結城義晴のBlog [毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年10月15日(金曜日)


ロンドン4日目。
弱音を吐く気はないが、
疲労困憊。

しかし仕事となると、
元気が出てくる。

これが不思議。

だとすると、仕事なしでは、
生きられないのかもしれない。

さて昨日は、一日、
ロンドンの市街・郊外を回って、
スーパーマーケット視察。

1日で、ロンドンの周辺と中心部を回るだけで、
ほぼ、イギリスの食品小売業の全貌をつかむことができる。

このこと自体が、
ユナイテッド・キングダムのスーパーマーケットの最大の特徴といえる。

まず、朝一番で、
テスコ・エクストラ。

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テスコ最大のフォーマット。
平均売場面積6625㎡。

非食品強化型のハイパーマーケット業態。

全英に190店舗を配置する巨艦店舗。

隣に、マークス&スペンサーの店がある。
ショッピングセンター出店の郊外型店舗。

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マークス&スペンサーは店舗数654店で、
年商52億ポンド(130円換算で6760億円)。
全英第5位の小売業。
衣料品が特に強いハイパーマーケット(総合スーパー)と大衆百貨店の、
中間と考えたほうがいいフォーマット。

かつて木下安治さんが、
講師をしていた千葉商科大学の学生に質問した。
「君たちの近くにある百貨店で一番好きな店を上げよ」
8割方の学生が答えた店は、なんと、
「イトーヨーカ堂」だった。

イトーヨーカ堂など総合スーパーは、
大衆百貨店という位置付けが良いと思う。
この考え方は、
安土敏さんが『スーパーマーケット原論』の中で明らかにしてくれた。

マークス&スペンサーは、
まさに大衆百貨店だ。

私は、日本のイトーヨーカ堂は、
マークス&スぺンサーを研究すべきだと思っている。
それから二番目は、テスコのスーパーストア
こちらは平均売場面積2786㎡の大型スーパーマーケット。
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この店は、ロンドン中心街に近いケンジントンのテスコ。
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1996年9月にオープンで、私は10月に訪れて取材し、
月刊『食品商業』で記事にした。

ずいぶん改装されて、ミールソリューションのコーナーがなくなっていたが、
地域になじんで、定着した売場となっている。

テスコ第3のフォーマットはテスコ・メトロ
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平均面積1081㎡の都市型小型店。
都市中心部や郊外の大通りに立地する。

日本でいえば普通のスーパーマーケットがこれ。

そしてテスコ第4のフォーマットは、
テスコ・エクスプレス

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私たちが泊っているホテルのすぐわきにあるミニスーパー。
日本でいえばコンビニエンスストアのジャンルに入るが、
テスコの品揃えの最小単位を切り取ったフォーマットというほうが正しい。

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テスコは4つのフォーマットで、2009年、
イギリスの食品マーケットの30.5%を占めている。

断トツの凄いシェア。

シェア2番目は、アズダ・ウォルマート

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アズダは1999年にウォルマートに買収されたが、
現在はそのウォルマートの力を借りて、全英第2位に躍り出た。

総合スーパーとしてのスーパーセンターを30店展開している。
これはそのロンドンにいちばん近い店。

それ以外にスーパーマーケットを320店、
アズダ・リビングという非食品のフォーマットを24店舗。

テスコに対して、ディスカウント性の強い店舗で、
特徴を出している。

第3の存在は、セインズベリー

年商214億2100万ポンド(2兆7847億円)。
ハイパーマーケットを28店。

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これは明らかにテスコ・エクストラに対抗したフォーマット。
非食品が強化されている。

セインズベリーは、通常のスーパーマーケットを509店展開する。

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さらにセインズベリー・ローカルと称したコンビニ型ミニスーパーを335店。

最近の戦略はテスコの後追いの観が免れない。
しかし、最も伝統のあるスーパーマーケットとして、
イギリス人の人気は高い。

この3強に次ぐのがモリソンズ
しかし今回は訪れる時間がない。

その代わりに、ウェイトローズを訪問。
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年商44億1800万ポンド(5743億円)の高級スーパーマーケット。
世界の小売業ランキングでは、
88位に入るイギリス最大の百貨店ジョンルイスの子会社。

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日本でいえばクイーンズ伊勢丹といったところ。

そして最後に、アルディ

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ご存知ドイツのハード・ディスカウンター。
ボックスストアともいう。

イギリスに 、420店を出店し、21億6300万ポンド(2812億円)。
全英の食品市場におけるシェアも2.3%ながら急成長中。

これで、ほとんどの食品関連小売業を網羅できる。
なぜならテスコとアズダとセインズベリーで、
食品マーケットの63.7%を占拠してしまうからだ。

この3強に、モリソンズの12.3%、
ウェイトローズの4.0%、
アルディの3.1%を加えると、
なんと83.1%となってしまう。
だから1日で、ほとんどを訪問できる。

これが日本では、とてもそうはいかない。
アメリカでも難しい。

そのこと自体が、イギリス小売業界の特徴。
すなわち「寡占化」

しかし寡占化しているから、
テスコもセインズベリーもアズダも、
マルチ・フォーマット戦略を採用せざるを得ない。

発展途上のアルディはシングル・フォーマット戦略。
アメリカでも1000店を超え、
ウォルマートを脅かす存在になっているが、
シングル・フォーマットで白アリ軍団のように市場を食いつくすと、
他の国に移動していく。

