結城義晴のBlog [毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年11月25日(金曜日)


今日の横浜は快晴。

11月下旬だというのに、
晴れやかな日が続く。

その横浜を後に、
大阪に向かう。

最近、私自身は気分爽快。
申し訳ないくらい。

4大新聞の一面コラムすべてで、
「談志が死んだ」を取り上げた。
どこかがこの回文を使うかと思ったが、
不謹慎だとの批判を恐れたか、
どこも「ダンシガシンダ」とは書かなかった。

ちなみに『談志が死んだ』は、
2003年12月に講談社から単行本として発刊されている。

それにしても一面コラム。
志の輔、談春、志らくなどなど、
弟子たちを養成したという評価をしているが、
談志自身そんなことは二の次だったと思う。

「勝手にしな!」
あの世があるなら、
そう言い放っているに違いない。

私は、談志、志ん朝、枝雀の次は、
まだ出てきていないと感じている。

こういった名人たちは、
団子状態で登場してくるのかもしれない。
団子状態で凡人が出てくるのが常だが。

さみしいことだ。
ほんとうに。

さてクリスマスまで1カ月に迫った。
私も今年、やり残したことをやり遂げねばならない。

その一つが、このブログでの、
アメリカ・ヨーロッパ報告のつづき。

今年は2月の終わりから3月にかけて、
サクラメントとサンフランシスコを訪れた。

その後、3月11日の東日本大震災
私は今でも、東北関東大震災と呼んだ方がいいと考えている。

震災のあと、5月の下旬に、
商人舎ベーシック・チーム90人とラスベガスに居座り、
そのまま次のチームを迎えて、
ラスベガスからサンフランシスコ・サクラメント。

6月はダラス、サンフランシスコ。

7月はコーネル大学ジャパンの卒業研修で、
ニューヨーク州のイサカとマンハッタン。

9月下旬から、再びダラスとサンフランシスコ。

10月中旬は、ドイツ・ケルンとフランス・パリ。

そして10月下旬に、
商人舎スペシャル編&マーチャンダイジング編で、
ダラス、ワシントンDC、ニューヨーク、
ロサンゼルス。

あ~あ、思い出しても、
疲れる。

その最後の10月のレポートが、
完結していない。

これからクリスマスまで、
[2011帰国後の米欧報告記]と題して、
とびとび連載でお届けしよう。

それが私からの皆さんへのクリスマス・プレゼント。

その第2回目となるが、今日は、
フレッシュ&イージー・エクスプレスの巻

私たちがロサンゼルス滞在中の11月2日、
ラシエネガにオープンした超小型店。
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〝Fresh&Easy Express″
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テスコがイギリスからアメリカに進出を遂げたのは、
2007年11月。
店名は「フレッシュ&イージー・ネイバーフッドマーケット」

私はちょうど㈱商業界の社長を辞したばかりで、
この時も西海岸に滞在中だった。

テスコのアメリカ進出とは妙に縁がある。

11月8日にロサンゼルスで5店舗がオープン。

私はノブ・ミゾグチさんとともに、
翌日の11月9日に3店舗を視察した。

この時、ロサンゼルス・タイムズのビジネス欄は、
「ラルフとトレーダージョーをブレンドした店」
と紹介した。

私はそれに反論。
「いや、アルディとトレーダージョーを
足して2で割った店だ」

トレーダージョーもアルディも1万スクエアフィート。約280坪。
そして品揃え限定型。いわゆるリミテッド・アソートメント。
そのうえプライベートブランド主力のフォーマット。

アルディはノンフリルの店で、
ウォルマートをしのぐハード・ディスカウンター。
レーダージョーは安全・安心、健康、環境のマーチャンダイジングを志向し、
さらにホスピタリティあふれる店になっている。

両者はドイツのアルブレヒト・ファミリー傘下の兄弟企業。

テスコのフレッシュ&イージーは、
両社の「良いとこどり」を狙ったものだった。

この時の店舗面積はいずれも、
ちょうど1万スクエアフィート(約280坪)。
品揃えは、3500SKUのリミテッドアソートメント型。
このあたりアルディ、トレーダージョーと同じ。

当初のプライベートブランド(PB)比率は、商品構成の5割。
初年度に91億ドル(9100億円)の初期投資でスタートし、
最新決算の2010年度は164店舗で
年商4億9500万ドル(495億円)

まだまだ大きな赤字。

しかし米国CEOティム・メイスンは、
「400店体制になれば損益分岐点をクリアできる」と発言。

テスコは、イギリス第1位の小売業にしてスーパーマーケット企業。
年商675億7300万ポンド(1ポンド120円で8兆1087億円)、5380店。

本国では、マーケットシェア30%の圧倒的支持をもつ。
その理由のひとつはマルチ・フォーマット戦略

テスコはイギリス本国で主に4つのフォーマットを展開している。
第一に最大のフォーマットがテスコ・エクストラ
これはハイパーマーケット(いわゆる総合スーパー)で、
平均6625㎡(2000坪)、212店。

