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結城義晴の知識商人対談CDオーディオ セミナー

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第4弾 サトーカメラ 佐藤勝人の巻[第4回/市場シェア]

2010年02月05日(金曜日)
カテゴリー:
  • サトーカメラ 佐藤勝人の巻
  
12:30 PM

<中略>
話はローカルチェーンづくり、菱食の低温食品事業部の初期のマーケティング戦略で盛り上がります。
そして再び、サトーカメラの店づくりに。

結城:

経営戦略が決まって
一番最初に言っていた60坪店舗の話、
ここにもどってくるわけですね。

佐藤勝人氏:

そうです。
60坪の店を最初建てたっていうのも
何も勉強してなかったわけじゃなかったんだけど、
気づいてみたらウォルマートですら47坪。
ヤマダ電機さんでもあっても40くらい。
60坪は、売上げから算出した結果なんですね。
だから勝つんですよね。

栃木県内にヨドバシさんも出てきてるんです。
ヨドバシさんだったらマックス100坪は作ってくるだろうから、
本店をその2倍の200坪にした。
そうして栃木県内全部、網羅したんです。

だから彼らが出店してきても、
もちろん凄い会社ですけど、うちは何も響かず、
どちらかと言うと、返ってこっちの業績があがってきたりとかね。

面白いですよね。
彼らがセールやれば、サトーカメラにお客様が来てくれる。
これは市場シェアの論理ですからね。
サトーカメラは、
デジタル一眼レフのシェアが60%を超えてるんです、栃木県内で。
デジタルコンパクトカメラが大体27~28%。
デジタルビデオカメラが25~26%。
写真そのものは30%のシェアを押さえてる。

結城:

すごいですね。

佐藤勝人氏:

真っ向勝負といっても、血みどろの戦いを好いているわけではないけど、
そういった部分も見せないとまずいんですね。
お客様から見ると、やっぱり戦ってる姿も好きなんですよね。
戦う姿勢を見せるから、お客様も
「サトーカメラ裏切ってないな」って来てくれるわけですよ。
全部が全部、戦わないでできたら、それは世話ないですけど。
やっぱりありますよ。戦っている姿を見せなくちゃならない部分は。
そこでお客様も賛同してくれて、
お前の店も頑張れよって来てくれるわけです。
応援に来てくれるわけです。

じゃ、どこで稼いでいくのか。
競争の中で、一番勉強になったのは、
消耗品というか、商品で
キチンと稼げる流れを作っていかないいけないということ。
日銭が入ってくる流れを作っていかないと、
経営が厳しくなるということですね。

結城:

そうですね。

佐藤さんは独学で勉強したのかもしれないけど、
セオリー通りの商売ですよ。
アメリカの食品スーパーでも、
ナショナルチェーンと言われるクローガー、セーフ、アルバートが
どんどんダメになっている。
アメリカ行っていつもお店見るんですけど、
アルバートソンという2000年の前までは、
エクセレントカンパニーって言われていたスーパーマーケットですけど
素晴らしい店で、僕も何度も感動したんですけど、
今はもうダメになってしまったんです。
一番頑張ってるのがローカルチェーンでドミナントシェアを高く持っている企業。


結城:

ここで面白い話を一つ。

FOTUNE誌が発表する「働きたい企業ランキング」の
いつも上にあるウェグマンズっていうスーパーマーケットなんですけど、
一店舗だけ見ていると高級グルメスーパーに見える。
だけど、ウェグマンズの本拠地のニューヨーク州の北側の
ロチェスターという町があるんですけど、
ここに行くとウェグマンズは23店舗ありまして、
その地域のスーパーマーケットのシェアを49%持っているんですね。
23店で49%のシェアを占めると、
ウェグマンズがグルメスーパーじゃない、
高級スーパーじゃないって逆に証明されるわけですよ。

もし高級グルメスーパーだったら、
町全体が高所得者ばっかりでいなきゃならないけど、
その町にはウォルマートもあるし、
アルディていうハードディスカウトもあって、非常に繁盛してる。

