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アメリカ流通 浅野秀二のアメリカ寄稿

浅野秀二のアメリカ寄稿

JACからのクリスマスカード

2010年12月14日(火曜日)
カテゴリー:
  • アメリカからのメッセージ
  
9:01 AM

101213_jac-chirstmas-card.jpg

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ワシントンDCとニューヨーク

2010年11月29日(月曜日)
カテゴリー:
  • アメリカ小売業-最新トレンド
  
2:39 PM

ブログは、ヒューストン編のみで終わる予定であった。
ところがワシントンの評判が、
あまりにも良かったので続ける事にした。

101129_jefferson-memorial.jpg

ワシントンはアメリカ、また世界政治の中心であり、
一度は訪れてもらいたい、美しい都市である。

特に11月の紅葉の美しさがヨーロッパのような町並みとマッチして、
ヒューストンのだっだ広い、色気の無い町と比較し、
その差異がメンバーに感動を呼んだ。

101129_tree2.jpg

世界各国の大使館通りなど、
各国がその権威を見せつけるかのように豪壮な邸宅が並んでいる、
洗練された町である。

ワシントンDCは、リンカーン記念堂、

101129_lincoln-asano.jpg

ホワイトハウス、国会議事堂など、政治と観光の町であり、

101129_white-house.jpg

ビジネスの町ではないと思っていたが、
この10年で大きく変貌していた。

101129_washinton-monument.jpg

ホテルはダウンタウンの中心、
ホワイトハウスまで15分の距離であった。
ここから歩きで2軒のホールフーズやCVSドラッグストアや
トレーダージョーズにも行ける。

ワシントンDC郊外のバージニア州やメリーランド州には
Wegman’sの新規店舗が合計8店舗もあり、
どれもニューヨーク郊外と比較して新しく、大型店舗である。

101129_wegmans-facade.jpg

正直、ニューヨーク訪問時のWegman’s訪問は不本意である。
古すぎて、客も少なく、感動がない。

ニューヨークでは、2時間半のフィラデルフィアの郊外、
チェリーヒルズまで行かないと、
最新の洗練された大型店には行けないのである。
ところがワシントンは、都心から1時間で最新大型店が3店舗もある。

今回の訪問店舗、Leesburg店(VA州)は2009年11月18日に
開店した店であり、3850坪の最新店舗だ。

101129_wegmans-checkout.jpg

すでにホールフーズ、HEB Plus, セントラル・マーケット、
コストコ、スーパー・ターゲットの見学を終え、
目が肥えた面々であったが、一歩入ると、どよめきが上がった。
「これは今まで見た店では最高だ、やはりアメリカにはすごい店がある。」

薄暗い店内は間接照明で青果が眩しく、色鮮やかに、目に飛び込んできた。

101129_wegmans-fruits.jpg

フードサービス、惣菜コーナーは、
お祭り広場の夜店のように人波でごった返し、
昼食を食べたい買物客が群れをなしている。

101129_wegmans-2f.jpg

2階に上がって食事をする。

101129_wegmans-terrace.jpg

席数を数え始めた、400席を越えたところでやめてしまった。
500席近くはある。

101129_wegmans-eating-space.jpg

高級感溢れる、グルメストアとも、見違う情景であるが、
比較広告が、あちこちに展示され、周辺のハリス・チーター、
ジャイアンツなどのスーパーより、安さをアピールしていた。

101129_wegmans-comparison.jpg

101129_wegmans-comparison2.jpg

コモディティは、エブリデーロープライス。
日々、行く店である。

101129_wegmans-bakery.jpg

15分の近距離には、ブルーム、ハリス・チーター、
コストコ、スーパー・ターゲットなどがある。
2006年、フードライオンの高級店舗ブルームは、
ワシントン郊外で成功事例として、話題になったが、
Wegman’sの開店後、死に体となっている。

帰りにホテル近くの小型のトレーダージョーズに行った。
店にはバナーが掛かっていた。
1年間に250種類以上のユニークPBを、
投入していると広告をしていた。
「1週間に何種類の新規PBが投入されているのか?」と
よく質問があるが、1週間平均5品目の計算になる。

バナーの写真ご覧ください。
101129_tj-new-pb.jpg

PBが90%前後と言われているが、
Trader Joe’sと書いていない商品がいくつかある。
遊び心で始まった。
外国商品からアイデアをとった商品のニックネームのことである。
6~7種類はあるようだ。

Trader Joe-San’s(日本)
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Ming’s(中国)
101129_tj-mings.jpg

Giotto’s(イタリア)
101129_tj-giottos.jpg

Jacques(フランス)は見つけた。
101129_tj-jacques.jpg

これ以外のネックネーム見つけた方は、ぜひ、お知らせください。

アム・トラック(列車)でニューヨークに行く、
2時間45分の旅である。鉄道の旅も落ち着いて良いものである。

101129_train.jpg

到着後、すぐスチューレオナルドに行く。

101129_sl-facade.jpg

ここでも美人が私を待ちうけていた。
スチューレオナルド物語を書いた、作家のMs. Scotty Reiss。
彼女に店の事に関するインタビューと、
彼女の本を、私が翻訳出版をするための、話し合いである。

