商人舎

インド紀行(1)| アメリカ流通 浅野秀二のアメリカ寄稿

浅野秀二のアメリカ寄稿

インド紀行(1)

2012年12月27日(木曜日)
カテゴリー:
  • 旅先からのつれづれ日記
  
6:03 PM

21世紀の大国となるべき
BRICs(ブラジル、ロシア、インド、チャイナ)の国々を
すべて訪問したいと思っていた。
残された国はインドだけである。
だが実現のための問題は多かった。

まず遠すぎる。
ニューヨーク経由で行く必要があり、
飛行機に乗っている時間だけでも22時間もある。

また、不衛生から起こる下痢・食中毒、
これが一番、訪問を躊躇していた理由である。

しかし、思い切ってインドに行くことにした。

旅は今日で7日目を越えたが、
体調は完璧、すべてが快適・絶好調だ。
こんな面白い国はない。
食事も非常においしい。
インド最高。

町はホコリっぽいが、
デリーのような1700万人も住む大都会でも、
中国と違ってここには青空があった。

20121221_delhi-street.jpg

それにしても、ものすごい人の数である。
とにかく、どこの路上も若い人が溢れ、
商売をする人、路上にただ座っている人、
なかには車の往来の激しい
排気ガスとホコリまみれの道路脇で寝ている人。

女性はよく働くが、
男たちはお茶を飲みながら
人生哲学や政治談議をしているらしい。

20121221_delhi-people.jpg

町はゴミだらけ。
草が生えていない都心で
牛は何を食べているか不思議だったが、
人が残飯を食べさせているらしい。
毎朝、牛は家々を回って、
人々が残した残飯や生ごみを餌としているというのである。
これらの牛はすでに草など食わないらしい。

20121221_jaipuer-cow.jpg

紙を食べている牛もよく見た。
路上には、牛に交じってヤギや豚も
ゴミや残飯をあさっている。
犬もゴミの中に住んでいた。

20121221_jaipuer-lamb.jpg

すべてが常識では理解しがたい。
それがまた異質で最高に旅情をかき立てる。

20121221_delhi-banana.jpg

インドに行く前から色々な疑問を持っていた。
宗教、人種、歴史、生活、風習。
滞在するつれ色々な謎が解けた。

紀元前1500年ごろ北からアーリア人が、
土着民(オーストラリアと同じ人種のアボリジ人)のいる
インドに侵入した。
アーリア人が身分制のカースト制度を持ち込んだらしい。

その他、
なぜ、紀元前マケドニア人のアレキサンダー大王が
インダス川を越えて大遠征をしたのか?
なぜ、トルコ中国西域でイスラム化した
ジンギスカンの末裔までが多大な犠牲を払ってまで
インドを征服し、定住をしてムガル帝国をインドに造ったのか?
なぜ、イギリスが80年間もインドを支配したのか?

800年にもわたる異民族による支配の理由は、
バスで一日地方を走ってみたらすぐに解った。

自然がめちゃめちゃに豊かなのである。
動物も植物も豊富で農業が盛んである。
12億を超えた人口を今でも養う農業がある。

20121221_park.jpg

古代は世界の屋根のヒマラヤ山系からくる
インダス川、ガンジス川の水も魅力があったと思う。

さて今日の問題は、
5P(Population, Poverty, Politics, Pollution, Pakistan)らしい。
人口が爆発している、
毎年オーストラリアの人口と同じ数が増えているのだ。
これが生活向上できない大きな原因となっている。

しかし、最近つくづく思うが、国力とは、
人間の数、人口の若さ、貧困からくるエネルギー。
いずれも日本にはないが。

もし、この国に優秀なリーダーが現れれば、
たちまち中国をしのぐ超大国になる。
またこの貧しさを体験していれば、
彼らは移民として世界に出ていけば必ず成功する。
やがてインドの移民も中国の移民と同じように
世界を支配する勢力になる。
21世紀は間違いなく、
白人や日本人が活躍した時代とは違う世界になる。

さて、我々はデリーやニューデリーで3日間、
世界遺産のイスラム教会や、

20121221_delhi-islam-church.jpg

20121221_delhi-islam-church2.jpg

ヒンズー教会、シーク教会などを訪問、

20121221_delhi-hindi-church.jpg

リキシャ(力車)で街や市場を回遊し、買い物を楽しんだ。

20121221_delhi-asano.jpg

騎士クラス出身のインテリなガイドさんや、
我々が訪問した上流階級出身の家庭に何度も確認したが、
実は食品を扱うスーパーマーケットは
デリー周辺にはないということを知った。

