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トルコ紀行(2)| アメリカ流通 浅野秀二のアメリカ寄稿

浅野秀二のアメリカ寄稿

トルコ紀行(2)

2013年12月30日(月曜日)
カテゴリー:
  • 旅先からのつれづれ日記
  
8:54 AM

数年前、知り合いの女性が会社を辞めて
トルコに語学留学をしたいと言い出した。
東京で20年近く働いていて、それなりに収入も地位もあった。
トルコに男がいる匂いがする。
私はあまり深く考えることなく一方的に反対した。

「貧乏だし、不潔。
イスラムの戒律は厳しいし、女性差別もある。
トルコは遊びに行くところでしょう。
そこで生活をするなんて、君は何を考えているのだ」
かの国にはそんなネガティブなイメージしかなかった。

しかし、それは偏見だった。
今まで40カ国以上の国に行ったが、
日本とアメリカ以外で住みたいと思う国はなかった。
でもここならあまり抵抗なく住めそうな気がする。

20131230_turkey-map.jpg

3000キロ走ったが、
どこに行っても新しいコンド・マンションが建ち並び、
EUの国なら中間レベルの生活水準と思えた。

20131230_kousou-juutaku.jpg

新築住宅は日本の建物より外見は美しく、豪華だ。

20131230_kousou-juutaku2.jpg

一戸建ても広そうだ。
78000万人の人口に対し、
年間120万戸を立てようという野心的計画があるのだ。
世界銀行の予想では2014年の経済成長は4.3%。

言葉は日本語同じの文法のトルコ・アルタイ・モンゴル言語だ。
人の感情が日本人と似ている。
彼らもそれをよく知っていて、日本には親しみを持っている。
若ければトルコで再挑戦もありだ。
トルコに行った彼女に幸あれと願った。

農業は非常に盛ん、地形は乾燥したところが多いので
カリフォルニアの風景に非常に似ている。

中部トルコあたりに入ると、
やっと紀元1200年代のイスラムモスクや遺跡が見え始めた。

20131230_mosque.jpg

やがて、アナトリア高原のカッパドキヤ地区に入った。

20131230_cappadocia4.jpg

あの有名な大奇石地帯だ。

20131230_cappadocia5.jpg

アラブ人の襲撃を避けてキリスト教の牧師や信者が
岩穴を掘って隠れた町だ。
2000人も住めたといわれる岩穴住居。

20131230_cappadocia3.jpg

9階建てに匹敵する多層階の洞穴住居で、
教会も2000以上もあるそうだ。

20131230_cappadocia2.jpg

ここはビザンチン帝国の遺跡といえる。

その後はヒッタイトの古遺跡を訪ねる。
3500年前の文字にはエジプトと戦争をした記録など
すべてが文献として残っている。
なるほど、ギリシャ・ローマの前にも文明があったのだ。

20131230_hittite.jpg

当たり前だが文明は忽然と現れない。
ヒッタイトの前にもスケールは小さいが
色々な都市国家文明があったようだ。
カッパドキヤ地方は田舎と思ってきたが、
観光ブームで周辺の街はここでも住宅、ホテルの建築ブームだ。

20131230_kousou-juutaku3.jpg

なにしろ、この国は世界遺産が11もあり、
世界で6番目の観光立国、3600万人の外国人が来て、
4兆9000億円も金を落とす。
1923年までに海外からの観光客の目標は5000万人だ。

20131230_cappadocia5.jpg

私が興味を持ったのは歴史ではない。
この国の未来に興味を持った。
国が若い。

小学校を訪れ、子供たちと腕相撲や押し相撲をした。

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子供たちは大喜び、一躍人気者になった。

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まだ私を相手にしてくれる人がいる。
仕事がなくなったらトルコにくるぞ。

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小売業、消費文化は、まだまだこれからだ。
生活する上では、不足・不便・不満が多い。
日本やアメリカの経験は生きる。

20131230_kipa-ikea.jpg

インフラでもビジネスチャンスはあるように思える。
国土は日本の2倍以上あるが、鉄道はほとんど走っていない。
新幹線を東南アジアに売りこむのもいいが、
トルコの方がチャンス多いと思えた。

親日的な国と言われるが、
日本、日本企業の存在感はほとんどない。

国民所得は一人あたり1万ドルを越えている。
コンビ二は絶対にいけそうだ。
スーパーマーケットの可能性も大。

テスコのKipaスーパーマーケット。
20131230_kipa-tesco-sm.jpg

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20131230_kipa-produce2.jpg

カルフール・エクスプレス。
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20131230_careffour-produce.jpg

20131230_careffour-produce2.jpg

外食産業は伝統的料理が中心で国際色はない。
18日間の滞在で中華料理のレストランは1軒、
日本食レストランを見る機会はなかった。

インスタントラーメンなどの食品メーカーには
もっと可能性があるように思えた。
中国でする努力の半分で成功できると思えた。
確かに国が遠すぎる。
99%の国民がイスラムであることも難点か?

惣菜文化はまだまだしばらく時間はかかる。
トルコの家庭では女性が料理をまだつくっている。
パンを焼いている太ったトルコのおばさんをみた。

20131230_women-making-meal.jpg

彼女たちこそ幸せと思えた。
やることが決まっている。
子供と家庭がすべてだ。
そのことこそ本当に幸福なことかもしれない。
トルコにはまだまだ昭和の日本が残っている。

20131230_cappadocia.jpg

<By 浅野秀二>

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