結城義晴のBlog [毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年2月17日(金曜日)


日経新聞『文化往来』で、
角田光代さんの「曽根崎心中」を評論。

近松門左衛門が人形浄瑠璃向けに書いたものを、
翻案した同タイトルの小説。

書き終えた角田さんの述懐。
「恋を発展させた形が愛と思っていたが、
恋と愛は別物だと分かった」

英語で表せば、
恋も愛も、
どちらもlove。

「恋をまっとうさせると心中になる」
と、角田さん。

つまり、心中から逆に考察すると、
恋に至るのであって、
心中は愛からは起こらない。

シェークスピアのロミオとジュリエットは恋だった。
曽根崎心中の徳兵衛とお初も恋だった。

しかし十字架で磔されたイエス・キリストは、
愛だった。

心中を、自殺を、キリストは禁じた。

両者は全く正反対の概念だ。

44歳の直木賞作家角田光代が今、
そのことに気がついたということの方が驚きだが。

今日は午後、池袋の立教大学キャンパス。
20120217191755.jpg
入試も終わって、合格発表の時期。

蔦の絡まる1号館ボードに、
合格者の番号が掲示されていた。
20120217191735.jpg

さて、昨日の日経新聞の記事。
「コンビニ大手、複数店オーナー拡大」

複数の店舗を経営し、運営する加盟店オーナーの比率。
大手チェーン5社合計で、
2007年度末12%強が、
2011年度末20%強になる。

「総店舗数に対する複数店オーナーの店舗の比率は、
07年度末の約26%から11年度末は40%強まで伸びる」。

つまり複数店といっても、
一人で3店、4店、5店、10店と、
支店経営するオーナーがいるということ。
それを増やそうという動きがあるということ。

その複数店オーナー、
セブン-イレブンは少ない。
ファミリーマートは55%、
ローソンは50%。

我が商人舎の発起人の一人泉澤豊さんは、
その究極の達人。

セブン-イレブン加盟店から始めて、
複数店に挑戦。
同チェーンが複数店を歓迎していなかったので、
サンクスに乗り換えて、
経営する㈱CVSベイエリアは、
上場企業となった

このたびサークルKサンクスを離れて、
ローソンのエリアフランチャイザーに転身。

泉澤さんが先鞭をつけたようなものだが、
大手チェーン各社は、
「複数店オーナーに優遇策を導入」。
ローソンは積極的で、
2010年春から新しい制度を設けた。
名づけて「マネジメントオーナー」制。

4店舗以上を持つジーをこう呼ぶ。
現在、64人。

「ほとんどが法人経営で、
本部は人材育成や税務を指南する」。
新浪剛史さん、このあたり上手ですね。

さらに2店目以降の加盟金を減額する。

ファミリーマート。
「5店、10店と増えるごとに、
本部が利益に応じて支払う奨励金の率を引き上げる」。

あまり歓迎していなかったセブン-イレブンも、
一昨年の2010年に、とうとう、
「ロイヤルティ率の軽減幅を3ポイント引き上げた」。

コンビニのフランチャイズ・システム自体にも、
イノベーションが図られている。

しかしこれによって、
コンビニの店舗拡大はさらに加速される。
大手5チェーンの来期出店計画は、
約3400店で、過去最高。

「飽和状態が迫っている」

こう評されることを嫌うこの業界だが、
算数で考えても、それは否定できない。

複数店経営オーナーが増え、
エリア・フランチャイザーやマルチ・フランチャイザーが増加してくると、
次の戦略目標を定めねばならない。

考えられるのは、二つしかない。
第1は業態やフォーマットの新開発と転換、
第2は海外進出。
もう一つあるとすれば、
今日の日経新聞の記事。
「ユニー、サークルKサンクスを完全子会社化」
そう、コンビニチェーンとしての成長拡大はそこそこであっても、
グループの収益構造に大いに貢献してくれればいい。
この考え方。

