スペシャリティーの急上昇

2009年12月10日(木曜日)

カテゴリー: JACアメリカ流通リポート  11時45分36秒

A&Pのプレミア商品ラインナップと新世代のPB商品にハイライトをあてる

もしスーパーマーケット業界が、新世代ストアーブランドのスローガンを打ち出す必要があるとすれば、『これはあなたのお父さん世代のプライベートブランド商品ではありません』という台詞が適切であろう。
なぜなら、企業ブランドはもう何年にも渡って消費者達の間に定着してきたからである。

近年、多くの小売業者は単純で地味なパッケージングと、さほど珍しくもない一般的な原料の使用から、カラフルなグラフィックデザインの包装とハイクオリティーな素材使用に置き換えている。その結果、信頼と高い売り上げを産み出している。企業は更に自信をもって、ライバル社のみならず、自社のナショナルブランドに比べても、味や見た目が上回るプレミアムラインの開発を促進し続けている。

非常にスタイル化され、洗練されたプレミアムラインを、“ストアブランド”や“プライベートラベル”と顧客に紹介することさえ行わない企業も、実のところ幾つか存在している。

「これはもうフェイスリフトを行う以上であり、正直を言えば新しいブランドを創り上げているのと同じなのだ。」と、イリノイ州バーミングトンでウイラード・ビショップ(コンサルティング会社)と小売業コンサルタントを行っているジム・ハーテッド氏は語る。

ニュージャージー州モントデール拠点のA&Pは、ストアブランドであるその最新プレミアムラインの開発を明らかに転換しつつある企業の1つである。

過去3年以上かけて開発したVia Roma, Hartford Reserveやナチュラル・オーガニックブランドのGreen Wayを含むコレクションは、外側も中身も総合して洗練されている。パッケージは他とは異なる目新しさであり、スタイリッシュでわかりやすく、時にはユーモラスであったりもする。その一方でフードそのものでも、例えば5種類のリンゴを使ったHartford Reserveの美味しいアップルパイのように、プレミアムな素材を使用している。
もし買い物客がそれ以上に何も知らなければ、ナショナルブランドやニッチブランドを買うであろう。
 
「歴史的にみれば、これは顧客中心ではなかった多くのストアーブランド計画から大々的に逸脱し、アイテムでなくブランドを開発しているのだ。」とA&Pの自社ブランドを指しながら、副社長のダグ・パルマー氏は述べた。

経済の不振はプレミアム・プライベートブランドへと人々を駆り立てるきっかけとなった。

ニューヨークに拠点のある全米スペシャリティー・フード・トレード協会が行った最近の消費者調査によれば、前年度と比べてスペシャリティー食品を求める顧客の37%以上がストアブランドのスペシャリテイーフードを購入したそうである。

多くの要因から認められるように、今こそ顧客とのロイヤリティーを築き、彼らの関心を利益率の高いストアブランドへと転換させるチャンスである。しかし、もし実行に移すのであれば、敏速な動きが必要である。したがって、買い物客の感情に働きかけるような品質の高いアイテムにフォーカスすることが早急に必要であると、シカゴのミンテル社のアナリスト、マルシア・モゲロンスキー女史は語っている。すべてが同じである場合、人々は低価格の商品を選択するからである。

 「人々は、“この商品で満足しているのに、なぜ余分にお金を使う必要があるのか?”と考え始めるからです。」と女史は述べている。

それが正しい商品であるのかを確実にするために、Ukrop’sやShopRite、そしてSobeysなどは、彼らのスペシャルラインの開発の為に、綿密に調査した消費者リサーチを活用している。

最近になってSobeysは、消費者達がもっとお買い得価格でグルメ商品を求めていることをリサーチの結果によって証明した上で、彼らのプレミアムラインであるSensationラインを150から1000アイテムに拡大する計画について発表した。

「Sensationはお買い得感のある価格、顧客の欲望を満たすクオリティーや、革新的な要素が統一されたプレミアムな商品です。」とCEOのビル・マックエン氏は述べている。