そこで49%を占めてるっていうのは
ウェグマンズがロチェスターのお客様に一生懸命対応しようって思ったら、
品揃えがそういう風になってきて支持されたということ。
ウェグマンズは、「コンシステンシーロープライス」という、
エブリデーロープライズもやって、
コカコーラは地域でウォルマートに次ぐくらいに安い。
そちらもやりながら、
でもお客様のグルメにも対応しようと考えたから、ああいうお店になった。
要は、この地域と決めたところのお客様に一生懸命に対応しようとすると、
結果としてあのようなスタイルになって、
それを他のエリアに持っていったら、上手くいったと。
こういう理屈が成り立つわけですね。

食品スーパーのような商売であっても、
ローカルチェーンでシェアを持つのは一番重要なことになってるわけです。
だから、佐藤さんも、宇都宮を中心にした栃木の、
サトカメの生き方は正しくそれだと思ってるんです。

佐藤勝人氏:

ありがとうございます。

続きます。

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第4弾 サトーカメラ 佐藤勝人の巻[第3回/経営理念]

2010年02月02日(火曜日)
カテゴリー:
  • サトーカメラ 佐藤勝人の巻
  
4:24 PM

佐藤勝人氏:

自分的にはいい経験してるなぁと思いますよ。
いい勉強してるなと。
だから商業界が主催するアメリカセミナーにも行ったんです。
2002年か、2003年くらいから。
業態論だとか、どの商品に変えていけばいいのか、勉強するわけです。

そこで、どうしてもぶつかるのがチェーストア理論なんです。
なぜなら、すでにチェーンストア志向で経営されている人たちはいっぱいいる。
何か勉強すればするほど、
今の自分の商売から離れていっちゃうなと。
経営手法、経営論になってくるんですね。
悩んでました。
自分なりに、色々調べながらね。
だから勉強にはまったんですけどね。

★思い出を一生キレイに残すために

佐藤勝人氏:

その中で、腹をくくって掲げたのが、
「思い出を一生キレイに残すために」の経営理念だったんです。

思い出を一生キレイに残すために俺たちはやるんだと。
だから途中で撮るものは変わっても関係ないと。
カメラから他の形なるのかもしれない。
フィルムが無くなるかもしれない。
そんなものはどうでもいい、記録方式はどうでもいい。
俺たちはこのためにやってるんだと、決めたんです。

その次に、商売のエリアを決めたんです。
全国展開を考えていくと、
先輩たちがやってる商売になってしまうんで、
今からやっても敵わないなと。
今からトヨタを作っても無理というのと一緒で、
ちょっと厳しいかもしれないなと。
取り敢えず商売のエリアを絞ってみよう。栃木県に絞ってみようと。

その瞬間に、やるべきことが見え始めたというか。
思い出を一生キレイに残すための商売を、
エリアを絞って展開しようと決めた瞬間に、
我々の大好きな商売、
我々の大好きな市場創造、文化創造ができるってことが見えたときに、
やっと、経営してて、商売してて面白いなって思えるようになりました。

結城氏:

素晴らしいですよね。まったくその通り。
いつも佐藤さんのいっている
「思い出を一生キレイに残すために」っていうのが、
サトーカメラの大スローガンですよね。
この基本理念があるからね。

★「視力を守る」と「籠かきの教訓」

結城氏:

商業界の同友会の方で、
熊本で「メガネのヨネザワ」って150店ほどのメガネ屋さんをやっている
米澤さんって方がいるんですが、
「お客様の視力を守る」というのが会社の考え方なんですね。
視力を守る、視力っていうのは「目の力」ですよね。

だから米澤さんの二人の息子さん達は、
二人とも眼医者、眼科医なんですね。
その意味では、「お客様の視力を守る」っていう経営思想を
手段は違っても親子そろってやっている。
そういう思想の広がりを持っているんです。

