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ワシントンDC| アメリカ流通 浅野秀二のアメリカ寄稿

浅野秀二のアメリカ寄稿

ワシントンDC

2010年04月12日(月曜日)
カテゴリー:
  • 視察&インタビュー日記
  
10:46 AM

「バカモン!」と愛情いっぱいに叱ってくれた藤脇先生、
『てなもんや三度笠』に出て来たバカ殿、
藤山寛美と渋谷天外が演じた上方喜劇の『親バカ子バカ』、
マンガの『バカボン』、すべてに日本的素朴や、おかしさや、愛嬌があった。

鈴木善幸氏、村山富一氏も、英国のサッチャー女史(元首相)に言わせれば、
日本の最大の不幸となるが、今回の不幸は、我々が想像しえなかったレベルである。
昔、占領軍でやって来たマッカーサー将軍が、「日本人は13歳」と言ったとか?
そんなことを思い出している。

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※スミソニアン航空博物館にて、2名の第2次世界大戦の撃墜王、坂井三郎氏の写真・名前はなかった。
彼は生前、ビルゲイツが一番会いたかった人物である。
部下を一名も無駄死にさせなかった。
合理的精神の持ち主で特攻隊に反対をした日本一の撃墜王である(この写真にはないが)。

日本は戦後大きく経済成長し、変わったと思ってきたが、
やはり、システムは温存されていた。
実業界の苦戦も根本は同じだ。
江戸時代260年の遺伝子か?儒教の影響か?
数年前にトヨタ社長交代劇を大政奉還と持て囃したマスコミ、
実力より、氏素性・毛並みが尊重される東アジア的体質か?
いや、それも韓国や中国では変わりつつある。

取り残される日本、恐竜化する社会、
外国に渡った日本人の2世、3世に日本国籍を与えよ、
そうそうたる人材が世界に散らばっている。
英語、中国語、タイ語、ロシア語、世界の言語を操る、
おかしな日本人の顔した人たちがいる。
2重国籍は世界の大きな流れだ。
(韓国、中国の外交官は彼らを活用している。言葉はネイティブだ。)
これを活用すれば、人口も増えるし、日本外交もビジネスも大きく変化する。
矮小外交ともオサラバダ。

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ワシントンDC

久しぶりにワシントン行きである。

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訪米団の1日前に到着しないといけない。
前日の夜中、1時に到着、タクシーに乗る、深夜でも40分以上かかった。
チップ入れて$70、これは正直予想外の出費であった。

翌日は流通関係労働組合の幹部たちである。

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組合のリーダーとして米国流通視察をして経営者に
今後の経営方針を提案できるような幹部になるのが、目的である。
日本の労使協調のひとつの形である。彼らは組織のリーダーである。
組合から離れれば、経営幹部として将来の会社を背負ってたつ人材である。
毎晩、小グループの勉強会を寝る前やる真面目なグループ、私も参加する。

初日はスーパー・ターゲットのマット総支配人に会議室でのインタビュー、
店舗ツアー、バック・ルームの見学をさせていただいた。

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社歴20年、従業員275名、フルタイム30%、アパレルに粗利40~50%、
出て30日しかたたない、新しいブランド(Liberty of London)がすごい人気である。

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客の年収は9万ドル以上、ウォルマートは低所得者から中間所得まで、
我々は中間所得者から高額所得者までを狙っている。
また、独自のブランドを立ち上げ、差別化をしている。
今食品とファーマーシーを大変重要視している。
この部門が人を呼び込み、リピーターとなしている。
そのため他のスーパーやウォルマートより、価格を下げている。
正直利益はあまりない。
実際に大きなサインで、“BIG BRAND(National Brandのこと)、SMALL PRICE,”
と言って、食品のナショナル・ブランドを低価格で売っていた。

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レジは26台あり、復活祭の前の数日と、感謝祭の次の日のブラック・フライデーから
クリスマスまでは26台のレジがフルに活動することもあるが、
普通は忙しくても20~23台程度しか使わない。
従業員は3交代で、アシスタント・マネジャーは11名いる。

商品がレジを通ると、即バックルームの係(合計6名)に伝えられ、
カートに詰め込まれ、それを売り場の人が取りにきて、棚は補充される。
在庫が不十分であれば、自動発注され週に3~4回トラックが配達する。

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「売り上げはいくらですか?」との質問に、
「私は21年目も働きたい…。」??との回答であった。

(首になりたくないので言えないということであろう)

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社員教育に使われる会議室には、我々のために
飲み物やクッキーが用意されていて、本当に感動した。

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社員教育では、会社のビジョンやコア・バリュを徹底的に勉強させる。

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彼の親切な態度に我々は買い物をすることで、もちろん答えた。
私もシャツを
2枚買った。

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今年で10枚目になる。使わなくてもよい。
損得の理性より、感情が上回った瞬間である。
ニーズなど訴えているようでは、商売はまだまだ甘い。
感情にアピールする。
マット店長、「We Love You!」 我々は叫んだ。

 
 
午後4時から日本国大使館でアメリカの労働問題について、
一等書記官から説明を受けた。

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ワシントンの日本大使館員の怠慢に由来する、真珠湾の奇襲攻撃。
(以下の記述は徳岡孝夫「誰が12月8日を国辱の日にしたか」より)
このとき断交通知が遅れたことについては、戦後長い間、
「大使館員がタイプライターに不慣れなために予定が遅れたのだ」とされてきた…

そのタイプライターを発見しました。映画で何度も見たシーンです。

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爽やかな真面目な人たちであった。心強い思いがした。
まだ、日本は頑張れる。安心もした。

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浅野秀二
4月9日

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2 件のコメント

  • 葉隠九州男 より:
    2010年4月14日 9:34 PM

    やはり繁栄とグローバル化それに少子化で日本もこれまでの成長は望めませんが、逆に人生の質向上を目指すような社会になるのではないでしょうか。もうやたらとインフラだの美しい日本だのときれいごとはやめて年収200万でも笑顔に溢れているような社会。これまでの成長と繁栄の意味を覆すような理念に迫られているように思います。

  • ワンダーマン より:
    2010年4月27日 1:30 PM

    コメントありがとうございます。私もそう思います。
    我々の生産・生活環境がグロバール化した結果、昔のように孤立して生きれなくなりました。二酸化炭素、環境問題、経済など、外からの風圧の中で笑顔にあふれた日本の暮らしを、どう守るか?
    一緒に考えさせてください。日本の山地、田園風景は世界遺産ですよ。


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