A&Pはリサーチによって、買い物客は、棚に並んでいる他の商品とは異なったユニークで解り易く、すっきりとしたタイプの商品を探していることを発見した。

「消費者はほとんどの小売業者が考えている以上に、新しい商品への挑戦に対してオープンなのです。大々的なブランドを立ち上げるのにトラディショナルなメディアや多大なマーケティング費用はもうかからないのです。」と、Hartford Reserve, Via RomaやGreen Wayのデザインを助力したUnited Design社のマネージングパートナーであるペリー・シーラート氏は述べている。

A&PのVia Romaブランドは、パスタソースのコレクションとその他のイタリアンフードを網羅しています。イタリアのトスカニー地方へ撮影隊を派遣し、ルシジャーノと呼ばれる丘の上の小さな村で地元の写真を撮らせた。この結果、年老いた地元の住民が笑い、微笑みながら互いに語り合う、ありのままの自然な白黒写真が完成し、A&Pはこれらの写真を商品の宣伝広告素材として使用することを決めた。

「我々の市場地域には多くの2世、3世のイタリア系移民が住んでおり、Via Romaは我々の顧客にすぐに受け入れられました。」とパルマー氏は語っている。彼は多くの回答者が彼らの家族のメンバーを連想して親しみを覚えた事を、消費者リサーチによって注目したそうである。

一年前に売り出されたHartford Reserveのラインでは、A&Pが1987年に北米で売り出した最初のプレミアム・プライベートラインの1つであるMaster’s Choiceと入れ替える課題を行った。Hartford Reserveはホームメイドのアップルパイに加えて、珈琲、バルサミコ酢、クッキー、メープルシロップ、そして生鮮食品であるスペシャリティーのチーズやハムなども同様に商品化した。商品のスタイルは高級感があり、黒を基調としたパッケージには、商品の宣伝文句のみならず素材の原産地についての短い物語が書かれている。

「Hartford Reserveは、プレミアム・プライベートラベル商品で通常見たことがなかった沢山のカテゴリーに存在します。洗練さと、手に入れやすさの相互的アイデアはバランスがとられており、全ての商品の創造に物語が存在しているのです。」とシーラート氏は述べた。

A&Pの最大の挑戦は、最新のプレミアム・ストアーブランドを提供するGreen Wayである。

今年度の初期にベールをはずしたGreen Wayは、ナショナルブランドの競合でひしめき合うナチュラル&オーガニックに、最近手を出したことを表している。このゲームに参加する前、社はその同業群から異彩を放った商品の提供について、再度の決定を要した。従ってA&Pは、ナチュラル&オーガニック商品にべったりとフォーカスするよりも、社のラインではヘルス&ウエルネスを包括した商品ブランドのクリエートと、200商品以上のパスタや缶詰、瓶詰め、サラダドレッシングのラインナップの相互を兼ねたラインでなければいけないという決定を下した。

シーラート氏曰く、ブランドのデザインを行う際には、ナチュラル&オーガニックを連想させる典型的農業を暗示する農家、農地、放牧のデザインを避ける事が重要だそうである。その代わりにA&Pのチームは、多くの買い物客が感じるデザインの“雑然さと大袈裟な刺激”から来るフィーリングを減少させ、商品自体の純粋さを強調する、すっきりとしたルックスにすると決定した。と語った。

「Green Wayは、その詳述やデザインも決して複雑でなく、色を抜いた箇所にGreen Wayのストーリーを伝えることが重要であったのだ。」とパルマー氏は語っている。

A&Pが辿ったやり方と、似通った道を選んだ他のスーパーマーケットがある。
それはプレミアム・ストアブランドのムーブメントを率先したTrader Joe’s やWhole Foodsであり、その多くがニッチ商品で、高品質のアイテムを提供していると、モゲロンスキー女史は言及している。2年前にはUkrop’sがスペシャリティーフードのラインであるJoe’s Marketを発表し、最終的にこのラインで独立した店舗が出来た。