僕の話にはいつも出てきますけど、江戸時代の「籠かきの教訓」。
江戸時代の籠かきは、
自分の仕事を「籠を担いで走ること」だと思ってたら、
江戸時代で、籠かきが無くなってしまった。
でも自分の仕事は、
「お客様を運ぶ仕事だ」という位置づけで仕事をしていたら、
明治時代になったら蒸気機関をやったり、
今の時代は新幹線を走らせたり、飛行機を飛ばしたり、
お客様を運んで、海外へ連れてったりという仕事が隆盛している。

つまり、自分の仕事の本質は何なのかというのを、
しっかり見定めてなければ迷ってしまうし、時代に対応できない。
そういう話をするんですけ。
佐藤さんの「思い出を一生キレイに残すために」というのは、
正しくその籠かきの教訓であり、
米澤さんの「お客様の視力を守る」と共通していて、
これが商売の全てのスタートだということですよね。

★常識破りのカメラの11年保証

佐藤勝人氏:

これはこれで、いつも議論になるんですよ。
どんな商品を売ろうとしても、
「思い出を一生キレイに残すために」の考えに、
ちゃんとフィットしてるのかしていないのか。
例えば、サトカメでは11年保証ってやってるんです。
カメラの11年保証。
ありえないんですよ、そんなこと。

よく言うんですよ。
「11年も使うバカいないだろう」

するとみんな言います。
「うん、いないですよ」
「何でやるんですか?どういうことですか?」って。

僕は答えるわけです。
「保証書というのは、
壊れないことを保証するためにあるメーカーの保証でしょ。
だから保証が切れた瞬間に壊れやすいんでしょ。
壊れたらお客さんは皆腹立つわけでしょ。許せないんだ、俺も」
「じゃ、11年ってどういう基準なんですか?」

メーカーで修理部品を持ってるのが10年なんですよ。
そうすると、あと1年くらいはギリギリ部品を取っといてある。
この範囲が11年なんです。
うちなりに調べた結果ね。

だから、11年までだったら修理することはできる。
直す、直さないは別にしてね。
11年の保証期間があれば、1回や2回は壊れるかもしれない。
サトカメだったら、その時に直してあげられるってことです。
普通の会社だったら、
直すとコストもかかるし、めんどくさいから
「買い変えろ、買い替えろ」って言う。

それも分かるんだけど、私よく言うんですよ。
「思い出を一生キレイに残すために」、
カメラを買い替えたって、思い出は残りません。
その金額分を、写真にしてください。
画像で残してくださいってね。
普通は3年に一度カメラを買い替えさせる。
4~5回ほど買い替えるわけです、11年の間に。
そっちの方が、メーカーの発想的に効率いいんだろうけども、
「思い出を一生キレイに残せない」から、うちじゃダメ!

もちろん、お客様も使い勝手が悪くて
直してまで使い続けるのはヤダということもあるけど、
そうじゃない限りは、とにかく直して使ってもらう。
少しでも修理代を安くするから、その分、写真に残してくださいと。

さらに、カメラは最終的に捨てるっていうお客様には、
最後は使わなくてもいいから、
直して取っといてくださいって言いいなさいと。

「何でですか?」(スタッフ)
「お客様がカメラ買った時は、どういう時だった?」

だいたい、子供が生まれたり、結婚したときなど、お祝い時なんですよ。
例えば子供さんが生まれた時にお客様はカメラを買ったら、
ずーと、5年でも6年でもそのカメラで、一緒に撮ったわけです。

子供から見た思い出というのは、このカメラを覗いたお父さんなんです。
このカメラにも思い出があるはずだと。
だからこれも使えるようにして取っておいて、
子供さんが大きくなった時に、それをあげればいいじゃないかと。

「これパパが使ったやつだよね」

そこに文化が生まれる。
だから11年までだったら直すことが出来るから、うちではやろうと。

そんなバカなことやってるやつはいないって笑われたけれども、
サトカメはやってる。
その代わり無償ではできないから、
取るところはしっかり取りますけど。11年保証をやってます。


結城:

