店舗で使えるレベルのLED照明が登場―明るさと演色性能の競争へ

2011年3月22日(火曜日)

カテゴリー: 展示会  11時16分47秒
前回話した「JAPAN SHOP」併設展で、
通称ILF、国際照明機器展「ライティングフェア」が3月8日から11日まで、
ビッグサイト西館1階全フロアで開催された。
dsc02338-1.jpg

2年ごとの開催で、「LED NEXT STAGE」展と交互に隔年開催されている。

2年前の「ライティングフェア」では60%がLED光源での試作器レベル、
30%が従来の蛍光灯光源、
10%がEEFL(ラップトップコンピュタのバックライトに使われている)の照明用転用等の光源であった。

照明の発展は光源の発展である。

照明の世界は、新しい光源が登場すると、大きくデザインや機能が様変わりする。
予想はしていたが、今年の「ライティングフェア」会場は
メーカーの大小を問わず「LED光源の照明」で埋め尽くされていた。
dsc02345-1.jpg

ここからやや専門的であるが、
店舗計画にとって大事な部分の、そのポイントを述べたい。
dsc02340-1.jpg

この照明は明るいとか、暗いということは、
その照明(光源)が発する光の量で決まる。

dsc02341-1.jpg

現在ほとんどのお店で使われている蛍光灯は、
Hfタイプという高効率蛍光灯で、
1ワット当りで100ルーメン(光の束、量の単位)の光を出す。

今までのLED光源は、
実は1ワット当りで70ルーメン程度しか光を出せなかった。
しかしLED光源は蛍光灯よりも光源面積か小さいので、
そこからでる光を人は眩しく感じて、
LEDは明るいと勘違いしている人が多い。

dsc02342-1.jpg

そして昨年後半ぐらいから、
1ワット当りで100ルーメン以上を出すLED光源が開発され、
試作レベルで市場に出回りはじめた。
そのため、やっと蛍光灯を凌駕して、
店舗でも使えるLED照明が、本格的に発売され始めた。
それを一堂に会したのが今回の「ライティングフェア」である。

dsc02344-1.jpg

クリスマスのイルミネーションに代表される光源が直接目に入る演出照明と、
店舗に配置され商品を明るく美しく照らすための照明とは、
全く光の質に求められる性能が違う。
dsc02347-1.jpg
ものを照らし、照らされたものを買い求めるための店舗照明には、
商品カラーやテクスチャーを忠実にお客さまに感じていただかなければならない。

店舗用照明の光にはもう一つ大事な、押さえなければいけない性能基準がある。

それは演色性能である。

日本ではJISで、Raという単位で表されている。
光源に照らされたものの「色の再現性」の性能
と考えていただければわかりやすい。
JISを厳密に説明すると、以下の説明と少し違う部分もあるし、
長くなるので、ここでは省略するが、
要は、スポットライトや天井のベースライトの光が
どれだけ太陽光(自然光)に近いかを数値に表したものである。

dsc02350-1.jpg

Raが100であれば自然光とほぼ同等の演色性能を持つと考えればよい。
演色性能が悪いと苺の色や野菜の色がくすんで、美味しそうに見えないのである。

さきほど述べた高効率蛍光灯Hfタイプでは、
演色性能を表す数値「Ra」が84だ。

ほとんどのコンビニエンスストアはこの光源を採用しているので、
色の再現性能はあの光レベルと思って、イメージの参考にしていただければよい。

店舗でよくスポットに使われているハロゲンランプはRaが100である。
もうすぐ生産中止になる白熱電球もRaが100である。
注意していただきたいのは、
ハロゲンランプや白熱電球の光の色は、いわゆる電球色なので、
その暖かい色がRaの数値が高いということではないといことである。
dsc02361-1.jpg
一見温かい光の色でも、Ra値の低いものもあるし、
白い光でもRa値の高いものもある。

光の色合いは、また別の単位をつかう色温度で表わされる。
誤解のないように。

LED光源もRa値で95以上のものが出始めているものの、
光源の色と蛍光材の関係で、高演色LEDはまだそれほど明るく出来ていない。
今回の展示会での各メーカーの主力製品は、Ra値が85前後で平均していた。

これからの開発競争には明るさに加えて、演色性能も加わってくる。
スーパーマーケットを始め、店舗を企画する側にとって、
やっと安心して採用できるものが出始めた。

ここから余談。

私は「ライティングフェア」へ11日の最終日に出かけた。
一通り回って、そろそろ東館の「JAPAN SHOP」へ回ろうかと思っているとき、
あの地震がきた。

2通路ほど後ろで大きな音がした。
揺れがひとしきり収まった後、行ってみると、
天井から下がっている防煙たれ壁の一部が落下し、床に飛び散っていた。
dsc02354-1.jpg

展示会はすぐ中止決定となり、JR国際展示場駅に向かう。
dsc02363-1.jpg

dsc02365-1.jpg

駅員から都内鉄道全線が送電ストップと聞き、徒歩帰社を決める。

dsc02367-1.jpg

「ゆりかもめ」線下の道から
晴海道り、銀座、神谷町、古川橋、目黒駅、目黒道り経由で
午後9:00過ぎに無事帰社した。

所用約5時間半であった。

この間、各通りとも人が多く行き交い、みんないたって冷静で、
多少の愚痴をいいながらも、同僚たちと帰宅を急いでいた。
dsc02368-1.jpg

私もハーフマラソンの距離前後を歩いたことになる。

思ったよりも歩けたことの自信!とは裏腹に、
翌火曜日ぐらいまで脚全体が重かった。
日頃の運動不足を強く反省することになった。

<By 小林清泰>