101129_sl-book.jpg

全員が彼女の本を買った。
彼女はすべて本に心良くサインと、一言書いてくれた。

101129_sl-members.jpg

私が尋ねた。「皆様、彼女に質問がありますか?」
最初の質問は、「どうして貴女はそんなに美しいのですか?」
彼女は笑って答えられなかった。
「私が代わりに答えましょう。 貴女のお母様が美しいから?」
「素敵な表現ね、気に入りました。」

我々はすっかり打ち解けた。
「君の本を日本で発売しよう。私が翻訳をする。
その時、君が日本で記念講演をする?」

彼女は答えた。
「その時は、Stew Leonard本人を連れて行くわよ。Mr.Asano、約束よ」

本気??誰か?スポンサー探さないと行けない?
Stew氏のストーリーは、伝説的だ。
ギネスブックで面積当たりの売上世界一を記録、
1週間に10万人入る店を作った。

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レーガン大統領によって、革新的企業家として大統領表彰まで受けた。
今でもその奇跡は続いている、大繁盛店である。

ニューヨークでは、半日の自由時間、
強引にメトロポリタン博物館に全員連れて行った。
館内のレストランの値段は、高いが、人気があって、美味しい。
皆様、たいへん満足をした。
その後、セントラルパークを一人で散策

101129_tree3.jpg

絶え間なく散る枯れ葉は、どんな黄金よりもキラキラと輝き、
絵画より美しかった。

101129_ballerina.jpg

多少薄暗くなったが、青い空から落ちる赤や黄色の枯れ葉、
晩秋のセントラルパークの美しさは、何にもたとえようがない。
自然は素晴らしい。

101129_tree.jpg

頭の中を、シャンソンの枯れ葉のメロディが流れ、
自然や環境保護を強くアピールする。

101129_tree7.jpg

ホールフーズ創業者社長ジョン・マッケイ氏への尊敬の念が心をよぎった。
自然への感謝の気持ちと、幸福感が満ち溢れた。

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生きていることは、それだけで素晴らしい。
ジョン・マッケイ氏も、これが言いたかったのだ、とかってに確信した。

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浅野秀二
11月29日

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ヒューストンのスーパーマーケット事情

2010年11月24日(水曜日)
カテゴリー:
  • アメリカ小売業-最新トレンド
  
3:13 PM

今年最後の流通視察出張である。
ヒューストン、ワシントンDC、ニューヨーク。
各都市2泊の旅に出た。
ダラスには2カ月に一度は行くが、ヒューストンは5年ぶりである。

ヒューストン市は全米第4位の町、
テキサスでは人口は一番多い市である。
2007年の時点で220万人もいる。
都市圏としてはダラスより少ないが、562万人の大都市圏を持つ。
だが不思議な事に、この町への流通視察は少ない。

フォーチュン誌のFORTUNE500の中で、
本社所在地はニューヨークに次ぎ、多い。

気候は亜熱帯、年間降雨量は1200~1300ミリ、
テキサスは農業州でもある。
農業生産は1位が畜産・肉業、2位が花卉・果樹園、
3位はブロイラー、4位は綿花、5位は酪農である。

101124_flower.jpg

スーパー業界では、ウォルマートが1位でシェアは、
27.6%(2010年)、昨年と比較して0.86%のマイナス。

クローガーは26.3%、1年間で1.14%のシェアを伸ばした。
これはプライベート・ブランドが27%まで伸びたことと、
FRPのデータべースの活用に成功したことが、大きな原因とされている。
イギリスのテスコ社の購買べース分析を行ったことで
有名になったDUNNHUMBY社。
クローガー社が2003年に共同で作った会社、
DUNNHUMBY・USAの功績がここにきて、現れた結果である。

次はHEBでシェアは15.6%、0.15%のシェアのアップがあった。
3社で70%のシェア、残されたシェアはわずか30%しかない。

101124_heb-plus.jpg

今回の視察目的は、スーパーマーケット・ニュース社の
2010年6月07日のホームタウン・ゴメーの記事、
Rice Epicurean Marketsの記事確認もあった。

101124_rice-facade.jpg

5店舗の独立店舗が、HEBのような大手ローカル・チェーンや、
全米1位のウォルマート、自然食スーパーのホールフーズのような
有力企業に、如何に有効に戦っているかを、見たかったのである。

101124_rice-deli.jpg

「ライス・エピキュリアン・マーケットは、
ヒューストンで最も古いスーパーマーケット・チェーンである、
ライス・フード・マーケット(1937年創業、66坪)の一部門として、
1988年に最初の店をオープンした。
創業者はウイリアム・レビー氏、現在の社長は創業者の孫である。

1996年にライス・エピキュリアン・マーケットは、
ビジネス・スーパーマーケット誌で絶賛され、優秀栄誉を授与された会社である。

101124_rice-flower.jpg

現在は5店舗あり、ホームタウン・グルメ、
スペシャリティー、惣菜の洗練された店である。
“Epicurean”とは食道楽を意味している。
名前の通り、料理学校で訓練されたプロの調理師が作る料理は、
ヒューストンでは有名である。
時には古くて、ローカル色豊かな料理が、
新しくて、グルメな料理と一緒に並ぶのである。

