結城義晴のBlog [毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年5月13日(金曜日)


4月の米小売売上高。
アメリカ合衆国商務省の発表。
3893億5500万ドル。
1ドル80円換算で約31兆5000億円。

前月比0.5%のプラス。
10カ月連続。

前月比という指標は、いい。
前年同月比よりも断然、新しい。

その前年同月比はプラス7.6%。
アメリカの小売業は依然、元気だ。

来週末から月末まで、
私はアメリカに滞在。

そのアメリカの小売業が活況を呈していることは、
うれしい限り。

理由は、雇用者数の増加と、
個人消費の回復。

日経新聞ではどちらも「徐々に、緩やかに」と表現されているが、
個人消費が劇的に伸びるなんてことは、
めったにあるものではない。
だから「徐々に」はとてもいいこと。

さて、日経新聞最終面の『私の履歴書』。
今月はアサヒビール元会長の瀬戸雄三さん。

挨拶について、新人時代のいい話。

大阪のアサヒビール営業部員として働いていたころ、
150 年の歴史をもつ船場のお店に三度目に訪問したとき。

若かった瀬戸さんは、ご主人からやんわり言われた。
『あんさんのお辞儀は心がこもってまへんで』

ご主人は続けた。
『白鶴酒造の神足(こうたり)さんを訪ねてみなはれ』

瀬戸さんは、「なぜかわからないままスクーターに乗り、白鶴酒造に向かう」
ドアをあけた瀬戸さんに、その神足さんがにっこり笑って、
『瀬戸はん、おいでやす』。
両手を膝頭にあて、
ゆっくりと頭をさげて迎えてくださった。

瀬戸さんは書く。
「全身に電気が走った。
自分のお辞儀は形だけだったのだ。
販売店のご主人は、
直接お辞儀の仕方を教えるのではなく、
第三者を通じてお辞儀の仕方を若造に示したのだ」

「船場は町中で商人を育てる土壌があった。
新入社員時代、このようなところで仕事をさせていただいたことを感謝する」

「ビジネスは挨拶に始まり挨拶に終わる。
特に余韻が大事なのだ」

瀬戸さんは「自分でも肝に銘じ実践してきたし部下にもそう教えてきた」。

「お見送りの際、エレベーターの扉がちゃんと閉じるまで、
足を動かしてはならない。
受話器はお客様より先にこちらが置いてはならない。
言い出せばキリがない。
今でも挨拶をするとき、
色々な教えを思い出し心を込めて頭を下げる」

「いまでも挨拶をするとき」
「心をこめて頭を下げる」

あの瀬戸雄三にしてこれだ。

「以って自戒とすべし」

さて昨日は大阪で、
東日本大震災チャリティーセミナー。
「ひとつになろう日本! 商人支援プロジェクト」

第1回の会場はリーガロイヤルホテル大阪。
20110513120657.jpg

今回の呼びかけに対して、
約70社から227人のご参加をいただいた。
心から感謝し、
瀬戸雄三さん譲りの心からのお礼を申しあげたい。
20110513160530.jpg
3階「光琳の間」前の受付にはボランティアスタッフ。
受け付けは11時から、開場は12時から。
20110513120741.jpg

12時20分、セミナーが始まる前に全員で起立し、黙とう。
20110513120835.jpg

トップバッターは私。
まず商人舎と結城義晴の紹介VTR。
こういった趣旨のセミナーとしては、
ちょっと大げさな感じで、気恥かしい。
20110513120852.jpg

私の講演テーマは
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
サブタイトルが「ライフラインを担う商業人の使命感が日本を救う!」
20110513120915.jpg

宮澤賢治の「雨ニモマケズ風ニモマケズ」から始めて、
「阪神大震災」「新潟県中越地震」
そして今回の「東日本大震災の三つの物語」20110513160548.jpg
できるだけ、謙虚に、真摯に、
瀬戸雄三並みの「心」をこめて、
80分、語った。

終わりは、
ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ。
最悪を覚悟して、最善を尽くす。

ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ。
Think small! [小さく考えよ]

ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ。
最良のベーシック。

ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ。
差異が価値を生む。

ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ。
“Retail is Detail.”[小売りの神は細部に宿る]

ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ。
実践躬行・実行第一。
20110513160605.jpg

そして、「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」。20110513121124.jpg
ご清聴を感謝したい。

私の次は、石原奈津子さん
㈱おいしいハート代表取締役、
日本食育コミュニケーション協会代表。
講演テーマは「今、地域に求められるスーパーマーケットとは」
20110513121223.JPG
「食育」を中心に、
スーパーマーケットのマーケティングを語ってくれた。

そしてこの日の最後は、水元均さん
日本経営コンサルタント㈱代表取締役。
講演テーマは「減の時代における・・・
スーパーマーケットの“新”ブルーオーシャン戦略」
20110513121246.jpg
私は水元さんの講演を、
3年ぶりに聞いた。

マーケティングの本質や重要なトレンドに関して、
意見を交わさねばならないと感じた。
20110513121312.jpg
しかし全体にいいセミナーだった。
私は東日本大震災チャリティセミナーとして、
絶対にはずせない内容の講演をし、
訴えをした。

それはそれで満足だった。

それよりも、日本の小売業や生活産業が、
インフラとして言葉に表せない貢献を果たしたことを、
語り合いたかったし、社会に認めさせたかった。

その目的のいくらかは成し遂げることができたと思う。

最後に、ボランティア・スタッフの紹介。
小苅米さん、本谷さん、山田さん、
佐藤さん、竹田さん、三盛さん。
それに山口さん。
20110513121337.jpg

そして講師陣の紹介。
20110513160613.jpg

しかし今回のチャリティセミナー、
本当のボランティアは会場で聴講してくださった皆さん。20110513121402.jpg
すべての参加者が、
ボランティアであり、主役であることこそ、
チャリティセミナーの素晴らしさ。

地元の関西スーパーからは20人の参加をいただいた。
万代は加藤徹社長自ら、参じてくださった。
感謝したい。

講演の合間に、交流。
㈱キョーエイ代表取締役社長の埴渕一夫さん
20110513161846.jpg

そして㈱八百民社長の平山幹人さん
20110513161855.jpg

㈱ショッピングセンター丸正総本店専務取締役の飯塚正彦さん。
コーネル大学RMPジャパン第2期生。
わざわざ東京から参加してくれた。
20110513121632.jpg

㈱ユアーズ・バリュー社長室室長の吉武健志さん
20110513121817.jpg

サトーカメラ㈱代表取締役専務・佐藤勝人さんのご子息、佐藤勇士さん
ボランティアで参加。
20110513121842.jpg

最後に講師三人で写真。
有意義な仕事でした。
20110513161902.jpg

最後のスナップ写真には、
「小商人伝道師」こと優くんも、
ゲスト参加。
20110513161909.JPG
みなさん、ありがとうございました。

チャリティセミナーはまだまだ続く。
第2回は名古屋、
第3回は福岡、
そして第4回が東京。

被災地の商人と心を一つにしたい。

<結城義晴>

2011年5月5日(木曜日)


福島の空こそ泳げ鯉のぼり
<原田奎子(北九州市)朝日歌壇より>
20110505130650.jpg
(福島ではなく富士山だけれど)

