結城義晴のBlog [毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年3月1日(木曜日)


今日から3月。

「2月は逃げる」で終わり、
「3月は去る」の弥生三月の始まり。

昨日で2011年度を終了し、
今日から2012年度がスタートする会社も多い。

東京スカイツリーは、
昨日、完成した。
634メートル。
中国の広州タワーが600メートルで、
それを抜いて世界最高のタワー。

インターネット上では、
「あらたにす」サイトが、
昨日で修了。

朝日新聞、日本経済新聞、読売新聞、
3紙の読み比べが売り物。

私も「メニュー・バー」に入れて愛読していただけに、
ほんとうに惜しい気がする。

新聞そのものの長所は、
一覧性にあると思う。
その一覧性を特徴とする新聞三大紙を、
さらに一覧できるサイト。

趣旨とコンセプトは良かったが、
広告がとれず、採算に乗らなかった。
コンテンツのイノベーションもなかった。

背景には新聞そのものの後退がある。

私自身「あらたにす」を愛用、愛読していただけに、
まことに残念。

インターネットなら何でも伸びる。
IT関連には将来性がある。

そんなことはない。

「あらたにす」の2月29日打ち切りが、
それを示している。

2012年3月現在で、
IT戦略事業部などといった名称の部署があるとしたら、
それは時代遅れも甚だしい。

さて3月。
今年の3月の山は三つ。

第1が3月3日のひな祭り。

ひな祭りの桃の節句は通常、
祭日ではないが、今年は土曜日。
そして3月第1週はひな祭りで春の到来を愛でる。

そしてひな祭りを過ぎると、
3月11日の東日本大震災から丸1年。

亡くなられた人々、2月29日現在、
警察庁のまとめで1万5854人、
そして行方不明者3276人。
心からご冥福を祈りたい。

さらに仮設などで避難生活を送る人、
いまだ32万人。

一刻も早く、
この人たちの日常を取り戻したい。

そしてフクシマ原発の放射線に畏れる人々、
数知れず。

国力をあげて、
この難題に取り組みたい。

各地で慰霊の催しがあるとともに、
復興から振興を目指して、
日本人すべてが気持ちを新たにする。

そして第3が、
3月20日の春分の日。
今年は火曜日。

春分の日は祝日法で、
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日とされる。

そしてこの春分の日をはさむ前後7日間が彼岸。
17日の土曜日が彼岸の入り、
23日の金曜日が彼岸の明け。

彼岸とは、「煩悩を脱した悟りの境地のこと」で、
この考え方からすると、
3月11日から3月23日までは、
日本人にとっては、
精神的な日々となる。

心にとどめて、
この1カ月を過ごしたい。

さて今年3月の商人舎標語。
再びみたびよたび、
「ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ」

さて昨日は、午前中に会議をこなし、
午後一番で、雪の舞う東京から京都へ。

亀岡市に本部をおく㈱マツモト
その京都市内の店舗を見て回った。
前日、急きょ、ご連絡したにもかかわらず、
松本隆文社長、松本健司専務のお二人が、
案内役を務めてくださった。

松本社長は、商人舎USA視察研修会第8回の団長。
見事に団員をまとめて、研修成果の最大化を果たしてくださった。

現在、マツモトは、亀岡市、京都市をドミナントとして、
18店を展開する典型的なローカル・スーパーマーケット・チェーン。
ある意味で日本を代表する地方小売企業といってよい。

2011年2月期年商433億円。
1店当たり平均24億円という凄い会社。

亀岡市の中核地域や京都市周辺には、
年商40億円に達する店舗もある。

はじめに京都駅から南下したマツモト洛南店。
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マツモトキヨシとしまむらが敷地内にある近隣型ショッピングセンター。
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売り場面積856坪、駐車台数496台。
マツモトの中では最大店舗。

入り口を入るとすぐに、
季節の果物が低い目線で平積みされている。
奥に行くに従い、陳列線が高くなる。
これ、マツモトの特徴。
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「お客様をお出迎えする」という姿勢。

京都の市場的な雰囲気が醸し出されるし、
特に高齢者はとりやすい売場。
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私はこの売り方に感心した。

その右手には季節のプロモーションスペース。
いまはひな祭り。
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青果部門がマツモトの強みのひとつ。
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冷蔵ケースも陳列線と顧客目線が低く設定されている。
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主通路沿いの「魚屋さんの寿司」。
ほんとうのお買い得品が並ぶ。
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しかもそれが買いやすい価格で設定されている。

精肉売り場では丹波和牛が大々的に展開されている。
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奥主通路。
よく管理された定番売り場の中に、
的確に配置された島陳列。
価格設定も、その表示も、
極めてオーソドックス。
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日配品には京都特産の品が積極展開されている。
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そして店舗右翼主通路。
惣菜の大展開。
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惣菜は最良のベーシックが成し遂げられていた。
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エンド売場も単品ごとの陳列量は多い。
価格設定も的確。
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ソフトドリンクも冷蔵ケースで単品量販。
もちろんケース販売の売り場もある。
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店舗中央を走る冷凍食品売り場は、
この日、4割引きが展開されていた。
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単品量販のスーパーマーケットの原則が貫徹されている。