Wakefern’s ShopRiteのストアーも、インターナショナル食品にフォーカスした、グルメ商品のラインナップを提供している。イタリアから輸入したヘーゼルナッツのスプレッド、ギリシャ原産のカラマタオリーブ、スペインのサンセバスチャン地帯から輸入のスパークリングサイダーなどがある。ShopRiteのキャッチフレーズはこうである。“世界中を旅して、ベスト中のベストを貴方のためにお持ちしました”

そして虹鱒のフローズンミールから濃縮洗剤に至るまで2500商品を網羅する、25年前にカナダでスタートした、一番売れているLoblaw社のPresident’s Choiceの存在もある。

「彼らはその商品を社のイメージ向上と同様に、売り上げを産み出すための最良の方法であると見ています。全てのスーパーマーケットは良質の商品を買える場所であると顧客から見てもらいたいと切望しているのです。」とNASFT社の情報&教育のリーダー、ロン・ターナー氏は語っている。

しかしこの場合の“良質”とは、マーケティングの角度のみからでは不十分であるとハーテッド氏は述べている。全ての商品背景に動機付けの構想も必要なのだ。

小売業者らは“もし彼らの名前が商品の外側にあるのであれば、その内側も最良の品質であることを絶対確実に行う事”が欠かせないのであるとハーテッド氏は言及している。

2009年11月
JAC報告

レストランはシェアーを失いつつも勝ち続けているのか?

2009年11月30日(月曜日)

カテゴリー: JACアメリカ流通リポート  10時50分47秒

消費者が自宅で食事をする機会が増えているため、
レストラン業界が不振であることは、言わずと知れた事実である。

しかし、近頃、レストランは儲けは出ていないものの、
顧客の心を再び掴み始めているようだ。

最新の消費者ネットワークの調査では、
このトピックについて、いくつかの興味深いレポートを
数週間の間に2度も話題にしている。

この新しいレポートは消費者レポート協会のたった25人の
消費回答者による非常に僅かなサンプルでしかないことを警告しておく。
しかし、そのフィードバックのいくつかには
今後、更なる追求が必要な箇所がある。

消費者は 35の対象リストから、
よく利用するスーパーマーケットとレストランをベースにして、
【優秀】や【経済性】などの対象に点数をつけた。
スコアーは0から5.0で、最高値は5.0である。
そして、各対象に対して平均値が計算された。

消費者が家庭で食べることが多い中、
レストランの方が他の対象よりも2倍以上数値が高かった。
レストランは最高4.7という得点を記録した。
【信頼性】、【正確性】、【便宜性】、そして【サービス】で高得点を出した
スーパーマーケットでも4.5や4.4であった。

スーパーマーケットにおいて注目すべき点は、
レストランと比較した時に大きく点を落としたエリア、【新鮮さ】である。
これはスーパーマーケットが一番力を入れてきたはずのエリアである。

レストランの勝因は“パーソナライズ・フォー・ミー(私に合わせた料理)”
つまり、消費者は食料品のロイヤリティープログラムにおいて、
レストランに感じるようなユニークさを、
スーパーマーケットには感じていないのである。

一方、スーパーマーケットは
【エコフレンドリーさ】、【エスニック性】、【栄養面】や【便宜性】、
そして【食の安全性】において、
レストランよりも少しではあるが、勝っているようだ。

このリサーチで、いつレストランの売り上げが上昇するとか、
どうすればスーパーマーケットがよりよく運営されるとかの予測は出来ない。
しかしながら、スーパーマーケットがこの不景気を乗り切り、
消費者が優先順位を決定する状況が訪れた時、
レストランにシェアーを取られないようにするためには、
この結果を真剣に受け止めなければならない。

では、食品小売業者に何が出来るのか?
ここに1つのアイデアがある。
顧客に対して、上記と同じようなアンケートをとり、
そして顧客の期待を下回る点において改善を図るべきである。

その先で問題となるであろう買い物客の否定的な意識を変えるため、
行動を起こす時間はまだ残されている。

2009年秋期
JAC報告

今日のニュース② 新型インフルエンザ

2009年4月30日(木曜日)