今日は、ゴールデンウィーク終盤、
「こどもの日」。

高速道路の帰省ラッシュもあるが、
全体としては「安・近・短」の消費が特徴。

ターミナル百貨店、
郊外ショッピングセンター、
行楽地、映画館など、
本来、人が集まるところに、
あたりまえのように、人が集まる。

だから客数が半端ではない。

上野動物園のジャイアントパンダ。
リーリーとシンシンも大人気。

どこか昭和の高度成長の頃の消費行動が、
思い出される。

なぜかみんなが、
人懐っこくなっている。

それを欲している。

マイヤ社長の米谷春夫さんの言葉を借りれば、
「優しくなっている」。

とてもいいことだ。

しかし、購買金額が、
跳ね上がっているようには見えない。

こどもの日の今日5日から、
週末日曜日母の日の8日まで。

どんな人間にも最も強い絆、
母と子の日々。

ほんとうに心安らぐ毎日である。

もちろん私にも母がある。
幸いに85歳で健在。
その母を思う。
母も私を思っている。

東京ガスのテレビコマーシャルがいい。
「家族の絆・お弁当メール」篇。

これはなぜか青年たちに人気がある。
どんなに突っ張っていても、
大人ぶってはいても、
このCMを見ると、
心安らぐらしい。
子どもに帰るからだろうか。

朝日新聞の社説。
「こどもの日 守ってあげたい」

「子どもの笑顔に救われる日々だ」
こう、始まる。

「被災地の空を、支援のこいのぼりが泳ぐ。
きょう、いとおしい存在を抱きしめる日だ」
こう、終わる。

中身のメッセージ。
「震災のために
夢をあきらめるような子どもを出すまい。
私たちはそう誓おう」

「伝えるべきは『生きる力』といってよい。
大人すべての宿題だ」

しかし、朝日新聞社説の、このメッセージ、
私には、なんというか、
「大いなるお節介」と見える。

東北の子どもたちを実際に見る限り、
いい大人になる。

私は確信している。

私たち大人が、
「夢をあきらめる」ことがなければ、
「生きる力」を自ら示せば。

こどもは大人を見て、大人に触れて、
育つ。

私たちの宿題は、
そのこどもが育つのを邪魔しないことだ。
大人のエゴを押し付けないことだ。

いま、東北や北関東では、
大人たちが必死で生きている。

だから東北・北関東の子どもたちは、
確実に「いい人間」たちになる。

私はそう、確信している。

東北・北関東の子どもたちを中心に、
新潟県中越の子どもたちを核に、
そしてかつての阪神淡路のこどもたちを主力に、
日本は蘇生されるに違いない。

私たちはそれを、
絶対に邪魔してはならない。

最後に、いいニュース。
各紙朝刊でこぞって採り上げた。

ニューヨークのイエローキャブが、
日産車に統一される。

これまでニューヨークを走る黄色のタクシーは、
9社16車種あった。

現在、1万3000台のタクシーが、
ニューヨーク市内を営業して走っている。

いちばん多いのは、
フォードの大型セダン・クラウンビクトリアだった。

それが2013年以降2018年までに、
日産のミニバン・NV200一色に変わる。

大型サンルーフ、
携帯電話やパソコンの充電可能なコンセント、
乗客専用エアバッグ、
乗客乗り降り警告ランプなど、
日産は特別仕様車を準備して、
コンペに勝利。

しかも将来的に電気自動車に衣替えできる。

日産のテクノロジーとホスピタリティが評価され、
1台2万9000ドル、総額10億ドルの契約となる。
1ドル80円ならば800億円。

私は日本のテクノロジーとホスピタリティが、
世界最大の都市ニューヨークに認められたと考えたい。

本当にうれしいニュースだ。
もちろん日産は、トヨタ、ホンダと、
しのぎを削る競争を繰り広げ、
EV(エレクトリック・ビークル)開発において、
「エコカー戦争で最後に笑うのは日産?」などと評価されていた。
すなわち“量産型”電気自動車の開発にユニークさを示していた。

小売りサービス業も、
テクノロジーとホスピタリティに関しては、
日産自動車に負けられない。

もちろんトヨタやホンダにも、
負けられない。

こどもの日から母の日までの商売に、
ユニークな
テクノロジーと
ホスピタリティを、

発揮したいものだ。

切に、それを願う。

<結城義晴>

2011年5月4日(水曜日)


みどりの日。
20110504113607.jpg

「自然にしたしむとともに
その恩恵に感謝し、
豊かな心をはぐくむ」

これが祝日法2条に定められた趣旨。

私が『食品商業』編集長に就任したのが、1989年(平成元年)。
この年に、「みどりの日」は定められたが、
それは昭和天皇崩御を受けた、前天皇誕生日の4月29日だった。

2007年から4月29日を「昭和の日」とし、
みどりの日は5月4日にスライドした。

考えてみると昭和天皇の誕生日は「昭和の日」そのもので、
みどりの日は、新緑の季節ならばいつでもいい。

だから3連休を確定するために、5月4日となった。
これで「飛び石連休」というおつな名称も消えた。

自然に親しみ、その恩恵に感謝し、
豊かな心をはぐくみつつ、
今日こそ、グリーンを楽しみたいところだが。

『ほぼ日刊イトイ新聞』の巻頭言「今日のダーリン」。
私もこのくらいのブログにしたいのだが、
そうはいかないところが、「男はつらいよ」。

糸井重里さんが書いていた「アンパンマンのこころ」。
それはNEWS ポストセブン 5月3日(火)配信の記事のこと。

漫画家のやなせたかしさんがインタビューに答えている。
タイトルは「日本人の正義とは困った人にパンを差し出すこと」

やなせさんは今年92歳。
ご存知、「アンパンマン」の作者。
「アンパンマンのマーチ」は東日本大震災後、
多くの人々を元気づけた。

やなせさんの第一声。
「『アンパンマン』を創作する際の僕の強い動機が、
『正義とはなにか』ということです」

「正義とは実は簡単なことなのです。
困っている人を助けること」
これ、商売に通じる。
正しき商いそのもの。

「ひもじい思いをしている人に、
パンの一切れを差し出す行為を
『正義』と呼ぶのです」

震災後、マイヤが、マルトが、ヨークベニマルが、
そして多くの商人たちが行ったこと。
それこそ「正義」だった。

「なにも相手の国にミサイルを撃ち込んだり、
国家を転覆させようと大きなことを企てる必要はありません」

「アメリカにはアメリカの“正義”があり、
フセインにはフセインの“正義”がある。
アラブにも、イスラエルにもお互いの “正義”がある。
つまりこれらの“正義”は立場によって変わる」

「でも困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、
立場が変わっても国が違っても『正しいこと』には変わりません」

「絶対的な正義なのです」
商売・商業は、正しく行う限り、
絶対的な正義なのだ。

「うん。だから正義って相手を倒すことじゃないんですよ。
アンパンマンもバイキンマンを殺したりしないでしょ。
だってバイキンマンにはバイキンマンなりの正義を持っているかも知れないから」

「それに正義って、
普通の人が行うものなんです。

政治家みたいな偉い人や強い人だけが行うものではない。
普通の人が目の前で溺れる子どもを見て
思わず助けるために河に飛び込んでしまうような行為をいうのです」

「ただし普通の人なので、
助けに行って自分が代わりに溺れ死んでしまうかも知れない。
それでも助けざるを得ない」

「つまり、正義を行う人は、
自分が傷つくことも覚悟しなくてはいけない」

「今で喩えると、
原発事故に防護服を着て立ち向かっている人々がいます。
自分たちが被曝する恐れがあるのに、
事故をなんとかしなくてはという想いで
放射能が満ちた施設に向かっていく。
あれをもって、『正義』というのです」

「怪獣を倒すスーパーヒーローではなく、
怪獣との闘いで壊された街を
復元しようと立ちあがる普通の人々が
ヒーローであり、正義なのです」

ノンフィクション・ライターの神田憲行氏の質問。
「未曾有の国難といわれています。
日本は復興できるのでしょうか」

「(笑みを浮かべて)出来るのに決まってるじゃないか!」

「あの戦争だって日本は焼け野原になって、
原爆をニ個も落とされて
人が何十年も住めないと言われたんだよ。
それがあそこまで復興できたんだから。
日本人は粘り強く、正しく立派に生きている人たちです。
間違いなく復興できますよ!」