ユニーは小売業界第5位、
チェーンストア第3位。

2011年2月3月期決算で、
第1位セブン&アイ・ホールディングス、
第2位イオン
第3位ヤマダ電機
第4位三越伊勢丹ホールディングス。

この4社に次ぐ第5位。

しかし、中部地方に本拠を置くこともあって、
マスコミへの露出度も低く、
実力に比べて評価は高くない。

私は、それが「ユニーの強み」だと思っているが、
そのユニーがコンビニ子会社のサークルKサンクスを、
株式公開買い付けで完全子会社化する。
目途は7月中旬で、サークルKサンクスは上場廃止。
サークルKサンクスの昨2011年12月末時点の店舗数は、
6248店。
堂々たる4ケタチェーンだ。

しかし先ほどのCVSベイエリアの離脱など、
事件も起こっている。

そこでグループ・シナジーの最大化を図る。
この戦略は正しい。
業界内からは「遅い」という声も聞こえているが。

私はいつも言う。
「正しいことをする場合、
いつだって、まだまだ遅くはない」

持株会社の名称は「ユニーグループ・ホールディングス」。
ユニーの前村哲路社長が会長兼最高経営責任者(CEO)、
サークルKサンクスの中村元彦社長が社長兼最高執行責任者(COO)。
これも今のところ、妥当な人事で、
これしかない。

当面はサークルKサンクスがユニー・グループを、
収益面で支えるに違いない。

セブン&アイ・ホールディングスにおけるセブン-イレブンのように。

サークルKサンクスは、
グループの相乗効果を活かしつつ、
飽和の中の二つの戦略を志向する。
記事にもあるように、
「早ければ来年中にもサンクスの海外1号店を出す計画」。

しかしこの面でも、出遅れ感は否めない。
それでも「正しいことをする場合、
いつだって、まだまだ遅くはない」

頑張ろう、前村さん。
ユニーの強みを活かして。

では、みなさん、より週末を。

<結城義晴>

2011年2月16日(水曜日)


2010年の家計調査が発表された。
1世帯あたりの消費支出が、
1カ月平均25万2328円。

これは「実質」で前年比0.3%のプラス。
実質とは、物価変動の影響を除いた数値。
なんと3年ぶりの増加。

しかし、「名目」では同0.5%のマイナス。
こちらは3年連続で減少。
名目の方が実感に近い。

一方、勤労者世帯の実収入は増えた。
「実質」で前年比2.3%のプラス、
「名目」でも1.5%のプラス。

一昨年の2009年には大きく減じていたが、
幸いなことに、それが反転した。

しかし、消費支出は、
エコポイント制度の恩恵を受けた結果。

2人以上世帯のカテゴリー別購入数量をみると、
薄型テレビが前年比180.3%、
エアコンは147.8%、
冷蔵庫は141.2%。

エコポイント消費を割り引いて考えると、
2010年もまだまだ、
マイナス・トレンドだったと判断できよう。

それが家計調査から判明した。
よく認識しておかねばならない前提条件であるし、
3月から、あるいは4月から始まる新年度も、
この前提を抜きには考えられない。

さて昨日から、
コーネル大学RMPジャパン第3期の2月講義。

ところは東京中央区に位置する三井物産㈱本社ビル。
その12階の会議室をお借りして、2日間の講義。
我々のフランチャイズである法政大学が、
入試期間に入っていて、使用できないからだ。
20110216100219.jpg

2月のトータル講義テーマは、
マーケティングとマーチャンダイジング。
20110216095346.jpg
いよいよ注目の「商品問題」に入ってきた。

講義に先立って、
今月の2日間の講義で何を学んでもらうのか、
副学長として、その趣旨を解説。
20110216095356.jpg
隣は事務局の太田美和子さん。
毎回、講義の司会と受講生への連絡役を担当してくれている。