それがアルディ。

このイギリスでは、完全に「ポジショニング競争」に入っている。
自らのポジショニングをいかに明確にするか。

それも自分のオリジンを守りきったうえで。

伝統の良きところは変えない。
しかし変えるべきところはどんどん変える。

それがイノベーション。

イギリスに来ると、
そのことがよーくわかる。

ホテルに帰って講義。

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万代ドライデイリー会のメーカー・問屋のメンバー40人。

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疲れをものともせず、夜の講義に良くついてきてくれた。
心から感謝したい。

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「井の中の蛙大海を知らず」

21世紀の知識商人は、
このことだけは避けねばならない。

もちろん聞きかじった知識をひけらかすことも、
情けない。

ほんとうの意味での、
「鳥の目」「虫の目」「魚の目」
そして「心の目」が問われている。

イギリスの小売業でつけ加えておかねばならない事実。
ネット・ショッピングに対して、
本腰を入れているということ。

それも利益の出るネット・ショッピング。
その構造がどうなっているか。

この夜の講義の中核テーマの一つ。

もちろん、なぜテスコのエクスプレスが利益を出せるのか。
日本のテスコやアメリカのフレッシュ&イージーが、
なぜ飛躍できないのか。

それも講義した。

なぞ解きは、日本に帰ってから。

まだまだ旅は続く。

<結城義晴>

2010年10月14日(木曜日)


日本を旅立ってから、
何日経つのだろう。

「思えば遠くへ来たもんだ」。

70日ぶりに地上に戻った33番目のチリ鉱山作業員、
現場監督のルイス・ウルスアさんに比べれば、
日本を発ってから、わずかな日数でしかない。

それでも、「思えば遠くへ来たもんだ」。

日本では新生ザック・ジャパンがアルゼンチンを1-0で下し、
好敵手の韓国とは、親善試合とは思えない死闘をみせたらしい。

今日14日からは、プロ野球パリーグでは、
クライマックスシリーズのファイナルステージ。
プロゴルフは、
日本オープンゴルフ選手権が始まった。
初日の結果は今頃出ているだろうし、
今週末にはチャンピオンが決まる。
残念なことに、リアルで見ることができない。

本当に、思えば、遠くへ来たもんだ。さて、昨日は、朝から、
テスコの店舗を視察。
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バックヤードからテスコ・ドットコムの実態まで見せてもらって、

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なおかつ熱心に解説してもらって、満足至極。

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スーパーマーケットのアクションを、
私は「スーパーマーケティング」と呼んでいる。

スーパーなマーケティングと、
スーパーマーケットのマーケティングを引っかけて、
「スーパーマーケティング」

この面で、最も進んだ企業が、
テスコであることに異論をはさむ者はいないだろう。

世界の小売業売上順位でも、
第1位がウォルマート。
2010年度の売上高4082億ドル、純利益143億ドル、8613店。
第2位がフランスのカルフール。
同じく売上高1214億ドル、純利益4.5億ドル、1万5661店。
どちらも国際的にいえば、
ハイパーマーケットという業態を中心にチェーン展開している。

第3位がドイツのメトロ。
売上高911億ドル、純利益5.3億ドル。
メトロの中核フォーマットはキャッシュ&キャリーと呼ばれるが、
これはアメリカでいうメンバーシップホールセールクラブに似たもの。
アメリカの呼び方のほうがむしろ特殊で、
キャッシュ&キャリーの業態名が一般的だろう。

そして第4位がスーパーマーケット企業のテスコ。
売上高902億ドル、純利益37億ドル、世界で4331店を展開する。
これはアメリカ第1位のクローガーの売上高767億ドル、純利益7000万ドルを、
売上規模でも経営の質でも、
進取性においても、
はるかにしのぐ。

だから世界最大、最高のスーパーマーケット企業といってよい。

もちろん、最高となるとその尺度をどうするかという議論が出てくるから、
テスコは世界最大にして、
世界最高のレベルの企業というほうが正しい。

そのテスコの最新戦略、おいおいご報告の予定。

さてその後、テスコのサービス・ベンダー企業を訪問。

ハーバート・リテイル。

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入口にウェルカムボード。

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この会社は250年の歴史を持つ。

会社概要とテスコをはじめとするイギリス小売業のレクチャーを受ける。

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そしてみんなで写真。

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ロンドンで二日ほど空いた時間に、
テスコの取材ができて満足。

疲れが吹っ飛んだ。
遠くへ来るのも悪くはない。

いよいよ今日からツアー第二弾のスタート。

心は燃やせ、頭は冷やせ。

ヨーロッパでも。

<結城義晴>

2010年10月13日(水曜日)


チリ北部コピアポ近郊の
サンホセ鉱山落盤事故救出劇。

救出用カプセル「フェニックス(不死鳥)」が、
地中に下ろされ、
そして地上に姿を見せた。

地下700mから69日ぶりに地上に引き揚げられた作業員たちは、
出迎えた家族やピニェラ大統領と抱き合って喜んだ。

現代の奇跡のように見えるが、
このリーダーはピーター・ドラッカーの信奉者だった。

2カ月余りの地下生活。
その苦境を救ったのはドラッカーの目標管理だった。

日本もそうだろうが、こちらでも、テレビ中継が流れっ放し。
世界中がこの奇跡を見つめた。
人間は、凄い。
ところで私の欧米の旅は中間地点で一服。

昨日から、ロンドンの郊外、
ケンブリッジのそばのバリー・セント・アダムスへ。

午後5時ころ、
ヒースロー空港から、
車で2時間余り。

真っ暗な中に見えてきた民宿。

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オウンス・ハウス「Ounce House」。

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1970年ごろに建てられた立派な商家がホテルとなっている。
広大な庭園とアンティークな調度が売り物の五つ星ホテル。