「商人よ、正人であれ」
平和堂に対して故成瀬義一先生が残した言葉。

「正しく生きる商人に誇りを持て」
故倉本長治先生の『商売十訓』10番目の最後の言葉。

「困っている人を助けることこそ、
絶対的な正義なのだ」

やなせさんの言葉に、
なぜか目頭が熱くなる。

さて今日、日経MJに広告が出ている流通誌『激流』。
㈱プラネット社長の玉生弘昌さんが特別寄稿。
「本当に恐いのは無知とデマ」

その原稿を、あらかじめ読ませていただいていた。

玉生さんは、浦和高校の高校生時代、
物理部に所属した。
そこで、「霧箱を手作りして、放射線を見た」

科学少年だった玉生さんによると、
「放射線による病症は、
“程度の問題”と“確率の問題”」になる。
その程度と確率をわかりやすく解説している。

「放射線障害には急性症状と晩発性症状がある」
「前者はその日か数日後に皮膚炎や髪の毛が抜けたりする症状」で、
「どの程度の線量を浴びたか」が重要になる。

これはある程度研究が進んでいて解明されているが、
突き詰めると、
「原発の近くにいる人以外は
急性症状を心配する必要はない」

「後者の晩発症状は、数ヶ月あるいは数年後に
ガンになるかどうかの確率が問題となる」

晩発性はガンになるかどうかの問題。

「線量が多いと細胞が死ぬ、
細胞が死ぬと分裂しないためガンになることはない。
細胞が死なずに細胞内のDNAだけが傷ついた場合で、
なおかつ、DNAのホットポイントに当たった場合、ガンになる」

「百万枚の宝くじで10本が当たりだとすれば、
1枚の宝くじを手にしている人はほとんどゼロに近い確率」

「10枚の宝くじを買った人は確率が10万分の1に高まるが、
まだ当たらない確率のほうがはるかに高い」

「非常に低い確率でも、
科学者的表現では『可能性はある』と言う」

「すでに宇宙線や体内のカルシウムが発している放射線によって、
人は日々被曝しているため、以前から『可能性はある』状態なのである」

「つまり、以前から宝くじを持っている状態である。
被曝によって2~10倍の宝くじを手にすることになっても、
まだ確率は低い」

「ニューヨークと東京間の飛行機に乗ると
600マイクロシーベルト(通常の200倍)の放射線を浴びる。
パイロットのガンの比率が高いわけではない」

「宇宙線をさらに多く浴びているはずの宇宙飛行士が
ガンになったことはない。
チェルノブイリでも
大人のガンは増えてはいない」

「1981年のアメリカ人のガンの要因調査によると、
タバコの寄与率がトップで30%、
電離放射線と紫外線あわせて2%となっている」

「放射性ヨウ素やセシュウムの被曝を避けるより
タバコを避けた方がガンになる確率を大幅に下げることができる」

「つまり、喫煙者はすでに30枚の宝くじを持っているのである」

「というわけで、
原発周辺にいる人でない限りは、
急性症状も晩発性症状も
ほとんど心配はない」

玉生さんは断言する。

静岡県知事の川勝平太さんが言うように、
「無知は恐怖の源です」

私は書いた。
「風評被害には、
知識と情報で対抗せよ」

正義とは「困っている人を助けること」
風評被害で困っている人、困っている地域、
それを助けることは普通の人にもできる。

そして「困っている人を助けることこそ、
絶対的な正義なのである」

<結城義晴>

[お知らせとお願い]
5月12日開催のチャリティセミナー
「ひとつになろう! 日本 商人支援プロジェクト」

今日の日経MJ 4面総合欄に、
囲み記事で取り上げていただきました。
「セミナー通じ被災者を支援」

日経MJのデスクには、心から感謝します。

その第1回は大阪。
会場 リーガロイヤルホテル大阪
日時 2011年5月12日(水)
開演 12時受付開始 12時30 ~17時
参加費 15000円

この1人1人の参加費はすべて、
東日本大震災義援金として、
日本赤十字社に寄付されます。

第2回は名古屋。
日時    2011年6月24日(金) 12:30~17:00
会場    名古屋市芸術創造センター

第3回は福岡。
日時    2011年7月12日(火) 12:30~17:00
会場    福岡サンパレス

第4回が東京。
日時    2011年7月13日(水) 12:30~17:00
会場    リーガロイヤルホテル東京

私は5月12日大阪でトップバッターとして講演します。
テーマは「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」の精神を語ります。

ご参加のご検討をお願いします。

2011年4月29日(金曜日)


2011年のゴールデンウィークに入った。
東日本大震災後50日目からの大型連休。

無邪気に、
楽しもう
楽しませようと、
呼びかける気にはなれないが、
それでも、
「小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望」
それらをまとめて、つづけて、
味わい、実感する日々でありたい。

今日4月29日が昭和の日。
亡くなられた昭和天皇の誕生日。

明日30日は土曜日。
明後日5月1日は日曜日。
ちなみにこの日は労働者の日メーデー。

5月3日火曜日は憲法記念日。
5月4日水曜日はみどりの日。
そして5月5日木曜日がこどもの日。

さらに5月7日は土曜日、
5月8日が日曜日。

だから5月2日と6日に休暇をとれば、
10日間の連休となる。

この大型連休、
誰もが「有意義に生きたい」と考えている。
このことには例外がないと思う。

もちろん被災して、
絶望している人がいるかもしれない。
明日への希望が見えない人がいるかもしれない。
そんな人々にも手を差し伸べる日々でありたい。

嬉しいニュース。
今日、東北新幹線が全線開通。

3月12日の震災翌日、
九州新幹線が全線開通した。
私も何度もユーチューブで歓喜のCMを流した。


「ひとつになってくれて、ありがとう」

本来、3月12日こそ、
鹿児島から青森が、
新幹線一本で結ばれる日だった。
それが震災で伸びた。

今日が、その日となった。
いま、九州の端と本州の端がつながった。
「ひとつになろう! 日本」
言葉通りの日本になりたい。

私もチャリティセミナーに参加し、協力する。
「ひとつになろう! 日本 商人支援プロジェクト」
私は5月12日大阪でトップバッターとして講演する。

このチャリティセミナーへの結城義晴のメッセージ。

謙虚に、ひかえめに、真摯に、
被災地の商人を支援したい。

ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ、
被災地の商業の復旧と復興を応援したい。 

それがやがて必ず
地域の振興につながることを信じたい。

いつも、そして、ずっと、
被災地の商人と心をひとつにしていたい。

支援し、応援し、心をひとつにすることによって、
この社会が、商人の役割を正しく認識するに違いない。
それを願いたい。

「雨ニモマケズ 風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク 決シテ瞋ラズ イツモシヅカニワラッテヰル
ホメラレモセズ クニモサレズ
サウイフモノニ ワタシハナリタイ」
合掌。

会場 リーガロイヤルホテル大阪
日時 2011年5月12日(水)
開演 12時受付開始 12時30 ~17時
参加費15000円
この1人1人の参加費はすべて、
東日本大震災義援金として日本赤十字社に寄付される。

さて今日の朝日新聞「オピニオン」。
アメリカの歴史家ジョン・ダワーさんが、
インタビューに答えている。
マサチューセッツ工科大学名誉教授。
『敗北を抱きしめて』でピュリツァー賞受賞。
この著書は太平洋戦争の敗戦による破滅から、
立ち直る日本人の姿を描いたもの。

「米国社会はいまも
日本に対するシンパシーであふれています」
ほんとうに嬉しい言葉だ。

ダワー教授は、日本人の「しなやかな強さ」を強調する。
「第2次世界大戦が引き起こした人命の損失と物的破壊の規模は、
日本の国内に限っても今回の震災よりすざましいものでした」

「すべてあわせると40万人から60万人が空襲で犠牲になった」
「数百万人が家を失いました」
「外地から引き揚げてきた数百万人には、
ほとんど職がありませんでした」
私の父、祖父、叔父たちもみな同じだった。

「日本の国富の4分の1から5分の1が失われました」

「第2次世界大戦の前には、
1923年の関東大震災がありました。
首都を直撃し、日本の政治・経済の中心が壊滅し、
10万人以上が犠牲になりました」

「この二つの歴史経験が私たちに教えるのは、
日本人は悲劇から新しい創造的なものを
創り出すことができる
ということです」

では、これから、どうするか。
「一国に対する同情的感覚が、
これだけ広がったのはめったにない」

「この大震災が世界の共感を引き付けていること」を、
生かしなさいとダワーさんはアドバイスしてくれる。

「この感覚があるうちに他国との連帯を」築け。

ダワーさんは日本人の特性を説明する。
「私が注目しているのは、日本のいたるところで、
助け合いやコミュニティの感覚が生まれていることです」

「そこにあるのは宮沢賢治の『雨ニモマケズ』にあるような、
質実で献身的な精神です」

「90年代のバブル経済の崩壊以来、
日本は自信を失って、心理的に暗かった。
しかし今回の危機で明らかになったのは、
日本社会のしなやかな強さでした」

福島原発の問題にも言及する。
「被爆国である日本が、
原発事故という形で新たに放射能の恐怖に襲われたことは、
これは歴史の悲劇的な巡りあわせとしか言いようがありません」

