スーパーマーケットのマーケティング Vol.34

2011年5月27日(金曜日)
カテゴリー:

新プロセスモデル

 13時37分00秒

34. 新プロセスモデルの見切り発車

■忍耐力持続のむずかしさ

 業務システムの改革は、目標コンセプトを明確にしてから出発する。

 戦略システムの改革は、目標コンセプトにあいまいさを残していても、見切り発車し、フィードバックを繰り返しながら妥当性を確認し、コンセプトの表現を操作的に明確化する。

 ここまで記述を進めてきて思うことは、「言うは易くして、行うは難し」である。このケースのむずかしさは、行うための忍耐力と知恵の出し方、しぼり方である。

 このシステムで成果を上げるには、長い時間を要する。長い経過の途中では、挫折することもある。挫折感に打ちのめされて途中で中止すれば、それまでの苦労が水の泡と消える。水の泡になるばかりでなく、企業の存亡が危うくなる。したがって、中止してはならない。挫折を乗り越えなければならない。挫折を乗り越える忍耐が必要である。長い道のりを通り抜ける忍耐力が必要なのである。そんな忍耐力をつくれるか、持続させられるか。むずかしい問題である。

 忍耐力持続のむずかしさを克服するためのキーワードは「組織の知恵」である。

 試行錯誤的問題解決を進めるためには、トータルイメージを共有化し、目標を設定し、スタート時の実施計画を作成し、それぞれの段階であいまいさが残っていても、見切り発車すればよいことを記述してきた。あいまいさは実施過程でフィードバックを繰り返し、実施計画を順次調整し、所期の成果を生み出すプロセスで是正しながら、妥当性を確認し、明確化すればよいということだ。

■組織的知恵

 以上を要約すれば、試行錯誤的問題解決とは、先例モデルのないケースで、あいまいさを残したまま見切り発車し、実施段階の各プロセスで調整しながら、所期の目的を実現することであるが、プロセスの各段階でさまざまなむずかしい問題に遭遇する。これらのむずかしい問題は先例モデルがないので、乗り越えるのがむずかしい。そんなむずかしさを克服するためには根気強く、忍耐力をもって、新しいオリジナルな解決方策を打ち出していかねばならない。オリジナルな方策をつくり出すのは、新しい知恵である。新しい、オリジナルな知恵を次々と打ち出して、障害を克服すれば、所期の目的は実現する。つまり、競争に勝ち残れる。

 オリジナルな知恵を打ち出すことによって、組織の忍耐力は持続し、強化される。忍耐力の強化とは、むずかしさに取り組む時の「またか」とため息をつくようなネガティブな姿勢を、「今度はオレが」というようなポジティブな意欲に変えることである。

 忍耐力の強化とオリジナルな知識開発の関係は、成熟期における組織の成熟に重要な一側面である。

 成熟期の企業間競争は、企業の組織的知恵くらべと言い直すこともできよう。

 なお、組織的知恵とは、ここまでもたびたびふれてきた通り、事にあたった時、個々人が集まり、問題解決のための知恵を出して話し合い、イメージを共有化し、さらに個々人の知恵を共有化されたイメージ実現のために修正、洗練し、組織としての知恵として結集した知恵である。

■“知識と知恵”

 この記述を進めているうちに思いだした小さなエピソードを紹介して、組織的知恵説を補完したい。

 マネジメントブーム花盛りの昭和40年前半の頃のことである。長年の実務生活を定年退職して、大学教授に転出していた大学校の大先輩と雑談していた時、「学生たちが集まっているところで、“知識をいくら集めても、何の役にも立たない。大事なことは、知恵を出すこと”と言うと、学生たちは一様にほっとした顔をする。だがその後、“広範にわたって掘り下げられた理論的知識を持たないと、よい知恵は出てこない”と付け加えると、一度輝いた顔も落胆の色に変わる」と、学生の不勉強ぶりを揶揄した。私はこの揶揄に同感して、声をあげて笑った。笑いながらも、“これはオレのことを皮肉っているのかな”と気がついて、顔がゆがんだ。