第一講義は早稲田大学商学学術院教授の恩蔵直人さん。
現在、早稲田の商学部長でもある。

テーマは、
「脱コモディティ・マーケティング戦略」。
この10年で、あらゆる分野でコモディティ化が進行している。
特にグロサリーや飲料の世界で著しい。

それを恩蔵さんは、
販売促進費比率の上昇と企業イメージの変化によって立証した。

商品開発力、技術力が変わらない現在のような市場環境では、
「智恵の力」が必要になる。
知力をもたない企業は、価格競争に埋没せざるをえなくなる。
すなわち「コモディティ・ヘル(地獄)」に陥ってしまう。
20110216095418.jpg
マーケティングにおけるSTPの重要性を、
恩蔵さんは事例をあげながら解説。
Sはセグメンテーション、
Tはターゲティング、
Pはポジショニング。

皆さん、STPは、是非、覚えておきましょう。

その上で、恩蔵先生は、マーケティング上、
購買プロセスを革新させ、
リーン消費に対応することが重要になってくると強調。
20110216095438.jpg
昨年以上にわかりやすくて、丁寧で、
奥の深い講義だった。

食品や日用雑貨のマーケティングは、
この認識からスタートする。

第二講座は、
大塚明講師による「マーチャンダイジングの基本」
大塚さんは現在、スーパーマーケット協会専務理事。
㈱ヤオコーで常務取締役を務め、
スーパーマーケットの実務をほとんど余すところなく経験した。
20110216095551.jpg
たいへんな勉強家でもあって、
その勉強のうえに経験が積み重ねられて、
スーパーマーケット業界有数の理論家「大塚明」が誕生した。

その「大塚理論」の中のマーチャンダイジング編を講義してくれた。

私自身、コモディティとノンコモディティを考え方の縦軸にし、
カスタマーとコンシューマーを横軸にして、
マトリックスで、ビジネスモデルを分析する。
「結城理論」とでも称すべきか。

この結城の理論と「大塚理論」は、合致している。

もちろんヤオコーという企業や店で、
大塚理論は練り上がられ、検証されて、
堅固なものになっている。

それが90分で、見事に展開された。
20110216095606.jpg
恩蔵、大塚とつづくマーケティング、マーチャンダイジングは、
コーネル大学RMPジャパンの主張でもあり、特長のひとつでもある。
もちろん結城義晴の主張でもある。

第三講座は「生鮮食品のグルーカル戦略」。
講師は日本水産㈱社長の垣添直也さん。
コーネル・ジャパン第一期から毎年、講師をお願いしている。
今年は、水産業だけではなく、生鮮食品全体の世界的な動向と、
消費環境をお話しいただいた。
20110216095508.jpg
高い見識と素晴らしい分析。
そして豊富な情報量。

昨年の講義から、
またまた内容が更新され、
なおかつ昇華していて、
私、本当に驚いた。
20110216195210.jpg
水産業界において、
「直也の前に直也なく、
直也の後に直也なし」

< お名前の方を使ってしまってすみません。こちらの方が断然、語呂がいいので>
私は、そう断言したいくらいだ。

この垣添さんの講義を聴くことができた第3期生、
本当に幸せ者だ。
講義を終えられた垣添さんを囲んで、
荒井伸也首席講師と一緒に、記念撮影。
20110216095530.jpg
荒井先生は、ご存知、オール日本スーパーマーケット協会会長にして、
実は垣添さんの高校の先輩。
お二人がご卒業されたのは、
かの名門・都立新宿高校。

おあとがよろしいようで・・・・。

初日最後の第四講座は、
惣菜・日配・ベーカリーのマーチャンダイジング。
講師は、日本フードサービス学院学院長の林廣美先生。
20110216095627.jpg
林先生は「二人のビッグセミナー」で毎年、
私とコラボレーションしてくださっている。
その上、今年10月のアメリカ視察研修会でも、
コラボレーションしてくださることが決まっている。
「スペシャル編&マーチャンダイジング編」の二段重ね重箱スタイル。

さらに、この商人舎ホームページにも、
金曜日恒例で、「林廣美の今週のお惣菜」を連載中。

この講義は、「店全体を惣菜化せよ」という先生の持論をもとに、
惣菜や日配品のマーチャンダイジングが大変化を遂げていることを、
豊富な実務事例をもとに語ってくださった。