「広島、長崎の経験を踏まえて、
核軍縮の議論を日本が引っ張ってきたように、
今回の危機を活かして、
エネルギー政策でも指導的役割を果たしてほしい」

ヒロシマとフクシマ。

日本国民にとって、
いや世界の人々にとって、
歴史の上でも最も悲劇的なことのひとつ。
それが私たち日本に起こった。
この事実は変えられない。

ならばそれを、逆に生かさねばならない。

「突然の事故や災害で、
何が重要なことなのか気づく瞬間があります」
これがダワーさんの最も重要な指摘だと思う。

「すべてを新しい方法で、創造的な方法で
考え直すことができるスペースが生まれる」

「関東大震災、敗戦といった歴史的瞬間は、
こうしたスペースを広げました。
いま、それが再び起きています」
私たちには、イノベーションのスペースがある。
この事実を正面から見定めること。

「しかし、もたもたしているうちに、
スペースはやがて閉じてしまうのです」

「結果はどうなるかはわかりませんが、
歴史の節目だということ」

私たち自身が、
歴史の節目をしっかり意識しなければならない。

ドナルド・キーンさん、
ジョン・ダワーさん。

私たちには心強い味方がいる。

良いゴールデンウィークを。

休む人、遊ぶ人、楽しむ人。
その休み、遊び、楽しみを、
つくる人、与える人、守る人。

どちらにも有意義な時でありますように。

<結城義晴>

2011年4月21日(木曜日)


商人舎ホーム―ページの巻頭に、
桜の絵柄の「東北関東大津波大震災へのメッセージ」と並べて、
日の丸富士の「東日本大震災チャリティセミナー」のお知らせを載せました。

ご協力、ご参集を、要請します。

私は、5月12日(木)の12:30から、
この企画のトップバッターで、
メッセージを発信します。

夕方の17:00に終わる最終講座まで、
私もともに会場で、被災地の商人を支援し、応援します。
その会場は、大阪・中之島のリーガロイヤルホテル大阪。

さて、この商人舎ホームページの巻頭テロップ。
「流通ニュース」

商人舎と同志のように提携していて、
あくまで客観的に、第三者的に、冷静に、
小売流通・サービス業のニュースを提供し続ける。

その流通ニュースの画面上段にボタンが並ぶ。
左から、HOME 経営戦略 店舗 月次売上
決算 商品 トピックス IT 海外

この左から4番目の「月次売上」をクリックする。

そうすると、「ニュース一覧(月次売上)」の下に、
記事ごとの見出しが、ずらっと出てくる。

その見出しに表わされているのは、
協会、企業ごとの3月の売上高前年同月比。

4月20日段階の記事タイトルだけだが、
全部、抜き出してみよう。

* コンビニエンスストア/3月の全店売上9.2%増、既存店7.7%増 (2011年04月20日)
* セブン-イレブン/3月の売上12.2%増、既存店9.5%増 (2011年04月20日)
* マツモトキヨシHD/3月の全店売上高15.2%増、既存店7.3%増 (2011年04月20日)
* AOKI/3月の売上2.0%減、既存店2.8%減 (2011年04月20日)
* モスバーガー/3月の売上3.7%減、既存店2.7%減 (2011年04月20日)
* ゲンキー/3月の売上33.4%増、既存店は24.0%増 (2011年04月20日)
* カスミ/3月の売上高1.5%増の177億円 (2011年04月19日)
* ヤオコー/3月の全店売上高20.4%増、既存店9.6%増 (2011年04月19日)
* アークス/3月の売上5.6%増、既存店3.9%増 (2011年04月19日)
* 吉野家/3月の売上3.1%減、既存店0.8%増 (2011年04月19日)
* CCC/3月の売上0.1%増、既存店2.1%減 (2011年04月19日)
* J.フロントリテイリング/3月の百貨店10.9%減、SM3.2%増 (2011年04月18日)
* 高島屋グループ/震災で、3月の百貨店総売上16.8%減 (2011年04月18日)
* H2O/3月の百貨店9.7%増、SM4.3%増 (2011年04月18日)
* グローウェルHD/3月の売上22.7%増、既存店16.9%増 (2011年04月18日)
* コスモス薬品/3月の売上22.2%増、既存店10.7%増 (2011年04月18日)
* 青山商事/3月の青山商事の売上2.0%減、既存店3.0%減 (2011年04月18日)
* キタムラ/3月の売上16.7%減の83億3600万円 (2011年04月18日)
* 日本KFC/3月の売上、KFC0.4%増、ピザハット10.4%減 (2011年04月18日)
* 神戸物産/3月の売上高18.3%増の135億円 (2011年04月18日)
* マックスバリュ西日本/3月の売上11.3%増、既存店0.7%増 (2011年04月15日)
* マルエツ/3月の売上12.8%増、既存店8.2%増 (2011年04月15日)
* マックスバリュ東海/3月の売上13.9%増、既存店6.9%増 (2011年04月15日)
* マックスバリュ東北/3月の売上6.1%増、既存店6.7%増 (2011年04月15日)
* 大黒天物産/3月の売上14.4%増 (2011年04月15日)
* カネ美食品/3月の売上0.8%増の67億円 (2011年04月15日)
* ユニー/3月の売上0.9%減、既存店0.9%増 (2011年04月14日)
* コーナン商事/3月の売上11.0%増、既存店は9.3%増 (2011年04月14日)
* ゲオ/3月の直営店売上6.9%増、既存店1.9%増 (2011年04月14日)
* 日本通信販売協会/2月の売上2.5%増の1210億円 (2011年04月14日)
* アルペン/3月の全店売上11.4%減、既存店13.5%減 (2011年04月14日)
* マックスバリュ北海道/3月の売上8.9%増、既存店6.8%増 (2011年04月14日)
* コロワイド/3月の売上21.0%減、既存店13.8%減 (2011年04月14日)
* コナカ/3月の売上22.6%減、既存店17.1%減 (2011年04月14日)
* セブンネットショッピング/3月はジャニーズ関連商品が好調 (2011年04月14日)
* 三城ホールディングス/3月の売上2.2%減、既存店は0.7%増 (2011年04月14日)
* スーパーバリュー/3月の売上高12.8%増 (2011年04月14日)
* スギHD/3月の売上16.5%増、既存店11.7%増 (2011年04月13日)
* カワチ薬品/3月の売上6.4%増、既存店は4.4%増 (2011年04月13日)
* ココカラファイン/3月の全店78.6%増、既存店10.2%増 (2011年04月13日)
* サイゼリヤ/3月の売上7.4%減、既存店は11.2%減 (2011年04月13日)
* かっぱ寿司/3月の売上19.5%減の59億円 (2011年04月13日)
* カカクコム/3月の総ページビュー5.1%減の12億2827万 (2011年04月13日)
* ジョイフル/3月の売上1.8%減、既存店1.7%減 (2011年04月13日)
* ローソン/3月の全店売上10.0%増、既存店7.2%増 (2011年04月12日)
* ヤマダ電機/3月の売上高15.7%減、店舗数は2726店へ (2011年04月12日)
* ビール類市場/3月は震災で初めて新ジャンルが前年割れ (2011年04月12日)
* サークルKサンクス/3月の既存店日販5.5%増48万6000円 (2011年04月12日)
* 良品計画/3月の売上10.7%減、直営既存店18.2%減 (2011年04月12日)
* ココス/3月の売上13.1%減、既存店は7.2%減 (2011年04月12日)
* スリーエフ/3月の既存店平均日販13.7%増の48万4000円 (2011年04月12日)
* ファミリーマート/3月の売上12.6%増、既存店日販5.2%増 (2011年04月11日)
* コメリ/3月の売上17.7%増、既存店12.8%増 (2011年04月11日)
* ビックカメラ/3月の売上高12.1%減 (2011年04月11日)
* ミニストップ/3月既存店平均日販9.6%増の48万5000円 (2011年04月11日)
* PLANT/3月の売上9.2%増、スーパーセンター9.6%増 (2011年04月11日)
* 王将フードサービス/3月の既存店売上6.7%減 (2011年04月11日)
* 大塚家具/3月の全店売上高15.0%減 (2011年04月11日)
* ポプラ/3月の既存店日商4.2%増の37万6000円 (2011年04月11日)
* ハニーズ/3月の売上28.1%減、既存店27.7%減 (2011年04月11日)
* マクドナルド/休業店舗の影響で、3月の売上12.8%減、既存店7.3%減 (2011年04月08日)
* ケーズHD/3月の売上27.5%減、既存店は31.3%減 (2011年04月08日)
* バロー/3月のSM事業売上20.2%増、既存店7.3%増 (2011年04月08日)
* ゼビオ/3月のゼビオ全店売上10.2%減、既存店15.5%減 (2011年04月08日)
* スターバックス/3月の売上6.8%減、既存店10.1%減 (2011年04月08日)
* ワタミ/3月の売上17.9%減の58.8億円 (2011年04月08日)
* 原信ナルスHD/3月のSM売上11.0%増、既存店8.5%増 (2011年04月08日)
* 大庄/3月の売上23.0%減、既存店21.1%減 (2011年04月08日)
* マックスバリュ東海/3月の売上13.9%増、既存店6.9%増 (2011年04月07日)
* サンエー・インターナショナル/3月の売上19.6%減、既存店21.7%減 (2011年04月07日)
* スタートトゥデイ/3月の商品取扱高5.4%増の41億7300万円 (2011年04月06日)
* すき家/3月の売上14.6%増、既存店は7.0%増 (2011年04月05日)
* パルコ/3月の仙台店売上げ64.8%減 (2011年04月04日)
* チヨダ/2月の売上18.7%減、既存店17.5%減 (2011年04月04日)
* オークワ/3月の売上6.0%増、既存店2.9%増 (2011年04月04日)
* ABCマート/3月の売上10.8%減、既存店は11.0%減 (2011年04月04日)
* ユナイテッドアローズ/3月の売上18.9%減、既存店は17.0%減 (2011年04月04日)
* ポイント/3月の売上8.8%減、既存店は21.4%減 (2011年04月04日)
* カッパ・クリエイト/3月は売上高24.7%減 (2011年04月04日)
* アークランドサカモト/3月度の既存店売上8.8%増 (2011年04月04日)
* ジーフット/3月の売上6.6%減、既存店13.7%減 (2011年04月04日)
* ブックオフ/3月の売上7.0%減、既存店10.9%減 (2011年04月04日)
* 三越伊勢丹HD/3月の売上は三越銀座店11.6%増、伊勢丹新宿店24.7%減 (2011年04月01日)
* ユニクロ/震災の影響で3月の既存店売上10.5%減 (2011年04月01日)
* 大丸松坂屋百貨店/3月の売上高9.6%減 (2011年04月01日)
* 高島屋/3月の関東地区店頭売上25.9%減も月末は回復傾向 (2011年04月01日)
* 阪急阪神百貨店/3月の阪急本店3.3%減、阪神本店4.1%減 (2011年04月01日)
* ニトリ/3月の全店売上高8.5%減、既存店17.2%減 (2011年04月01日)
* JR名古屋タカシマヤ/3月の売上2.1%減の90億3600万円 (2011年04月01日)
* 松屋/3月の銀座本店31.6%減 (2011年04月01日)
* 松屋フーズ/3月の売上12.5%増、既存店7.5%増 (2011年04月01日)

