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JUNE(6月)のニューヨーク| アメリカ流通 浅野秀二のアメリカ寄稿

浅野秀二のアメリカ寄稿

JUNE(6月)のニューヨーク

2010年06月21日(月曜日)
カテゴリー:
  • アメリカ小売業-最新トレンド
  
3:57 PM

ヨーロッパでは「ジューン・ブライド」という言葉がある。
それは1年で1番気候が良く、結婚式に最高だからである。
日本の6月では、梅雨のため、結婚式は様にならない。

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今、ニューヨークも初夏を迎え、訪問には最高の時である。
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来られる予定の方は、視察の合間を縫って、
ぜひセントラル・パークを散策していいただきたい。
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セントラル・パークに面する、
メトロポリタン美術館では、ピカソ展を開催している。
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禿げたピカソしか知らない私は、
彼の若い時の写真に、格闘家の姿を見た。
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肉体・性の神秘、悩める人間、
人間社会の矛盾や本質に迫る狂気をみた。

彼の絵に風景画があったような印象はない。
ピカソの絵の良さは相変らずわからない。
しかし、その絵は強烈な個性を放っている。
これは魅力だ。素人の私でも解る。
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現代は、素晴らしい絵が世の中にたくさんある。
「上手い」とか、「美しい」とか、
色々な形容詞が当てはまる数限りない絵や美術品。
特に生活のために働かなくてもよい豊かな現代は、
アーテストで満ち溢れている。
しかし、心を強く惹かれる絵は少ない。魂が感じられない。

ピカソの絵は個性こそ値うちだ。

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私は芸術には興味はないが、海外では美術館は時々行く。
それは絵画でも肉体・エロス、戦争の絵(人が人を殺す狂気)、
宗教画、人間の本質に迫るアートが多いことに興味を魅かれている。
ルーブル、メトロポリタン、ボストン美術館でも
驚くほどこれらのテーマが多い。

日本の芸術にはこれらに迫るものは少ない。
それだけ、世界史でも稀にみる競争の少ない、平和な社会であった証拠だ。

しかし、グローバルな競争に投げ出された今の日本、
政治も経営も変わらないと、日本は生き残れない。
いま、まさに芸術も平和も経営も、
人間社会の本質に迫り、本音で議論しないといけない。

スポーツも似ている。
元・全日本サッカー監督が最近の文芸春秋の中で語っている。
選手が試合中でも監督の顔色、指示を伺っている。
選手は瞬時に自分で決定・行動しないといけない。
小売業で言えば、現場力だ。パートさんが選手だ。
他所の店の物マネや、上司の指示待ちには感動はない。
競争・生存のために優先順位を瞬時決定する現場力。
スポーツや芸術を愛する集団が、現場力が店舗を躍動させる。
ピカソ展でそれを感じた。

ニューヨークのスーパーはすべての店舗に個性がある。感動の連続だ。
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FAIRWAY MARKETのオーナーの息子にもインタビュー出来た。
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自由の女神の見えるブルックリンの店である。
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「1週間に$1.6ミリオンを売っている」と言っていた。
「月商約6億円?年間70億円、信じられないが…?」と私は再確認した。
そうすると彼は、
「我々のブロード・ウェイの店は、面積当たり、一番売っている。
1週間に$2.4ミリオン(単位:100万)売っている」
と言うのである。
私は思わず、
「ギネス・ブックに載っているのは、スチューレオナルドだ。
面積あたりの売上げは、彼らが一番のはずだ」
と、反論をした。

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彼は答えた。
「それを我々は抜いた」
思わず、「ニューヨークのトレーダー・ジョーズはどう?」と
聞きそうになったが、いや、その話はやめよう。

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真実はともかく、「これから6店舗の店を近い将来15店舗にする」と強気だ。
「ありがとう。また、来週も来るよ、頑張って成功させて欲しい」
幸運な視察第一歩になった。

今回はウォルマートの新装開店初日にも遭遇している。
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全体的に4月に来た時より、店は微かに客が少ない気がした。
ニューヨークの景気は、株価次第。
悲観論、楽観論あるが、私は後半から徐々に良くなると思っている。
それは不景気に飽きたから??
経済よりあたらぬ心理学だ。
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強気に行こう、タイムズ・スクエアで若者から、
世界の人々から元気をもらおう。
弱気は死んだ後で十分時間がある。
せめて生きている時ぐらい強気で行きたい。
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ディナークルーズにも行った。これが一番の感動であったようだ。
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予算の問題もあろうが、感動体験に外せない条件もある。
ホテルはマンハッタン内、食事も大切だ。
美術館や街や公園を散策する時間があればなお良い。
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今回の研修も感動の涙と笑顔で別れた。
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浅野秀二
6月20日

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