第二がテスコ・スーパーストアで、
これが標準的なスーパーマーケット。
2780㎡(842坪)で470店。

第三がテスコ・メトロで、1081㎡(326坪)、186店。

そして第四にテスコ・エクスプレス
205㎡(62坪)で1285店。

米国のフレッシュ&イージーは、
英国におけるテスコ・メトロのサイズで、
しかもニューコンセプトが取り込まれていた。

そのメトロ規模の米国フレッシュ&イージーに今回、
エクスプレスを加えて、ダブル・フォーマット戦略となった。

そのフレッシュ&イージー・エクスプレス。
店舗面積は3000スクエアフィート(約85坪)。
2500SKU。

コンビニエンスストア型のスーパーレット(ミニスーパー)。
面積を3分の1に小型化し、品揃えを7割程度に絞り込んだ。

店舗の外側はガラス張りで見通せる。
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店外入り口のところにカート置場。
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チェックアウトは、ネイバーフッドマーケット同様にセルフレジ。
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店舗入り口から右手に青果部門がある。
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クレート陳列で、これは標準店と同じ。
日本のコンビニよりも断然品ぞろえは豊富。
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右手はパック野菜などが並ぶ。
単身者向けの品ぞろえというよりも、
オールラウンドなアソートメントで、
スーパーマーケットの代位機能を果たす。
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青果部門からリーチインケースの精肉部門へ。
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このリーチインケースが、いい。
可視率が高くて、もちろん省エネでもある。
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肉は必需アイテムが品揃えされて、
しかも鮮度が良い。
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そのつき当たり奥壁面が
「Authentic Italian」をコンセプトにしたインストアベーカリー売場。
小型店でも1日3回、インストアでパンを焼く。
右手にジャム類の関連販売。
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その左手には、パッケージド・ベーカリー。
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反対側から見たところ。その奥が駐車場になる。
フレッシュ&イージー・カラーのグリーンの什器が目立つ。
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そして奥壁面はデアリー(乳製品)売場につづく。
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ヨーグルトなどのデザート製品、卵、果汁飲料が並ぶ。
冷蔵リーチインケースの中に絞り込まれた品揃えが、
それでも主力商品は多フェーシングで陳列されていて、
見やすくて買いやすい。
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奥壁面からさらに壁面にそって続く冷蔵ケース。
牛乳コーナーからアイスクリームコーナーへ。
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これはコンビニコンセプトだが、
冷蔵販売するビールやワインの酒コーナー。
1本売りから箱売りまで充実している。
オランダビールを集めた「ダッチコーナー」など輸入ビールも豊富。
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その冷蔵ケースに続いて冷凍ケース。
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冷凍ケースでは冷凍食品、アイスクリーム、氷が売られている。
日本のコンビニよりも圧倒的にスーパーマーケットの品ぞろえ。
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レンジ対応の簡便ミール商品「eat well」 。
これもプライベートブランド。
フレッシュ&イージーはミールソリューション・アイテムの開発を、
活発に展開している。
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オーブンで焼くだけのぺペロニ。
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手羽など冷凍生肉も扱っている。

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壁面の最後は常温で販売する箱売りのビールや水。
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その横には、カフェ・コーナー。
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ホットとアイスのディスペンサーが置かれ、
右横にあるセルフ・レジで、すぐに購入できる。
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冷凍・冷蔵ケースの対面はクッキー・チョコ類の品ぞろえ。
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そのゴンドラエンドには、チョコバーやガムなどの菓子。
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そしてセルフレジがならぶ。
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セルフレジの裏側は雑誌コーナーと切り花コーナー。
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その前にある湾曲した冷蔵ケースが目を引く。
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カット野菜や成形ハンバーグが品ぞろえされた「Fresh Deals」エンド。
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そして入り口付近にデリ・コーナー。
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電子レンジ対応の豊富なプリペアードフードは、
十分にメインディッシュになる。
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パスタ、ピザメニューも充実している。
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1人用で約5ドル、ファミリー容量で15ドルの価格帯商品。
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ゴンドラアイルはシリアル、調味料、飲料など。
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青果コーナーの裏は、スナック売場。
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雑貨類も必需品に絞り込まれている。
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小型店ながらペットフードも品揃えは必需品を欠かしていない。
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カフェコーナーからみるレジ。
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レジは対面配置で5台。
もちろん、セルフチェックアウトのため、
後方にスタッフが1人ついている。
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米国フレッシュ&イージーの品揃えの絞り込みには、
英国での4ケタを超える経験が生かされている。

だから、店内で買物しても、実になめらかに回遊できるし、
不便を感じさせない。

写真を見ていただくだけでも、
この店がコンビニではなく、
立派なスーパーマーケットであることを理解いただけるだろう。
それに重要なことは、
フレッシュ&イージーのレギュラー店とエクスプレスに、
「商品とサービスの統一」が図られていること。

これは相乗効果を生み出す。

この「統一感」に関しては、本国のテスコは、
エクストラからスーパーストア、メトロ、エクスプレスまで、一貫している。

アメリカにはコンビニはあっても、
ほとんどがガソリンスタンド併設型。
日本のコンビニのような、優れて便利な業態は、
アメリカ消費社会には存在しない。

この空白マーケットをフレッシュ&イージー・エクスプレスは狙っている。

このエクスプレスの登場によって、
テスコが日本から撤退する理由も明らかとなる。

いつも言うが、
日本は異常ともいえるコンビニ発達消費社会

これは東京大学の松原源一郎教授が指摘している。

だから、テスコ・ジャパンの小型店やエクスプレスは、
長くて立派なコンビニ・チェーンの行列の一番後ろに並ばざるを得ず、
短期間ではうまくいく目途が立たなかった。

これに対して、アメリカ小売業界は、
コンビニを発祥させたという歴史を持ちながら、
そのイノベーションはストップした。

ここに本国のイギリスで大成功しているコンビニ機能を併せ持つ小型スーパーマーケットを、
しかもダブル・フォーマットでもってくるというのが、
テスコの最初からの戦略だったわけだ。

アメリカでもマルチ・フォーマット戦略を採用し始めたテスコ。
日本からはいち早く撤退を決めたが、
かの地では「成功するまでやる」に違いない。
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「成功するまでやめない」とはいっても、
当面はフレッシュ&イージー・エクスプレスの今後にかかっている。

ウォルマートは、小型店実験の「マーケット・サイド」を閉じ、
「ウォルマート・エクスプレス」というバナーの実験店を出した。
これも簡便ニーズ対応型小型フォーマットである。

ウォルマート・エクスプレスにフレッシュ&イージー・エクスプレス。
アメリカはいま「エクスプレス」ばやりで、忙しいことだ。

<結城義晴>

2011年11月15日(火曜日)


今日11月15日は「七五三」
「しち・ご・さん」と読みます。
ちょっと、しつこいけれど。

その七五三につきものの千歳飴。
「ちとせあめ」と読む。
千歳の飴。

七五三の「子供の成長を祝う日」に、
親や祖父母が、子や孫に、
たとえて千歳までの長寿の願いを込めて、
この飴を食べて祝う。

だから細く長い飴。
直径は約15mm以内だが、
長さはなんと1m以内と決められている。

飴の色は紅白で、縁起色。
千歳飴袋も鶴亀や松竹梅などの縁起の良い図案。

この千歳飴、江戸の元禄時代に登場。
浅草の飴売り七兵衛が、長い飴を長い袋に入れて売り出した。
名づけて「千年飴」「寿命糖」。

どんな時代にも他者と異なる知恵を働かせる商人がいた。

それがやがて、
子供の成長を願う「七五三」の代名詞のようになって、
今日に至る。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。

