の為にも不善と悟れ
六 お互いに知恵と力を合せて働け

知ったことは、やったこととは、違う。
知識を得たら、実践せよ。
そのために知恵を出せ。

こう『商売十訓』は教える。

一から六までを、実行せよ。
ならば発展は実現する。
成功は保障される。

だから、自らの発展を、社会の幸福と信じなさい。

社会の幸福と信じながら、
一から六までに邁進するから、
店はますます発展し、
仕事はますます成功する。

突然、ムーディ勝山に歌わせたい歌のように思えてきた。

「ちゃらちゃんちゃんちゃちゃんちゃん。
ちゃらちゃんちゃんちゃちゃんちゃん。
一から、六まで、実践しなさい。
そしたら、七が、実現します」

『商売十訓』は、
ムーディ勝山の歌のように、
中部銀次郎さんのゴルフ理論のように、
身も蓋もない話なのだ。

だからこそ、逆に、擦り切れることがない。
繰り返し、繰り返し、唱えられ、
繰り返し、繰り返し、伝承していくものなのだ。

ご存知サム・ウォルトンの“サムのテン・ルール”の第6番目に、
“Celebrate your success.”
という言葉がある。
いかにもアメリカ人的である。

私は、訳して使っている。
「自分たちの成功を祝福・賛美せよ」

『商売十訓』の第七番目の、
「店の発展を社会の幸福と信ぜよ」
にどこか通ずるものがある。
こちらはいかにも日本人的である。

自分たちの「敬老の日」の仕事の成功を、
「社会の幸福」と信じて。
上司と部下が、知恵と力を合わせて。

いざ、1週間のスタート。

<結城義晴>

2007年9月15日(土曜日)


岡谷さんからの贈り物
岡谷勇男先輩から、黄色のランが届いた。
「スイート・シュガー」

「流通業界への熱き思い、そのための商業界経営。
貴殿の思想と行動に大きな期待を寄せていた小生にとって、
一つの時代の終焉という感じです」

身に余るご評価、感謝。

「永い間、本当にご苦労様でした」

再び、感謝。

熱き思いと思想、行動は、もちろん、変わりません。
「心は燃やせ、頭は冷やせ!」
これが私自身の、今年の、標語なのですから。

さて、お約束どおり、『商売十訓』【後編】へ。

第一訓から第五訓までは、経営に関する哲学と原則。
経営者が、企業と店に貫徹させるべき概念。
従業員が、仕事と行動に貫くべき考え方。

①“プリンシプル”  損得より先きに善悪を考えよう
②“イノベーション” 創意を尊びつつ良い事は真似ろ
③“マーケティング” お客に有利な商いを毎日続けよ
④“プロフィット”  愛と真実で適正利潤を確保せよ
⑤“コスト”     欠損は社会の為にも不善と悟れ

第六訓で折り返しだが、ここで事態は一変する。

六 お互いに知恵と力を合せて働け

いきなり、みんなに呼びかける。

おーい、
みんなーっ、
互いに知恵とだなー、
力をなー、
合わせて働けよーっ。

こんな感じ。

私は、この六訓、大好きだ。

“チームワーク”だからである

私は、編集長時代から、自分の編集部を、
「チーム」と呼んだ。

チームには、
全体の機能の中で、
それぞれに役割分担がある。

分業である。

チームメイトは、
自分の役割に即して、
役目を果たす。

それが仕事である。

知恵ある者は、知恵を。
力ある者は、力を。

この第六訓があるから、
『商売十訓』には全体に、
優しさがあふれてくる。

しかし、最後に「働け」がある。
「働かざる者、食うべからず」
「働け」には、厳しさもなければならない。
厳しい労働のあとに、本当の喜びがやってくる。

だから私は、“チームワーク”が大好きだ。

小売業、商業、ホスピタリティビジネスは、
「人海戦術」のなりわいである。
「人間産業」である。

だから、『商売十訓』折り返しの第六訓
「お互いに知恵を力を合わせて働け」
は、折り返しの重要さを担う教訓なのだ。

自分でも書いているように、
今回から突然、「朝令暮改」。

『商売十訓』【後編】は、
懇切丁寧に、一つずつ解説され、
数夜物語となる。

商業界の先輩・岡谷さんからの贈り物の影響もあり。
悪しからず。

しかし、乞う、ご期待。

<結城義晴>

2007年9月14日(金曜日)


