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イタリア紀行【2】~ミラノと『ロミオとジュリエット』~| アメリカ流通 浅野秀二のアメリカ寄稿

浅野秀二のアメリカ寄稿

イタリア紀行【2】~ミラノと『ロミオとジュリエット』~

2010年07月21日(水曜日)
カテゴリー:
  • 旅先からのつれづれ日記
  
1:02 PM

夕べはロスト・バゲージ(荷物行方不明)で、
着の身着のままと言うより、ほとんど裸で寝た。
今日も朝から30℃近い温度だ、ミラノの夏は暑い。

100721_fountain.jpg

緊急の歯ブラシで歯は磨いたが、髭は剃れない。
旅行中、髭を伸ばしてみたい衝動に駆られる。
昨日中国人の店で買った安物(7ユーロ)の服を着てみる。
冴えないが、仕方がない。

100721_kids-dog.jpg

スフォルツェスコ城に向かう。

100721_castello-sforzesco.jpg

ライセンスを持つが、日本語の解らないイタリア人ガイドと
日本人ガイドのペアが待っていた。イタリア人は何もしない。
何もしないで金をもらっているイタリア人を哀れに思った。

城はミラノ公国の要塞、レオナルド・ダ・ヴィンチも建築に加わったという。

100721_castello-sforzesco-horse.jpg

あの教科書に載っているダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の絵のある、
サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会は隣だ。

目を惹いたのは、荘厳なるゴシック建築の数百の尖塔を持つ、ミラノのドゥオーモ。
14世紀後半に建築を初め、19世紀のナポレオンが完成させた。気の長い話だ。

100721_duomo.jpg

今歴史の中にいるという感覚にあるが、
美・博物館や教会の見学では、
私の好奇心は2時間も持たない。
私は構造物に興味はあまりないようだ。

100721_white-dog.jpg

一番楽しかった旅行は、何もない草原のモンゴルであった。
何もない方が、想像力が豊かになり、楽しい。
教科書どおりの案内ではないストーリーが聞きたい。

とにかく服がないので、1877年完成したというアーチ型ガラス天井のアーケード、
スカラザ広場にある、H&Mで買い物をする。

100721_arcade.jpg

多くはメイド・イン・チャイナだが、さすがデザインが違う、満足した。

街は伝統に満ち溢れ、優雅で良い雰囲気、日本人もアメリカ人も好きそうだ。

100721_tourists.jpg

ガイドさんの言うミラノ人、ベネチア人、ナポリ人のニュアンスが解らない。
ガイドさんに聞く。
「それは関西人、関東人、九州人のニュアンスなのか?
それとも現代の島根県人、神奈川県人の違い?
あるいは、幕末の薩摩、長州、土佐人? 」
どうも、そのどれでもない様だ。

紀元476年西ローマ帝国滅亡後、イタリアは諸侯に分かれていて、
イタリア国は1870年にエマヌエーレ2世によって統一された。
その間1400年、フランス、スペイン、ドイツ(ハプス・ブルグ王朝)
などに征服された、波乱の歴史があった。
イタリアは非常に新しい国だった。

日本のように、1500年以上も昔から同じ日本人で同じ土地に
生きてきた国とはわけが違う。
これらの都市は言葉も法律も違う外国だったのか?

ドイツも17世紀には300諸侯、19世紀でも40諸侯あった。
同じころ、1871年、ビスマルクがドイツを統一した。

さて、西ローマ帝国では、フン族に追われたゲルマン民族が平和裏に侵入、
傭兵などで雇われ、その後、彼らは反乱を起こし、
あの歴史上存在したことがない、最強国家ロ―マ帝国を滅した。

日本のような民族意識の薄い国は、
中国からの観光客と、留学生、投資で、20年以内に飲みこまれる。
バカ安い日本の山林は中国に買収され、都会では中国人の家主に
日本人が家賃を払って住む、20年以内にそんな時代が来るかも?
(アメリカの大学で博士号を取る中国人は、年間4400名以上。
対し、日本人は222名。中国は世界人脈を作って、巨大な投資大国になる。
西ローマ帝国ことを知ると、また日本のことが気にかかる…)

歴史の勉強は大切だ。薄っぺらな善意では国際社会では生き残れない。

ベネチアにバスで行く途中、シェイクスピアの小説、
『ロミオとジュリエット』の、ジュリエットの家を訪問した。

100721_juliet-asano.jpg

これは実話にもとづいた話で、お互い両家は敵対関係にあったらしい。
彼女の部屋は非常に高い所にあり、驚いた。

100721_juliet-balcony.jpg

私が若い時は、彼らはプラトニック・ラブだと思っていたが、
今はそうとは思えない。身も心も汚れてしまった自分がいる。
たくさんの観光客が世界中から来ていた。
一冊の小説がこの田舎町に賑わいをもたらした。
いかなる産業より、継続した繁栄である。
ソフトパワー、たった一つの物語なのだ。ハードの力ではない。
シェイクスピアが日本にも必要だ。

映画のジュリエット役、オリビア・ハッセー。
布施明は彼女と結婚したが、ローマであったガイドさんは彼女にそっくりで、
エレガント、はにかみ屋で、優しそうなイタリア女性であった。
名前はアンジェラ、素敵な笑顔だ。

100721_angela.jpg

これからベネチアに移動、バスの中から景色を見ながら走るのが一番楽しい。

浅野秀二
7月20日

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