それが飴になった。

さて、「明日への希望」と言えば、
日本のスーパーコンピューター「京」。
理化学研究所と富士通の共同開発。

スパコン世界性能ランキング「TOP500」で、再び首位。

史上初の毎秒1京回を超える計算速度を達成。
その数値は1京510兆回。

1兆は1億の1万倍、1京はその1兆の1万倍。

日本の科学技術力は、高い。
嬉しいかぎり。

中央演算処理装置を増設させて連結し、
前回の1.3倍の高速化に成功。

2位は中国、3位は米国。

実用化に関して富士通は、
「京」の改良版で、毎秒2京回の製品を開発し、
年明けの1月から出荷予定。

一方、アメリカのIBMも、
同性能の「セコイア」を2012年中に開発すると表明。
日本が中国、アメリカに追われるの図。
願わくば、政治もそうあってほしい。

その政治に関して、日経新聞のコラム『大機小機』。
コラムニスト夢風氏が、
「危険な『安全運転』」と題して書く。

タイトルがいい。
まさにオクシモロン。

「いまの世界には、共通した病理がある」

「経済がよくない、だから社会不安が高まる。
そこで政治はポピュリズムに走る」

「結果的に経済は良くならずに、財政悪化が深刻になる。
そしてますます、失業や格差といった社会不安が高まる」

「社会不安とポピュリズムの悪循環」。

「世界が注目しているのは、
この悪循環を食い止める強い政治リーダー」の登場。

ちなみにポピュリズムとは、
「情緒や感情によって態度を決める大衆を重視し、
その支持を求める手法
あるいはそうした大衆の基盤に立つ運動」

<『知恵蔵』より>

大阪市長選挙も告示され、
現職の平松邦夫と前大阪府知事の橋下徹の一騎打ち。
ここでもポピュリズムが顔を出す。

コラムニストは嘆く。
「これはもう民主主義そのものの危機になる」

今はむしろ、
『つらいかもしれないがこうしようではないか』と訴え、
国民を説得する点にこそ、リーダーの役割がある」

「野田佳彦首相は目下「安全運転」に徹し、
多くを語らない」

「首相にとっての安全運転は、
実は日本経済にとって非常に危険な運転」

コラムニスト、嘆くことしきり。

日曜祭日など、
高速道路をトロトロと超安全運転で走るドライバー。
後続車や回りの車をやきもきさせて、ストレスを募らせる。
「危険な安全運転」。

経営においても、同じことが言える場合がある。
会社が下降線をたどり続けているにもかかわらず、
なんらイノベーションに取り組まず、
従来通りの業務に終始する輩。

「危険な安全運転」に、
気をつけよ!

さてもう一つの話題。
日経新聞「消費」欄。
このコーナー、ときどきいい記事がある。
「カット野菜派、増える」

食品スーパーマーケットの店頭で、
この秋、カット野菜の売上げが伸びている。

直接の理由は、
9月10月の葉物類の卸価格の高騰。

生野菜の代替品として、
店側はカット野菜を提案した。
価格が安定しているからだ。

この時に購入した消費者が、
引き続き積極的に買い求めている。
記事はこんな分析をする。
背景には、便利さと安全性がある。
パッカーの努力で、
カット野菜工場のクレンリネスや製品の安全性は、
消費者にも浸透してきた。

もちろんあらかじめカットしてあるのだから、
便利な商品であることは間違いない。

1972年、現在の全米第1位のクローガーは、
はじめて「スーパーストア」を出店させ、実験を開始する。
日本では「スーパースーパーマーケット」と呼んだ。
その後、全米のスーパーマーケットは、
店舗の大型化と品揃えの深さを追求し始める。
いわゆる「デプス・アソートメント」。

それが成就するのは1980年代に入ってからだが、
そのプロセスのなかから、1970年代後半、
カット野菜が登場し始めた。

その後、1986年、
ウェグマンズが調理済み食品を扱う実験店を、
先行的にオープン。

1996年、食品マーケティング協会(FMI)が、
「ミール・ソリューション」のコンセプトを発表すると、
カット野菜も全面展開を見せ始める。

現在は、ウェグマンズ、ホールフーズといったアップスケールタイプはもちろん、
クローガー、セーフウェイのナショナルチェーン、
ウォルマートまで、カット野菜は当然の品ぞろえカテゴリーとなった。

アメリカでは小売りベースで、
3000億円を超える市場にまで成長した。

この傾向は、ヨーロッパでも同様。
こちらも1990年代中盤から伸び始めた。
マークス&スペンサー、テスコ、セインズベリー。
「生野菜を食べない」イギリスで800億円市場。

カルフール、オーシャン、カジーノなどの営業強化によって、
「食」にうるさいフランスで1000億円市場。

わが国においてもカット野菜産業全体で、
1000億円程度の規模があると思われる。
これらは農産物流通学研究室の廣津亜矢子さんの調査。

写真はホールフーズのカット野菜コーナー。
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パックと袋物のオーガニック。

カット野菜も充実。
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ウェグマンズは対面コーナー。
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「ベジー・マーケット」と名づける。
「Veggi Market」。

「Fresh cut & pre-washed」とある。
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まったくもって、一味違う「カット野菜」の売り方。

アメリカ人もヨーロッパ人も、
買って帰って再度、洗いはしない。
そのまま調理する。

だから日本以上に、本当の簡便食品。
よく売れる。

ついでにホールフーズのカット・フルーツ。
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日経の記事では、
日本のいなげやと東急ストアを取り上げる。

いなげやの11月1日から9日の直近のカットサラダ、
1パック98円程度の商品の販売額は前年比4%増。
いため物や鍋物向けのカット野菜180円前後の商品は6%増。

東急ストアの10月のカット野菜は、
販売量が前年同月比13%増、
売上高も同比12%増。

林廣美先生の口癖。
「カットするだけで売価3倍。
それが飛ぶように売れる」

カット野菜は生鮮野菜に比べ、
安いわけではない。
しかしあらかじめ商材を手当しておくので、
価格が安定している。

野菜相場が高騰すると、
この時点で、お買い得感が出る。

そのうえ、手軽に調理できる。
安全でもある。

11月から12月の年末商戦。
浅草の飴売り七兵衛のごとく、
「カット野菜」に一段の工夫をすれば、
必ず売れる。

林先生の言葉が響く。
「カットするだけで売価は3倍」
そのうえでお客様は喜んでくれる。

<結城義晴>

2011年11月9日(水曜日)


まず、お知らせを三つ。
宣伝ではない。
ご報告。

今夜10時25分からNHKのEテレで、
「仕事学のすすめ」が放映される。
大久保恒夫さんが出演して、
「こうして企業は再生する」の第2回目。
ご存知、㈱セブン&アイ・フードシステムズ社長。

是非、ご覧下さい。

それから、通称「ハンドブック」に、
4ケタ台の一括お買い上げ。
東洋経済新報社刊『1秒でわかる! 小売業界ハンドブック』
1秒ではわかるはずはないけれど、
ありがとうございます。

通称「店ドラ」こと、
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』には、
台湾での翻訳本出版オファーがきています。
これも、嬉しいこと。

さてオリンパス。
1990年代からの含み損1000億円超。
朝日新聞『天声人語』の表現を借りると、
「見て見ぬふりで20年も放置し、
切るに切れぬ病巣にした」
つまり粉飾。