国民の多くはこの路上や商店街の出店で食品を買うらしい。

20121221_jaipuer-market.jpg

20121221_jaipuer-market5.jpg

20121221_jaipuer-market3.jpg

60年前の日本と同じだ。
フランスのカルフールは法的に大衆には
食品をまだ売れないらしい。

その後、南東へ265キロ移動。
城で有名なジャイパーに向かうが、
途中、ジプシーの村を訪れた。
ジプシーはインドが発祥の地とは知っていた。
彼らは本国インドでカースト最低の身分から外された。
インドの人口の数にも入れてもらえない。
国民・人として扱われない階級にあたるらしい。
彼らは何千年もインド住んでいるのに。
これもすごい話だ。

我々が行ったジプシー村の家は、
藁葺の掘立小屋で、中は空っぽ。
雨風も寒さも防げない。
雨季には家にテントやビニールを掛けるらしい。

彼らは農業しない。
誇り高き砂漠の民だ。
村はコブラ使いを家業として飯を食っている。

20121221_jaipuer-cobra.jpg

20121221_jaipuer-cobra3.jpg

20121221_jaipuer-cobra4.jpg

いずれにせよ、ジプシーの生活は石器時代と変わらない。

例外的だが、ここのジプシーは学校に行っていた。
法的には誰でも学校に行けるが、
ほとんどのジプシーの子供たちは行かないらしい。

笛に合わせて踊る8歳のジプシー娘とコブラに合わせて、
私もインドの砂漠と青い空の下、踊る羽目になった。

20121221_jaipuer-children2.jpg

子供たちはどこに行っても可愛い。

20121221_jaipuer-children.jpg

また、人間どこでも住めるような気がする。
インド・世界平和万歳だ。

<By 浅野秀二>

« JACの社員旅行 | インド紀行(2) »

2 件のコメント

  • esao harada より:
    2013年1月12日 2:41 PM

    インドでも、シェール革命が起きるのか注目です。エネルギーの確保と安定価格は、国も企業も同じで、調達先の分散化が出来ないか勉強を急いでいます。
    是非Facebookリンクしてください。

  • ジョージ より:
    2013年1月16日 3:40 PM

    現地でもシェールガスのことは話題になっています。
    なにしろ、インドの一人当たりのオイル使用量3.3リットル、
    中国や先進国の何十分の一です。
    石油は中近東特にイランに頼っています。
    今後使用量が激走すると思われ、シェールガス重要になるでしょう。
    FaceBookで可愛い犬の写真をたくさんみました。
    いつか、私のFacebooKに愛犬の写真のたくさんのせます。


商人舎サイトマップ お問い合わせ
今月の標語
  • 目標主義者になろう。
カレンダー
2012年12月
月 火 水 木 金 土 日
« 10月   1月 »
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  
指定月の記事を読む
カテゴリー
  • JACアメリカ流通リポート (5)
  • お知らせ (1)
  • はつえの発見! in USA (2)
  • アメリカからのメッセージ (51)
  • アメリカ小売業-最新トレンド (13)
  • 写真でみる[最新注目店] (4)
  • 旅先からのつれづれ日記 (50)
  • 日本と日本人への想い (20)
  • 視察&インタビュー日記 (20)
最新記事
  • 2015年08月20日(木曜日)
    残暑お見舞い申し上げます
  • 2015年07月01日(水曜日)
    立命館大学同窓会流通業OB、京都に集まる
  • 2015年05月01日(金曜日)
    スペイン旅行(2)
  • 2015年04月24日(金曜日)
    スペイン旅行・マドリード
  • 2015年04月21日(火曜日)
    立命館大学流通研究会(OB会)の皆さまへ
最新コメント
  • 2015年01月01日(木曜日)
    初絵スミス :カボサンルーカスからクリスマスのご挨拶にコメントしました
  • 2014年12月23日(火曜日)
    浅野秀二 :カボサンルーカスからクリスマスのご挨拶にコメントしました
  • 2014年12月22日(月曜日)
    m.asai :カボサンルーカスからクリスマスのご挨拶にコメントしました
  • 2014年12月22日(月曜日)
    浅野秀二 :カボサンルーカスからクリスマスのご挨拶にコメントしました
  • 2014年12月21日(日曜日)
    片岡 :カボサンルーカスからクリスマスのご挨拶にコメントしました
JACenterprises 浅野秀二の米国セミナー講義録 ジョージ君、アメリカに行く

USA視察研修会Specialコース

定番視察研修会報告

参加者の声は天の声!

  • ホームに戻る
  • トップに戻る
  • 友達・上司・部下に知らせる

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。
Copyright © 2008-2014 Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.