凄いニュース量だが、
業態別にまとめると、
食品スーパーマーケットの3月の成績は、
二桁の伸び。

被災したカスミは、売上高1.5%増の177億円 。
同じくマックスバリュ東北は、売上6.1%増、既存店6.7%増。

しかし、それ以外の企業。

ヤオコー/全店売上高20.4%増、既存店9.6%増
バロー/SM事業売上20.2%増、既存店7.3%増

神戸物産/売上高18.3%増の135億円
大黒天物産/売上14.4%増
マルエツ/売上12.8%増、既存店8.2%増
マックスバリュ東海/売上13.9%増、既存店6.9%増
マックスバリュ西日本/売上11.3%増、既存店0.7%増
原信ナルスHD/SM売上11.0%増、既存店8.5%増

北海道は少しだけ、ちがった。
アークス/売上5.6%増、既存店3.9%増
マックスバリュ北海道/売上8.9%増、既存店6.8%増

コンビニも各チェーンとも好調。
セブン-イレブン/売上12.2%増、既存店9.5%増
ローソン/全店売上10.0%増、既存店7.2%増
ファミリーマート/売上12.6%増、既存店日販5.2%増
サークルKサンクス/既存店日販5.5%増48万6000円
ミニストップ/既存店平均日販9.6%増の48万5000円
スリーエフ/既存店平均日販13.7%増の48万4000円
ポプラ/既存店日商4.2%増の37万6000円

ドラッグストアはいずれも、超絶好調。
ココカラファイン/全店78.6%増、既存店10.2%増
ゲンキー/売上33.4%増、既存店は24.0%増
グローウェルHD/売上22.7%増、既存店16.9%増
コスモス薬品/売上22.2%増、既存店10.7%増
スギHD/売上16.5%増、既存店11.7%増
マツモトキヨシHD/全店売上高15.2%増、既存店7.3%増
カワチ薬品/売上6.4%増、既存店は4.4%増

ホームセンターも、絶好調。
コメリ/売上17.7%増、既存店12.8%増
コーナン商事/売上11.0%増、既存店は9.3%増
アークランドサカモト/既存店売上8.8%増

対して、百貨店、総合スーパーの大型店業態、
ファッションチェーン、専門店チェーン、
さらに外食チェーン、みな悪い。
こちらはずっと続くトレンド。

何しろユニクロまでが、
前年対比マイナス10.5%。

「震災特需」
それがあった業態と地域。
それがなかった業態と地域。

鮮明に浮かび上がった。

そこで、「特需」を受けた企業群は、
どう行動するか。

もちろんこれは、
「未来の自分の売上げの先食い」
という側面もある。

ただし3月にはすべての企業が、
特売を控えた。

すなわち定価で販売し、
これだけの売上げ増だった。
粗利益は上がっただろうし、
営業利益も出たはず。

今日は、はっきりと言っておこう。

被災した企業や地域は、
壮絶だ。

「震災特需」の利益。
いかに使うかが、
商人の品格である。

本当の志が、わかる。

さて昨日は、
商業経営問題研究会(通称RMLC) の4月例会。
この日の会場は、港区虎ノ門。
日本チェーンストア協会会議室。

会議室には歴代の協会長の顔写真が並ぶ。20110421185629.jpg

初代会長の㈱ダイエー創業者の中内功さん、
二代目のイオン㈱名誉会長の岡田卓也さん、
三代目の㈱セブン&アイ・ホールディングス名誉会長の伊藤雅俊さん。
皆さん、お若い。
20110421185753.jpg
しかし、凄い写真が並びます。
みな、志と品格を備えた知識商人ばかり。

その歴代協会長の皆さんに見つめられて始まったRMLC。
今回は高木和成代表世話人の紹介で、
㈱やまと社長の小林久さんが、
ゲストスピーカーを務めてくれた。
20110421185641.jpg
やまとは、山梨県内のローカル・スーパーマーケット。
本部がある韮崎市を中心に、
12店舗を展開し、年商62億円。

10年前に、先代から引き継いだ時には、赤字会社だった。
それからの「破たんスーパーマーケットの再生物語」を、
2時間ほど話してもらった。
20110421185648.jpg