ビールはケース販売も積極展開。
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バックヤードはきちんと整理されている。
これで年商40億円をはじき出す。
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バックヤードは関西スーパー方式で、
「じゃんじゃん売れても品切れしない」システムが完備されている。
この生鮮食品のバックヤードがマツモトの原動力。
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バックヤードの休憩室に掲示された洛南店のコンセプト。
見えないところで、自分たちの役割と使命をしっかり確認する。
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このintegrityがマツモトの最大の特徴かもしれない。

同じく休憩室に掲げられた社是。
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松本社長と、私の隣は田中正毅副店長、
そしてレジ運営責任者のにしざわさん。
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次に訪れたのは、京都に隣接する向日市にあるマツモト向日店。
売り場面積707坪、駐車台数350台。
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出迎えてくれたのは、
大迫正美店長(左)となからいチーフ。
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この店は地域になじんで、よく売れている。
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マツモトの店は、
1店ごとに地域の特徴を壁面に表す。
菅原道真と五重塔が表されている。
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この考え方は、図らずも、
アメリカのトレーダー・ジョーと全く同じ。

3月1日増床オープンのマツモト大野原店。
傾斜に立つ変則立地をよく生かした店舗。

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元(株)関西スーパーマーケット最高顧問で、
オール日本スーパーマーケット協会名誉顧問水谷久三さんの由緒ある設計。

この日は、翌日のリニューアル・オープンを控え、
店内は活気にあふれていた。
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ひな祭りの腰だれをパートさんたちが作業する。
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青果は常温の商品だけ並べられていた。
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openのサインが並ぶエンドは完成している。
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こちらでは、ショッピングバッグの拭き掃除。
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松本社長と私でみなさんを激励。
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大内孝志店長を握手で激励。
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87歳の松本定市会長もご登場。

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久々にお会いし、
元気な姿を拝見して、
うれしくなった。

マツモト経営幹部の皆さん勢揃い。
松本社長の右隣は、松本健司専務、
その隣は店舗運営担当の松本幸男常務、
右端が執行役員商品部長の藤原康明さん。
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そして、オープンを控えた大野原店の皆さんと揃って元気よく写真。
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最後は、マツモト西小路御池店。
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この店の特徴は大文字焼きと金閣寺。
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視察を終えて、この夜は「木之婦」で京料理を堪能。
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本当においしかった。
なにより、松本隆文社長、健司専務との会話を楽しんだ。
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私はローカル・スーパーマーケット・チェーンの生き残り方を考える。
マツモトはその典型であり、代表である。

日本は世界でもまれな地方スーパーマーケットが発達した国だ。
しかしローカルチェーンがナショナルチェーンの真似をしたり、
地方企業としての真摯さを失うと、
規模の論理の中に巻き込まれて、行き詰る。

かといって、単品量販の原則を逸脱すると、
スーパーマーケットの論理から外れる。
マツモトはそこに不思議なバランスを見出している。

京都府下の地方小売業として、
自分のポジショニングを確立し、
地域の生活を支え、地域の特徴を出しつつ、
ひたむきに顧客満足を創り出す。

スーパーマーケットとしてのオーソドックスな考え方を貫きつつ、
戦術レベルで繊細な対応を忘れない。

松本定市会長の理念と思想がベースにあり、
松本隆文社長、健司専務の猛勉強が重なって、
オーソドックスながらユニークな店づくりとなった。

自分のお客様にとって「どこよりも買いやすい店」。
「この地区になくてはならない店」。
「エブリボディ&エブリデー・スーパーマーケット」
私は久しぶりに、こんな感慨を抱いた。

それにしても松本定市さんにお会いできて、
嬉しかった。

<結城義晴>

2011年8月10日(水曜日)


昨晩から、体調悪し。
久しぶりのこと。
溜まっている仕事もできず、
ブログの公開も遅れた。

菅直人首相があらためて、
退陣を表明。
「すみやかに次の段階に移る準備に入らなければならない」
「新しい代表が決まれば私自身が
内閣総理大臣として身を処すことが当然必要になる」

なんというか、
すっきりした。

一度辞めると言った社長が会社に残っていても、
何の力もないし、仕事に対して何の効力も発揮しない。

菅首相に関しては時間を浪費した感じもあるが、
秋から国民一丸となって、
震災後の難局に本腰を入れたい。

さて、亀田メディカルセンター。
医療をホスピタリティのレベルまで引き上げる志をもつ。

千葉県房総半島の外房にある。
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隣は有名な鴨川シーワールド。
あちらはアミューズメントパークで、
こちらは医療機関。

しかしすごい人気で、東京駅および浜松町駅に、
入り口前から高速リムジンバスが直行している。
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まず外来診療の亀田クリニック。
ロビーはホテルのようだ。
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亀田クリニックは、独立型の外来専用施設。
外来専用専門スタッフや診療設備を用意する。

従来、入院を必要としていた医療を、
外来で行えるメリットを生み出した。

東京など県外からの患者は7%。
地域総合医療サービスを標榜しているから、
この外来診療は重要な機能。

6階建て、総床面積約2万2000㎡で、
31の全科、診察室約100室を有する総合病院。
2階が内科、4階が外科。
そしてその間の3階が、各種検査のフロア。
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こうすると、内科でも外科でも、
検査を伴うことが多いから、
一つだけフロアを移動すれば検査できる。

