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有機農産物生産方式の紹介| アメリカ流通 浅野秀二のアメリカ寄稿

浅野秀二のアメリカ寄稿

有機農産物生産方式の紹介

2011年03月04日(金曜日)
カテゴリー:
  • アメリカからのメッセージ
  
8:31 PM

結城先生と5日間の視察も今日で終わった。
ブログで紹介されているように、
充実した日々があっという間に過ぎ去った。

20110304_produce.jpg

ナゲットに感激し、ホールフーズに感心してため息をついたが、
一番の感動は2店舗で120億円の店を作った、
グエン安田氏との面会と彼の店、バークレーボールである。

20110304_tomato.jpg

結城先生の報告にあるので詳しくは述べない。

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有機青果・果物の売上が26%なり、ますますその種類・選択とその量は
拡大し、市場は伸び続けると彼は明言した。

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日本でも同じ現象が起こる可能性はあるが、はたして生産量が間に合うか?
今のところ供給体制に問題があるのは明らかである。
解決の方法はないだろうか?

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ここに米国で一緒に仕事をしている、
元NASA(米国航空宇宙局)の科学博士、
高島保和氏のシステムを紹介したいと思う。
スーパーの屋根裏や前庭、工場で有機農産物が生産出来れば、
有機農産物の拡大は必至である。
ご興味のある方は高島博士をご紹介します。

20110304_oranges.jpg

浅野秀二
3月4日

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現在の農業が抱える大きな問題

なぜ若者が農業に興味関心を持てないのか?
3K - 汚い、きつい、危険 + 金儲けできない。

なぜ農業分野での革新的技術が生まれないのか?
既成概念を元に考え、斬新的な研究はされていない。

なぜ日本の食量供給量が増加し安定化できないのか?
非効率的な手法に依存し生産性に乏しく非営利的であるため、
農家の後継者が育たない。

なぜ農業は儲からないのか?
小規模で経費がかかりすぎ、利益率が良くない。
家族による長時間の労力でうめあわせている。
若者が逃避する最も大きな要因であろう。

なぜ大量の農薬を使わないと生産できないのか?
気候、生産地の立地条件などがもたらす要因を農薬で補佐している。
環境制御により防虫、防菌ができる。

なぜ日本国民は高い食品を買わされるのか?
農家の生産性が低いため、生産物はコストが高くなってしまう。
日本国民の一般的志向として高品質を求める傾向が多い。

20110304_tomato2.jpg

上記の要因を取り除ければ問題が解決されるか。

大部分の障害は除かれ、環境保全が可能で理想的な農法を構築できる。そこで下記のA、B、Cのようなシステムを考案し、実験をしている。すべての農作物をこの方法で生産できるわけではないので、このシステムに適用する作物以外のものを生産できる、別のシステム開発も必要とされる。

農業技術が改善・進展し、政府の支援策が伴えば日本は立派な農業国になり、国民も低価格で安全な食料を安定して入手できるようになる。自給率や農業人口の老齢化が解消されて、儲かる農業となれば、アメリカのように農業が企業として経営できるようになり、日本だけでなく、発展途上国、先進国でも大きな市場が出来る。さらに、この生産システムや技術を日本から発信することで、輸出可能な商品となる。

私は長年、宇宙で使用可能な生命維持装置や食料生産装置の研究開発をしてきたが、宇宙空間という特殊な条件下での食料生産は、無重力対応、人工光、軽量、最小立体面積、エネルギー効率、自動操作などさまざまな面での総合的な機能を必要とされる。これらすべての条件で作動できる野菜栽培装置を作成し、米国及び日本での特許を取得した。研究を始めて20年を経た現在、地球上でもこのような食糧生産装置が必要な時代になってきたようだ。

地上仕様の完全自動野菜生産装置の開発を手がけた。トラクターなどの農耕機械を一切使用することなく、天候や不適格な立地条件にも影響しない、効率的なシステム考案した。さらに化石燃料の使用や、空気・水質汚染の軽減が図れるだけでなく、大量のCO2を酸素に変換することができる。

また、この工程はすべて自動化され、この装置を導入することにより生産性が高まり、同時に他の生産物も手がけることも可能になる。

例として、
System A 10Ft×12
20110304_system-a.jpg

20110304_system-a-2.jpg

System B (開発中、画像は未公開)
40Ft×120Ft のグリーンハウスを使用。22の水耕栽培ベッド、自動栽培、自動収穫。
1年で投資金回収。

System C (開発中、画像は未公開)
8Ft×40Ft コンテイナーサイズ、自然光、LED使用可能、完全自動栽培、自動収穫。
有機栽培、スーパーマーケットの屋上で野菜の自家生産も可能。
それも驚異的な生産量、高利益率、1年で投資金回収。

20110304_chart.jpg

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本当の意味での食の安全

日本では遺伝子組み換えされた種の使用は認められていません。
ところが遺伝仕組みかえされた穀類を一番多くの輸入している国は日本なのです。一般消費者はこの事実を知っているのでしょうか。食品成分の表示は法的に求められていますが、遺伝子組み換えされた食材に関しては表示義務がありません。(アメリカでの法がそのまま日本で適用されているようです) “この製品は遺伝子組み換えされ材料を使用していません”と記載されていない場合は、ほとんど使用されていると思えばよいでしょう。

日本の有機農法に関する法はアメリカの農務省のNational Organic Program(NOP)をベースに作られているようですが、無農薬農法と有機農法の区別が明確にされていない部分が多いように思います。また、有機農法承認された畑に隣接する畑が農薬を使用すれば、その農薬は飛散し、有機農地を汚染することになります。アメリカでは隣接地からの距離、また、飛散してくるかも知れない汚染物資の防御対策まで調べます。日本の場合、農地面積は小さく、隣接する畑との距離も近いので、完全に管理出来ないという問題が生じます。 アメリカで有機栽培の承認を受ける場合、申請してから3年間、農薬、肥料は有機農法で認められたものだけを使用し、その記録や購入先からの伝票なども提示させられます。

しかし、NOP 基準にも矛盾した点があります。3年経過し、その期間、有害物質を使用しなかったことが実証されれば、自動的にOKとなり、土壌検査などは行われないのです。 そこで私は承認機関の係官に提案しました。「3年などと期限をつけるのはなく、どのような方法であっても有害物質が除去され、実際に土壌検査をして確証されれば3年も待つ必要ない。3年経ても、土壌検査をしなければ、完全に汚染物がないとの保障はない。基準を変えるべきだ。」といいましたが、そんなに簡単には変わりません。

このような現状を考慮した上で、日本のような立地条件でも、完全な有機農法が即座に確立できる、今までの農法では考えられないような清潔さ、安全性、軽労力、農業知識無用で儲かる農法を開発しました。もちろん世界中どこでも使用可能です。いずれは宇宙での野菜生産にも使用されるようになることでしょう。
私が1992年に開発した無重力対応のサラダマシンも、この新しいシステムが出来て更新されています。

下記リンクをご覧ください。
モンサント社をめぐる数々の疑惑
モンサント社7つの大罪
モンサント社なしで世界を養う方法は?

(by Yas Takashima)

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