「高齢化が進む地域で、やまとは60から70代がターゲット」
「居抜き物件、競売物件でローコスト経営に徹する」
「人が嫌がること、まねのできないことをやる」
「店はお客を選べないが、お客は店を選べる」
「だから、一流の地域三番手になろう!」

やまとは、500グラム298円の弁当をつくり、売る。
500グラム一律だから、
おかずが少なければご飯の量が多く、
トンカツ弁当のように重量がかさむと、ご飯が少ない。
これがお小遣いの限られたお年寄りや若者に大人気。

震災後は300円に値上げし、
4円分を義援金にしている。
1年にすれば500万の寄付になる。
これを「10年間は続ける」という。

さらには、家庭の生ゴミを店頭で回収。
堆肥化して、契約農家に無料で提供。
できた野菜はやまとで販売するというエコの取り組み。

生ごみを持ち込んだ会員のカードには、
5円分のポイントを付ける。
生ごみを処理してもらって、ポイントがふえる。
お客には二重のメリットだが、小林さんは、
「わざわざ持参したお客への感謝だから」。

やまとは計画停電のときにも、営業を続けた。
お客が車のライトをつけて、その間、
店内を照らしてくれたという。

まさに、地域密着。
糸井重里さんいうところの「親しい商売」。

4月例会の後半は、
結城義晴の東北関東大津波大地震現地レポート。

写真を見ていただきながら、
被災地の小売業の活躍を報告し、
私なりのまとめを話した。
20110421185710.jpg
隣は「飯能の流通仙人」こと、杉山昭次郎先生。
久しぶりに飯能から参加いただいた。

さらにこの日は、
㈱ライフコーポレーション常務の並木利昭さんも参加。
並木さんも被災した石巻市に支援物資を持って訪問した。
改めてライフラインを守るスーパーマーケットの役割を実感したと語った。
20110421185727.jpg

講演後に小林さん、 高木和成さんと写真。
20110421185733.jpg

元気いっぱいの小林さんの経営。
「一流の地域三番手」とは、
多分、フィリップ・コトラーのいう「ニッチャー」のことを、
意味するんだと思う。

一番手のマーケット・リーダー、
二番手のマーケット・チャレンジャーに対して、
三番手以下のフォロワーではなく、

ポジショニングを確立したニッチャーになろうということだ。

それを「一流の」という形容詞をつけて表現した。

規模も有効だし、
それがなければできないことがたくさんある。
しかし規模があってもできないことが、
これも山ほどある。

どんな役割を選ぶか、
それに徹することができるか。

これが「親しい商売」の鍵を握ることだ。

そしてそれが商人の品格となる。

<結城義晴>

2011年4月20日(水曜日)


昨夜20時46分25秒、
岩手県大船渡市の米谷春夫さんから投稿コメント。
そう、㈱マイヤ社長。

「今度こそ、当社の幹部以下社員を、
自慢したい気持ちでイッパイです。
私は素晴らしい社員を持っていると誇りに思います」

「天災は例外なくいつでもどこにでも到来します。
マイヤの対応から、
良い面も悪しき面も教訓にして頂ければ幸いです」

「明日20日は全社のチーフ以上を震災後初めて集め、
51期方針発表会及び50期表彰式を、
大船渡から1時間の遠野市で行います」

「マイヤは二度目の誕生!!」
を声高らかに訴え、
たくましく前進していく機会にしたいと思います。

「乞うご期待!! マイヤ」です。

頑張れ、マイヤ。
負けるな、マイヤ。

私も声をかけたくなる。

するとマイヤが遠野市で方針発表会を開催する今朝、
9時17分22秒、 爾今翁(ジコンオウ)さんからコメント。

「すごい人がいるもんだ。
近くに店舗があれば
顧客になりたい」

「心がすさみ 疲れがどっと出て
ベッドに伏せるこの頃

瓦礫をまたぐ生活
この記事で元気をもらった」

「しかし 爺ちゃんは 人知れず
コメントを呼んで 号泣した」

私は朝から、
爾今翁さんのコメントを読んで、
人知れず、泣いた。

この大きな震災の後、
様々なマーケットが変化していく。
小売市場にも、いくつかの変化が現れる。

第一に、小売業の寡占化が進む。
極めて冷静に見ると、これは確かだ。

日本の小売業は2007年商業統計で、
113万6755店。
10年前の1997年が141万9696店であったから、
28万2941店の減少で、マイナス19.9%。

1年に3万店近くの減少が続いた勘定。

売上高は134兆5717億円で、、
147兆7431億円から8.9%のマイナス。

つまり、黙っていても店数減少の傾向だったものが、
この津波と地震の被災によって、
東北三陸沿岸や北関東で激減する。
マインドとしては全国に、これは広まる。
あの津波にさらわれた街の店店が、
どれだけの意志を持って復興するのだろう。

今朝の日経MJの囲み記事「消費見所・カン所」に、
イオン㈱社長の岡田元也さんがコメント。
この大震災の教訓として、
「小売業の業界再編」が促されると分析。

「本部集中による効率化を進めてきたが、
コンピューターシステムや物流の拠点を分散するなど、
従来のやり方を変えなければいけない」

「店舗の免震構造」など「防災投資」がかさむ。
だから「他社との連携を選ぶ小売業が増える」

ナショナルチェーンは地方分散化を進め、
それでいて投資額は過大化する。

だから「企業の統合が進む」という「見立て」。

これもクールな判断だろうし、
イオンのグループ戦略と同期する。

実際、この震災では、
ナショナルチェーンが活躍した。

イオン、セブン&アイ・ホールディングスの両雄。

それに、CGCジャパンの大奮闘。
さらに全日食チェーン、セルコ・チェーンも。
こちらはボランタリーチェーンのナショナルチェーン。

私は、この傾向は進むと考える。

何しろヨークベニマルのようなリージョナルチェーンですら、
全域で被災してしまった。

ベニマルもセブン&アイのグループであったことで、
さまざまな恩恵をこうむった。

マイヤもマルトも、
ジョイスもベルプラスも、
CGCジャパンに加盟していた。
そしてその本部や仲間の企業の協力、助力が、
企業の存続に貢献した。
岡田さんの言う「連携の選択」である。

この全国チェーン化が進むことが、
第二の変化。

つまりレギュラーチェーンとボランタリーチェーンにおける、
ナショナルチェーンの競争レベルとなる。

どちらがいいとも断言はできない。

もちろん私は日本の小売業界を、
「大きな自然の森」にたとえている。

大木もあれば、雑木もあるし、
雑草もある。

みな、底力のある大木、雑木、雑草。
それが自分の顧客を定めて、
ポジショニングを鮮明にしながら、
一所懸命に生きる。

この時、必ずしも大木が強いとはいえない。
雑木や雑草が、いつも弱いともいえない。

何しろ生命力のある者だけが残っているのだから。

マイヤ、マルトを見ていると、
それが実感できるし、確信できる。

ここでいう生命力とは、
第一に米谷春夫さんのいう「ファイティングスピリッツ」であり、
第二に顧客や地域と店との強い関係性である。
それを米谷さんは「お客様が優しくなった」と感じた。

第三の変化は、この顧客と個店の親密性である。
ますます親密に、ますます親しくなる。

これまた今朝の日経MJの最終面に糸井重里登場。
自身も東京糸井重里事務所という会社を経営し、
社員50人年商20億円強のビジネスを展開する。
「ほぼ日刊イトイ新聞」を運営しながら、
商品づくりなどの商売をしている。

その糸井さんは、
「親しい商売が楽しいよね」という。

「1万人の潜在顧客で十分成り立つ商品は山ほどある」
これが21世紀の糸井流商法。
ナショナルブランドメーカーから見ると、
完全な異質の「小商圏主義」。

1万人で成り立つ「親しい商売」
そのための「親しいコミュニケーション」

寡占化の方向に進みつつ、
ナショナルチェーン化が進行する中で、
それらの条件の上位に来るのが、
「親しい商売」である。
私もまったく同感。
㈱商人舎もこの方針だ。