 組織のオリジナルな知恵を出すには、組織で知識を集蓄するステップづくりが決め手になる。

 さて、論述の局面を少し切り替えるが、商人舎の社長である結城さんはかねてより、「現代化の進む日本の小売産業では、『知識商人』が必要である」ことを強調している。結城さんが提唱する『知識商人』 とは、組織的知識を集蓄し、次々に遭遇する新しい事態にチャレンジして1つ1つ解決する組織的知恵をつくり出し、使いこなすことのできる人材、および人材グループをコンセプトとする熟語ではないか。

 ご意見、ご批判をいただければ幸甚である。

続きます

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スーパーマーケットのマーケティング Vol.33

2011年5月13日(金曜日)
カテゴリー:

新プロセスモデル

 15時14分37秒

33. 新プロセスモデルの見切り発車

■新プロジェクトを進める際の注意事項

 商品リストアップの作業は商品部の部門別にバイヤーと店舗代表(スーパーバイザー、チーフなど)で会議方式で行えばよい。プログラム進行のためのプロジェクトチームが編成されていれば、プロジェクトチームからリーダーに参画してもらえば、さらに効果的であろう。

 この時点の注意事項は、次の2点である。
① 作業には相当時間を要するが、参画メンバーの他の役割に支障をきたさない程度に制限すべきである。
② 商品リストを作成するにあたって、アイテム数を決める時、コモディティ商品の陳列量を減らしすぎないことと、ライフスタイル商品のアイテム数が少なすぎて効果を得られないことの間のバランスのとり方を工夫すること。

 以上の2点を配慮しながらしていき時までに品揃表を作成し、十全感が得られなくても見切り発車してしまう。

■見切り発車後の注意事項

 その後、成果データをフィードバックして、次の商品リスト作成に役立てることになるが、この間の注意事項は次の通り:

 ① 計画決定後のプロセス、特に店舗の業務システムを決め事通りに進行するようにコントロールすること。これは主として、店長、チーフの役割の問題である。コントロール機能の優劣は成果に決定的な影響を及ぼす。したがって、成果データの適切な評価ができなくなる。

 例えば、単品の1日の平均売上パック数が2パックの場合、次の品揃えに継続すべきか否かを検討する。検討するに際し、商品づくり、陳列、鮮度管理などが決め事通り処理されていたならば、カットすべきと判断できる。逆に決め事が守られていないと、「守れば、5パック売れていたかもしれない」と思うことになり、決心がつかなくなる。

 成果データの信頼性は、業務システムのレベル、安定性と比例的関係をもつ。成果データの信頼性は、次のステップの商品リスト作成の精度、速度、作成者の意欲に決定的な影響をもたらす。

② ライフスタイル商品の成果データは見切り発車当初の1年間くらいは2週間ごとに成果データを店舗から商品部に店舗の分析所見をつけて報告すること。バイヤーが次の品揃表を作成するにあたって、もっとも中核的な最重要情報がこの成果データと所見である。所見は次の品揃表に反映されなくても、次の次、あるいは次の次の次には、反映されるものである。

 このような反復を繰り返す中で、情報は積み重ねられ、洗練され、品揃え改革に役立つ情報となっていく。役立つ情報は、時間シナジーの産物である。

■ストア・イメージの確立

 おいしさに焦点を当てたライフスタイル商品の品揃えは、おいしさがよく分からないままに見切り発車をしたのであるが、おいしさを分類するためには、おいしさのパターンが積み重ねられ、洗練されることを繰り返すことが基本となる。

 この間に農作物の植物科学のおいしさ、食品製造業で追求する食品科学のおいしさ、さらにはレストラン、料理教室などの料理研究のおいしさを勘案すれば、家庭が分類されるようになるはずである。

 一方、スーパーマーケットに役立つ家庭料理のおいしさの分類を進めていく過程で、ストア・イメージは順次明確化し、向上する。
ひいては、カスタマイゼーションが進む。

 家庭食のおいしさの分類が一次的に完結したと思える頃には、ストア・イメージは確立し、固定客数は増加し、安定する。したがって、業績も上がってくる。こんな連鎖関係を眺めていると、このプロジェクトの目標を品揃表作成に設定し、目標コンセプトをおいしさの分類基準の作成とすることの妥当性に確信を持てるようになってくる。これまた思考錯誤的問題解決の特性の1つであろう。

