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北欧の旅(後編) ノルウェー| アメリカ流通 浅野秀二のアメリカ寄稿

浅野秀二のアメリカ寄稿

北欧の旅(後編) ノルウェー

2014年08月07日(木曜日)
カテゴリー:
  • 旅先からのつれづれ日記
  
12:06 PM

思ったほど刺激のなかったデンマーク、スウェーデンから
ノルウェーに入った。

山に入り、徐々に高度が上がり始めた。
温度が下がってきて20℃前後になると、本当に快適になる。
連日30~35℃という北欧の人達が経験したことがない
暑い暑い夏に疲れていたのだ。

しかしパレスチナ、シリア、ウクライナの人々のことを考えると、
食事のまずさや35℃の気候に
不平不満を言っている自分が恥ずかしい。
家族の命を奪われ、怪我をし、水も電気もなく、
住み慣れた町や家を着の身着のままで逃げ惑う人たちもいるのだ。

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自分の立場に感謝して生きないと罰があたる。

せめて戦火を逃げ惑う子供たちに
大きな未来が来ることを信じたい。
彼らの20年後に確実に起こる未来である。
イスラエルの行き過ぎた行為にも、
勝てない戦争にパレスチナの人たちを駆り立てる
ヒズボラの政治家たちにも、双方に腹が立つ。

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経営者も同じ責任がある。
社員やその家族を短期的視野や感情で
リードしてはならないと強く思った。

さて、市内ではスーパーマーケットの大型店を
見る機会がなかったが、
初めてノルウェーで大型ショッピッングセンターにバスが止まった。
MAXIというIGA(Independent Grocers Alliance)の
メンバー店であった。

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Walmart Supercenterのような大型店である。

青果売場。

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年間の旬の野菜をパネルで掲示。
今の季節は上の矢印のところ。
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サラダバー。
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氷を敷き詰めた冷ケースにはもちろん北欧のサーモン。
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シーフードの惣菜。
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精肉コーナーには牛や豚の部位を示すパネル。
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ホット・デリの対面コーナー。
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商品の多様性、品質はアメリカとは比較にならないほど
選択が少なく、品質も劣る。
しかも25%の消費税のせいもあるが、価格が高い。

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しかし、ここで面白いものを発見した。

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IGA発行のクレジットカードに
自分で買った商品をこの小型の自動読み取り機のデバイスで
チャージしながら買い物ができるという仕組みである。

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もちろん、客を信用するという前提がないと成り立たないが、
キャッシャーを通らずにそのまま外に出られるという
究極のセルフレジの仕組みであった。

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これには感動した。
初めての体験である。

さてノルウェー2日目、
バスはいよいよ氷河で削られたフィヨルドに入った。

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アメリカのヨセミテ国立公園のような光景が延々と続き、
660カ所以上の滝がいたるところでみられる。

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壮大なスケールのパノラマだった。

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滝の高さはさまざまだが、700mを超すものもある。
岩山は900m~1300mくらいある。

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しかし滝の水が直接海に落ちているのか、
湖に落ちているのか、それが解らない。

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ヨセミテバレーのような岩山の谷間に入っていく
大型船のクルーズがあるのだから、
これは湖ではなく、海岸の入江であるはずだ。

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ところがとても狭く、波もなく、
静かでどう考えても湖にしか見えない。

この大渓谷と滝を、世界一急なクロム鉄道とフェリーで
3日間かけて遊覧した。

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自然は偉大だった。
やっと北欧に来た感動が湧いてきた。
本当に来てよかった。

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ヨセミテの何十倍ものスケールで、
フィヨルドは想像以上の光景であった。
2週間ついてくれているベテランのコーディネーターの女性は
「スイスより良い」と言葉を強めた。

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フィヨルドを眺める美しい山のスロープにある、
1645年から続いている果樹農家に立ち寄った。

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昔は漁業と羊農家、やがて酪農から果樹農家になったそうだ。
この100年で7ヘクタールの畑に4000本を植えた。
26種のリンゴ、ブルーベリーなどを作っている。

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労働力は出稼ぎポーランド人2名とここの親子の家族労働。
販売は100%ファーマーズ・マーケットと自宅前の直売所で、
スーパーなどには出さない。

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これしか中小農家が生き残るすべはない。
世界中どこも同じである。

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今回の旅でも、どこに行っても中国人の団体が溢れていた。
現地で見た中国語の新聞には投資・移民という言葉が氾濫していた。
彼らは観光がてら来て、将来どこに移民するか
極めるために観光して歩いている…そう思えた。

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逆にアメリカ人と日本人はどこに行っても、
自国が最高の場所だと確認するために
旅行しているような気がする。
自分がそうだ。
ここでも自分の幸運な人生を思った。

しかし、アジアの大航海時代を迎えた今日、
やはり彼らの(中国人)の未来の方に分がある。
日本の若者よ、世界をもう一度目指せ。
少子化時代、難しい時代になった。

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<By 浅野秀二>

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