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3階建ての家から暖かい光が漏れる。

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居間は、瀟洒なつくり。

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もちろん重厚な暖炉もある。

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キッチンも典型的なイギリス中流階級の家庭的なつくり。

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玄関から2階へ。

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2階に宿泊の部屋がある。

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さらに3階に登る。

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そこが私の部屋Yoxford。

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窓辺。
くつろげそうな暖かな色調のいい部屋だ。

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ベッド回り。

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そしてバスルーム。

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バスルームには、明かりとりの窓がある。

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夕食は、近所のレストランへ。

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普通のイギリス人の生活がある。
海外を飛び回っていると、こうした風景にほっとする。

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ビールを2杯と赤ワイン・グラス1杯。
そして前菜はイカのフライ、
メインはポーク・チョップのソテー。
素朴でしっかりした味。
イギリス人は味音痴などというが、
とんでもない。

素朴な民衆の味にこそ、
国民性が出ている。

それがうれしい。

ご一緒している方々。

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真ん中が、㈱マックスバリュ西日本の藤本昭社長。
私の隣が同じくマックスバリュ西日本取締役SSM事業本部長の渡辺哲久さん。
藤本さんの隣は、㈱寺岡精工取締役の片山隆さん。
片山さんは、現在、フードインダストリーシステム事業部長を務めるが、
海外事業のキャリアが長い欧州小売業の専門家。
そして、その隣が寺岡精工神戸営業所長の中川悦明さん。

アメリカ、イギリス、フランス。
そしてポルトガルのスーパーマーケットの話題。
チェーンストアのあり方。
議論百出。

一夜明けて、オウンス・ハウス。
キッチンの窓から庭がみえる。

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この庭が、女ご主人の自慢。
イギリス人はガーデニングを生きがいとする。
それが良く表現されている。

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朝の居間も心地よい。
私はここで、ブログを書いた。

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そして女ご主人のジェーン・ポートさん。

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お手製のイギリス式朝食は絶品だった。
ありがとうございました。

異国の地でのつかの間の休息。

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オウンス・ハウスに、心から感謝。
皆さんありがとうございました。

<結城義晴>(つづきます)

2010年10月12日(火曜日)


Everybody! Good Tuesday!

「体育の日」までの三連休、
日本の消費はどうだったのだろうか。
商売の営業状態はどうだったのだろうか。

ロンドンの中心街ピカデリー・サーカス。
人の波はすごいし、夜になっても途切れない。

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東京やニューヨーク以上の活気が感じられる。
日本やアメリカはまだまだ子供の匂いが残る。
日本が小学生で、アメリカはハイスクールくらいか。
イギリスは大人の世界。

そんな感慨を持ってしまうが、
いかがだろう。

それでも昨夜のレスター・スクウェア近辺。
ミュージカル劇場や映画館が集中するあたり、
イギリスがもっと活力を持っていた時と比べると雲泥の差。
やはり世界的な不況感はぬぐえない。
そのためか高級・低級のカジノが増えた。

東京市場でも円高というかドル安が進み、81円台。
円とユーロは113円。

東京株式市場日経平均株価は200円も下げて、9388円。

アメリカのスーパーマーケットマン達のように、
客数が減っても、売場の水準を維持して、
それでいてロス対策なども怠りなく、
いつでも元気に、お客の来店を待ちたいものだ。

さて今日は一日、ホテルの部屋で溜まった仕事に勤しむ。
ロンドンにいながら、もったいないとも思うが、
大英博物館やナショナルギャラリーくらい覗きたいものだが、
仕事の進み具合次第。

ブログは、昨日につづいて、ロンドン発ニューヨーク報告。
スチュー・レオナードの巻。

マンハッタンから約1時間、フリーウェイを走ると、
ヨンカース地区。
その山の頂にスチュー・レオナードはある。
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あまりにお客が多いので、
この誘導道路を「スチュー・レオナード・ドライブ」と呼ぶ。
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近づいてきました。
胸が高鳴る、ドキドキ、わくわく。
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出身が酪農業なので、店舗はミルク工場を模してつくられている。
頂上に着くと、現れました。
スチュー・レオナード第3号のヨンカース店。

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創業者スチュー・レオナードは、1968年まで、
各家庭に牛乳配達をしていた酪農家。
1969年12月、7人の従業員を雇い小さな酪農場店「クローバー ファーム」を設立。
2台のレジと7アイテムを扱うだけのデイリーストアだった。
ただし新鮮な牛乳を販売する自販機が設置されていた。

この店は1977年には、20レーンの電子レジを導入。
145人の従業員を雇う大繁盛店になっていた。

その後、インストアベーカリー売場を導入し成功。
焼きたてのフレッシュなバター・クロワッサンやチョコチップ・クッキーが人気となった。
さらにバーベキュー、サラダバー、魚など、次々に部門を拡大。

1988年、ニューヨークタイムズから、
“The Disneyland of Dairy Stores.”
「まるでディズニーランドのような店」と称賛される。

1992年には、食料品店として1店舗当りの売上高世界一として、
ギネスブックに認定される。

そして1999年、ここニューヨーク州北部郊外ヨンカーズに、
12.5万平方フィートの3号店をオープン。

いつも店舗前には星条旗が掲げられ、はためいている。
スチュー・レオナードはアメリカの豊かさと楽しさを象徴する店なのだ。
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10月は「ハロウィン」一色のプロモーション。
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所狭しとパンプキンが並ぶ。
その規模、世界最大といっていいほど。
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10月のハロウィン・プロモーションの王者は、
決まってスチュー・レオナードだ。
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パンプキンだけではない。
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ハロウィン人形も。
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そして超有名なポリシー・ロック。
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創業者理念が掲げられた「policy rock」。
この理念に基づいて、顧客満足を使命にしている。
意見箱への投書には24時間以内に対応する。