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スーパーマーケットのマーケティング Vol.32

2011年4月20日(水曜日)
カテゴリー:

新プロセスモデル

 15時29分39秒

32. 新プロセスモデルの目標設定

 次は目標設定の段階に進もう。目標はプロセスモデルの始めのプロセスに設定すべきはうすうすながら、分かっているとする。しかし、どんな目標にしたらよいのか全く分からない。だから試行錯誤なのだ。

 試行錯誤とは仮説を立て、実施し、結果をみて、仮説をつくり直すというフィードバックを繰り返して、正しい(効果的な)やり方を見つけ出すことである。

 したがって、まず仮説を立て、実施しなくては始まらない。しかし、仮説の作り方も分らない、というのが現状であろう。

■仮説の作り方

 そこで、1つの仮説の作り方を紹介してみよう。
この作り方が有効なのか否なのかは分からない。ましてベストなのか他にもっといい方法があるのかは分からない。ともあれ、ゴーサインを出すためにつくるのだ。

 さて、このプロジェクトのコンセプトはコモディティ商品以外にもライフスタイル商品を加えてカスタマイゼーションを進めることである。

 ライフスタイル商品の選定は、おいしさに焦点をおけということだ。一口においしいと言っても、おいしさにも色々ある。コモディティ商品だっておいしい。おいしくなくてはコモディティ商品にもならない。と言ったような思考のグルグルまわりで行き詰る。

■「おいしさ」のパターン

 このような場合は、逆の発想が役立つことがある。コモディティ商品以外の商品でおいしそうな商品をリストアップし、その商品をおいしいと思うパターンを書き出せばよい。

・ 「納豆ならこれに限る」というパターンのおいしさ。
・ 久しぶりに食べるおいしさ。
・ メニューの味付けのおいしさ。
・ メニューの具としてのおいしさ。
・ シーズンの走りのおいしさ。
・ 旬のおいしさ。
・ 晩期のおいしさ。
・ 弁当のおいしさ。  などなど

 以上の作業が終われば、どんなパターンを試せばよいかを相談して商品リストを作成し、プロセスモデルにのせる。

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スーパーマーケットのマーケティング Vol.31

2011年4月14日(木曜日)
カテゴリー:

マス・カスタマイゼーションの準備段階

 13時28分10秒

31.新プロセスモデルのたたき台

■既存プロセスモデルのどのプロセスを変えるか

 さて、状況により、また課題により、トータルイメージの共有化、目標設定の仕方も違うことを縷々述べてきた。この課題では具体的にはどうすべきであろうか。

 自分達で方法を見つけ出さなければならない。だから試行錯誤的問題解決というのである。
最初のステップは企画部で(企画部ではなくても差し支えはない)議論のためのたたき台を作成する。たたき台は、営業トータルシステムのプロセスモデル(簡略化したものでもよい)を利用するとよい。(他にもっとよい方法があるかもしれないが)

 プロセスモデルのどのプロセスを変えるか、新しく組み入れるかなどを検討しやすくするためである。

 たたき台を使って討論を行えば、品揃えを変えてカスタマイゼーションをはかる全体の構造が浮かび上がる。つまり、トータルイメージが紙上に浮き上がるのである。

 効果的なたたき台をつくり、提案を交えて数人のグループで討論を行えば、トータルイメージはかなり鮮明になる。その過程でどのプロセスに設定すべきかが自ずから分かってくる。討議が一回では不十分な場合は、2~3回繰り返せば、所期の成果は得られる。トップとミドルなど複数のグループで検討し、両者をドッキングすれば、より鮮明度の高いイメージが出来上がり、共有化のレベルも上がるはずである。