過去のものであろうと、
粉飾を押し隠しつつの健全経営など、
絶対にあり得ない。

だからマイケル・ウッドフォード元社長は、
それを質した。
そしてこのイギリス人経営者は、
突如、解任された。

その気持ち、よくわかる。

故倉本長治商業界主幹は、
『商売十訓』で言い切った。
「損得より先に善悪を考えよう」
「欠損は社会のためにも不善と悟れ」

粉飾を知りつつ、
経営を続けていると、
経営者も社員も蝕まれていく。
やがてそれが組織の風土となり、
企業は腐っていく。

誠に残念なことだし、
本当に恐ろしいことだ。

膿を出し尽くして、
再出発するしかない。

私はいつも、そう考える。

日経MJ『消費見所カン所』に、
㈱いなげや社長の遠藤正敏さん登場。
「高齢者を中心に食品を自宅近くで購入する傾向が強まり、
コンビニエンスストアとの競争が激しくなっている」

そう、業態間競争の激化。

アメリカでもヨーロッパでも、
そして日本でも。

「非食品専業業態が、
生鮮やデリを扱い始めて、
チャネル間競争が起こる」

コーネル大学ジン・ジャーマン名誉教授の指摘。

遠藤さんは述懐する。
「消費マインドは見通せない」

だから確かなことをやる。
エブリデー・ロープライスの小型店フォーマット。
「いなげや ina(いーな)21」

やりきりさえすれば、
いつの時代にも、
確かなニーズはある。

しかしこれをやりきるのは、
本当に難しい。

イオングループの小型ディスカウント・フォーマットの「アコレ」は、
現在13店舗だが、
どちらもモデルは、
ドイツの「アルディ」のはず。

ご本家は小型ボックスストアで、
「ハード・ディスカウンター」と呼ばれる。
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現在、グループ全体(Aldi Nord & Aldi Sud)の年商(2010年)は、
470億5600万ユーロ(1ユーロ110円換算で、5兆1762億円)
ドイツ(Aldi Nord & Aldi Sud)の業績(2010年)は、
年商219億9900万ユーロ(1ユーロ110円換算で、2兆4199億円)
国内マーケット・シェアは13.54%。

アメリカのアルディも、
1978年にシカゴ郊外に第1号店を出してから、
200店、500店、そして1000店を超えて、
やっとディスカウントの効果が出始めた。
1000店までに30年かかった。
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アメリカでの業績(2010年)は、
年商83億6200万ドル(1ドル100円で換算で、8362億円)、
売上げの伸び率は12.1%。
店舗数は1135店で、
こちらの伸び率は7.0%。

両者を比較すると、
既存店が伸びていることもわかる。

2011年全米チェーンストア・ランキング17位。

店舗面積は1万平方フィート(281坪)に標準化されている。
入り口から入ったコンコース。
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取扱アイテムは、1,300SKU。
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限定品揃えのリミテッド・アソートメント。

95%がプライベートブランド。
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コーラもPBで、
常時2リットルを59セント販売。
1ドル100円換算ならば59円、
為替換算の80円ならば48円。

店内は明るくて、
売り場は、簡素でノーフリル。
徹底して、金をかけないローコスト運営。
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店舗左サイドの壁面。
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パン売り場の商品もよく売れている。

レジ手前の冷凍食品売り場。
リーチインケースだが、
見通しがいい。
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冷凍食品やアイスクリームも、
平ケースでしっかり品揃えされている。
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生鮮食品が充実してきた。
「悪かろう、安かろう」では、断じてない。
それが、最大のポイントである。
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パレットに積まれて入荷し、
そのまま陳列・販売され、
そのまま購入されていく。
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卵は奥主通路の主役。
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リーチインケースで売られ、
ラージAの1ダースが、
常時99セント。
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これにはウォルマートすら、
大いに手を焼いている。

住関連商品のコモディティグッズも、
安くて、充実。
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天井からカラフルな垂れ幕が下がり、
什器は移動式の省力型。
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省力機器の下段には滑車が付いている。
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商品は単品大量陳列。
その陳列の上部にボードがあり、
プライスカードには、
商品名と価格のみ。
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このダラスの新店の天井は、
最新流行のむき出し型で、明るい。
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スローガンは、
「Unbelievable Quality…Incredible Saving…Guarantee」
「信じられない品質、途方もない節約、保証します」

レジは4台。
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チェッカーは座って作業する。
これ、ヨーロッパ方式。
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アルディは、
エブリデー・ロープライスを貫徹している。
それは今や、コストコと並んで双璧。
ウォルマート以上といってよい。

その理由は、リミテッド・アソートメントにある。
単品大量販売は、これこそウォルマートをしのぐ。
私は、総合スーパーとしてのハーパーマーケットは、
このリミテッド・アソートメント・ストアに、
価格では勝てないと思うに至っている。

つまりウォルマートもアルディには、
コモディティ・ディスカウントではかなわない。

だからウォルマートは、ノンコモディティ開発とホスピタリティ、
そして生活総合コンプリートストア構築を目指している。

いなげやina21は、イオン・アコレとも共同で取り組んで、
店数を増やし続ける覚悟で取り組まねばいけない。

さて、いなげや遠藤さんのコメントのもう一つは、
「買い物客の無料送迎サービス」
これは「高齢者の来店を促す取り組み」

なんと、埼玉県飯能市のサビア飯能店での試み。
わが商人舎最高顧問の杉山昭次郎先生が、
この商圏内にお住まいになっている。

「飯能の流通仙人」
当年とって85歳。

いなげやの無料送迎バスが、
「流通仙人」を出迎え、送り出す。

想像するだけで、嬉しくなる。
ありがとうございます。

韓国の「割引店」と称される総合スーパーにとっては、
必須のサービス。

高齢化が進む地域ならば、
そして採算が取れれば、
日本でも、大いに広めてほしいものだ。

<結城義晴>

2011年11月5日(土曜日)


ギリシャのパパンドレウ政権が、
国会の信任投票で153対145で信任された。

ギリギリ。

これで、解散総選挙となって、
金融市場大混乱の事態だけは、
一応、回避。

2009年10月、ギリシャ政権交代ののち、
財政赤字が公表数字よりも大幅に膨らむことが明らかになった。

企業でも新しい社長の体制になって、
前時代までの粉飾が判明したりする。
それと同じ。

そこからヨーロッパの経済危機が始まった。

金融市場で、財政の持続性への懸念が強まり、
主に南欧諸国の国債利回りが上昇し、
一部は資金繰り難に陥った。

金融システムが揺らげば、
危機が深刻化する。

肝心な情報が隠され、粉飾されたりする。
ここに根本の問題がある。

さて一昨日、ニューヨークからロサンゼルスに到着。

まず、ニジヤ・マーケットに直行。
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ロサンゼルスを中心に、
サンフランシスコ、ニューヨーク、ハワイにも出店。
13店舗年商7000万ドルのスーパーマーケット。
日本人を中心にした客層をコア・ターゲットにしている。

入り口のトップ・アイランド。
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そして右壁面の青果部門。
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アメリカではどんな店も、
青果部門は見事。