ポリシー・ロックの後ろにリカーショップ。
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ニューヨーク州の法律で、
食品と酒は同じ売場で売ってはならない。
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店舗の入り口を入ると、右奥で試飲をしている。
笑顔でワインをテースティングさせてくれた。
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店舗前面のテントでは、もう売場が始まっている。
以前は、ここはプロモーション・スペースだったが、
不況期に入って、貪欲に売場拡充を図った。
もちろん、どんどん商品が変わるシーゾナル売場だが。
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まずは、リンゴ売場。
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そしてオレンジなど、果物で季節感を出す。
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オレンジ、プラムなどカラフルな商品を並べて、
市場のイメージをつくる。
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店舗に入る直前には、アイスクリーム・コーナー。
もともと牛乳屋さん、だからアイスクリームはとびきりおいしい。
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さあ、いよいよ店内に入って行こう。

売場は迷路のように曲がりくねり、
完全にワンウェイコントロールされている。

陳列は商品を前面にアピールして見せ、
商品の持つ色彩やデザインを強調。

「商品に語らせる」
これはフェアウェイ・マーケットと同じ。
優れた店の根本思想は同じになる。

店内では至る所で、効果的な販促のための試飲・試食を多用している。

バックヤードをガラス越し、あるいはダイレクトに見せることで、
親近感やエンターテイメント感をアピールしている。

そして視覚、聴覚、五感すべてに訴えるエキサイティングな売場づくり。

まず、プロモーションの果物コーナー。
「今日の果実」というコンセプト。
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その対面にはコーヒー売場。
これでおわかりだろう。
スチュー・レオナードは、朝食メニューから売場が始まるのだ。
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今日の果実の隣に新鮮ジュース、
そして「フルーツ・カップ」が続く。
カットフルーツをカップに入れて売っている。
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そしてオーガニックの簡便サラダコーナー。
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本格サラダ材料コーナーに続く。
便利性商材が先に来て、
そのあとで素材が来る。
購買頻度が高い順にカテゴリーが並んでいる。

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通路上の島陳列は「シーゾナル商品」。
スポット商品と考えればいい。
関連販売だったり、意外性の商品だったリ。
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サラダとコーヒーの次は?

そう、主食、パンの売場。
ユダヤ人のパン「ベーグル」。
そのパンプキン・ベーグル。
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ベーグルだけではもちろんない。
世界中のパンが、品揃えされている。
なにしろアメリカ合衆国は多民族国家。
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バター・クロワッサン。
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この売場の上には、天井から鉄棒をする人形が動いている。
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焼き立てパンから、クッキーへ。
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そしていよいよ、メイン売場のひとつ、青果部門へ。
プロモーション果物があって、
コーヒーがあって、
写真にはないが花売場があって、
サラダがあって、
ベーカリーがあって、
やっと青果部門に入る。

これ、アメリカのスーパーマーケットの部門構成そのもの。
スチュー・レオナードはワンウェイコントロールだが、
オーソドックスなスーパーマーケットの基本を守っている。
それを読み解いてほしい。
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この不況で、土曜日というのに客数は少ない。
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果物はリンゴから。
店頭のテントでリンゴを売っていたが、
強調すべきカテゴリーは何度でも売り込む。
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カゴ盛りの野菜たち。
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レタスとペッパーの売場。
カラフルだ。
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ワンウェイの売場はくねくねと曲がっている。
山登りをするとき、あるいは綴れ折りの坂道のよう。
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曲がるたびに新しいくくり、コンセプトが現れる。
そのコンセプトが連続している。
全体でこの店が提供する生活が浮かび上がってくる。

葉物野菜もカゴ盛り。
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テレビ画面で生産者が語る。
いかにしてつくるか、安全か、美味しいか。
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1ポンド1ドル99セントのプラム売場。
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レモン、オレンジと続く。
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左手には、カゴ盛りの野菜。
ナスやキュウリ。
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メロン、グレープフルーツ、オレンジ。
SKUは多くはない。
1品目当りの陳列量が多い。
スチュー・レオナードは単品大量を原則にしている。
その意味でもスーパーマーケットの基本に忠実な店だ。
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最後に、フルーツとベジタブルの簡便コーナーがふたたび登場。
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そして最後の最後は、バナナ。
有名なバナナ娘が歌う。

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ボタンを押すと、歌ってくれる。
そのボタンも擦り切れるほどにリクエストが多い。

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青果部門の終わりは、根菜類。
このあたりは、異論もあろうが。

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同じワンウェイコントロールのHEBセントラルマーケットでは、
根菜が先に来て、最後の最後にバナナだった。
これはポリシーの違い。

鶏合唱隊が楽しく歌う。
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青果部門から精肉部門へ。
セルフ多段ケースで、品揃えから入る。
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コーナーには上部にぬいぐるみ人形が。
セルフケースに続いて、対面ケースで売れ筋が並ぶ。
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イタリアンソーセージ売場。
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顧客が売場にアクセントがほしいと思ったころに、
試食のコーナーが現れる。
そこでつい、手を伸ばして、試食する。
店を出る頃には、おなかいっぱい。
これを「サンプル・ライフ」という。

しかし、それでも顧客は今夜のメニュー、明日の商材を購入してくれる。
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冷凍食品はリーチインケースで売られる。
売場の中央に衣料品が島陳列。
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シーフード・サラダやロテサリーチキンの売場がみえてきた。
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バナナ娘に続いて、
オーム船長が歌う。
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通路上には冷蔵ケースの島陳列も。
ここは変化させる売場。
時には売り切れ御免のシーゾナルアイテムが売られる。
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そして曲がり角に、鮮魚の対面。
上部のパネルには大きな魚のデコレーションがある。
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鮮魚から、次は乳製品へ。
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スチュー・レオナードが牛乳や出身であることを思い知らせてくれる売場。
左はオーガニック・ミルク。
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牛乳売場の続き。
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ソフトドリンク売場が繋ぎで、奥にバター売場がみえる。
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そのドリンク売場では、
コカコーラ、ペプシコーラが並んでいる。

