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五十嵐ゆう子の米国日記

五十嵐ゆう子の米国日記

ラスベガスの地下に住む人々

2009年12月01日(火曜日)
カテゴリー:
  • 五十嵐ゆうこからのメッセージ
  
2:05 PM

 砂漠の中に燦々と煌く不夜城ラスベガスは皆さまもよくご存知だと思いますが、その光の下にある漆黒の闇の中で、生活している人々がいることをご存知でしょうか?3年以上もラスベガスで暮らした私も、実はつい最近まで知りませんでした。つい先日、ホテル関係者との会食中にこの話を聞き、早速、ニュースなどを検索してこの事実を改めて知り、ショックを受けました。

 以下のサイトを開き、そこにある映像を是非見てください。これは地元のテレビ局のニュース報道です。題名は“トンネルに住む人々”とあります。撮影用照明の為、映像では内部が良く見えていますが、実際は光など無い“闇の世界”なのです。

Youtube動画:ラスベガスの地下に住む人々 The Tunnel People

 ネオンライトの下、洪水をコントロールするために市が造った4kmにも及ぶトンネルの中にあるアンダーワールド(地下世界)。内部にはトイレや、ゴミ捨て場まである。ここに暮しているのは、失業者、家を失った人、麻薬常用者など、社会からはじき出された何百という人々。昨今の長引く不況の影響でその数は増加しているそうだ。昼間は眠り、夜になると地上のカジノに出て、スロットマシーンに旅行者達が残していった、クレジット(残りの掛け金)を換金して稼いでいる。これが1日に平均で$50(約5000円)にもなるので、食べていくことは充分可能。時々、映画を見に行く余裕まであるそうである。ここで暮らしている男女のカップルは出来ることなら明日にでも出て行きたいと言ってるが、反対にそこでの生活をエンジョイしている男性もいる。
 砂漠に雨が降ると、もの凄い鉄砲水が起こる。従って、鉄砲水対策用に造られたこのトンネルは危険と隣り合わせである。そのため、彼らは非常に密な連絡網を持っているそうで、このトンネル生活者にも社会とカルチャー(文化)があるのだと言い切る。

 彼らの頭上には、砂漠に浮かぶ光の海に世界中から引き寄せられてきた、何億もの人々が歩いています。そしてほとんどの人は、私と同じく、その闇の世界を知らないのです。なんとも不思議で、恐ろしいことです。

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セーフウエイの底力を見た!

2009年09月15日(火曜日)
カテゴリー:
  • アメリカ小売業の最新情報
  
11:04 AM

世界中を震撼させたリーマンショックから一年、経済低迷状態からいまだ脱出できない状況で、高級レストランは閉店し、新興住宅地に開発された大型ショッピングセンターの店舗スペースはガラガラ状態である。低価格を提供するWAL-MARTやCOSTCOは大忙しだが、一般スーパーでは様々な工夫や安売り作戦を展開するも、ほとんどがどんぐりの背比べ状態である。

そんな中、“Ingredients for Life(より良い暮らしのための素材)”をキャッチコピーとするセーフウェイが、その底力を見せつけている。かつて惣菜のセーフウェイといわれた栄華を復活させるような高級感溢れる大型新店舗を、2009年の7月25日にビバリーヒルズとハリウッドのど真中にあるウエストハリウッドに、パビリオンとして華々しくグランドオープンさせた。
pavilions

まず度肝を抜くのが、真ん中に駐車場を囲むように並ぶ隣接モール。近い将来、小売店が入るスペースが幾つもあるのだが、それらをただの空きスペースにしていないで、全ての場所のシャッターに色鮮やかな惣菜の大型写真をプリントしてある。

open space

それらの写真が、車を停めてから店の自動ドアをくぐるまで顧客の目を刺激する。

show window

スーパーの建物自体にも3階立て駐車場が完備されているが、駐車場は非常に混みあっている。

店内正面の入り口には、これでもかと言うほど、蘭などの高級な花のオブジェが置かれている。さらにさまざまな形の壺に活けられた生花が、店舗に向かって左側に位置する大通りのサンタモニカ・ブルバード沿いからよく見えるように、ガラスのショーウィンドーにズラーっと並べられている。

flowers

そしてそのショーウィンドーに沿って、EAT INのためのテーブルと椅子が並ぶ。なんと皮の肘掛け椅子やソファも置かれている。そしてスターバックスがすぐ隣接され、入り口側には最近のライフスタイル店で見るコンビニがある。

EAT INで非常に成功しているWHOLE FOODSを彷彿とさせるように、惣菜コーナーや調理の実演販売コーナーがある。オーブンの火の前に並べられた焼き立てのパン、フレッシュなフルーツがふんだんにのっているケーキや上品なプチフールデザート(これは他の店舗では見た事がない)などが並ぶ。

店の正面にある青果コーナーは想像を超えるバラエティーの多さで、日本の野菜もある。珍しい野菜は小分けされ、仕切られた枠にきれいに並べられ、まるで絵画を見ているようだ。トマトや唐辛子類など、複数の種類が並んでおり、こんなに色々あるのだなと感動した。オーガニックコーナーも真ん中に置かれ、健康志向を象徴している。

精肉や生鮮コーナーも料理のPOPがきれいで美味しそう。
“美味しく調理する方法をアドバイスしますので、どうぞ質問ください”と書かれている。グルメレストラン風にアレンジされて、下準備を施されてある食材の並べ方も素晴らしい。