さらに1階に眼科が配置されているのは、
眼圧検査など瞳孔を開いたりした場合、
階段を上り下りする必要もないし、
エレベーターやエスカレーターを使う負担もない。
私も定期的に眼圧を検査しているから、
患者への配慮がよくわかる。

さらに薬局の渡し口が同じ建物内にある。
ロビーからも自分の番があと何分かがわかるように、
モニター掲示されている。
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これもとても便利。
多数の薬剤師が、分業システムで、
整然と仕事していて気持ちいい。

良くできた小売業や外食産業のバックヤードのようだ。

亀田クリニックの医療サービスをひとことで表現したのが、
「帰りは笑顔で」という言葉。

次に急性期医療の亀田総合病院及び入院棟。

千葉県南部の基幹病院。
優れた人材、高精度機器を導入・ 駆使し、
集中治療部門(ICU、CCU、ECU、 NCU、NICU)を整備。
診療部門も含めた医療サービス全般にISO9001の認証を受け、
病院機能評価機構(一般病院種別B)の認定も受けている。

さらに1995年から、世界で初めて、
電子カルテシステムの本格運用を開始し、
20年間、一切、紙は使われていない。

医療において徹底した情報活用を推進。

こちらはKタワーという13階建てのビルを中心に、
A棟、B棟、C棟、救命救急センター棟などで構成される。
こちらのロビーもホテルのよう。
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入院案内の受付もホテルフロント仕様。
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ロビーの横にコンシェルジュのコーナー。
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ここで亀田メディカルセンターのすべての相談を受け付ける。

コンシェルジュの首から下げられたスローガン。
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Always Say YES!

Kタワーのフロア構成。
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1階に様々な機能があり、
2階は手術センター。
年間に8000回の手術が行われる。

3階は総合周産期母子医療センター。

4階・5回は女性専用フロア、
6階から11階が一般病床、
そして12階がエグゼクティブフロア。
13階はレストランフロア。
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面会カードは2種類ある。
サポーター・タイプとビジター・タイプ。
カードはコンシェルジュやインフォメーションセンターでもらえる。

とりわけサポーター・カードには、
ICチップが搭載されていて、
24時間体制で入退室が可能となっている。

女性フロアはピンク色の基調で落ち着いている。
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3階の周産期センターの病室。
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この部屋で出産し、そのまま短期入院する。

様々な機器は扉のなかにしまわれていて、
外からは見えない。
できるだけ日常生活の感覚を保つため。
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扉を開けると機器が出てくる。
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シャワールームも、
ビジネスホテルの水準を維持している。
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もちろん洗面所、トイレも。
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部屋の入口に個人名はない。
個人情報とプライバシーの尊重。
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ベッドサイドには2002年から、
モニターがしつらえられた。
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患者への情報提供のためだ。
患者は自らカルテを見ることができる。
それ以外にもタッチパネル方式で、
買い物代行、食事確認、見舞客の食事注文メニューなど、
14種類の機能を持つ。

個室のソファーは、
伸ばすとベッドになる。
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いつでも介護者が泊まったり、休んだりできる。

3階の周産期母子医療センターの新生児集中治療室。
未熟児・新生児専用の集中治療室。
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治療中の自分の赤ちゃんを見ることができるモニターシステムもある。

1階にはタリーズが入っている。
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病院というと消毒液のにおいが強いが、
コーヒーショップが入っていると、
その香りがして、日常を感じさせる。

1階には「患者さま情報プラザ・プラタナス」がある。
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患者は自分の病気を自分で知り、学ぶことができる。
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プラタナスには看護師が常駐し、
パソコンに入った自分のカルテを一緒に見て、
相談に乗ってくれる。
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プラタナスの隣にショップ。
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特に女性入院者は買い物がしたいという。
そのニーズにこたえるために、充実した品ぞろえ。

1階にはフラワーショップも入店している。
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13階のレストランフロア。
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エレベーターをあがると中庭があって、
オーシャンビューを楽しめる。
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窓の外は太平洋。
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レストランは、入院患者が来客をもてなせるような快適なレベル。
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右側はオーシャンビューを楽しめるカウンター席。

奥に入ると、一流レストラン仕様。
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立教大学大学院結城ゼミは、
予約して個室をとってもらった。
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個室からも見事なオーシャンビュー。
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亀田メディカルセンター視察組で写真。
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亀楽亭と名付けられたレストランは直営。

メニューも豊富で、
すべての料理にカロリー表示がある。
しかし味に手は抜かれていない。

海鮮丼。
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器も凝りに凝っている。

スパゲティミートソース。
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このフロアにはケーキショップがある。
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そしてラウンジ。
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ラウンジの一角には、
ちょっと前までバーがあった。
ピアノの生演奏があり、
営業時間はなんと午前4時までだった。
しかし一部患者のたまり場になったり、
客数が少なかったりで、
現在は閉鎖。