101124_rice-deli2.jpg

バラエティー、新鮮さこそ命、
これが大型、ナショナル・チェーンに対抗する
一つの有力な方法であると考えている。

また、デリ・惣菜には、コミットメントと一貫性が大事である。
メニューは25~35の主食レシピ、45~50のサイド・ディッシュ。
50~70種のサラダが常にローテーションを繰りかえす。
顧客第一主義、それが会社の哲学であり、成功の鍵はプリペアド・フードと考え、
とにかく客の要望には敏感、積極的に答えるようにしている。

101124_rice-salad.jpg

デリ・惣菜の売上は9~10%であり、
各店舗ごとに一人のシェフがメニュー、労働コストなど
責任を持つ体制である。
この他、すぐれた花売り場、巨大な青果売り場との
コンビネーションで新鮮さとエキサイトメントを
醸し出すのに成功している。」

上記が記事の内容であった。
正直5年前に来た時は、苦戦をしていた。

101124_rice-catering.jpg

かつて各大都市には高額所得者に圧倒的に支持される
高級・グルメ店舗、高収益・大繁盛店があった。
しかし、ホールフーズが出来てからは、ことごとく苦戦している。
ニューヨークのバルディッチ、サンフランシスコ周辺のドレーガー、アンドロニコス、
シアトルのメトロポリタン・マーケット。

(ニューヨークのゼイバーズ、ディーン&デルーカは
土地の無い都心にあるが、今でも繁盛している例外的存在である。)

彼らが提供してきた、ヨーロッパのグルメ・高級食材、比類のないサービスなどは、
ホールフーズの提供する、カスタマーサービスを凌駕する
エンターテイメント性、味、健康や環境配慮、有機自然食、
持続型生産社会、圧倒的な量感、色彩、バラエティのある商品など、
これらの新しい価値観の前では、勝負にならないのである。

101124_rice-ad.jpg

ライス・エピキュリアン・マーケットの店には、今回も期待を裏切られた。
木曜日であったが、一番忙しい夕方6時に、客は閑散としていた。
涙が出る思いである。

101124_rice-fruits.jpg

私にはこれらのローカル高級店舗が、
ホールフーズに対抗する有力な手段は思い浮かばない。
顧客、社会、対応能力のスピードも、
ニッチへの挑戦もホールフーズには敵わない。

空港で移民局に一人留められ、1時間遅れで出発、
スケジュール変更を余儀なくされた。

最初の店舗はホールフーズ。
美人のマーケティング・スペシャリストが我々を待ちうけていた。

101124_wf-mktg-specialist.jpg

写真をご覧ください。

101124_wf-mktg-specialist2.jpg

ホールフーズにはこのような秘密兵器もあったのだ。
視察はそっちのけ、彼女の笑顔に釘付け、
写真を取ることに忙しかった。
浅野さんだけが楽しんでいる???

101124_wf-mktg-specialist3.jpg

翌日は、フユウ柿の果樹園の農業視察。

101124_orchard.jpg

自分では収穫はせず、客が来て勝手に収穫し、
1ポンド、$1.39支払う、平均購入金額$400前後。
客はほとんどアジア人だった。
70歳のオーナーは54歳で退職後、この農園をスタート。

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16年前に買った100エーカーあまりの土地の、
当時の価格は15万ドル。今では350万ドル、20倍に値上がった。
「はやく農場を売って海外旅行をしたい」悲鳴のように聞こえた。
金では時間は買えない。気持ちがわかる。

1100本のフユウ柿と、1200本のブラックベリー、薩摩ミカン、
アジア梨、これから植えるブルーベリー800本なども栽培をしている。

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シーズン中の週末は、1日に客が数百人来ると言っていた。
この日はスクールバスで先生、父兄、たくさんの子供たちで賑わっていた。

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農場にはシカや、猪が出るそうだ。
300キロの猪を仕留めたハンターもいる。

その後NASAを見学し、あらためてアメリカに偉大さに触れる。

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そして、定番のセントラル・マーケット、
HEB PLUSも相変わらず繁盛していた。

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夜はメキシコ料理とカラオケ、ダンス。

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メキシコ系の女性が陽気に「さあ、踊ろう」と、
我々男の集団に誘いかけて来た。 最高の夜となった。

101124_mexican-dance2.jpg

ビール、テキーラ、マルガリータ、大いに騒ぎ、飲んで踊った。

101124_mexican-dance.jpg

エンターテイメントの学び、実践こそ、今回の最大のテーマである。
これから、ワシントンDC、ニューヨーク、期待で胸が膨らむ。

「浅野さん最高~」
誰が酔っぱらって叫んだ、夜道が怖い。
金曜日の夜の徒歩の帰りは事故が危ない。
運転手もこちらも酔っ払いだ。
空は満月、テキサスの月を見て何を思う。

浅野秀二
11月22日

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