今の時代にね、不況になってきて、その考え方はピタリだしね、むしろね。
ずーとつながりますよね。

その話で言うと、2010年2月期の決算会社、上場企業の会社の中で、
これからの一年間、一番経常利益率が高いという会社が、
ガリバー・インターナショナルという自動車の中古の会社。
2月に決算した会社がですね、
2010年の今期はこういう予想ですって、みんな出すんですね。
それを、全部ランキングに上げていったら、
ダントツのトップ、92%の経常利益の伸び率がガリバーなんですよ。

この時代に、車だって中古ですから。
もう新車を買い替えるっていうことではなくて、
古い車を買ったり、古い車をずっとメンテナンスして使う、
そういうトレンドになってきてますからね。
サトーカメラの11年保証っていうのは、正しく今の時代に合ってる。

今の時代に合ってるというか、好況になろうが不況になろうが、
ずーと時代に合ってるという考え方で見た方がいいと思いますけどね。
素晴らしいアイデアですね。

それともう一つ。
これは佐藤さんの持論ですけども、エリアを決めた。
栃木に決めたと。
これはさっきもおっしゃったけど、
経営戦略として、実に見事だと思うんですけどね。

★エリアを絞って質を高める経営こそ無上の喜び

佐藤勝人氏:

経営論っていっぱいあって、
極端に小さい話か、大きい話しかないってやってるけどね。
チェーンストア理論が正しいと私も思うし、
それがキチッとできないと、商圏を広げることは難しい。
基本ですからね。
色々考えて、調べた結果、エリアを絞り込んだ。
自分自身の性格の問題もある。
もちろん勉強不足もあるんですよ。
自分ではちょっと違うかなと思い始めたんですよね。

それは先輩達がすでにやってますから、
その店を見に行ったり、話を聞いて、
もちろん尊敬はするんですけども、何か違う自分がいるんですよ。
熱くなれない自分がね。

やっぱり経営ってものは、結城先生もそうですけど、
80歳までやろうって思ってるわけですから、
熱くならないとできませんからね。

そうすると自分が命がけで突き進みたいって思ったときに、
どういうやり方ができるかなって思ったら、、
エリアを絞り込んで、そこで質を高めていくということが、
何て言うんですか、
自分にとっては最高にこの上ない喜びというか。
商売やってて、相手が大きい会社だろうが何だろうが、
「いや、うちの方が上だよ」じゃないけど、
そう言いたいっていうか、
そういう考えに行き着きましたね。

だからアメリカに視察に行っても、
ナゲットマーケットとか、
ああいう店の方がカッコいいって見ちゃうんですよ。
これはもう性格の問題かなと(笑)。

結城:

いや、それは佐藤さんの性格というわけじゃなくてね、
非常にセオリーに則ってますよ。

チェーンストアの一つの理屈っていうのが、
ローカルチェーンが最終単位、一番重要な単位。
ローカルチェーンは一つの小商圏と言いますけど、
店舗が隣接して一つの文化圏が、一つのローカルチェーンの単位で、
そこで強いことが何よりも大事です。
全体で大きいのは何の意味もないっていうのが、
僕のチェーンストアの認識の仕方なんですね。
ローカルチェーンが一番重要な単位。

佐藤さんの栃木に決めたっていうのは、
ローカルチェーンを作るっていう、
正しい仮想かもしれませんね。

続きます

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第4弾 サトーカメラ 佐藤勝人の巻[第2回/業態転換]

2009年11月18日(水曜日)
カテゴリー:
  • サトーカメラ 佐藤勝人の巻
  
4:25 PM

結城:

ヨドバシカメラとビックカメラが、どんどん成長してるけど、
あとは皆、苦しくなっている。

僕も商業界の社長をやっていた時代に、
商業界にはエルダーという先輩の方たちがいるんですけどね。
佐藤さんもよくご存じだと思いますが、
カメラのキムラの会長をされていた
木村迪夫さんっていうエルダーの方がいた。、
経営されていた会社はとてもいい会社でしたけれども、
やはり非常に大変になって、
カメラのキタムラと一緒にならざるを得なかった。