しかし亀田病院の「患者さま」満足追求のエピソードとして、
面白い。

そしてこの話のハイライト。

レストランとは仕切られて、
別のエレベーターでしか上がれないが、
13階にはもう一つのスペースがある。
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シックな通路。
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そして霊安室。
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通常の病院は、
霊安室を地下に持ってくることが多い。
その代り最上階には院長室があったりする。

しかし亀田メディカルセンターの場合、
天国に一番近い最上13階に霊安室が3室ある。

一番奥の広い部屋。
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オーシャンビューの前に櫃台。
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医療の成果物は「死」である。
だから亀田はプロセスを大切にする。
最後のプロセスがこの霊安室。
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この病院で亡くなったご遺体はみな、
このオーシャンビューの霊安室に安置される。
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医療機関として最新の機能を有する亀田メディカルセンター。
その医療サービス機関が、
ホスピタリティのマインドを、
隅々まで定着させようとしている。

看護スタッフご意見箱。
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隅々までいきわたらせるために、
マネジメント・システムの工夫に挑戦し続ける。

さらに将来投資も着々と進む。
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A棟の新設が進む。

ご案内くださった島原さんと写真。
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そして結城ゼミの面々の満足顔。
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医療機関としてのマーケティングとイノベーション。
亀田メディカルセンターの試みは、
すべてのビジネスを元気づけてくれる。

医療機関は儲けようと思えば、
いくらでも儲かる。

しかしそれよりも大切なことがある。

「イノベーションとは、
つまるところ、
社会の変革である」

ピーター・ドラッカー先生の言葉が響いてくる。

ありがとう。

<結城義晴>

2011年8月9日(火曜日)


「世界的な株安、止まらず」
今朝の全紙の一面トップ。

アメリカ・ヨーロッパのデフォルト問題に端を発した株安。
私など株式市場中心の経済を何とかすべきだと考えてしまう。

今朝の日経新聞『大機小機』。
「大学を人材育成の場とせよ」
コラムニストの癸亥氏が、
何とも当たり前のタイトルで書いている。

今更、大学を「人材育成の場にせよ」とは?

大学が「人材育成の場」ではないから、
こんなことがタイトルになる。

「日本はこの20年間、まったく成長していない」
癸亥氏、ひどく悲観的。

「日本が誇れる資源は、
水と森と海洋であり、
人材である」

「しかし、その人材もこのままでは劣化する」

「大学の4年間は多くの文系の学生にとって遊びでしかない」
「このため、実社会に出て役に立つ基礎能力が身につかない」

「現在、大学は半期で1講義あたり、
15回の授業を要請されている。
しかし、学生は授業を欠席するか、
出席しても勉強しない」

私も立教大学大学院で、
15回×2時限(3時間)を前期の単位として教授している。
そして私の院生はめったなことで欠席しない。

「片方でそんな学生に授業アンケートを実施し、
その回答結果が重視される」
これは教員にとって、辛い。
「本来の大学教育とは、学生の潜在的能力に磨きをかけ、
幅広い知識と専門能力を習得させることにある」

では、どうすれば現状を打破できるのか。

「大学入試を基本的な知識と潜在的な能力だけを測るものとし、
門戸を広げる」

「その代わり、入学後の進級要件を厳格にする」

よく言われるアメリカ方式。

「学力が講義で要求される水準に達しなければ、
決して単位を与えない」

「教員の充実とより多くの予算が必要」とまとめる。
大いに賛成。

しかし、そんな現状でも、
しっかり学んで卒業してくる学生はいる。

彼らをこそ、信じたい、生かしたい。

さて昨日は、
立教ビジネスデザイン科・結城ゼミ夏合宿の三日目。
午前中、各自、自習して、昼前にまとめ。

それから鴨川の亀田メディカルセンターを訪問、見学。
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感動した。

ホスピタリティにあふれた総合医療サービス機関として超有名。
しかしアメリカで一般的なIHNの考えを採用した医療機関である。
Integrated Healthcare Network。
南房総地域の医療充実をめざし、
多様なネットワークサービスを展開する。

その根本にあるのが、
「患者さま」と呼ぶ姿勢。

2005年に誕生したカスタマー・リレーション部が、
この考え方を先導する。

亀田メディカルセンターは主に3つの機関で成り立つ。
急性期医療の亀田総合病院。
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外来診療の亀田クリニック。
そして亜急性期医療の亀田リハビリテーション病院。
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ここには全31科と100の診療室があり、
総ベッド数は1000床、医者400人、
看護師など職員を入れると総勢約3000人。

すべての機関が「患者さま」と呼び、
「カスタマー」ととらえる。

敷地内には、亀田医療技術専門学校もある。
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立体駐車場があり、
月曜日なのに満車状態。
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私たちは、カスタマー・リレーション部の山田剛士さんから、
40分ほどレクチャーを受け、質疑応答をしてもらい、
さらにメディカルセンター内のツアーをしてもらった。
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医学は一人でできるが、
医療サービスは患者や地域との協働によってしかできない。