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バター売場の上部にはまた、楽しいミュージックを奏でるぬいぐるみ。
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曲がりくねって、次のコンセプト、次のカテゴリーに。

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向こうにチーズの売場がみえる。
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間をつなぐのは水の売場。
ポーランドの水。
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コーナーに、ぬいぐるみ人形。
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アペタイザーの売場。
ライス・プディングやピクルス、ロマノチーズなどが、
コーナーづくりされている。
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ミートボール5ドル49セント。
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圧巻のスープ売場。
様々なスープがカップに入れて売られている。
買って帰って温めるだけ。
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「凄い」の一言。
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寿司売場は独立している。
並んでいる商品自体は、ベンダーから供給されるもので、
さして大きな違いはない。
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奥に、最後のコンセプト・サービスデリの売場がみえる。
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「ヘルシー・ステーション」とネーミングされたビュッフェ・スタイルの売場。
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そしてHotデリ。
ミート・ラザニアやミート・バーベキューなど、
好きな品を選ぶことができる。
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「ウィークリー・スぺシャル」と名付けられたコーナー。
HotデリとColdデリが選べる。
1週間ごとにメニューが変わり、
「今週のお薦め」料理が提案されている。
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最後に、「キッズ・ミール」から「ピザ」へ。
キッズ・ミールは子供用の食事。
子供客も多いスチュー・レオナードらしい丁寧な提案。

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右手のリーチインケースはアイスクリーム。
左手はライス・ケーキ。
真ん中に島陳列で、揚げたてのポテトチップスが売られている。
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最後は、なぜかドライフルーツとミックスナッツ。
これは、店を見に来ただけの人々へのお土産売場。
何にも買わなかった人も、
ここでは「買ってね」の意思表示。
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そしてぐるりと回ってレジへ。
レジの向こうは、入り口で、
右手にコーヒー売場がある。

不況のあおりで、やや閑散とした観があるが、
最後のおもてなしのレジが、元気よくて、よろしい。
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さて、スチュー・レオナードの全貌をお届けした。
本邦初公開。

いかがだったろうか。

小手先の楽しさづくりではない。
小手先のプロモーションでもない。
小手先の売場づくりでもない。

メニューの提案が、
「これでもか、これでもか」となされる。
毎週のように商品が変わり、売場が変わる。

スチュー・レオナードは、まず、
こんな生活を送ってほしいという「願い」を持っていて、
それを店と商品に表している。

そこに知識商人たちの努力の粋が集まる。

Rule1  The Customer is Always Right!
原則1 顧客はいつも正しい。

Rule2  If the Customer is Ever Wrong, Reread Rule1.
原則2 たとえ、顧客が間違っていると思っても、原則1を読み返せ。

ポリシーが売場をつくり、店をつくる。

それを私たちに教えてくれる店。
スチュー・レオナードに、心より感謝。

 (つづきます)

<結城義晴>

2010年10月11日(月曜日)


Everybody! Good Monday!
[vol 41]

しかし今日は「体育の日」。
日本は、いい天気だろうか。

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昨日の10日は朝8時に、
商人舎スペシャルコースの「結(ゆい)まーる」チームを、
ホテル「マリオット・マーキーズ」で見送って、一人になった。

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今回のホテルも、
商人舎ツアー・チーフ・コーディネーター鈴木敏さんの執念で、
ニューヨーク・マンハッタンのタイムズスクェアのまん前がとれた。
「マリオット・マーキース」。

もともと私は、ひとり旅が好きで、
40歳代にヨーロッパを訪れるときは、
たいてい一人だった。

「結まーる」とは、沖縄語。
うれしいこと、つらいこと、かなしいこと。
すべてを分かち合い、お互いを思いやり、
助け合う心といったことか。

倉本長治先生のお墓に刻んである「恕」のようなニュアンスを持ったことば。
最後の晩の部屋での交流会の最後に、
沖縄の㈱リウボウストア社長の茂木正徳さんが言い出して、
即、みんなが賛成。

「結」が私の苗字「結城」の「結」だということもあって、
2010年秋の商人舎USAチームは「結まーる」となった。

その結まーると分かれて、午前中はホテルの部屋で仕事。

昼ごろ、地下鉄で、
マンハッタン4thアベニューとイースト10ストリートへ。
博多ラーメン「一風堂」がある。
福岡ラーメンのナンバー1ブランドが、
3年前にニューヨークに進出して、大盛況。

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壁面には、日本の有名ラーメン店の丼が飾られている。

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日曜日の昼時で、20分の待ち時間。

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待っている間にバーで恵比寿ビール。

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席に着いたら、
赤丸ラーメン・煮卵付きを堪能。

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その後、再び地下鉄で、セントラルパークへ。

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広大な公園の片隅を散策。
替え玉まで食べた腹ごなし。

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もちろん今月は、ラーメンも、
「良く噛んで食べる」

5番街の大通りから、セントラルパークの西の端まで、
連綿とパレードが繰り広げられていた。

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南アメリカ各国のデモンストレーション。
とにかく陽気。
それがいい。