しなの女性同友会2
9月13日、早朝の大阪を発って、
東京周りで、長野へ。

駅には薄いブルーのスーツ姿の楚々とした女性。
本日の事務局、酢屋亀本店・土屋芳子さん。

快晴の空、澄み切った空気の、善光寺の町に降り立つ。

商業界南と北のしなの女性同友会の合同例会。
メルパルク長野。
北しなの女性同友会会長・太田和さん【写真左】。
南しなの女性同友会会長・小椋シガ子さん【写真右】。
し
お二人を始めとする皆さんに、温かく迎えられて、
私、感激。
講演にも、丁寧さが増し、熱が入る。

演題は、
『商売十訓』と「自ら、変われ」。

いい機会だから、
『商売十訓』に関して、
掻い摘んで、解説。

昭和30年代の初めに、
商業界創業者の倉本長治が提唱した十の言葉。

50年間にわたって、全国の商業者の道を正した十の教訓。

14文字の言葉がちょうど10編。
だから全部で140文字。

一 損得より先きに善悪を考えよう

まさしく、商売とビジネスの原点。
どんなときにも、何があっても、
絶対に崩してはならない大原則。
これを破るならば、仕事をしないほうがいい。
会社や店は畳んだほうがいい。
ルールを守る、法律を遵守する。
そういったことではない。
規則や法体系の前に、厳然と存在する仕事の大前提。
そんな不変の原理が、『商売十訓』のトップに来る。
私は、この第一訓を、
英語で“プリンシプル”と名づけた。

二 創意を尊びつつ良いことは真似ろ

不変の原理が、掲げられたら、
次に来るのは、当然、変化である。
変革、革新の原理である。
それが、これだ。
「真似る」、すなわち模倣⇒イミテーション。
「創意を尊ぶ」、すなわち創造⇒クリエーション。
人間は、クリエイティブなものを過大に評価したがる。
創造は人間に与えられた、素晴らしい能力である。
けれど、模倣は、仕事を成し遂げていくときの、
不可欠の行為である。
私たちは、模倣を過度に恥じることはないし、
創造だけをいたずらに尊ぶこともない。
イミテーションとクリエーションを繰り返し、積み重ねる。
それが“イノベーション”となる。

三 お客に有利な商いを毎日続けよ

3番目に大事なことは、商売そのもの。
すなわち営業の心得である。
それが、「毎日」⇒エブリデー。
「店は客のためにある」。
顧客第一主義。
カスタマー・オリエンテッド。
私は、ここでいう「お客」は、
私の店の特定の常連顧客であると考える。
店に対する信奉顧客であると思う。
これ、“マーケティング”の真髄を表す。
ウォルマートのエブリデー・ロープライスに貫通している。

四 愛と真実で適正利潤を確保せよ

ビジネスや商売は、利益を生み出さねばならない。
しかし、仕事の目的が利益ではない。
利益は、むしろ手段である。
”プロフィット”はあくまで適正でなければならない。
愛より生まれた利潤。
真実に基づいた利益。
だから、必然的に適正となる。
自然、必然、当然となる。

五 欠損は社会のためにも不全と悟れ

4番目と対になっているのが、これだ。
鏡のようになっている、と考えてもいい。
適正の利潤を上げ続けていれば、
欠損は生じないはずだからである。
商売やビジネスでは、欠損を出してはならない。
しかし万一、欠損が出てしまった場合にも、
速やかに欠損の状態から脱しなければならない。
社会のために不善なのであるから、
まず、欠損を隠してはならない。
常に公明正大でなければならない。
隠さないから、速やかに解消する軌道に乗ることが出来る。
どんな企業も、どんな店も、
過ちを犯すし、失敗はある。
そこから脱するときに、真価が問われる。
本当の力が発揮されるのである。

『商売十訓』はきわめて重要。
だから、明日まで続けよう。

折り返し点の第五訓まで、
よく噛み締めてほしい。
私も、噛み締めよう。
明日まで。

<結城義晴>

【写真は、懇親会の後の北しなの女性同友会の面々とのスナップ】


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