商品が顧客との協働によって販売されるのと同じ。

「医療の最終成果物」は何かと考えると、
それは「死」である。

だから亀田メディカルセンターは、
プロセスを重視しようと考えた。
したがってISO9001をとっている。

例えば、亀田は「個室病棟」にこだわる。

現代社会において、個室でないのは、
病院と刑務所だけといってよい。

いまやビジネスホテルでも、相部屋はない。
ところがサラリーマンも、
病院に入院すると相部屋で、
カーテン一枚で仕切られた空間で我慢させられる。

亀田は考えた。
病院だからこそ安らげる環境づくりが必要だ。
一番安らげるのは、
会いたいときに会いたい人と会えること。
医療にはこれが必要だった。

「リゾートは非日常、しかし病院は日常」
だから「安価な個室ビジネスホテル」並みの環境を整え、
価格を提案する。

「まず当たり前のことを当たり前にやろう」という発想が、
亀田メディカルセンターにはある。

しかしこれは医療業界から見ると、
非常識そのものだった。

地域医療ネットワークの質を上げるには、
顧客は内部の先生、業者、
さらに製薬メーカーや医療機器メーカーと考える。
彼らと地域医療連携の構築をめざし、
患者を中心に連携する。

病院長直轄・3人の専従でスタートしたカスタマーリレーション部には、
3つの使命があるが、その第一が、
「患者様満足向上にサービス業務を通じ貢献する」

もう、ホスピタリティ産業そのもののコンセプト。

私は山田さんの話を聞いているだけで、
心から嬉しくなってしまった。

いつも商売の話をしていることと全く同じ。

巣鴨信用金庫の田中実さんと同じ、
トレーダー・ジョーの店長たちと同じ、
ウェグマンズCEOのダニー・ウェグマンと同じ、
ナゲット・マーケットのフロントエンドマネジャーと同じ、
ウォルマートのマーカス店長と同じ・・・・・・。

そして医療サービスの世界だけに、
この領域特有の障害があったし、
イノベーションがあった。

それは細かな改善・改革の継続であった。
「イノベーションは、つまるところ、
経済や社会を変えなければならない」

ピーター・ドラッカーの言葉が、
私の胸をいっぱいにしていた。
(つつきます)

<結城義晴>

2008年12月23日(火曜日)


天皇誕生日の祭日。

現実は、クリスマス休暇の感強し。

不思議だが、それが日本人。
それが人間。

その天皇誕生日の今日の朝刊一面トップは、
朝日・日経・読売ともに、
「トヨタの通期連結赤字見込み」の記事。
1兆円の経常利益を出していた世界最高の自動車会社。
それが赤字の現状。

しかし朝日新聞だけが、「社長交代」を告げた。
来年4月に、創業家の豊田章男さんの昇格。

天皇誕生日の発表であるから、
これは朝日新聞流の、
「血」に対する皮肉か。

しかし1500億円の赤字を背負って社長に就任する章男さん。
トヨタの実質的な創業者となる故豊田喜一郎氏の孫に当たる。

朝日新聞は「大政奉還」と書くが、
明治維新のそれのように、
「大変な時代」であることを象徴している。

そして、トヨタのDNAの重さ、貴重さを、
章男さんを中心に問い直してゆくのだろうが、
それが時代錯誤に陥らないのか。

トヨタにとって、日本にとって、
試練の時であるとともに、
その行く末を見守りつつ、
「血」と「DNA」の社会的効用の是非を、
考え直していかねばならない。

さて、先週の土曜日、東京池袋の立教大学キャンパス。
大学院ビジネスデザイン科の私の講義にゲスト講師を迎えた。
巣鴨信用金庫常務理事の田中実さん。
田中常務
「巣鴨信用金庫のCS・ESとホスピタリティへの取り組み」
このタイトルで、講義していただいた。
約1時間30分。
その後、質疑応答で3時間。

素晴らしい内容。

巣鴨信用金庫は、
東京都北部と埼玉県南部を営業地域にする信用金庫。
店舗数は、43店。
総資産1兆5200億円、
預金残高1兆4212億円。
自己資本比率10.71%。

金融業界では、預金残高と自己資本比率で、
経営状態を図る。

小売業でいえば、巣鴨信用金庫は、
優良なローカルチェーンということになる。

しかも、合併の経験なしに、
全国の信用金庫279行のうちの15位。
M&Aなしに1兆円を超える預金残高となった。

店舗数43は、1兆4212億円の預金残高金融機関としては、

「狭域高密度」。
田中常務2
これ、田中常務の言葉だが、
「ドミナント・エリア主義」であり、
「範囲の経済」の中で、
「クリティカル・マスを達成」した金融機関と、
私流の言い方になる。

その巣鴨信用金庫が、
「金融機関」から「金融サービス業」へ、
体質の変換を遂げて、
さらに「金融ホスピタリティ業」へ踏み出している。

モットーは「喜ばれることに喜びを」。
お客様を起点とした「非効率なサービス」の拡充。

ローカルチェーン、インディペンデントの生き方そのものだ。

会社や金庫や店からすると「非効率のサービス」。
「非効率の徹底」とそれを財務的に支える「効率の徹底」
オクシモロンのテーマへの挑戦。

「金融機関にとって面倒なことは、
裏を返せば、お客様にとっては、
楽なこと、便利なことに通じる」

「非効率を切り捨てるのではなく、
あえて手間のかかる非効率に着目し、
そこにヒントを求めて活動すれば、
お客様の期待に応えられる」

これが巣鴨信用金庫の基本的な考え方。

1997年、田村和久さんが40歳にして理事長に就任し、
田中常務をはじめとする信用金庫のプロたちと、
「非効率サービス」の充実に努めてきた。

「利益は後からついてくる」
これも、スローガン。

・住宅ローンキャッシュバックサービス
・サービスデスク・アフター3
・融資スピード回答3日5日
・出前バンキング
・ATM365日稼動入出金手数料0
・年金孫の手サービス
・ビジネスサービスデスク
新サービス・新商品を矢継ぎ早に打ち出した。