東北関東大津波大震災のあと。
「親しい商売」ができる店や会社に、
輝く未来が待っている。

私はそれを、確信している。

「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」

復旧・復興を成し遂げよ。
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
「親しい商売」に向けて邁進せよ。

では、これにてひとまず、
「東北関東大津波大震災」現地レポートの「終焉」。
永らくのご愛読、心から感謝。

<結城義晴>

2011年4月19日(火曜日)


昨日のブログ「吉野の桜」は、
凄いアクセス数。
ありがとうございました。

こういった明るいニュースや話題が、
今、強く求められてもいる。
そのことが良くわかりました。

吉野ストア社長の安川光男さん、
ほんとうに、ありがとう。

それでも東北関東大津波大震災の現実は、
もとにもどらないし、消えてなくなりはしない。

このことにも真正面から、
向き合っていかなければならない。

日経新聞最終面の『交遊抄』。
指月電機製作所社長の梶川泰彦さんと、
秋田県羽後町の大江尚征町長の交流の話。

梶川さんの指月電機の出産祝い金制度、
「第1子に3万円、第2子に2万円、第3子に1万円、
第4子以後は祝い金は無し」
だった。
なんというか、これが普通の感覚。
下村湖人作『次郎物語』など、
この感じを強く持つ。

家長主義か、長男偏重の表れか。

梶川さんは社員と相談しながら、それを変えた。
「第1子に10万円、第2子に20万円、
第3子に30万円・・・」

累進的に増額する制度。

とっても、いいことです。

これを国や市町村も、
やらねばいけない。

梶川さんの会社では、
「制度を変えて1年ほど経たあたりから、
双子誕生の話など喜ばしい話を社内で聞くようになった」

国や市町村でも、
こんなふうにならなければいけない。

これを大がかりにやる必要があると思う。
一郎・太郎だけでなく、
次郎・三郎・四郎・五郎が、
家族だけでなく社会全体から、
おおいに祝福されねばならない。

さて「東北関東大津波大震災・現地レポート九章」
岩手県大船渡の㈱マイヤの巻。

あらためて、
亡くなられた皆様に追悼の意を表し、
心からご冥福をお祈りしたいと思います。

本当につらい出来事だったが、
まずはユーチューブを見ていただこう。
大船渡の津波のビデオ。
地元カメラマンによる9分23秒の映像。

大船渡の隣の陸前高田でも、
北の釜石、宮古でも、
宮城県の石巻でも。

津波は容赦なく、
人家や店舗をさらっていった。
もちろん尊い人命も奪い去った。

朝日新聞4月5日の夕刊の記事。
「岩手 スーパー屋上の夜」

「津波が襲った日、岩手県のスーパーの屋上に、
多くの従業員や住民が取り残された。
店内に流れ着いた人を救ったり、
隣のビルに食べ物を運んだりして支え合った。
店員たちはいま、被災地に食料品を届けている。

同県陸前高田市のマイヤ高田店。
店長の新沼善寛さん(59歳) は3月11日、
3階建ての店舗の外階段を必死に駆け上がった。
下を見ると、駐車場の自分の車が波にさらわれていった。

客や従業員の多くは、津波が来る前に避難させていた。

屋上には、
最後まで店内の確認をしていた従業員や避難に来た住民、
消防団員ら13人が残った。

親子らしい女性と女の子が、
屋根の上にしがみついたまま、
沖に流されていくのが見えた。
『どうすることもできなかった』

水が少し引くと、3階はがれきの山。
燃やして暖をとろうと、
がれきを取りに行った従業員が叫んだ。
『人がいる』。

3階の天井の骨組みにずぶぬれの男性がつかまっていた。
市役所の職員が、波にのまれて運ばれていた。
職員を抱えて下ろし、消防団員が着ていた上着を着せた。

夜はコンクリートの上に発泡スチロールを敷き、
暖を取るため段ボールを体に巻き付けた。

翌朝、ヘリコプターが救助に来た。

同県大船渡市のマイヤ本店の屋上にも、
従業員や住民ら計59人が残された。

同社販売部のマネジャーの伊藤長一さん(59歳)は午後7時ごろ、
斜め向かいのホテルの屋上に避難していた人たちの叫び声を聞いた。
『食べ物がない』。

5階建てのスーパーは3階まで浸水したが、
4階には売り物の菓子類があった。

ただ、スーパーの屋上から、
ホテルの屋上までは約20メートル離れている。
伊藤さんたちは店内から荷造り用のビニール製のひもを見つけ、
その先にボールを結び付けた。

野球の経験がある従業員が、
本店屋上から向かいのホテルの屋上目がけて投げた。
何度も失敗した後にようやく届き、
菓子をいっぱい詰めたスーパーの買い物かごの持ち手にひもを通した。

スーパーとホテルの高さの違いを利用して、
ロープウエーのように買い物かごを移動させてホテル屋上に届けた。

マイヤは岩手県沿岸部を中心に16店を展開する地元スーパー。
津波で6店が店ごと流されたり、全半壊の被害を受けたりした。
従業員7人が亡くなり、約20人の行方がいまも分からない。

それでも、地震4日後から、
陸前高田市の小学校で食糧品の出張販売を始めた。
少しずつ、販売場所を増やしている。

新沼さんは
『こういう時こそ、
地元スーパーとして、
住民の力になりたい』

と、力を込めた」  〈長富由希子〉
〈全文掲載〉

4月7日の夕方、私は相棒の鈴木國朗さんと、
大船渡のマイヤ大船渡インター店に到着。
20110417221933.jpg
駐車場は満杯だった。

この店が現在、
マイヤの仮設本部となっている。
20110417221946.jpg

店の裏の搬入口から、
バックヤードに入って行った。

店長室を外の小窓から覗きこむと、
社長の米谷春夫さんが、机に座って、
一心不乱に、パソコンに何か打ち込んでいた。

静かに扉を開けて顔を見せると、
目があった。
20110419115438.jpg

足を踏み入れ、
近寄って、
両手で固い握手。

それだけで、
涙が込み上げてきた。

3月11日、米谷さんは東京にいた。
CGCジャパンの会合が開かれる予定だった。

しかしあの大きな地震。
米谷さんは東京在住の妹さんに車を手配してもらって、
24時間、一般道を走り通しで地元にもどった。

その間、朝日新聞の記事のように大船渡本店では、
幹部をはじめとして伊藤マネジャーたちが、
陸前高田店では新沼店長が、
必死の努力を重ねていた。

それでも、すぐに停電、断水、それに余震。

幹部の判断で、被災を免れた大船渡インター店では、
被災した店舗を片付けつつ、
震災当日の11日から、
店頭販売が始まった。

駐車場にワゴンを持ち出し、
水やカップめんなどを、
50円ポッキリで売った。

お客さんが、どっと押し寄せた。
13日早朝、そんな中に米谷社長帰還。

しかし米谷さんの陸前高田の自宅は津波にさらわれて、
すべてを持っていかれた。

大事なものや先祖代々受け継いだ品々、
思い出の品など、一切が無くなった。

そのうえ、86歳のお母様、
奥様、ご長男の安否も不明だった。

あとでわかったことだが、
奥様は無事に避難していた。
長男は山田町で被災し、
自分の後ろの車まで、
水で持って行かれるという間一髪のところで、
助かった。

お母様はいまだに安否がわからない。

それでも米谷さんは、地元にもどって、
一日も休まず、働き続ける。

それは、マイヤがスーパーマーケットだから。
地域の最大のライフラインだから。

この三陸には、
「30年以内に99%の確率で大地震がくる」
そう言われていた。

だから入念に対応策を施していた。
避難訓練は欠かさなかった。
緊急マニュアルも整備していた。
倒壊防止の設備も装備した。

ただこれだけの津波は考えていなかった。

大船渡本店は5階建ての大型店だった。
25メートルの津波はその3階まで来た。

大船渡は4店舗のうち本店、中央店、綾里店の3店舗が全壊半壊、
市街地からちょっと離れたインター店だけ残った。

陸前高田は高田店とリプル店の2店舗、大槌町はマスト店が、
それぞれ全壊あるいは半壊で営業停止した。

16店のうち大型店3店を含む6店が休業。
会社にとっては大きな痛手となった。

マイヤは1961年に、
「株式会社主婦の店大船渡店」として設立された。

その前年の1960年、
三陸地方は大きな災害に見舞われた。

「チリ地震」である。

1960年、5月22日、チリ中部近海で発生し、
首都サンティアゴ始め、全土が壊滅状態に陥ったとされる。

有史以来観測された中で最大規模の巨大地震で、
この地震によって発生した地震波は地球を3周した。

本震発生から約15時間後にハワイ諸島が津波に襲われ、
さらに約22時間後、最大6mの津波が三陸海岸沿岸に訪れた。
大船渡市で53人、南三陸町で41人が亡くなった。

