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平和を考える| アメリカ流通 浅野秀二のアメリカ寄稿

浅野秀二のアメリカ寄稿

平和を考える

2009年04月07日(火曜日)
カテゴリー:
  • アメリカからのメッセージ
  
5:13 PM

北朝鮮がまたミサイルを発射した。日本はそれを飛翔体とか?
あまり解らない言葉を使っている。
それが花火なのか?蚊のことか
私は知らない。
外国でははっきりとミサイルと明言している。

平和とは何か?国家同士が戦争していない状態を意味しているが?
個人レベルでは言えば、その意味はまた違う。
アフリカの青年が言っていた。
それは貧乏ではないこと、十分な食べ物があって、健康で、経済的に豊かで、
政治的に自由で、社会的にも公平でないと、平和ではないと言っていた。
平和とは、国家間に戦争がない状態と、
個人の生活が、平和で自由な豊かなものでないといけない言うことになる。

北朝鮮国家は強盛大国を目指して、核開発、ミサイル開発に何千億円投資をしている一方で、たくさんの人が飢餓に苦しみ、不自由な暮らしをしている。
まさに軍事的力のバランスを保ち、国家間の平和を達成してはいるが、
個人レベルでは、平和の無い暮らしは明白だ。

私は仕事に恵まれ、気候に恵まれ、家族と花と動物に囲まれ、
アメリカという異国に住みながら、特別差別や劣等感も持つこともなく、
本当に平和な暮らしをしている。日々感謝の幸福な生活である。
北朝鮮の人々、アフリカの難民、アフガンの部族、イラクの民衆、チベットの抑圧された民を考えると胸が痛む。

一般論で言えば、国家間では、平和は軍事力のバランスを保つ方法か?
バックス・ローマや、バックス・アメリカーナのような覇権国家に、
国家の安全を保障されて、その枠で能力を示し、認められ、
豊かで、安全で平和な暮らしを保障してもらう2つの方法がある。

戦前の日本はその前者、戦後の日本はその後者であった。

白人社会、欧米主導の戦後の国際社会で、日本の成功物語は、
それは学歴もないサラリーマンが、大企業に入り、努力をし、能力を認められ、
出世していき、平和な暮らしをして来たのと似ている。
大企業のサラリーマンを辞めて、己の力と甲斐性で生き抜くことは、
過去50年の日本経済の中では、小国が生き抜く姿に似て、
貧困、差別、不自由を覚悟しなければいけなかった。

ローマ周辺の多くの小国家は自ら、ローマ帝国入り望んだ、
モンゴルを打ち立てた元朝、周辺国家もそうである。
その方が、税金も安く、国防に膨大な金をかけることもなかった。
戦後の日本がまさにそうだった。

もちろん帝国にもいろいろあった。サラセン帝国のような異教徒を認めない
ソビエトや中国の共産主義社会も一党独裁国家であった。
歴史的に存在した多くの帝国には、構造的に異民族支配、縦社会の差別や、
不自由があるほうが普通だった。
アメリカ庇護の戦後の日本はまだ幸運であった。

急速に崩れていく、バックス・アメリカーナ、日本の安全が危うい。
中国の核ミサイルを恐れて、米軍は日本列島から撤退をする計画が、
密かに議論されているとも言われている。
日本では、小沢民主党はそれを望んでいるかのような誤解される?発言をする。
日本近海、東シナ海、南シナ海は、アメリカの原子力潜水艦・トライデン
8隻が、一隻あたり12発の核ミサイルを積んで巡航している。
アメリカが、その気になれば15分後には北京は陥落、中国は死の大陸となる。

このバランスあっての日本の平和と平和憲法の存在、
アメリカの軍事力無しでは、憲法9条は空念仏でしかない。

伝統的アジアの超覇権国家中国、彼らの庇護を受けて
21世紀の日本が生きる選択?もあると考える日本人もいる。
そうなると、国家間の平和は保てても、共産主義社会で個人の平和が達成されるか?
それが大いなる疑問である。チベットを見ればわかる。

日本国家を守り、日本人の今の暮らしを守るには本当にどうすべきか?
北朝鮮のような、核開発をして軍事・強盛大国をめざせば、
確かに抑止力として国家が攻撃される可能性は低くなると思うが、
国民・個人レベルの自由で豊かな平和な暮らしが保てるか? 
海外に資源と市場を依存する日本には、それは、難しそうだ。
それとも、今以上に経済大国を目指すのか?
それも今となっては難しい。
文

化大国を目指せば平和に暮らせると言う意見もある。

私は長い間、日本は核武装をすべきと考えていた。
しかし、どう考えて核武装をして、国民一人、一人の平和と繁栄は達成できそうもない。
もうひとつ考えなければいけない重大な事柄がある。
それはコミュニケーション大国になることである。

教育を充実し、国民を国際的に生きていける
コミュニケーションに卓越した人材の養成しかないと思う。

ミサイル、核武装の予算で、税金で日本の若者を全員、
外国の大学に行かせるほど、開国するしかないと思う。
2000年にわたって島国で暮らしていた、日本人にとってコミュニケーションは最大の弱点だ。
諸外国とコミュニケーションさえ潤滑に出来れば、多くの問題は解決する。
中国や韓国では外国生まれの外交官が、バリバリの英語で国益を主張している。
私は日本の外務省や、国連や、各国大使に外国育ちの日系人の採用など聞いたこともない。

逆の話だが、アメリカの国会議員、ダニエル井上氏が、
日系人を日本の大使としてアメリカから送れば、日米のコミュニケーションは円滑になると提案をすると、時の総理大臣吉田茂は困った顔をして述べた。

農業移民の日系子孫の大使では困ります。日本の外務省は、ほとんどが良家の子女で占められています。

ダニエル井上は、その日本の総理大臣の言葉に声を失った。
私は大日本帝国の敗戦の本質的因子を見た思いがした。
戦後もそれが続いていることにショックを受けた。

話がそれてしまった。今ここで言いたいのは、
国際的なコミュニケーション能力こそ、
平和に最も有効な手段であるという事実だ。

コミュニケーションの天才、オバマ大統領は、幸いに私の期待どうり、
プラハの演説で本格的核軍縮を進めると宣言をした。
彼はそれを本気で考えていると思う。
彼が、どこまで世界の人とコミュニケーションが出来るか?

21世紀、世界を何百回も破滅させる軍事力ももった人類、
今まさに人間同士の共生、人間と自然界との共生を
本気で考えないといけない時代が来た。
環境破壊や温暖化は、
国家も個人も平和な豊かな暮らしが出来ないほど悪化している。
政治、ビジネス、生産活動、農業、宗教、すべてにおいて調和・共生こそキーワードだ。
お釈迦様の仏教を学び、長い間、自然とともに生きてきた歴史を持つ、
『和もって尊し』の日本こそ、調和と共生を世界で啓蒙し、リーダーシップを発揮する義務がある。
それこそが、日本が平和に生きれる唯一の道だ。
そのためには、どうしても日本人が国際間における、コミュニケーションの達人にならねばならない。

言葉と、伝えるべきメッセージを持つ、教育こそ日本が平和に生きる道だ。

浅野秀二
4月05日

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