そのために職員の意識改革と人材の育成にまい進した。

ただし非効率を支えるために、徹底したことがある。
・バックヤードの集中化
・業務の選択と集中
・店舗のグループ化

そのために顧客満足と従業員満足を両立させる。
価値観の共有を図る。

2004年9月の『日経ビジネス』誌。
私も覚えているが、「企業の採用活動満足度」を調べた。
そこで巣鴨信用金庫は、第1位に輝いた。
第2位が、日本マクドナルド、
第3位が、東京ガス。

私の「ホスピタリティ理論」をご存知の方には、
すぐにお分かりいただけるだろうが、
巣鴨信用金庫には、
アメリカの働きたい企業ランキングに通ずるものがある。

田中常務は、その理由を最後にまとめた。
「創業の精神 企業文化」
そして「徹底できるか できないか」
「サービスからホスピタリティへ」

巣鴨信用金庫と田中常務に心から感謝。

国の創業の精神と国家の文化を考え直すのが、
天皇誕生日の今日。
トヨタの創業の精神と企業文化を問い直すのが、
新社長になる豊田章男氏の仕事。

しかし、イノベーションなしには、
創業精神も企業文化も、
お題目になってしまう。

イノベーションの徹底。
これこそ、私たち、みんなに求められているものなのだ。

<結城義晴>

2008年1月10日(木曜日)


ウェグマンズ1
昨日のブログで、
ウェグマンズの熱血日本人・吉野邦夫さんを紹介した。
だから今日は、
そのアメリカの代表的なスーパーマーケット
ウェグマンズのプロフィルを、簡潔に。

1916年、ジョン・ウェグマンが、
ロチェスターに青果店をオープンしたところから始まる。
日本でいえば、八百屋出身。
そして、1949年、スーパーマーケットに業態転換。
最初のスーパーマーケット・キングカレンが、
1930年であるから、約20年後の出発。

現CEOダニエル・R・ウェグマンは 創業者の孫で、
三代目。

現在の出店エリアは、
ニューヨーク、ペンシルベニア、ニュージャージー、
バージニア、メリーランドの5州。
72店舗で、年商42億ドル、4830億円(115円換算)。
1店平均にすると、67億円の大繁盛店チェーンストアである。

1986年、プリペアードフード(調理済み食品)を扱う実験店をオープン。
これによってミールソリューションを提供した先駆企業。
さらに、これを進化させ、
「食事の提供」を志向。
1990年半ば、フードサービス部門を強化。
フードサービス部門は週販10万ドル。

試金石となったのはピッツフォード店。
厨房(バックヤード)で店舗すべての調理を行う。
厨房スタッフは100人以上。

すなわちこの間、
調理済み食品提供業から、
「献立を立てる助け、食事を簡単に作るお手伝いをする」に変化。

惣菜提供から、食生活提供に進化。スローガンは
「Helping you make great meals easy」

すばらしい食事を,
簡単につくる,
その手助けをします。

「手助けをする」ために、知識を基盤にした組織づくり。
「すばらしい食事」とは、健康的な食生活提供。
「簡単に」とは、15分以内に準備できること。

年4回、メニュー雑誌を発行、雑誌は上位30%の顧客に発送
店内でお客に調理法を教える「クッキングコーチ」は、
毎週60時間以上、デモンストレーションを行う。

ウェグマンズ2
2001年4月コンシスタント・ロー・プライス戦略を導入。
ウォルマート対策のEDLP戦略。
例えば、コカコーラは毎日89セントで販売。
クリネックスティシュは毎日99セント。

ウォルマートの価格に近づけ、
既存競合店より15%以上の低価格を実現。
サプライチェーンを見直し、
経費を削減することによって、成し遂げた。

『フォーチュン誌』の「最も働きがいのある企業ベスト100社」に、
10年連続でランクイン。
2005年1月、第1位。
2006年第2位、2007年第3位。

ウェグマン社は、カンパニーというよりも、ファミリー。
従業員「Our People」は大家族の重要な一員。
会社は従業員の夢を実現する手助けをするところ。

経営理念は、顧客と従業員に対して
「Everyday You Get Our Best」
わが社は毎日、[最善] を提供します

ダニー・ウェグマンCEOの5つの宣言
  ①Our Peopleを思いやり、Our Peopleの意見を聞く
  ②高い基準はウェグマンズの生き方、
   行動のすべてにおいてエクセレントを追求する
  ③地域社会に良い影響を及ぼす
  ④Our Peopleを尊重する
  ⑤Our Peopleが自分自身の仕事を果たし、
   会社に利益をもたらす判断が出来るように導く