とどめはワインコーナーである。オーク素材の棚に並んだワインの種類は豊富で、ワイン専門店にいるようだ。右端の出口近くに設置されたガラス張りのワインセラーは高級感が漂っている。とにかく店舗の右端のほとんどがワインコーナーなのには、びっくりした。

wine cellar

2000坪はあるかと思う店内にはレストルーム(お手洗い)が3カ所も設けられている。安心して、長時間ゆったりとショッピングができる環境が整っている。

とにかく溜息の出る店とはこういう店なのだと感じた。そしてぜひ、また行って見たいと思わせる店であった。
店内にあるJUMBA JUICEというジュースバーで、店員の人からこう聞かされた。
“こんな凄い店はアメリカ人の僕でさえ始めて見るよ。他のVONSに先週行ったけど、店はとても暇で、聞こえてくるのは店内に流れる音楽だけだった。だけどここは人の話し声で溢れているよ”

starbucks_juicebar

本当に、セーフウェイの底力を見せつけられたと、心の底から思える店である。

五十嵐ゆうこ  

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“INTERNATIONAL ESTHETICS & SPA EXPO 2009”

2009年08月10日(月曜日)
カテゴリー:
  • ビューティ(美容)情報
  
10:20 AM

ラスベガスに灼熱の夏が訪れると共に、2009年度インターナショナル・エステティクス&スパの展示会が開催されました。しかし“新型インフルエンザ”の影響によるものなのか、会場を訪れるアジアからの出店や参加者は激変し、全体的な出店数は、例年と比較すると心なしか縮小気味でした。

今年の傾向は、昨年まで大変なブームであった“睫毛エクステンション”がすっかり下火になり、その代わりに“リバイタラッシュ”系の睫毛専用トリートメントや、育毛剤を売り出すブースが目に付きました。
そしてスキンケア関連では、フルーツや野菜を原料にし、果物畑をイメージさせるハンガリーのオーガニックコスメのメーカー“EMINENCE ORGANIC SKINCARE” が相変わらずの盛況で、会場内で行われたフェイシャルのデモンストレーションには立ち見も出るほどの人気でした。
現在のヘルス&ウエルネス志向とエコフレンドリーを反映し、全体的にナチュラルやオーガニックを売り物にしている出展者が多く、3月に開催されたナチュラルプロダクトエキスポのスキンケア部門で出店していたメーカーも多く出ていました。

主原料で目に付いたのが、昨年からアメリカで大ヒットを飛ばしているスーパーフルーツ“ACAI BERRY” です。
アンチエイジング対策に有効な、抗酸化が非常に高いこのフルーツを、アサイベリージュースとして飲用しながら、肌に同じ成分の化粧品を使用することで、内外の改善が確実にすばやく行われるという相乗効果を謳っていました。
特に抗炎症作用としての効能もあるので、ノニジュース、ローズマリーやカモミールなどと混合し、鎮静やデトックスマスクの成分に取り入れているメーカーもいくつか目につきました。
私もそのデトックスマスクを1つ買い求め、炎天下で少し赤くなった肌で試してみたら、すばやくメラニンの増加を抑えることができたのか、肌の状態がいつもより早く落ち着いたのには驚きました。

出店の中でユニークだったのが写真にある“SKIN FITNESS PEEL BAR”でした。

カクテルグラスの中には、ノニ、アサイベリー、赤ワイン、パパイヤ、パンプキン、米糠などから作られた酵素ピーリングが入っています。スキン・カクテルバーテンダーと名乗るメーカーのエステシャンたちが、顧客の肌のコンデションに応じて、ピーリングを選び、酵素パックで肌を引き締めてあげるというような、カスタマイズされたスキンケアを行うのです。
私もこのブースでフリーのフェイシャルサービスを受けてみました。通常の乳酸やグリコール酸のピーリングに比べてピリピリとした刺激が少なく、ピーリングの後に、ローションで引き締めた時、肌が発汗作用でポカポカと温まります。
引き続いて行った酵素パックでは、ギューと何かで押されるような感覚で肌が引き締められ、まるでストレッチ体操を行っている感じでした。
“なるほど、これがスキンフィットネスと名づけられた由来なのね!”と、私の隣に並んでフェイシャルサービスを受けていた参加者の一人が言った言葉に、私も思わず“まさしく!”と、感嘆の声を上げてしまいました。

さてさて、今年もまたさまざまなサンプルをいただきき、1日中歩きまわって、パンパンに腫れた足の痛みも忘れ、満足の笑顔で帰宅したのです。
皆さん、来年は一緒に私と歩き回りませんか?
ぜひ、自称展示会オタクの私が、裏の裏までご案内しますよ。

 五十嵐 ゆうこ

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五十嵐ゆう子プロフィール

食品流通小売業・ビューティ・ウェルネス(健康食品関連)のコーディネーター、通訳、執筆、翻訳、コピーライター。

米国食品展示会日本語通訳デスク、米国健康博覧会(Natural Product Expo West)にてプレス通訳、米国優良企業Trader Joesの専門バイヤー(カテゴリーリーダー)と共にプライベートブランド商品開発のアシスタント業務など、活躍中。

【執筆活動】
日本生活協同組合連合会『生協運営資料』に“クローズアップ米国小売業―その変化と成長戦略の舞台裏”を2部構成で執筆。 南カリフォルニア、オレンジ市のタウンページ“スイートオレンジ”にてグルメ特集連載。 CMP JAPAN社の美容専門誌『ダイエット&ビューティ』に米国の健康・美容情報記事を2005年より6年間毎月連載中。

【講演活動】
2008年、2009年と2年連続で東京ビッグサイトで開催の“ダイエット&ビューティ展示会”にて講演。

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