ニューヨークでは年間に、
270回もこういったパレードが行われるとか。

久しぶりにのんびりしてから、
夕方、4時半にはタクシーでジョンFケネディ空港へ。
ロンドンやパリと比べて、ニューヨークは地下鉄や鉄道の便が悪い。
だからどうしてもタクシーとなる。

チェックインは意外なほどスムーズに終わって、
アメリカン航空のラウンジで3時間、仕事。
私はこのアメリカンのゴールド会員。
これだけ海外渡航していれば、それも当り前か。

しかしこの3時間は、なかなかインターネットがつながらず、
あっという間に過ぎてしまった。
夜8時20分発ロンドン行き。
約7時間で、大西洋を飛び越える。

ニューヨーク時間午前3時半、
ロンドン時間午前8時半、
ヒースロー空港に到着。

機内でディナーを採って、
ビールとワインを飲んで、
ラッセル・クロウの「ロビンフッド」の映画を見ながら、
熟睡。

ここでも、あっという間にロンドンに着いた。

ロンドンからは地下鉄。

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ピカデリ―ラインに乗って30分、
グロースター・ロード駅で降りて、
ホテルは「ミレニアム・グロースター」。
地下鉄一本で、ホテルの駅まで来ることができる。

ほんとうに便利だ。

ロンドンはニューヨークと違って、
大人の街。

地下鉄でも、日本のように携帯電話を見ている者はいない。
皆、新聞を読んでいる。

私はパソコンをとりだして、
このブログを書いている。

グロースター・ロード駅に着いて、
目的のミレニアム・グロースターはすぐに分かった。

歩いて、3分。

いよいよ、ヨーロッパでの1週間が始まる。
ロンドンに5日間、
パリに3日間。

何事も、「良く噛んで食べる」。
そして「無茶をせず、無理をする」

さて、まだまだアメリカ報告をしなければならない。
今日のテーマは、
「商品に語らせる」

スーパーマーケットは、
人々の普段の暮らしにお役立ちする商売だ。

だから、売っているもののほとんどは、
「普段の生活に必要な商品ばかり」。

もちろん生活が個性化し、多様化し、高度化してくると、
普段のくらしの幅が広がる。
ちょっと珍しいもの、人々が知らないもの、知らない食べ方などが、
品揃えの中に入ってくる。

その時には、言葉や表現で説明しなければならない。
当然のことだ。

しかし、普段の商品には、くどくどとした説明はいらない。
だから、ほとんどの場合、
「商品に語らせる」ことになる。

その典型的な店を紹介しよう。

フェアウェイマーケット。

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もともとは八百屋。
1940年にNathan Glickbergが、
マンハッタンに小さな青果店をオープン。
1995年には、最大のハーレム店オープン。
ここで自信をつけて、
2001年、ロングアイランドに郊外型プレインビュー店を開店、
そして2006年に、このブルックリンの倉庫街にレッドフック店オープン。

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企業売上高は推定3億ドル(約360億円)

このレッドフック店は、
店舗面積5万2000スクエアフィート(約4830㎡)、
駐車台数300台。
開店費用は2800万ドル(約33億60000万円)、
週販目標は80万ドル(約9600万円)
この4階建の建物の1階部分に、
迷路のようなレイアウトのスーパーマーケットが配置され、
上階は45個の住居とアーティスト向けオフィススペースとして提供。

さて店に入ってゆこう。

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駐車場と店舗の間にテントが張られている。
そのテント内に常温の青果中心にボリューム陳列。
これ、フェアウェイの特徴。

外からでも見えるような売場。
商品が語っている。

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このあたりを歩いていると、もう、
わくわくしてくる。

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陳列台は店内店外ともに、やや高い。

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さて、スウィングドアを押して、店内に入ると、
まず青果部門。

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他を圧するモモの売場。
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この入口の一角を抜けると、
青果部門の圧倒的な品揃えの売場に入る。

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葉物野菜も、商品が語る。
POPは少ない。
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店舗右奥のコーナー。
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レタスなど、茎を見せての陳列。
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葉物は縦陳列が基本。
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多段陳列も活用する。
そのあたりは臨機応変。

全米・世界各地の農地から直接仕入れることで、
高品質低価格の商品を品揃え。

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見てください。
「商品が語る」売場。
「商品に語らせる売場」。
言葉はいらない。
いや、最小限でいい。

名優は、沈黙のときの表情で語る。
しぐさで語る。
だからぽつりとつぶやく言葉が生きる。
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根菜類も、果物のように美しく見える。

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リンゴは、敷物を敷いてボリューム陳列。
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レモン、オレンジも、ボリューム陳列。
ここにも言葉はいらない。
値段だけでいい。
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一つひとつ丁寧に並べられている。
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キノコの売場は青く見える。

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正面から見ると一段と迫力がある。

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オリーブやピクルス売場は、一品ずつボトルに入れてある。

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土曜日、日曜日には、
これを積極的に試食させる。

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チーズの品揃えは、350種類。

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青果から生パスタ売場へ。
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トップボードに商品やカテゴリーの説明があり、
商品周りには無駄な装飾や説明がない。
だから「商品が語る」ことになる。
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青果、日配から、鮮魚売場へ。
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鮮魚売場はRケースで対面販売方式。
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ホールフーズやウェグマンズよりも、
広い売場のシーフード部門。
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精肉は対面売場と多段ケースでのセルフ売場の併用。

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Meat Marketと名付けられている。
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対面は加工肉から入る。

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そして、最後が牛肉。

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その中でも、ポ-タ-ハウスステーキは重要アイテム。dscn3406-3.jpg

ミートから惣菜へ。

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大皿盛りのデリカテッセン。
ちなみに「デリカテッセン」はドイツ語。
英語では「デリ」。
「デリカ」は日本人の造語。
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売れ筋はすぐになくなる。
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菓子や加工食品も、
生鮮と変わらない。