13時からスタートした授業も終了時は20時。20110216095715.jpg

講義終了後は、
三井物産本社内にある会場に場所を移して親睦会。

乾杯の挨拶は短く締めて、さっそく喉をうるおす。
「ご参集の皆様の会社のご発展と、
皆さまご自身のご健勝と、
もうひとつ、皆様のお客様の幸せを、
祈念して、カンパイ」
20110216095644.jpg
後ろは、新日本スーパーマーケット協会営業本部長の村尾芳久さん。

授業のあとはビールもワインもおいしく、話がどんどん弾む。20110216095742.jpg

奇跡の第二期生の㈱関西スーパーマーケットの柄谷康夫さんが登場。
この日、夕方から、復習のために授業に特別参加。
これもコーネル・ジャパンの特徴。
卒業生をいつでも受け入れる。
20110216095758.jpg
柄谷さんは、日本経済新聞「世界一、人が交わり価値を生む国、日本へ。」に投稿。
これは「未来面第23回」の紙面で、アイデア募集されたもの。
そして柄谷さんの提言が、採用され掲載された。
日経新聞サイト。投稿テーマは「会社トライやる」
是非、ご覧ください。
そして柄谷さんに励ましのメールを。

1時間の懇親会はあっという間にお開き。
締めはコーネル・ジャパン3期に参加している三井物産の小林将人さん。
食料・リテール本部食品流通部リテール食品室長。
20110216095843.jpg

小林さんは同志社大学ラグビー部キャプテンを務めたラガーマン。
見事な締めの挨拶だった。
20110216095824.jpg

コーネル大学RMPジャパン、
2月の商品問題編に入って、
俄然、加熱。

今、折り返し点。

しかしこれから7月までの講座は、
あっという間に過ぎていく。

濃密な時間、充実した交流。
「時間よ、止まれ!」
毎年、そう、叫びたくなる。

<結城義晴>

2008年5月21日(水曜日)


日本フランチャイズチェーン協会の発表。
コンビニの既存店売上高が、
2ヵ月連続で前年割れ。

客単価が下がり、客数が増加。
現在の、消費傾向が正直に表れた数字。

何も手を打たずにいると、
客単価が下がり、客数も下がる。
だから客数を上げる方向で、努力を重ねる。

川上のインフレは、凄いもの。
アメリカでは、また原油が上がり、
最高値の1バレル129ドルをつけた。

石油が上がると、農業生産物が上がる。
アメリカでは、1トンの農産物に関して、
生産現場(約280kg)と輸送・加工・包装(約400kg)と
小売り・飲食・家庭の調理保存(約350kg)に使用する
石油とエネルギーを原油換算すると973kgとなります。
農産物の生産から消費までの全ての過程で
使用されている石油資源量が
農産物の生産量に匹敵するのです。
原油価格は農産物、特に穀物価格に連動する動きをする。
その理由は、投機マネーばかりではなく、
現代の食糧生産と流通システムそのものが、
石油に頼りきっているということなのです。
これ、商人舎エコストア研究会座長・田村洋三さんの情報。

すなわち石油が値上がりすると、
農業生産物が値上がりする

そしてすべての生産品が値上がりする。
これがグローバル化の中で、
日本にも多大な影響を与える。

その反動で、川下は一部の商品のディスカウントが、
激しく行われる。
コンビニのローソンまで、
100円のプライベート・ブランドを開発しました。
これはすべてコモディティ・グッズです。

すなわち川上がインフレとなり、
川下もインフレとなるのが、
いわば自然な流れなのですが、
川下ではコモディティに関しては、
デフレ基調を何とか維持しようという
そんな動きが出るのです。