ニジヤももちろん、
お見事。

ニジヤ・ファームという直営農場で作っているサツマイモ。
オーガニック商品だ。
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これが優れもの。

惣菜部門がとりわけて強い。
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日本食メニュー。

そして対面のフードサービス部門。
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イートイン・コーナー。
ここで私たちは昼食。
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ニジヤの皆さんには、
この後ずっと、ロサンゼルスでお世話になった。

ニジヤの駐車場に、
カレーのケータリング・バン。
新しいビジネス。
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西海岸で大流行のビジネスモデルで、
ニジヤは日本食のカレーで勝負する。
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次に向かったのはホールフーズ・マーケット
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ただしこの店、あまりよろしくない。
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もちろんホールフーズの基本は徹底されている。
しかしロケーションが的確でないと、
競争が激しいエリアでは、さすがに苦戦。

そしてフレッシュ&イージー。
ヘッドオフィスに近いこの店では、
さまざまな実験が行われる。
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フレッシュ&イージーに関しては、
帰国してから詳解の予定。

英国発の小型店に隣接する
米国産小型店のトレーダー・ジョー。
目と鼻の先での競合になる。
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この店はフレッシュ&イージーのイノベーションにあおられていて、
珍しく、大繁盛というわけではない。

ロスの競争も面白い。

最後にブリストルファーム。
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私は30年も前に、この企業の第2号店のときに訪れた。
元気な二代目専務がインタビューに答えてくれたが、
その後、アルバートソンに買収され、
さらにそのアルバートソンが解体売却され、
現在はファンドの支配下にある。
だから店はほぼ死にかけている。

ホテルに着くと、荷物を置いて、
すぐにセミナー。
前半は林廣美先生の仕切りで、
ニジヤ・マーケット経営幹部の皆さんとの質疑応答。
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辻野三郎丸社長。
もともとはカメラマン。
メキシコで苦労し、
ビジネスを起こし、
ロスでスーパーマーケットを始めた。
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その相棒の副社長アルフレッド・ブランケンシーさん。
イギリス人。
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辻野&アルフレッドの二人三脚で、
ニジヤ・マーケットは、
アメリカと日本の虹の架け橋となっている。

そして営業を一手に仕切る土井仁司さん。
コーポレート・オペレーション・ディレクター。
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こちらのスーパーマーケットの仕入れ事情や経営数値を、
特別に披露してくれた。

後半は私の講義。
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商品戦略マーチャンダイジング・チーム向けのレクチャー。

終わったのは夜の9時過ぎ。
3時間時計を逆戻したので、
実際には夜中の12時ということになる。
長い長い一日だった。
参加者の皆さんのご協力に感謝。

そしてロス視察最終日の昨日。
ニジヤ・マーケットの
オーガニックファーム
を視察。
MDコースの主目的のひとつだ。

朝からくもり空で心配していたが、
途中から怪しい雨模様。
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辻野さんからファームの全貌の説明を受ける。
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そして現場視察、
まずサツマイモの畑。
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ハウスのなかで野菜栽培。
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農薬を一切使わず、
虫退治と自然態系との闘い。
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辻野さんの執念がこの事業を続けさせている。
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私も見た、聞いた、食べた。
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大根のオーガニック畑。
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ニジヤ・ファームについても、帰国してから報告の予定。
乞う、ご期待。
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さてニジヤ・ファームに続いて、
研修会最後の店舗視察。
まずはおさらいのためのウォルマート。
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古いタイプのスーパーセンターだが大繁盛。

入り口でボンズとの価格比較をやっていた。
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ボンズの商品を購入し、
レシートを対比させる。
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そして31ドル83セントのお得、と表示する。

泥臭いが、
それが本来のウォルマートらしい。

その後、スプラウツ・ファーマーズマーケット。
MDチームにはこの新しいフォーマットを見てもらっていなかった。
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スーパーマーケットという業態と、
ファーマーズマーケットというフォーマット。

そのセグメンテーションとターゲティング、
そしてポジショニングを理解してもらうのに、
これほどいい素材はない。
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大型八百屋、そしてベジタリアン・スーパーマーケット。
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いかがだろう。

最後に新しい企業。
マザーズ・マーケット&キッチン。
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7店舗のインディペンデント。
惣菜が主力。
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家庭の味で、おいしそう。
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しかしきちんとしたスーパーマーケット。
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最後に深夜、フレッシュ&イージー・エクスプレス。
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11月2日にオープンしたばかりの超小型店。
この店、いい。

詳細は力を入れて、帰国後に報告。
アメリカでは新しいチャレンジが、
次々に行われる。

ものまね、猿まねのオンパレードではない。
自分の強みがある。
他との違いがある。
ポジショニングがある。
これです。

最後の最後に交流会。
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浅野秀二先生得意の「中国人の女性」の話で、盛り上がった。
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しかし私は疲れから居眠り、熟睡。
㈱万代惣菜部シニアマネージャーの吉川英樹さんは、
まだまだ元気。
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良い日だった、
と夢の中で思った。

<結城義晴>

2011年11月4日(金曜日)


私は今、ロサンゼルスに来ている。

今回は、テキサス州ダラスから始まって、
ワシントンD.C.、ニューヨーク、
そしてカリフォルニア州ロサンゼルス。

中西部、東部、西海岸と、
全米を巡ることになった。

その最後の地がロサンゼルス。

それにしても疲れた。
両足にはジンマシンのようなものができて、
痒い。

林廣美先生に教わって、
塩をまんべんなく塗って、
一晩、放置する。

すると塩の殺菌作用で、
ぶつぶつが消えるという。

塩はトレーダージョーのプライベートブランド。
「シー・ソルト」
これはグラインダー入り食卓塩。
1ビン1ドル99セントの優れものの商品だが、
食卓に置いて食事に使うにはいいかもしれないが、
ジンマシン治療には向かないのか。

アメリカやヨーロッパに1週間以上滞在すると、
食生活に異変が起きる。

野菜が足りなくなる。
ビタミン不足。
そのうえ、寝る時間が減る。
睡眠不足。

そんなことから体調に異変が生じる。

とはいっても、足のジンマシン程度なので、
動き回ったり、講義したり、議論したりには、
何の支障もない。

だから目いっぱいやる。
手を抜かない。

それが私の主義。

ジンマシンも帰国して1週間ほどで治る。
ただし、旅行中はちょっと辛い。

しかし目いっぱい。
手を抜かない。

それに、もう少しで、
この旅も終わる。

ご一緒している人たち、
商品戦略MDチームの皆さんと、
目いっぱい学びたい。

ダラス、ワシントンD.C.、ニューヨークと帯同した経営戦略チームとは、
ニューヨークのジョンFケネディ空港で別れた。
大久保恒夫講師はじめ、全員無事で、成田に帰国。