マイヤはこのチリ地震の津波の助成金を元手に、
1961年にスタートした会社である。

その後、1979年、CGCジャパンに加盟、
1979年、株式会社マイヤに商号変更。
1980年代は多店化を進めていく。
1981年、釜石市に㈱釜石マイヤ設立、
1993年、㈱釜石マイヤを吸収合併、
同時に大槌町シーサイドタウン「マスト」のキーテナントとして出店。
1998年には、宮城県気仙沼市に県外1号店・気仙沼バイパス店をオープン、
さらに2001年、岩手県央地域1号店として、盛岡市に青山店をオープン。

三陸地方のローカルチェーンストアとして、
16店200億円の体制を築いていた。

中心となる陸前高田ではシェア8割、
大船渡では45%。

しかしチリ地震からちょうど半世紀、50年後に、
ふたたび地震と津波によって、6店舗を失った。

この5年間は増収増益を果たし、内部留保もし、
今期は過去最高益を出す勢いだった。
社員・従業員には決算賞与を計画していた。

その矢先の壊滅的な震災。

しかし米谷社長始め、
幹部・社員・従業員の士気の衰えは、
微塵もない。

それが今の、
インター店に満ち溢れている。

「ファイティングスピリッツは健在です」
米谷さんは言う。
20110417222021.jpg

3月18日に、復活宣言。
ホームページに熱いメッセージを掲載した。
私も感動し、ブログで紹介した。

「マイヤは、陸前高田の2店舗、
大船渡4店舗のうち3店舗、大槌町のマストが
それぞれ全壊あるいは半壊で営業停止しましたが、
大船渡インター店はじめ、10店舗で営業中です。
このような非常事態だからこそ、
食のライフラインを支える使命を重く認識し、
できるかぎり精一杯の商品供給に努めております。

愛して止まないふるさと・岩手の暮らしを守るため、
従業員も必死に頑張っています。
失くしたものをいつまでもくよくよせず、
残されたものに希望を託して、
一日一日をスクラムを組んで乗り越えていきましょう。

平成23年3月18日
株式会社 マイヤ 代表取締役社長 米谷 春夫」
20110417222037.jpg

私は声援を送った。

頑張れ、マイヤ。
負けるな、マイヤ。

3月27日、米谷さんから、ブログに返礼コメント。
「掲載してくださって感謝申し上げます」

「とにかく大船渡と陸前高田市6万人の
ライフラインを守るため必死です」

「まだまだ商品が足りません。
防災協定を締結している3市1町にも
まだまだ供給をしなければなりません。
調味料や日配品などまったく不足しています」

「家族を失い自宅を失いながらも
避難所から通勤している従業員も多数ですが
皆んな前途に眼を向けて明るくたくましく頑張っています。
ファイティングスピリッツも健在です」

「いまこそSMの社会的地位を高める機会でもあります。
宜しくご支援くださいませ」

そのマイヤにCGCジャパン本部や東北CGC、
関東信越のCGCの仲間の企業から、
さらに主婦の店チェーンの仲間の企業からも、
次々に支援物資が送られてきた。

現在イオンと資本提携している元「主婦の店秩父」のベルクからも、
8トンの水やコメが届いた。

原島功社長からは、
「なんでも足りないものは送るから」と、
温かい電話が入った。

米谷さんは、
ベルクのレジ袋を送ってもらって、
使った。

現在は、店がなくなった分、
4カ所に出張販売所を設けて、商品を提供している。
さらに移動販売者に商品供給して、
売ってもらっている。

これらも地域のライフラインを守る役割を、
おおいに果たしている。

大船渡インター店を見ると、大繁盛。

そのレジの天井付近は抜けた。
20110417222135.jpg

青いビニールシートをかけて営業している。
20110417222201.jpg

4月7日段階では、
店のコンディションは、
むしろ東京・横浜の都心店などよりも、
充実していた。
20110417222119.jpg

奥主通路も、あくまで明るく、快適。
20110417222230.jpg

納豆など、日配品も品切れが少ない。
20110417222242.jpg

精肉の品揃えもご覧の通り。
20110417222255.jpg

店は不思議だ。
あんな激震が走ったというのに、
今では、何もなかったかのようだ。
20110417222318.jpg

淡々と商品がつくられ、手当てされ、
並べられ、売られる。
お客さんは、淡々と買っていく。
ただし、「優しくなった」
20110417222306.jpg

島陳列もいっぱいに積み上げてある。
20110417222335.jpg

惣菜・米飯の品ぞろえも、
欠かせない。
20110417222348.jpg

水とおにぎりばかり食べてきた被災地の人々に、
パンは重要で新鮮な商品だ。
20110417222400.jpg
大船渡の3店舗が営業停止しているために、
インター店への来店客数は凄い。

盛岡の店のパートタイマーさんが、
自分で染めた「のぼり」を贈ってくれた。
20110417222055.jpg
「地域の皆様と共に・・・
がんばろう!岩手」

米谷さんは宝物のように、それを掲げる。

米谷さんがインター店の売場に出ていると、
お客さんから声がかけられる。
「社長、ありがとう」

米谷さんが家を失い、着るものもなくしたことを知るお客さんは、
「下着だけど使って!」とプレゼントしてくれる。

米谷さんは述懐する。
「お客さんの表情が変わってきました」

どう、変わったのか。
「お客さんが優しくなった」

これこそ、
ライフラインを守りきったマイヤに対する地域からの評価である。
20110417222219.jpg

1960年のチリ地震の助成金で始まったマイヤ。
2011年の東日本大地震で大きく被災する。
しかし本当に幸いなことに、
お客様、従業員ともに、
店にいた人々からは、
一人も死傷者が出なかった。
出勤者は全員、無事だった。

そのうえで、
故郷のライフラインを守りきる。
そうするとお客さんは、
優しくなる。

宮城県気仙沼市の熊谷電気㈱社長・熊谷光良さんは、
米谷さんの友人である。
商業界の気仙沼同友会のリーダーで、
私も尊敬する経営者。

その熊谷さんが語る。
「建物も商品もみんな流されてしまいました。
しかしお陰様で、家族も社員も全員無事でした。
多くのものをなくしたけれど、
商売で大切なものはひとつも失っていない」

マイヤにも、まったく同じことが当てはまる。

6店舗を失った。
しかしファイティングスピリッツは健在である。
そのうえお客様は優しくなった。

マイヤにとって、
商売に大切なものは全部、
残った。


かつて商業界の指導者・新保民八が絶叫したように、
それはマイヤが50年ぶりに、
「二度目の誕生」を果たしたことを、
意味している。

おめでとう。
マイヤ。

第二の誕生を確認し、
次の発展を確信しながら、
米谷春夫社長と力いっぱい握手。
20110417222414.jpg

マイヤは第二の誕生を機に、
次の50年を経て、
「100年企業」となるに違いない。

<結城義晴>


今月の標語
著書の紹介
最新刊
1秒でわかる!小売業界ハンドブック


六刷出来!
好評発売中

店長のためのやさしい《ドラッカー講座》


小売業界大研究
二刷出来!
小売業界大研究


お客様の為に
いちばん大切なこと
お客様のために いちばん大切なこと

毎日更新宣言カレンダー
2012年 5月
« 4月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
  • ホームに戻る
  • トップに戻る
  • 友達・上司・部下に知らせる

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。
Copyright © 2008-2012 Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.