これ、歴史の常識です。

大恐慌のような、あるいはそれに近い事件が起こると、
インフレになります。
そんな時に、まったく新しい業態が登場します。

現在のサブプライムローンをきっかけとした不況は、
それに近いものでしょう。

そんな時に、
「リミテッド・アソートメント」業態が、
登場しました。

テスコが始めた「フレッシュ&イージー」です。
看板
ロサンゼルスのフレッシュ&イージー。
まったくの新店で、思い通りの店づくりとなった。
私は、この店、なかなかよいと感じた。
FEファサード

もちろん、フレッシュ&イージーはもう65店という
チェーンストアです。
だからこの店は良くて、この店は悪いといった評価は、
相応しくないのかもしれません。
しかし、同社は、最初から意図的に、
様々なロケーションに出店しました。
私たちは、その典型となる店をすべて見ました。

ダウンタウンのコンビニ立地。
サバブのネイバーフッドショッピングセンター立地、
つまり通常のスーパーマーケットと競合する立地。
ウォルマートのネイバーフッドマーケットと真っ向ぶつかる立地。
やや商圏が広いトレーダージョーと競合する立地。
そしてこのようなやや大商圏型の立地。

リミテッド・アソートメントですから、
その品揃えが顧客から支持されると、
圧倒的に利益が出せる。
それがこのロサンゼルス・ビバリーヒルズの立地です。

「大きな町には小さな店を、
小さな町には大きな店を」

ルネ・ユーリックの原則が当てはまりそう。

レジも広い。
緑色のユニフォームの店員がきびきびと動く。
レジ

店舗奥の主通路は写真のように広々として、
快適。
店づくりも快適さが出ている。
奥
ドラッグストアの撤退した後に入って投資コストを下げるのは、
この店に必要な快適感を損なうように感じられました。

ケーキの売場は冷蔵多段ケース。
このケーキ、おいしい。
ケーキ

殺風景になりがちの売場が、
ご覧のような感じに仕上がっている。
壁面
リミテッド・アソートメントだからこそ、
快適さが必要なのです。
現代では。

リーチインケースのプライベートブランドのジュース売場。
オーガニック・ジュースがおいしい。
ジュース

リーチインケースでも、絞り込まれたプライベートブランドが、
品揃えの中心。
リーチイン

価格比較をする。
競合店の価格を出して、3社比較。
セーフウェイ系のボンズ、
クローガー系のラルフと比較して、
わが社がいちばん安い、と訴えるPOP。
価格比較

店頭には、コカコーラ。
コカコーラ
私の持論。
ストアロイヤルティが、プライベートブランドのロイヤルティの、
上位に位置づけられる。
だから、まだ、この店では、
ダントツのナショナルブランドの安売りをストアロイヤルティ確保に、
活かさざるを得ないのです。

 

リミテッドアソートメントのフレッシュ&イージーの影響で、
全米第2位のスーパーマーケット「セーフウェイ」は、
「ザ・マーケット」という店名の小型店をオープンさせました。
5月15日、ロサンゼルス。450坪型。

今のところ賛否両論。
ただしこの店は、限定品揃えではありません。
小型店開発の猛威が吹き荒れそうな雲行きです。

アメリカも、日本も。

<結城義晴>

2008年5月18日(日曜日)


米国ロサンゼルスの老舗スーパーマーケット。
ゲルソン。
ロゴ

もう30年ほど前から、
アーデンというグループの傘下にありますが、
現在、カリフォルニアのサンタバーバラからサンディエゴまで、
18店のチェーンストアとなっています。

1951年にゲルソン兄弟が、
ロサンゼルス郊外の高級住宅地に創業。
今年で56年を迎えています。

アーデングループは、
ニューヨーク証券取引所に株式上場して、
健全経営を支持し、
ゲルソンはその中で、
「幸せなローカルチェーン」を謳歌しているのです。
「高い顧客サービスができるネイバーフッドマーケット」
これが創業の精神で、
このミッションは、現在も引き継がれています。
ミッション
青果部門では、オーガニック商品を多数品ぞろえします。
各部門のバイヤーが直接、市場に赴いて買い付けしますが、
絶対に良いものしか仕入れないし、
良いものしか売らない。
それが取引先にも顧客にも、知れ渡っています。
日本のスーパーマーケット関係者にも。
seika
だから成長が遅い、ということになりますが、
それでも安定した資本の下、
18店舗までジワリジワリと伸びて来たのですから、
私は、幸せな企業だと思うのです。