 要は、関係者全員の知恵を結集することである。個々人は知恵を出し、責任者はそれらの知恵を結集するための知恵をしぼり出すことが肝要なのである。

■コンサルタントの活用

 試行錯誤的問題解決に不馴れな組織では、コンサルタントを活用するのも1つの知恵である。

 しかし、コンサルタントに任せてはならない。問題解決を行う主体は組織である。問題解決を効率的に行うために手伝ってもらうのである。したがって、手伝ってもらう内容、目的、方法は、依頼時に組織側から明示しなければならない。もちろん依頼時に相手と話し合いの上、調整するのは当然のことである。話し合いの上、自分の役割を決められないコンサルタントは、2流以下のタレントに過ぎない。コンサルタントに役割を決めさせるためには、組織も知恵を使わねばならない。

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スーパーマーケットのマーケティング Vol.30

2011年4月7日(木曜日)
カテゴリー:

試行錯誤的問題解決

 10時05分43秒

30.試行錯誤的問題解決

■トータルイメージの共有化

 さて、話を「おいしさに焦点をおいた、ライフスタイル商品開発」の試行錯誤的アプローチに戻す。関西スーパーマーケットのケーススタディに学ぶように、手順としてまず大事なことはトータルイメージを共有化することである。次いで、目標決定を行い、逐次目標内容を具象化した表現に直しながら、実施に移すということである。

 関西スーパーマーケットのケースとここで論ずる課題の違いは次の2つである。

 第1はトータルイメージのつくり方の違いである。
関西スーパーマーケットでは、ハワイ研修でトータルイメージの共有化をはかったが、今回のプロジェクトでは参考とすべき既存モデルが全くない。トータルイメージの共有化の段階でも両者は異なる方法を取らざるを得ないのである。

 第2は目標設定の仕方の違いである。
関西スーパーマーケットのプロジェクトは業務システムの開発であるのに対し、今回のプロジェクトは戦略の転換である。業務システムの開発、改善では、最終プロセスのあるべき姿を描き出し、目標とする。このプロジェクトでは、品揃えを変えること、作業的に言い直せば、最適と思われる品揃表を作成することが目標となる。これは現状営業プロセスモデルの最初のプロセスである。

■試行錯誤的問題解決のまとめ

 このシステムでは、目標を達成するためには品揃えの逐次改善のためのフィードバックシステム、なかんずく、コンピュータによるデータシステム、より具体的には、単品管理データシステムの改善が必要になってくるであろう。

 以上いろいろ述べてきたことを要約すると下記の通りになる。
1. 問題解決を意識的・意図的に行うと状況、課題のタイプによる解決プログラムの違いを分類できるようになる。
2. 分類してプログラム案を提出すると、トータルイメージの共有化の方法が見つけやすくなり、共有化の速度、精度が高まる。また、目標設定の方法も向上する。
3. 操作的な目標設定すると、運営のためのトータルプログラムの整合性が高まり、フィードバックを繰り返すたびに目標の特定化・重点化が進む。
4. 目標の特定化・重点化が進む中で関係者全員(店舗のパートさんやアルバイトまで)役割意識が高まり、協業度も向上する。

 さらにこの要約を一口にまとめると、組織の成熟度が高まるということになる。

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スーパーマーケットのマーケティング Vol.29

2011年4月5日(火曜日)
カテゴリー:

試行錯誤的問題解決

 11時48分43秒

29.関西スーパーの「試行錯誤的問題解決」

■天才のひらめき

 ここで試行錯誤の行為を分析してみよう。
生鮮売場の画期的改革時の行為の分析である。

 関西スーパーでは、ダイエーなどGMSの出店など、相次ぐ競合店の出現により、業績が伸び悩みだした頃、当時の北野社長は打開策を模索するため、アメリカのスーパーマーケットの視察に出かけた。その際、青果売場の良い香りをかいで「これだ」とひらめいたものがあったという。私は後にこの経緯を聞いた時、「天才のひらめき」だと思った。

 「これだ」は「生鮮強化、そのための鮮度管理」というコンセプトとなり、社員達に伝えられた。社員達は恐らく、「では何をしろと言うのか」と訝ったであろう。北野社長は言葉で説明するばかりでなく、幹部社員を研修のためにハワイのスーパーマーケットへ派遣した。研修は1回だけではなく、数回繰り返された。北野社長自身も研修に参加して、夜間はその日の研修内容を話し合った。研修とは言っても、講師がいたわけではない。毎日の仕事ぶりを一日中観察し、時には作業の実習を体験させてもらい、分からないことは質問して答えてもらい、自分主体の研修をしたのである。