商品自身に語らせる。

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このカテゴリーなど、
「Fairway Market」の名の入ったプライベートブランドばかり。
ナショナルブランドが弱い分野には、積極的にPBを投入する。

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壁のような前進立体陳列。
その中にアクセントを設ける。
それだけで商品が語ってしまう。

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袋菓子もプライベートブランド。
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ユダヤ人向けの商品を集めた売場。
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クッキーの売場。
両サイドから商品が迫ってくる。
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通路中央に島陳列を設ける。
これも基本中の基本。
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ドレッシング売場。
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ワインや酒のコーナー。
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クッキー売場。
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加工食品売場の最後のところ。
陳列棚3本に1カ所くらいの割合で、
通路内関連販促の島陳列を設ける。
顧客の方向に商品の「顔」を向けるのがセオリー。
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通路内にソフトドリンクの関連販売を仕掛けると、
エンドではドリンクの大量陳列。
理にかなったスーパーマーケットの基本が守られている。
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最後にコーヒー売場。

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注文に応じて、コーヒーを挽いてくれるし、
量は顧客の望むままに分けてくれる。

サービスデリのサンドイッチやサラダのコーナーを抜けると、
出口があって、ここから自由の女神を臨む。

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迷路のような売場。
すべての商品が顧客に語りかけてくれる。
その店を抜けると、
眼前には広大な水と川と自由の女神。

多民族国家のアメリカ合衆国では、
文盲の客は多い。
だから余計に、商品で語らせる。
しかし、ショートタイムショッピングを考えると、
日本でも言葉は最小限でいい。

商品が語るのが一番だ。

いかがだろうフェアウェイと商品が語る売場。
(つづきます)

<結城義晴>

2010年10月9日(土曜日)


昨日のニューヨーク外国為替市場、
1995年4月下旬以来の円高・ドル安。
1ドル81円台に突入。

今、そのニューヨークにいる。

原因は、アメリカ側にある。
労働省が9月の雇用統計を発表。
非農業部門の就業者数が、
4カ月連続で減り、
9月は前月よりも9万5000人減った。
つまり雇用不安。
それが合衆国の景気不安感につながった。
国際通貨基金(IMF)の見通しでも、
成長率は大幅下方修正。

この景気後退は、
店頭に顕著に表れている。

テキサスでもニューヨーク周辺でも。

ウォルマート・スーパーセンターの一部の店舗からは、
明らかに客足が減った。

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スーパーターゲットもがらんとした売場と店。

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クローガーのハイパーマーケット型マーケットプレイスも。

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セーフウェイ(トムサム)のニューライフスタイル・タイプもガラガラ。

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HEBには生鮮とデリの売り場だけに客が付き、

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ローカルスーパーマーケットのマーケットストリートも。

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スプラウツファーマーズマーケットも。

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ニューヨークのフェアウェイマーケットも、
見事な売り場に客がいない。
芋が通路に、ゴロリン。

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ヨンカースのスチューレオナードも、
グンとさびしくなった。

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比較的良さそうなのが、
ホールフーズ、トレーダージョー、コストコ。
私の名づけたWTC。

それにアルディ。

新しいWTCAか。
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アルディは、もともと、
客数はそれほど多くなくとも利益が出る。

コストコでさえ、
客数が減り、客単価が下がっているように感じられる。

ホールフーズはフードサービス部門に、
集中的に客が集まる。

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従って、すべての例外は、
トレーダージョーか。

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しかしそのトレーダージョーですら、
ちょっと客数は減っているし、
客単価は落ちている。

恐ろしいことが、起こりつつあるように思う。

ただし、大いに救われることがある。
それは第1にすべてといってよいほどの店の売場の状態が、
水準を保たれていること。

第2は、そこに働く人々の士気が落ちていないこと。
ホスピタリティとスマイルが顧客を待っている。

このことは、ほんとうに勉強になる。
売場がどうの、陳列がどうの、
そんなことよりも、
いつでも、お客様を
おもてなしする準備ができている。
態勢が整っている。

それこそ、小売業・フードサービス業が、
国内総生産の7割を占めるアメリカ合衆国の「良さ・強さ」だと思う。

「元気を出そうよ、
それがあなたの仕事です。

たとえ売るものがなくなっても、
あなたには元気を売ることができる。

元気を売ろうよ、
それがあなたの仕事です」

一方、商人舎USA研修スペシャルコース・チーム。
元気いっぱい。

自由の女神を背景に。
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大型ショッピングセンターのダラス・ギャラリアで。

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メリッサ・フレミングさんを囲んで。

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ダラスの空港で。
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ホールフーズのクッキングスクールの前で。
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若さに満ちたアルディの地区マネジャーとともに。

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そしてホスピタリティあふれるマ-ケットストリートの店長を囲んで。
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アメリカの知識商人たちが元気だから、
日本の知識商人も元気です。

ありがとう、知識商売。
ありがとう、知識商人。

<結城義晴>

[追伸]
昨日触れた「誰がウォルマートを殺すのか?」
この報告のプロローグは、
来週、アップする予定です。

2010年10月8日(金曜日)


日本の成田からオースティンに来て、
オースティンで一晩。
そしてオースティンからダラスにバス移動して、
一晩寝て、一日を過ごし、
今、二晩目も明け方になっている。

昨日は、朝から10店舗を巡った。
本を読む場合も、一時は、
一つの分野の本を乱読をするのが良い。
とにかく手当たりしだいに、読みまくる。
そうすると、見えてくる。