真ん中の女性がヒー・ソック・ネルソンさん。
シニアディレクター・オブ・ストアオペレーションという役目。
ゲルソン全体の店舗運営の責任者(その右がこの店の店長)。
店長
「この店には店長・副店長のほかに、
6人のマネジャーが配置されています。
従業員は180人。
60%がフルタイマーです

フルタイマーガー多い。
パートタイマーは少ない。
アメリカでは極めて珍しい企業。

「みんな何年も、
何十年もこの会社で働いています」

青果部門のマネジャーも日系人で、20年選手。
日系人
店舗入り口に近い所に、小さなオフィスがあって、
顧客サービス係の美しい女性が常駐しています。
こんしぇryジェ

バックヤードで働く人たちも、
ベテラン揃い。
在庫は、すべて頭に入っているという。
店も実は古い、人も古い。
しかし店はいつも新しい。
リニューアルを施しているからだが、
見ていると人心もリフレッシュされている。
バックヤード

青果はこの地域で生産されたものを、できるだけ並べる。
肉は対面売り場で、
「プライムやチョイス」のグレードを中心に品揃えする。
ミート
デリはほとんど店内加工。
寿司とパンはコンセッショナリー。
花売り場には、フラワーデザインの専門家がこれも常駐。

生鮮食品のゲルソンといわれるが、
グロサリーは一般のブランドよりもランクの高い高級ブランドを揃える。
「ゲルソンブランド」を増やしていきたい、とするが、
それはローカルブランドを探してきて、
ゲルソンで確実に品質を管理して販売するということ。
プライベートブランドとは、
ローカルブランドの全量買い取りから始まるものなのです。

紀ノ国屋社長の増井徳太郎さんは、30年ほど前に、
この店で直接、研修を受けたといいます。
陳列やレイアウト変更などを、
ゲルソンのアソシエーツと一緒になって、
学んだそうです。

私は、25年ほど前に、
当時の社長であったアラン・シャーンさんに、
単独インタビューをしました。
『食品商業』の特ダネのような記事でした。

その中で、印象に残った言葉がいくつかあります。
四半世紀も経過した今でも、
覚えている言葉です。
「私は、このゲルソンで、
ハイスクールの時に、
ボックスボーイとして
スタートしました。

そして大学に行って、その間もずっと、
ゲルソンで働き続けました。
そんな家族的な風土がゲルソンの特長なのです」

ボックスボーイというのは、
サッカーサービスで、袋詰めを仕事とするワーカーのこと。

私はこの時から、ゲルソンの「幸せ基準」を感じ取っていました。
そしてそれが21世紀の現在も続いている。

アラン・シャーンは、もうひとつ印象的なことを言いました。
「私たちは、
このビバリーヒルズで創業したから、
こういったハイクラスの
マーチャンダイジングをする店になった。
もしダウンタウンで創業していたら、
ボーイズよりももっと上手に、
低所得の顧客に対応しているに違いない

ボーイズというのは、当時、ロサンゼルスにあった店です。
ディスカウント・スーパーマーケットという分類に、
入る店でした。

つまり徹底的に地域対応、顧客対応していくことが、
大切であって、
けして高級化が良いと考えているのではない。

だからゲルソンは、全体に、
アッパーグレードの商品とサービスを提供しながら、
18店もの店舗数の企業に成長することができたのです。

当時、ロサンゼルスでは、
第1位ラルフ、
第2位ボンズ、
第3位ラッキー。

こんなランキングだったでしょうか。

ラルフも転売を重ねられ、今は、クローガー傘下。
当時、独立系のボンズは現在、セーフウェイのグループ。
衣料品のファッションセンターと食品のコンビネーションストアで、
一世を風靡したラッキーは、
まずアメリカンストアズに買われ、
その後、アメリカンがアルバートソンに買収されたあと、
昨年、そのアルバートソンが三分割され、
現在は、食品卸のスーパーバリュー傘下。

ゲルソンは、当時から、アーデングループの下、
まさに、着実な道を歩んで、
今もゲルソンであり続けているのです。

「幸せ基準」で見てください。
あなたはどちらがいいですか?
どんな道を歩みたいですか?