まずは安心。
お疲れ様でした。

さて、午前7時、
明けきらぬマンハッタンから、
朝日に向かって空港に向かう。
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早朝の空港は閑散としている。
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SPコース、MDコース全員で最後の記念ショット。
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商人舎第10回記念USA研修会だから、
両手を広げて10本の指で「10」を示した。

SPコースの皆さん、お疲れ様でした。

SPチーム・MDチームそろってチェックイン。
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私の本を持ってきてくれた崎グリコ㈱東根聖賢さん(右)と、
㈱ユニバース石橋秋次さん(左)
にサイン。
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初参加してくれた㈱マルト社長の安島浩さんとは固い握手。
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安島さんにとっても、今年は大変な年だった。
東日本大震災で被災し、
その後の奮闘はご承知の通り。

その2011年の秋に、
安島さんと共に学んだことには、
感慨深いものがある。

前夜は部屋にワインを持ち寄って、
参加者と遅くまで語り合った。
安島さんもその一人。
安島さんは、その場を仕切って盛り上げてくれた。

大久保恒夫さんともここでお別れ。
㈱セブン&アイ・フードシステムズ社長。
SPコースのゲスト講師として参加し、
講義をしたうえで、最後には、
7つの総括をしてくれた。
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心から感謝しつつ、
固い握手。

次は12月2日、
「ふたりのビッグ・ショー」です。

互いに、まったくの個人的活動ですが。

SPチームは東京・成田へ。
私は林廣美先生、浅野秀二先生、
MDコースの皆さんとロサンゼルスへ。

6時間のフライトでロスに着いたのは、
13時30分。
時差で、時計は3時間逆戻り。
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3時間分得した気分。

しかし長い長い1日。

そのロサンゼルスは暖かい。
すぐにニジヤマーケットに。
林廣美先生のアメリカの指導先。
自社生産のオーガニック野菜を使った惣菜部門は、
売上げの30%を超える。

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13店舗で7000万ドルの年商。
辻野三郎丸社長をはじめ、
幹部の皆さんが歓待してくれた。

辻野社長と固い握手。
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その後、全員で記念撮影。
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全員、まだまだ燃えている。

さてブログは昨日に戻って、続き。

ニューヨーク・マンハッタンに隣接するブルックリンで、
トレーダー・ジョーを訪れた。

エブリデー・ロー・プライスの話がちょっと長引いて、
ブログはそこで中断したが、
その後、フェアウェイマーケット・レッドホック店を訪問。
トレーダージョーのブルックリン店から車で10分ほどのところにあって、
彼の店が出店するまでは独占状態だった。
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八百屋出身だけに、
青果部門の陳列は圧巻。
全米ナンバーワン。
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店は朝8時開店で夜10時閉店だが、
青果部門は50人態勢で、夜を徹して作業する。

根菜類など比較的日持ちのする商品、丈夫なものは、
1週間に1回とか、3日に1回ほどだが、
葉物や果物などは、毎晩、
全商品を一度撤去し、1品ずつ検品しながら、
すべて並べ替える。

その結果、朝には、この売り場が出来上がる。
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新鮮で、定価で、品質の良い青果。
「新しい、安い、良い」
それが最大の売り物。

今回は浅野秀二先生の尽力で、
ジョン・マネジャーにインタビュー

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ここでは自由の女神をバックに写真を撮るのが恒例となっているが、
今回は店長を囲んでの記念撮影。
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インディペンデント企業は、
店長が経営の根幹にかかわることを知っている。
そして自分の判断で話してくれる。
だから本質に迫ることができる。
心から感謝。
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最後に訪れたのは、ホールフーズ
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ここでも1時間以上のレクチャーを受けて、
店内ツアー。
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まず青果部門。
オーガニックとローカル、
そしてアンディスコア
について、
丁寧に説明してくれた。
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アンディスコア1000と最高のケールを、
みなで食べる。
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説明して、食べさせる。
そして買ってもらう。

「学び、食べ、買う」

これはイータリーと全く同じコンセプト。

まさに知識商人のシゴトだ。

鮮魚部門も全米最高。
ここではオーガニックはない。
オーガニックはあくまでも、
植物を中心にした有機生産物の体系。

だから鮮魚は関係ない。

しかしこの分野でも、
漁獲体制の面で、
長い目で見て環境破壊につながらない運動はある。

それがMSCやフィッシュワイズ
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ホールフーズは先頭を切って、
そんな運動を展開している。
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さらに精肉部門。
グラスフェッド牛肉を中心に販売。
さらに肥育中にストレスを掛けない段階を設定している。
ストレスのない牛は、味も良いとか。
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その100%グレンフェッドの牛肉を、
大量に50人分用意してくれて、全員で試食。
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食べて、学んで、買う。
イータリーと同じ。
最先端のスーパーマーケットは、
この世界に入っている。

最後に「ウェルネス・クラブ」
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健康に関連したスクール形式のクラブ。
現在、ホールフーズの5店舗で、
実験的に展開中。

私たちもその学校で仮想授業を受けた。
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ホールフーズの社員が講師となって行われるカリキュラムは、
毎日、数時間ずつ用意されている。
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そしてウェルネスクラブの会員は、
カリキュラムに関連する商品を購入する際、
10%の割引を受けることができる。

これはフィリップ・コトラーの
製品を伴うサービスである。

コトラーは企業や店が提供するものを4つに分ける。
①純粋な有形財
②サービスを伴う有形財
③製品を伴うサービス
④完全な無形財

①から④へと進化しているが、
ホールフーズは③の段階を始めた。

今回のテキストでも、
私のサービス・マーケティングの講義に入っている。

レクチャーをしてくれた店舗マーケティング・メンバーに感謝。
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そして「食べて、学んで、買う」フードサービス部門で昼食。
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この後、5番街のユニクロ、ザラ、H&M、ギャップ、
アバクロンビー&フィッチを訪問。
ユニクロとアバクロが勝ち組。
それは次の機会に。

最後の晩は小林泰清先生とニューヨーク・ステーキ。
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私はプライムリブのローストビーフ。
ワインはカリフォルニア。
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満足、マンゾク。

そしてタイムズ・スクェアに繰り出す。
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商人舎チーフ・コーディネーターの鈴木敏さんも一緒に、
最後の晩の最後のショット。
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この後、部屋に帰って、
懇親。

大久保さん、安島さん、林先生、浅野先生も参加してくれて、
熱い絆を確認。

充実した1日が、
「惜しい惜しい」と言いながら、
去っていった。
(続きます)

<結城義晴>

2011年11月3日(木曜日)