 自分の目で活動の実態から学ぶことにより「生鮮強化」とは何をすることかがはっきりしだした。研修を繰り返すことにより、イメージは広がり、かつ深められた。話し合ったことにより、活動のプロセスはより明確になり、プロセスごとのキーポイントもはっきりするようになった。

 北野社長自身も自らが学んだ。話し合いの中で学んだことも多かったはずである。そして何より大事なことはトップと幹部社員の間でこれからやるべきことについてのトータルイメージが共有化できたことである。共有イメージの有無はシステムの設計・実施・修正すべての段階で精度に決定的な影響をもたらす。

■鮮度管理のトータルイメージ

 関西スーパーマーケットはプロセスモデルの最終プロセス陳列状態のあるべき姿についてイメージがほぼ一致していた。順次このイメージを言葉で表現していったのであるが、その1つ。
「陳列してある商品の鮮度は、すべて一定水準以上でなくてはならない。」

 この表現1つで売場イメージは客観化される。同時に一定水準とは何か、という疑問が浮かぶ。肉なら変色度、魚ならドリップの有無、青果ではみずみずしさ(乾燥度と変色度)で水準を決めることができる。目で見た水準より客観するために、商品化した日から何日以内の商品に限定する、日付管理。2つの基準の併用法は?というようにイメージは順次具体的な課題となって展開される。

 また、基準内のみの商品を陳列するためには前プロセスの品出しの仕方、さらに前プロセスの商品づくり、さらに保管のプロセス1つ1つ。そして基準を超えた商品の処理法、ロスの防止策、というように設計は進んでいく。

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スーパーマーケットのマーケティング Vol.28

2011年3月31日(木曜日)
カテゴリー:

試行錯誤的問題解決

 10時44分42秒

28.新戦略を開始する時のむずかしさ

■品揃えを決めるむずかしさ

新戦略をスタートさせる時、最初に戸惑うのは商品部のバイヤー達であろう。新戦略のコンセプトが解り、自分の役割をも納得したとしても、役割を果たすための具体的な行動を明確に把握し、それをやらなければならない。

 バイヤーの役割の1つは、品揃えを決めることである。コモディティ商品の他にライフスタイルも加える。そこまでは分かった。コモディティ商品の品揃えの方法も理解している。しかし、味に焦点をおいたライフスタイル商品の品揃えとはどんな品揃えなのだろうか。

 これまでは分からないことは、解決のヒントを得るため、他店見学に行った。時にはアメリカの視察旅行に参加した。しかし、今回はそんな方法では解決できそうもない。

 そんな戸惑いであろう。

■「問題解決」とは

 結論から先に言えば、戸惑いの正体は試行錯誤的問題解決に不馴れなことである。

 不馴れと言ったが、正確には意識的にしなかったと言い直すべきであろう。スーパーマーケットはさまざまな試行錯誤を積み重ねて今日の企業システムを築き上げてきた。今にして思えば、試行錯誤をしているという自覚なしに、試行錯誤を続けてきたのかもしれない。

 一般に問題解決とは、「目標を決定し、目標達成の手段を選択し、手段を行使して、目標を実現すること」と定義されている。

 また、目標到達のための基準から逸脱した行為を基準内に修復することを問題解決と呼ぶこともある。

 日本では、日常は後者の定義による用語使用のケースが多い。しかし、経営トータルを論ずる場合は、先に述べた定義による用語使用が多くなる。

 さて、前者のケースでは、目標も手段も明確になっていれば、問題解決は比較的容易である。とはいえ、経営目標(例えば年間利益目標)を達成することは、決してやさしいこととは言えない。理由は手段が多すぎる上に、絡み合っていて、それらをすべてクリアすることはむずかしいからである。

 まして、目標は示されても手段がすべて分からない場合、問題解決は更にむずかしくなる。こんなむずかしさを試行錯誤的に解決し続けてきたと言えよう。

続きます

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