おやすみなさい。
よい週末を。

<結城義晴>

2008年5月16日(金曜日)


5月8日、ロサンゼルス。
ビバリーヒルズのセンチュリーシティ・ショッピングセンター。
ファサード
スーパーマーケットの老舗「ゲルソン」を訪問。

ちょっとベテランの日本人スーパーマーケットマンなら、
知らぬ者はないというくらいに有名な高級店。

その陳列の見事さ、きめ細かさ、
見る者、訪れる者をうっとりさせる店づくり。

まずは、店をご覧いただこう。
説明は、明日。

青果部門から。
その全景。
seika

商品のフェースをきちんと見せて陳列する。
青果2
これ基本中の基本。
青果3
カットフルーツは氷を敷いて、
商品が映えるように。
これも基本。
カットフルーツ
こういった店には必ずあるサラダバー。
生鮮の鮮度が良くなければ、サラダバーやスープバーは成り立たない。
4

得意の牛肉は、プライムの最高級レベル。
ミート
「プライム」のグレードを強調する。
プライム
生鮮が強いといっても、ノンフードもきちんと売り場管理する。
deri
ドリンクも、フェース管理は十分だ。生鮮食品、デリが本当に強い店は、
管理レベルが高い店ということをよく示している。
ドリンク
チーズコーナーは、対面でサービス。
チーズ
ケーキ売り場は、おいしさの雰囲気にあふれている。
ケーキ
ゲルソンの特徴は、天井のデザイン。
天井

レジの外のコーヒーショップ。
コーヒーショップ
チェックスタンドも、天井が高くなっている。
チェックスタンド
コーティシースタンドには、ミッション・ステートメントが掲げられていた。
ミッション
ゲルソンは、21世紀の現在も異彩を放っていた。
ロゴ

私は、25年ほど前に、当時のゲルソンCEOアラン・シャーンに、
単独インタビューをしたことがある。

その時のことを思い浮かべた。

ゲルソン健在。
そして「幸せ基準」で考えれば、ゲルソンの生き方、
大いにありなのだ。

<「ゲルソンズ・スタディ」は明日に続く、結城義晴>

2008年5月14日(水曜日)


今度こそ、帰国しました。

ご参加くださった皆様、
ご協力くださった皆様、
アメリカで私たちの要望にこたえてくださった皆様、
ありがとうございました。
心より、お礼申し上げます。

ハイアット・リゾートを早朝5時45分に出発した私たちは、
6時にはサンフランシスコ空港に到着。
今回の旅で4度目となる。

5月5日、米国到着の時、乗り換えてラスベガスへ移動。
5月9日、ロサンゼルスから3番目の宿泊地へ。
5月12日、最初の出発のため、
そして5月13日、再度の出発のため。

今回も、昨日と全く同じ機体。
一抹の不安。
機体

それでも同じ乗客が集まってきて、
同じチケットで、同じ席に着く。
集合

97番ゲートの同じ壁画が、私たちを送り出してくれた。
hekiga

私には、もうひとつ事故が起こっていた。
携帯電話が「圏外」になりっぱなしで、
繋がらないという事故。11日夜から。
携帯
本当に困った。
電話もメールもつながらない。
そこで、空港でもわざわざパソコンをアップさせて、
メールを送る。
ご迷惑、おかけしました。
原稿、テキストレジュメ、
遅れました。
すみませんでした。