アメリカにいて、
日本時間に合わせてブログを書いていると、
曜日の感覚は完全に失われる。

日本の祝日に関してはもう、
完璧に実感できないが、
今日は「文化の日」。

その趣旨は、
「自由と平和を愛し、文化をすすめる」こと。

「自由と平等」ならば、
アメリカやヨーロッパが本場だし、
文化を進めることなら、
日米欧、変わりがない。

だから今日はニューヨーク・マンハッタンから、
自由と平等を愛し、文化をすすめよう。

さて日経新聞に、
EDLP(エブリデー・ロー・プライス)の話。

日経の定義は、「毎日一定の低価格で売る手法」

ここに付け加えなければいけない。
「1年間売価を固定して売る方法」

「毎日一定の低価格」って、いつまで?
「ずっと、ずっと」

それでもいい。

しかしインフレもあるし、デフレもある。
原材料費の高騰も低減もある。

だから1年で見直す。

日経の説明は、続く。
「米ウォルマート・ストアーズが推進してきた。
加工食品や日用品を中心に通常の食品スーパーと比べて
1~3割安いケースが多い。
チラシ代など販売促進費や人件費などのコストを削り、
浮いた分を値下げの原資に振り向ける」

ここで「コストを削り、浮いた分を値下げの原資に振り向ける」とある。
そう見えるかもしれないが、
無駄なコストを削減するのは、
どんな業種業態でも、
どんな企業でもやっている努力。

浮いた分を「値下げ原資」にするか、
利益にするかはそれぞれの企業の勝手。

当たり前のこと。

「日本ではメーカーなどが提供する販促金を
原資とした『特売』が主流だったが、
価格志向の強まりから
平均購入単価が下がるEDLPを導入する店が増えてきた。
ただ仕入れコストを下げるため、
商品数は減り、選択の幅が狭くなる面もある」

ここも、逆だ。
商品数、ブランド数を
絞り込んで大量に売るから、
仕入れコストを下げる交渉ができる。

例えば一つの品種の品ぞろえを1社に絞り込むと、
その1社の商品の売上げは数社分のものになる。
その1社に1品ずつの利益を小さくしてもらう。
その1社は売上げは増える。
総利益も増えるギリギリのところで、
仕入れ原価を決める。
店側も小売業側も、
1品当たりの粗利益はギリギリにして、
安く売る。

そうすると1品当たりの売れ数は爆発する。
それがEDLPの本質。

あえて「選択の幅を狭くする」のが、
エブリデー・ロー・プライスのポイント。

なぜか。
なぜ、あえて「選択の幅を狭く」するのか。

コモディティ化現象が進んでいるから。

どの商品も似たり寄ったり。
品質や機能が同質化してくる現象。

だから数品目も品揃えする必要はない。
ならば1アイテムに絞って、
EDLPをする。

客は喜ぶ。
1社だけのメーカーも利益は増える。
小売業も利益は増える。
ただしここで重要なのは、
その品種がコモディティ商品なのか否か。

日経になぜこんな定義が出てきたのか。
それはダイエーがEDLPを導入するというニュースから。
「ダイエーは食品や日用品を
恒常的に安く販売する『毎日安売り』手法を本格導入する。
チラシの削減など店の運営費を約1割抑える分、
店頭価格を通常より2~3割下げる仕組みで、
来年2月末までに30店、2~3年で60店に拡大する」
いなげやは既存店を業態転換。
EDLP型の「いなげや ina(いーな)21」のフォーマットを開発。
30店と1年で4割増やす。

ヤオコーもEDLP導入店を増やしている。
3月末時点で25店だったが、
10月末までに全体の3分1に当たる35店まで増やした。

コモディティ化現象が広がると、
EDLPは増える。

ヤオコーまでやっているというのは、
その証拠。

こちらこそ、
強調されねばならない。

さてEDLPの本場アメリカ。
第10回記念USAスーパーマーケット研修会は、
マンハッタンでの2日目を迎えた。

経営戦略SPコースにとっては、
視察最終日。

朝7時半にホテルを発って、
まずはヨンカースのスチューレオナードに向かう。
バスは渋滞もなく順調に走り、あっという間についた。

ニューヨーク州には3日前に、季節外れの大雪警報がでた。
その雪が駐車場のいたるところに残っている。
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8時過ぎのスチューレオナード。
スタッフが黙々と品出し作業に励む。
お客でごった返す、いつものスチューレオナードではないが、
これもまた、学ぶによし。
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ただし、スチューレオナードに、
イノベーションはあるのか。

店数が4店舗で、単位当たりの販売効率が高い店。
しかしそれはよほどの意識改革を続けなければ、
イノベーションは起こらない。

理念や哲学の素晴らしさは、変わらない。
問題はイノベーションだ。

2番目の視察店は、
トレーダージョー・ブルックリン店。
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キャプテンのジェイソン君、34歳にインタビュー。
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「トレーダージョーはフェアな会社、オネストな会社」
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なぜ、フェアな会社か。
「私たちはEDLPをやっている。
売価を変えない。
こんなフェアなことはない」

トレーダージョーのEDLPも、
メーカーを絞り込んでいる。
ただしほとんどすべてがプライベートブランドだが。
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そのプライベートブランドが、
魅力に満ち溢れている。

しかも売価をくるくる変えないEDLP。
トレーダージョーの場合は、
1年間変えないのではなく、
「ずっとずっと」変えない。

ジェイソン・キャプテンが淡々と、
しかし胸を張って「フェアな会社」と言い切るのは、
コモディティ化現象のなかで、
ノンコモディティのEDLPを全面展開する、
トレーダージョーのポジショニングが際立っていて、
他の追随を許さないからだ。

そしてこの会社は毎年10数店から30店の新店を出す。
成長のスピードのなかにこそイノベーションが起こる。

インタビュー後の記念撮影。
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お礼と感謝をこめて固い握手。
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いいインタビューだった。
イノベーションの本質が見えた。
(続きます)

<結城義晴>

2011年11月2日(水曜日)


11月に入って、2日。
こちらでは昨日のニューヨーク株式市場で、
ダウ工業株30種平均が1万1657ドル96セント。
前日よりも297ドル05セント下がった。
これはマイナス2.5%。

先月下旬の10月20日以来の安値。
「欧州不安」が再燃し、株式市場がすくみあがっている。

さて、11月。
祝日は、ふたつ。
明日の11月3日「文化の日」と、
第4週の水曜日11月23日の「勤労感謝の日」。

昨年に続き今年も、
文化の日、勤労感謝の日とも、
三連休とはならない。

一昨年は勤労感謝の日が月曜日で三連休。
一昨昨年は、すごかった。
文化の日が月曜日で三連休、
勤労感謝の日は日曜日で月曜が振り替え休日となり三連休。

商売はやはり三連休がいい。

去年、今年と、それがない。

ただし、毎年のことながら、
11月にはいくつもの節目がある。

文化の日に続いて、
11月8日(火曜日)が立冬。

夏至と冬至が1年を二つに分ける。
その真ん中は、秋分の日。
この秋分の日と冬至の真ん中が、立冬。
「冬の気配が立つ日」。

それから11月15日(火曜日)は、「七五三」。
ただし多くの場合、12日の土曜日、13日の日曜日に、
七五三のお祝いが行われる。

11月17日(木曜日)はボジョレーヌーヴォー解禁日。
西友では、17日午前0時から発売。
それも「マスター・オブ・ワイン」といわれるフィリッパ・カール監修のヌーヴォー。
各社とも趣向を凝らして、解禁日に臨む。