ミールソリューション・カンパニーは、
アワーピープルによって、
つくりあげられ、
進化していく。

ウェグマンズは、
メインストリート・マーチャントである。
すなわち王道の商人たちである。

<結城義晴>

 

2007年9月28日(金曜日)


大失態。

住所間違いのお知らせ。
まことにお恥ずかしいことながら、
最近の、お手紙、レジュメ、名刺等に記した私の住所、
間違っておりました。
すみません。私の住所の中の、数字の部分、
丁目、番地、番号の中の、
番号が違っていました。

1-11-1-302となっていましたが、
正しくは、
1-11-8-302です。

ご訂正のほど、よろしくお願いいたします。

原因は、最初の原稿の誤植です。
それがその後の書類全部に貼り付けられて(ペーストされて)、
使われてしまいました。

たった一人になって、
基本中の基本を怠ってしまいました。
反省しております。
心の余裕、時間の余裕、
失っておりました。
いつも、何かにせかされて、追いまくられて、
そうしていなければ、不安な自分がおりました。

お許しください。
郵便局には、お詫びし、訂正を入れましたので、
皆さん、ご安心ください。

マイクと握手
さて、語調が変わって。
テスコのマイク・ベイフォード氏の講演は続く。
同社オペレーション・ディベロップメント・マネジャー。

講演のあとのインタビューで、
マイクは実は、18カ月前に、
セインズベリーからテスコに転職してきたことが判明。
その前の18年間を、
当時、英国ナンバー1であったセインズベリーに勤め、
キャリアを積んだ。

その老舗セインズベリーと現在の最良企業テスコの違い。
率直に聞いた。
ちょっと考えて、
率直に答えてくれた。

「意思決定の明快さ、早さ」

重要なことです。
最も。

テスコは、現在、主に、4つの店舗フォーマットを展開している。

①テスコ・エクストラ
 ⇒欧州型ハイパーマーケット、46009200
②テスコ・スーパーストア
 ⇒これが中心となるフォーマット、2800
③メトロ
 ⇒都心型の小型スーパーマーケット、1000
④テスコ・エクスプレス
 ⇒コンビニタイプ、200、日本で実験したフォーマット

この4フォーマットを中心に、
イギリス国内シェア30%を超える「クリティカル・マス」を
構築している。

「高級スーパーはつくらないのか」
質問が飛んだ。

私は思った。

例えば、ロンドン中心部のケンジントン店など、
明らかにアッパーグレードの店舗だ。
私は、この店がオープンしたばかりの1996年10月、
偶然にも、パリの食品フェア「シアル」の帰りに訪れたことがある。
「Now Open!」と店頭に掲げられていたが、
新業態の開発といった大仰なデモンストレーションはなかった。
その後、多数の視察者がこの店を訪れた。
しかしテスコのサイドは、地域対応した一店舗というスタンスを崩さない。

そんな店もある。
そのためにテスコは「ファイネスト」というブランドを開発している。
高級感の出る店づくりノウハウも持っている。

一方、サバーバンの超ディスカウント店舗もある。
そのために「バリュー」というバジェットブランドを用意している。
広大な倉庫型店舗づくりの技術もある。

占拠率30%を超えると、
それこそ個店対応、地域対応で店舗展開をせざるを得なくなる。
当然自社内競合も頻発する。

だから、この店は特別に高級スーパーなのですよ、
といった店舗開発はしない。
今度は特別にディスカウント・フォーマットを実験しよう、
とも考えない。

徹底して、その店の商圏内の顧客に対応する。
それがテスコの到達した境地なのだ。

逆に、王者テスコに対抗するアズダは、
自然に、ディスカウントタイプとなる。
やや広めの沃野。
セインズベリーは、
やや、アッパーグレードに追い込まれる。
狭めのマーケット。
それが業績に映し出されている。

人口約5800万人のイギリス。
日本のちょうど半分。
人口も増えてはいない。
アメリカとは大違いの商売環境。

そのイギリスの中で、テスコは、
セインズベリーを追い越して、
「クリティカル・マス」の世界に入っていった。

「意思決定の明快さ、早さ」で。

<まだまだ続く、結城義晴>

2007年9月27日(木曜日)


イギリス第1位の小売業は、
スーパーマーケットである。

総合大型セルフサービス店のハイパーマーケットではないし、
もちろん百貨店でもない。

日本のイオン。
アメリカのウォルマート。
フランスのカルフール。
これらはみな総合店を主体に展開して、
ナンバー1の座を占めているが、
そういった企業ではない。

スーパーマーケットのテスコである。

英国内に1988店、11カ国に1275店。
年間売上高466億ポンド(10兆7000億円)。

英国内のスーパーマーケットの総売上高の、
なんと30.47%の占拠率。
(テイラー・ネルソン・ソフレス調べ)