今回の米国出張も、成果があった。
コーネル・リテール・マネジメント・アカデミーが、
正式に決定した。

FMIの新しい展開の節目を、この目で確認した。
そしてアメリカ小売業の転換点を、
ラスベガス・ロサンゼルス・サンフランシスコという西地区で、
検証し、熟考した。

来月6月30日からわが商人舎の第1回目のアメリカ視察がある。
今度は中部と東部。
テキサスとニューヨーク。
しかも独立記念日の7月4日を体験する。

西海岸での見聞が、さらに活きる。
変わるアメリカの社会と消費。
だから小売業も流通業も変わる。
その根底にある謎を解く。
根本の変化が認識されるから、
日本に帰って、それを活かせる。

帰国して確認したら、定員まであと5人しか枠がない。
どうぞお申込みを。

私のテンションは、高まるばかり。
どうぞご期待ください。

帰宅すると、出迎える者なし。
テーブルの下で、眠っている者あり。
携帯繋がらず、行き違いのお粗末。
迎えてくれたもの
不測の事態の多い旅行だったが、
すべて大事に至らず。
しかしそれだけに思い出も多く残った。

皆さん、ありがとう。
(書き込み、待ってます)

<結城義晴>

追申。
アメリカ報告は、まだまだ続く。

2008年5月13日(火曜日)


「旅は終わっていない」
昨日のブログに書いた。

そのとおりになった。

私たちの旅は、終わらなかった。

まだ帰国していません。

現地時間12日朝、8時30分。
バスは、快調にサンフランシスコ国際空港へ。
私は、バスの中で最後の短い講義。
アメリカ小売業6つの総括。
最後に言った。
「あっという間に終わってしまうものなのです、
こういうツアーは。
またご一緒したいですね」
バスの中から

そして空港。
ほぼ順調に手続きを済ませて、
私たちのユナイテッド837便に乗り込む。
古いタイプのボーイング747。
747
機体は飛び立ち、ほっと安堵の空気が流れた。
1時間半ほどして、
機内放送。

「車輪が戻りません。
サンフランシスコ空港に戻ります」

ボーイング747は飛び立ったものの、
車輪が収納できず、サンフランシスコ上空を飛びながら、
対策を練っていた。
判断は、戻って、再チェックすることに決定。

しかし、車輪に故障があると、大事故になる。

そこで、燃料をすべて上空から海上に捨てた。
消防車と救急車を大量に用意した。
そして着陸。
機内
機内では、着陸して、機体チェックして、
すぐに飛び立つかのような空気が流れていたが、
全員、降ろされた。
説明
混雑と説明。
クレームとあきらめ。
説明2
必死の説明。
戻る
もう一泊して、翌日8時に飛び立つことが決定。
ロビーにもどる。

3人のファミリー。
家族

ホテルが決まるまで2時間。
日本食のファストフード店は、
大繁盛。
日本食

3時30分ころ、遅い昼食。
食べるときは和やかになる。
昼食

私は、カツカレーにサッポロビール。
カツカレー
もちろん完食。
悪いけれど、この食事が今回の旅行で一番、うまかった。
ファストフード店では、カレーが売り切れた。

4時過ぎ、再集合。
空港近くのハイアット・リゾートに全員一緒に泊まることになった。
集合

私たちは、再び、サンフランシスコ空港を後にした。
空港

旅は、終わらない。

あっという間に終わるはずのツアーにも、
こんなことがある。

ご心配かけました。
家族の皆さん、会社の皆さん。協会の皆さん。
ご安心ください。
私たちは、もう一日、サンフランシスコの空気を吸って、
無事帰国します。

多分。

<結城義晴>


今月の標語
著書の紹介
最新刊
1秒でわかる!小売業界ハンドブック


六刷出来!
好評発売中

店長のためのやさしい《ドラッカー講座》


小売業界大研究
二刷出来!
小売業界大研究


お客様の為に
いちばん大切なこと
お客様のために いちばん大切なこと

毎日更新宣言カレンダー
2012年 5月
« 4月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
  • ホームに戻る
  • トップに戻る
  • 友達・上司・部下に知らせる

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。
Copyright © 2008-2012 Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.