店を見る時も同じ。

今回のコースも、最初の日、二日目は、
講義を交えて、3店舗、4店舗を訪問。

「見て、感じて、考えて」、「自分のものとする」。
慣れてきたら一気に10店。

もちろん良く練られたスト―リーに則って「乱読」。
動いているときは、時間の経過を忘れる。
それくらい、めまぐるしい。

ブログは、丁寧に書いていきたいと思う。
ゆっくりと説明していきたい。

そうするとどうしてもタイムラグが起こる。

動物は、体の大きなものも、小さなものも、
その一生で、心臓を打つ回数が同じだという。

本人にとって、生きている時間のリズムは同じということになる。

しかし、体の大きなもののほうが実際は長い期間生きる。
小さなものは短い。

象は長くて、鼠は短い。

だから象からみると、鼠は短命だが、
鼠自身の生きているリズムは、
象とかわらない。

とすると、今の私や私に同行している人たちは、
小さな動物になっているのか。
12時間+1時間、ジェット機の上から、地球を見てしまったから、
自分が小さな存在と感じられるようになったのか。

とにかく、心臓を打つ鼓動のリズムが速いのだろう、
時間がひどく短く感じられる。

五木寛之さんが言っていた。
新しい体験をしていると、時間は早く感じられる。
同じことをしていると、時間は長い。
早く感じられることは、「充実」を意味する。

だから五木さんは、
毎日、違う道筋で散歩したり、
同じ目的地に行くときにも、
違うルートを採ったりする。

外国にやってくることは、
非日常である。

それが時間を短く感じさせてくれる。
しかし、これは間違いなく、「充実」を意味している。

さて、商人舎USA研修会スペシャル編。
「経営戦略」を学ぶコース。
オースティンでの2日目から、佳境に入る。
朝8時に集合して、HEB元上級副社長のメリッサ・フレミングさんの特別講義。
「最新アメリカ流通業の実態とHEBの対ウォルマート戦略」。

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HEBは全米第7位のスーパーマーケット企業。
年商1兆5000億円の非上場企業。

メリッサさんはHEBでマーケティングとストラテジーを担当した。
ウォルマート対策にかかわり、
プライベートブランド開発に携わった。

その実体験は、大変に貴重なものだ。

現在は、コンサルタント。

まず、アメリカ小売業界、スーパーマーケット産業の大激変。
「ウォルマートの異変」に関して。

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ウォルマートはUSA国内での実績を辿ると、
5四半期連続売上げ減。
15か月連続ダウントレンドにあるということ。

全体では国際部門が収益をカバーしていて、
中国、メキシコ、ブラジルが好調。
すなわち流通後進国のBRICsでは受けている。

なぜ米国内ウォルマートの業績が不振なのか。
このテーマ、今回のツアー全体を通したものとなった。

そして私は、ダラスの最後の日に、
その理由を解明した。

フレミングさんの分析。
第1に、間違った人材をチーフポジショニングに配置したこと。
ターゲットからスカウトしたマーケティング担当のジョン・フレミング、
USA代表のカストロ・ライトの2人。
彼らが新しいイノベーション「プロジェクト・インパクト」の推進者。

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一言でいえば、
ウォルマートをコンテンポラリーな企業に変えようとした。
NYにバイイングオフィスを設け、
ヴォーグ誌に広告を載せるなど、
イメージ変革を試みた。
その結果、顧客は混乱し、それに拒否を示した。

この間違った人事は排除され、
新たにビル・サイモンがUSA社長になり、
「原点回帰」を打ち出している。

第2は、不況期に打ち出した戦略によって、
グロスマージンが下がってしまったこと。

1万アイテムの商品を値下げした「ロールバック」。
Thousands of rollbacks
これは、強力な販促費をかけて展開されたが、
結果として粗利益を下げるだけのものとなった。

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どこよりも安い価格を追求し、
競合他社の価格に合わせるため、
各店の店長に価格決裁権を与えた。

しかし、既存の顧客は所得がダウンしているため、
価格を下げて広告しても、
それらの顧客の購入意欲につながらなかった。

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この3月から7月9日まで、展開されたプロモーションは、
それをやめた途端、
ウォルマートから客足を遠のかせてしまった。

第3に、一番安いというイメージを失った。
これが大きなこと。

価格政策の中で、大胆な「プライス・マッチング」を展開した。
プライス・マッチングとは、競合他店に価格を合わせること。

例えばダラスではアルディが1ガロン99セントの牛乳を売っている。
1ガロンは3.8リットル。
日本でいえば、1リットル25円。

これにウォルマートがプライスマッチングした。
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クローガーも、セーフウェイも、追随した。

しかしこれは、逆に、
ウォルマートが一番安くはないという印象を与えてしまった。

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そして第4に、企業文化の変質の問題。

地域のお客のニーズに合わなくなってきている。
だからテキサスでは9カ月間売上げがダウンしている。
クローガー、HEB、そしてアルディが参入。
これらの企業がベーシックアイテムを価格訴求し始めた。

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ウォルマートは9月の終わりに、
この3社の動きに対応し始めたが、
会議だけで具体的なアクションは見られない。

「会議は踊るされど進まず」の観あり。

以前は1週間売上げがダウンしたら、
次の1週間で対策を打ち出したウォルマート。

そのウォルマートがもっていた企業文化が変わりつつある。

だから店舗はマーケットに対応できていない。

フレミングさんの分析は、超辛口だった。

しかし、私たちはオースティン、ダラスで、
その実態を体験することとなる。

ウォルマートの人々は、
赤裸々に、正直に、
私たちにそれを教えてくれたのだった。

私は本気で、連載を再開せねばならないと思った。
「誰がウォルマートを殺すのか?」
(続きます)

<結城義晴>

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