本当に、この数年間、カメラ業界はドラスティックですよね。

あの牛丼の吉野家の安部修仁社長が、
BSEの問題でアメリカンビーフを売ることができなくなってしまった。
お先真っ暗ですよね。
それを耐え忍んで900日間頑張った。
それに似てるんですけど、
牛丼のBSE、アメリカンビーフはいずれ販売できるようになるから、
そこまで待てばいいんでしょうけど、
フィルムは無くなっちゃうんですからね。

★フィルムと現像で儲けていたカメラ業界

佐藤勝人氏:

そうですよ。
だから、お客様に怒られたのが、一番ショックでした。
お客様に「お前は何、言い始まるんだ!」と。

間違いなくフィルムは無くなる、
だから今からもう変えていきましょうと、
お客様に教えるわけです。
そのお客様に本気で怒られるわけです。

「お前何考えてるんだ。そんなわけないだろう」
「フィルムを無くすな。カメラ屋のくせして」

お客様にそう言われたのが、一番ショックでしたね。

今は、そんなこと言う人はいませんよ。
当然のことだって、そうなっていますから。

結城:

やっぱりフィルムで儲けてたんですか?

佐藤勝人氏:

そうですね。
カメラそのものは、極端にいえば、儲けがなくてもいい。
多少でも利益額の方で、利益率じゃなくて、入ればいいんです。

写真現像は、製造小売りのようなものです。
だから、それがきちんと回っていれば、
現像と写真代で儲かったという時代がずっと、あったんです。

フィルムがなくなるから、
これからはこうしようって動き始めたんですけども、
私もまだまだ若造ですから、勉強が浅いですから、
利益の取る分が遅かったというか・・・。

変化の読みは早かったんですけど、
商品構成やら、値付けやら、何やら、その後の展開が浅かった。

昔は写真を撮れば、フィルムだから、
現像しないと見られない。
だから皆さん、お店に現像しに持ってくるわけですよね。
黙っていても、お客さまは来店したんです。

スーパーマーケットもそうですよね。
夜になれば食材が無いわけで、
黙っていても買いに来ていただける。

カメラ屋もそれで良かったということなんです。

それが変わってきちゃった。
フィルムが無くなっちゃったわけです、急に。
車屋さんで言えば、明日から車が無いというようなもんです。
スーパーマーケットで、
明日から玉ねぎがない、大根がないっていってるようなもんです。

そんなこと考えろって言ったって、
普通は考えられなかった。
ではなぜ、自分が考えられたかといえば、
しいて言うなら、若かったからかなと。

佐藤勝人氏:

実は、自分たちの過去を調べたんです。
サトーカメラの過去。
サトーカメラが何で急成長したのかを調べた。
だって、この業界では、一番ビリッケツからスタートしたんですよ。
それが一気に上がってきたのはナゼかなって思って、
自分で自分の会社を調べ始めたです。

そうすると、1988年、
われわれの会社が始まった当時というのは、
オートフォーカスの一眼レフカメラが出始まった時なんです。

それまで「マニュアル式の一眼レフカメラがカメラだ」といってた店が
みんな潰れちゃった。
うちは新参者だったんで、
これからはピントが自動の新しいカメラが間違いなく使われるであろうと、
そう考えて、後から参入して、それを広めたんですね。

それで、
「違うんだ、昔からカメラとはこういうものなんだ」っていった
会社が、店が、みんな潰れてったんですよ。
メーカーさんも問屋さんも。

それを20年の間の始めのうちに経験していたので、
その時と今と同じだと気づいたわけです。
だから、しがみついてたらこれは終わるぞと言うことを、
自分たちがやった経験を題材にして、
これを理論化して、皆に説明して、納得させた。

★トヨタは織物の自動機械から業態転換した

結城:

商売っていうのは、時代の変化って一言でいいますけど、
暮らしの変化だとか、イノベーションだとか、
そういうことに合わせていかなきゃいけない。

考えてみると、日本最大の会社のトヨタ自動車も、
元々は豊田自動織機。
豊田佐吉が発明した、織物の自動機械からスタートしたんですね。
豊田自動織機は今でもありますけど、
その豊田自動織機の中に自動車部というのがあって、
事業部を作って、その自動車部が独立して、トヨタ自動車なった。
今やトヨタ自動車の方が、断然大きくなった。
豊田自動織機というのはあるけれども、
織物とかそんなのはやっているわけではない。

つまり業態の転換をする、乗物の転換をするという、
そういう歴史を持ってるんですね。

今日も本屋に行ったら、
鈴木自動車の会長が、本を出していて、バーンと並んでましたけど、
スズキも同じように、東海地方の自動織機から始まって、
スズキの場合は、二輪車を始めたんですね。
自動二輪、オートバイ。
それから軽自動車を始めて、
今、インドの軽自動車の80%のシェアを持っている。

もともとの自動織機の織物の会社でいたら、
とうになくなっている。
いち早く時代の流れを、転換を見て、そちらに切り替えていった。
やっぱりそういうことは、とても大事ですよね。

カメラ業界は、この2000年に起こったということですよね。

続きます  

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知識商人対談

知識商人対談

第25回 林 廣美氏 日本フードサービス
専門学院
学院長
林 廣美 氏
第24回 松本朋子氏 株式会社
マーケティング・ハピネス
代表取締役社長
松本 朋子 氏
第23回 大石 益代氏 財団法人
日本ソフトボール協会
ナショナルチーム
トレーナー
大石 益代 氏
第22回 池田 健太郎氏 一般社団法人
ファイブ・ア・デイ協会
理事長
池田 健太郎 氏
第21回 三科 雅嗣氏
株式会社 いちやまマート
代表取締役社長
三科 雅嗣 氏
第20回 横山 清氏
株式会社 アークス
代表取締役社長
横山 清 氏
第19回 玉生 弘昌氏
株式会社 プラネット
代表取締役社長
玉生 弘昌 氏
第18回 廣田 正氏
株式会社 菱食
特別顧問
廣田 正 氏
第17回 川野 幸夫氏
株式会社ヤオコー 代表取締役会長
日本スーパーマーケット協会会長
川野 幸夫 氏
第16回 町田 成一 氏
株式会社プレジデント社
dancyu編集長
町田 成一 氏
第15回 村井 哲之 氏
株式会社環境経営戦略総研 取締役社長
村井 哲之 氏
第14回 北野祐次氏
株式会社関西スーパーマーケット 名誉会長
北野祐次 氏
第13回 荒井伸也氏 CD
オール日本スーパーマーケット協会
会長
荒井伸也 氏
第12回 大畑 誠也氏 CD
九州ルーテル学院大学
客員教授
大畑誠也 氏
第11回 加治敬通氏 CD
株式会社ハローデイ
代表取締役
加治敬通 氏
第10回 當仲寛哲 CD
ユニバーサル・シェル・プログラミング 研究所
代表取締役
當仲寛哲 氏
第9回 佐藤勝人 CD
サトーカメラ(株)
代表取締役専務
佐藤勝人 氏
第8回 佐藤洋治 CD
(株)ダイナムホールディングス  代表執行役社長
佐藤洋治 氏
第七回 成城石井 大久保恒明 CD
(株)成城石井
大久保恒夫 氏
第六回 宗像守  CD
日本チェーンドラッグストア 協会 事務総長
宗像守 氏
第五回 (有)良品工房 CD
(有)良品工房
白田典子 氏
第四回 (株)カスミ 小濵裕正社長 CD
(株)カスミ
小浜裕正 氏
第三回平和堂 夏原社長 CD
(株)平和堂
夏原平和 氏
第二回 全日本食品(株) 斉藤充弘氏
全日本食品(株)
斉藤充弘 氏
第一回 (株)ライフコーポレーション 岩崎高治氏 CD
(株)ライフコーポレーション
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