カテゴリー: JACアメリカ流通リポート  10時10分11秒

メキシコを中心に新型インフルエンザが世界各地に広がる中、
同国だけでなぜ犠牲者が増えるのか、専門家の間で謎が深まっている。

同国の死者数(28日午後10時半現在)は152人に上る一方、
同国以外では犠牲者が出ていない。

(30日現在、米国内に滞在中だったメキシコ人幼児が死亡と報道されました―事務局)

疑い例を含む感染者数(同)は1995人で、豪州の88人、ニュージーランドの54人に比べて突出する。
計算上の死亡率は7・6%に達する。

AP通信などは
〈1〉ウイルスの種類が違う
〈2〉栄養不足
〈3〉水不足
〈4〉大気汚染
〈5〉医療体制の不備
を「考えられる理由」として挙げるが、すべて憶測にすぎない。

2009年4月29日
JAC報告

今日のニュース① 新型インフルエンザ

2009年4月30日(木曜日)

カテゴリー: JACアメリカ流通リポート  10時09分18秒

米国内で初めて豚インフルエンザ推定患者と診断された51歳の女性は、
29日現在、健康状態が非常に良好と判断されている。
インフルエンザ諮問委員会のある委員は、この患者について、
最初の症状も普通の風邪より弱かったせいか、
今は健康な人と同じくらいの状態だとし、
インフルエンザの症状がほぼなくなり、治療が終わったと判断してもかまわないと伝えた。

また、「現在の豚インフルエンザ進行状況を見ると、
国内で状況が悪化する懸念はないようだ」とし、
メキシコや米国旅行から戻り、熱が出る程度の疑い例が発生したからと大きく心配する必要はないと説明した。
別の委員も、今回の豚インフルエンザが遺伝子変異をしたことは間違いないが、
だからと言って毎年国内で流行る「季節性インフルエンザ」よりも深刻だとする根拠はないと話す。

「衛生状態が極めて悪いメキシコシティ周辺で発生したインフルエンザの死亡率を、国内に算術的に代入するのは困る」と指摘した。

2009年4月29日 JAC報告

緊急! Swine Influenza (豚インフルエンザ)

2009年4月28日(火曜日)

カテゴリー: JACアメリカ流通リポート  17時53分31秒

H1N1のA型インフルエンザウイルス(豚インフルエンザ)が、
メキシコで150人近くの死者を出し、
“パンデミック(疫病の世界大流行)”の不安が世界中を震撼させている。

もともと富裕格差が大きいメキシコの市内では、
子供が路上で物乞いをしながら、
地面に落ちた食べ物をそのまま拾って食べている光景が、
当たり前に見られる。
衛生面での対策は不十分であり、
ましてこの時期は、日中は日差しが強く、
気温が30度を超えることもしばしばある。
このウイルスでなくとも、
何らかの流行性の疫病が拡大する可能性大の状況である。

実際のところ患者は、
メキシコを含む世界11カ国(ブラジル、コロンビア、アメリカ、カナダ、イギリス、スペイン、etc)で、
発症が見られているが、多くの死者を出しているのは、
現在メキシコのみである。

米国で感染者が45人ほどでているが、
そのほとんどが回復に向かっている。  

CDC(米国疫病予防管理センター)の報告では、
きちんとした衛生管理の下で、
バランスのとれた食事を取り、
自然治癒した患者の症例が比較的多くいる、と発表されている。

しかし、そんな発表よりも、
人々を不安にさせる噂や情報がインターネットなどで拡大しつつあり、
中には根拠のない噂で、さらに人々の不安を煽る現象もあちらこちらで起きている。

専門家の中には、
“一般的なインフルエンザでも世界で、
毎年40万以上にも上る多数の死者が出ているのに、
報道の中でその数に具体的に触れて対比しているケースは少ない”
との意見も出ている。

しかし先ほど、米国で、メキシコへの渡航を予定するものは検討と、
細心の警戒をするようにとの注意が出された。

この事態が、低迷する世界経済に与える影響は深刻である。
一刻も早い正確な対応と対策を願うばかりである。

2009年4月28日
JAC緊急報告