そして11月23日水曜日の「勤労感謝の日」。
新嘗祭(にいなめさい)の日を起源として始まり、
その趣旨は「勤労をたっとび、生産を祝い、国民互いに感謝しあう」。

私は毎年、勤労感謝の日は、
「商業にとって特別の日」だと言い続けている。
「勤労を感謝する日に勤労する」のが小売業・サービス業だからだ。

従って、11月の商人舎標語は、
毎年、恒例で、同じフレーズを使う。
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」

朝、店のシャッターを開ける。
その時には、心に希望を。

昼、店にお客様を迎える。
ひたすら努力。

夕に、店を閉める。
夕ではなく、夜だったり、深夜だったり、
あるいは24時間営業の店があるから、
その場合には、その日の終わりの瞬間、
心から感謝。

毎日は、この繰り返し。

だから、「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」

勤労感謝の日が終わると、
クリスマス年末商戦に突入。
そんな11月。

私は、怒涛の10月が終わって、
ちょっと余裕が出る。
しかし第1週に帰国し、
第2週は立教大学大学院結城ゼミ生の卒業論文仮提出の締め切り。
12日土曜日です。
みなさん、頑張って。

翌第3週の15日、16日は、
コーネル大学RMPジャパン補講の日。
サミットのご協力で、
レイバースケジューリングの実習。
一番人気のある講座。
よろしく。

この週の金曜日18日は、
日本チェーンストア協会主催のパネルディスカッション。
「東日本大震災への製配販の対応」
私がコーディネーターで、
パネラーはイトーヨーカ堂、日清食品、三菱食品から。

第4週は講演などが入っていて、
第5週は29日から中国上海視察。

なんだかんだ言いつつ、
11月も忙しい。
「心を亡くさない」ように気を付けたい。

さて、今、ニューヨーク・マンハッタンのパーク・セントラル・ホテル。
昨日は、朝8時すぎに、
ワシントン・ユニオン駅に到着。
駅は改装中。
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通勤客や旅行客が次々とやってくる。
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ワシントンD.C.に3日間いて、
ニューヨークへ移動する。
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今回はアムラック-56の列車の旅。
今年は列車旅行が多い。
先日はケルンからパリまで、
タリスの旅だった。
これもドイツ・ベルギー・フランスの農村が見られて、
とてもよかった。

マンハッタン・グランドセントラル駅までは、
3時間半の旅程。
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始発電車だから、全員が同じ車両に乗り込む。
列車での移動は、心が落ち着く。
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海辺を走り。
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川を渡り。
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12時半、少し遅れたが、
着きました。
グランドセントラル駅。
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政治の街、ワシントンD.C.とは違うニューヨークの活気。
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マンハッタン最初の視察店は、
超話題のイータリー。
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昼時とあって、店内は超混雑。
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TVクルーまでやってきて、ビデオ撮影。
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われわれも、イータリーで昼食を楽しむ。
店内には10カ所のイートインスペースがある。
立って食べるスペース。
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美味しいイタリアンとワイン。
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ニューヨーカーの気分。
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私たちは、店内レストランで、
席をとって、野菜料理を食べた。

これがおいしかった。
林廣美先生も、
「野菜料理に新たなヒントを得た」とご満悦。
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次の視察は、
デュアン・リード・ウォールストリート店。
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全米の話題の2店舗を真っ先に見る。
今回の研修会のテーマである「融合」を体感してもらうため。
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百貨店のようなハイソサエティな売り場。
そこで展開される「フードとドラッグ」の融合。
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すばらしい。

そして次に向かったのはディーン&デルーカ。
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ニューヨーク・デリの繁盛店。
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デリを中心にしつつ、
スーパーマーケットの部門構成をもつ。
しかしイータリーが出現してから、
やや古さを感じさせる。

店に入ってすぐに参加者は、
人気のショッピングバックのコーナーへ。
スタッフが商品を補充するほど、売上げに貢献。
「異常値」をたたき出した。
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50メートルほどのところにあるユニクロ・ソーホー店。
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ニューヨーク第1号店でのユニクロは、
すっかり定着。
ニューヨーカーが目の色変えて、
ヒートテックを買いあさる。
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林先生も、ヒートテックをお買い上げ。
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夕方になってしまったが、
定番のゼイバーズ。
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「まあ、なんということでしょう!」
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圧巻のチーズ売場。

最後は、驚きのマンハッタン内ショッピングセンター。
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1000台は入るかという立体駐車場。

そして2階にターゲット。
ウォルマートと覇を競うスーパーセンターが、
マンハッタンに登場。
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総面積が若干狭いので、
食品を絞り込んだ。
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しかし牛乳など、品切れ寸前の売れ行き。
きちんとターゲットらしさを出した。

1階にコストコ。
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これまたコストコの良さを失っていない。
両サイドの定番ラック売場はそのまま、
中央のシーゾナル売り場を大胆にカットし、
レジのそばに移動させた。
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「絞り込み方はこうする」のお手本。

3階にベスト・バイ。
全米ナンバーワンの家電店。
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全米チェーンストアランキング第9位。
年商371億ドル(3兆7100億円)、1312店。
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3階にはギャップのオールドネイビー。
全米第1位のカジュアルファッションチェーンの低価格店舗。
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ギャプは全米チェーンストアランキング第30位。
米国内年商117億1800万ドル、世界年商145億ドル。

オールド・ネイビーは、こういった大型店がいい。
そのパワーが発揮される。
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かくして、マンハッタンに登場したパワーセンター。
大繁盛間違いなし。

私が保証するまでもない。

ディベロッパーの勝利。
すごい。

マンハッタンの商業機能が、
変わりつつある。

と、感動していたら、
急にサイレンが鳴って、
停電。

救急車まで出動した。
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慌てて退避。
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私はベスト・バイの店内にいたが、
真っ暗になって、サイレンが鳴り響いた。

ニューヨークだけに、
新手のプロモーションかと思ったら、
停電。

何が起こるかわからないニューヨーク。
刺激的な時空に身を置く。

それがまたいい。
(続きます)

<結城義晴>

ジジとコーネル・ピクニック[2011日曜版vol30]
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