イギリス第2位のスーパーマーケットがアズダで、
16.6%のシェア。
ウォルマート傘下。
第3位は、老舗のセインズベリーで15.74%。

この3社で、62.88%を占めてしまう。
イギリスは、スーパーマーケット王国なのだ。

テスコは、世界小売業ランキングでは、
ウォルマート、
カルフール、メトロについで、
第4位。

私は、単純に、日本の企業が、
このあたりに顔を出してもいいと思っている。
国際的なチェーンストアというからには、
日本くらいの消費大国のナンバー1企業が、
最低でも5番手くらいにランクされることは、
むしろ当たり前だろう。

mike
そのテスコのマイク・ベイフォード氏の講演会があった。
オペレーション・ディベロップメント・マネジャー。
専門は店舗オペレーションで、
テスコが実施している150のプロジェクトの、
オペレーション改革の責任者である。

「テラオカニューバランスフェア東京」の記念講演で来日し、
貴重な話を聞かせてくれた。
ニューバランスフェアは、寺岡精工が全国で開催しているが、
私はもう20年以上も、このフェアで講演している。

マイクの講演が午前中。
私が午後。

だから10時30分からマイクの講演を聴き、
昼食時にインタビューし、
13時から私の講演というスケジュールとなってしまって、
昼食抜きの講演。
それでいて、私のテーマは、
「食育とオーガニックMDの謎を解く」
矛盾している。

マイクの話は、私には、極めて興味深かった。

テスコは今、4つの経営戦略をとっている。
第1が、イギリスでのビジネスを強力な核とすること。
足場を固めるということだ。
私は「クリティカル・マス論」を標榜しているが、
そのポイントは一般に、17%といわれている。
テスコの30%強は、明らかにクリティカル・マスを越えている
第2位のアズダが今一歩。
しかしすぐに超えるだろう。

そして、かつてトップの座にあったセインズベリーは、
クリティカル・マスを下回ってから、
急激に業績がダウンして、
ウォルマートに買収されたアズダに、
一気に抜き去られてしまった。

だからテスコが、国内のビジネスをコアとするということは、
クリティカル・マスのご利益をさらに高めようという基本戦略を意味する。
そう思いながら、マイクの話を聞いていた。

すると、テスコの経営戦略第2、第3、第4は、
思ったとおりであった。

私は、膝をたたいた。

その第2の経営戦略は、
非食品でも強くなること。

すべてのテスコの店舗で非食品を扱っている。
当然、そのシェアもクリティカル・マスを越えている。
非食品の大半は、コモディティグッズである。
だから、さらに低価格実現を目指す。
非食品は、食品の2倍の成長率である。
2006年、「テスコ・ダイレクト」という事業をスタートさせた。
ノンフーズのカタログ販売である。
これは大きなビジネスチャンスをもたらし、
初期段階から利益を上げた。
大成功。

食品で圧倒的な占拠率をもち、
「クリティカル・マスを」突破したら、
非食品マーケットというご利益が、零れ落ちてくる。
非食品市場が伸びているから、
そのマーチャンダイジングを強化しよう、という発想ではない。

テスコの経営戦略第3は、
国際的な小売業の地位をさらに上げること。

メトロ、カルフールあたりを抜き去ろうということだ。
日本では、2003年にシートゥネットワーク(テスコ・ジャパン)を買収して、
現在、109店。

今期、35店の出店計画を発表している。

国際戦略の要は、資金と人材である。
これも国内の圧倒的なクリティカル・マス抜きには果たせない。

山之内一豊の妻ではないが、
内助の功無しに、外で存分に闘うことは出来ない。

テスコはイギリス以外の11カ国に進出し、
1275店の店舗を展開している。
そのうち5カ国で、ナンバー1シェアを獲得している。

それら5カ国でも、
クリティカル・マスの突破を狙っているということだ。
そして、国際的な小売業となるからには、
根本にこの発想がなければならない。

どこかの国に進出して、
繁盛店をつくる。
超繁盛店をつくる。

長い目で見ると、こんな店舗は、
やがて売却するしかなくなるに違いない。

それが国際企業の考え方である。

テスコの第4の経営戦略は、
小売サービス業の強化である。

小売業に関連して派生するサービス業で利益を上げること。
2000年から始めた「テスコ・ドットコム」
これはイギリスの96%以上の世帯が登録し、
世界最大の雑貨のインターネット販売額を記録する。

1997年から始めた「テスコ・ファイナンス」
銀行と保険会社。
スコットランドのロイヤルバンクとの合弁事業。
「複雑なマーケットに、簡素で価値のあるサービスを提供する」
見事な唄い文句。

セブン銀行やイオン銀行は、テスコの真似。
セブン銀行は、セブン‐イレブンが、
日本のコンビニ市場で、クリティカル・マスを越えている。
だから成功しつつある。

イオン銀行は、いかに。
まだまだクリティカル・マスにはほど遠い。

「テスコ・テレコム」
携帯電話、インターネット、固定電話の事業。
テスコの200万人のカスタマーにアプローチしている。

これらはすべて、テスコのスーパーマーケット展開の、
クリティカル・マスのご利益である。

クリティカル・マスに到達していない企業が、
この分野に将来性があるとして進出しても、
ほとんど失敗するに違いない。

本業をすべて辞めて、
こちらに本業を移すというくらいの決断をしても、
クエッションマーク? か。
もうすでに専門家がわんさといるからである。

マイクの専門分野に入る前に、
今日の話は終了。

明日に続く。
乞う、ご期待。

<結城義晴>

 


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