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アメリカ流通 浅野秀二のアメリカ寄稿

浅野秀二のアメリカ寄稿

環境対策進むウォルマート・スーパーセンター

2009年06月27日(土曜日)
カテゴリー:
  • 写真でみる[最新注目店]
  
11:22 AM

サクラメント市は、カリフォルニアの州都・政治の中心というだけでなく、
豊富な水、広大な農地と廉価な土地、急速に人口が増え、
小売業にとっても新しい試みや、興味ある店舗が、最近増えて来た。

不況に対応したホール・フーズ最新店、
フォーチュン雑誌でアメリカで働きたい会社で10位につけた
ナゲット・マーケットの最新店、カスタマー・サービスのレイリーズ、
倉庫型店舗で躍進するWINCO、
2009年の秋には開店予定の22店舗のFresh& Easy Neighborhood Storeなど
話題には事を欠かない。
米、アーモンド、プルンなど有機農業の視察先も豊富にある。
今後の視察先としてサクラメント地区は有望である。

今日は話題の改装・最新ウォルマートを紹介したい。

★Walmart Supercenter(最新・省エネ・ストア・HE.6タイプ)
6051Florin Road,
Sacramento CA
Tel: 916/427-9719

6月17日(2009年)全米で省エネが一番進んだ
ウォルマート・スーパーセンターが開店をした。

地域の天候に合わせた最新のテクノロジーで、エネルギーの効率化がはかられ、
環境にやさしくなっている。
エネルギーと水の使用量を減らし、ごみも最小限にした。
最新の冷暖房、冷蔵、照明システムで、エネルギーの使用量を減らし、
グリーン・ハウス・ガス排出をコントロールしている。

今まで省エネ・ストアより30%の効率化を達成し、
地元で製造されたスカイ・ライトだけでも75%の省エネを可能にした。
この5500坪、600名のアソシエイトの働く店舗は、
ほかにも、他店と比較していくつかの違いがある。

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写真のようにWalmart としか書いてない。
Supercenterの文字がどこにもない。
また、入り口は3箇所あり、
正面にはWalmartのサインがある。
右は食品のあるMarketのサインと入り口、
正面左がHome、Pharmacy、
その左は、Outdoorへの入り口となっている。

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店内に入ると、鮮やかな青い色が店内いっぱいに使用されている。
カートや、多くのサイン、キャシャー台、従業員の服装も濃淡はあるが、
紺、水色、青系である。(写真)
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確かにターゲットは赤、
ウォルマートは青、
ホーム・デポはオレンジ、
ローズは青と、
競合同士、対称の色の使用が、アメリカの小売業の特徴のひとつではあるが、
今回ほど強烈な青色のアピールは初めてである。

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店内の色は、グローサリーと青果部門は緑色、
ベーカリー、惣菜、魚、肉の売り場はオレンジ色と、
色分けが、シンプルかつ明確になっている。

冷凍ケースのLEDライトは、蛍光灯を比較して70%の効率化が可能となった。
床のセメントは、リサイクル材料ででき、
清掃用の化学用品も最小の使用で仕上げが可能となっている。
トイレの水や、水道の蛇口も無駄な流れは抑えられている。

この新しい店はリサイクルのプログラムで運営されており、
効率化、省エネの店舗で地域社会に貢献するだけでなく、
配置転換でやってきた300名と、新規の300名のアソシエイトを雇用した。

10年以上働いた人が8名、10名は2001年からのオリジナル店から働いている。
雇用でも地域社会・南サクラメント地区に貢献をしている。

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店舗は24時間営業ではなく、朝の6時から深夜12:00までとなっている。
不況に中でも躍進するウォルマート、
彼らの挑戦する、環境への取り組み、
医療保険やアメリカの医療システムそのものを、低価格に変えてしまう試みなど、
世界最大の企業となった彼らから今後も目は離せない。

浅野秀二
6月26日

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回遊魚

2009年06月22日(月曜日)
カテゴリー:
  • アメリカからのメッセージ
  
9:44 AM

私にとって一番ながいお付き合いのある先生は、加藤彰久氏である。
大学卒業後、NCRに入社、その後スーパーで働いた後、食品商業研究所を主宰。
多くのスーパーのコンサルタントをされ、今でも現役。
西に東に北へと、ご活躍中である。
奥さんは、非常に聡明な方で、先生が一歩家を出ると、
どこに行かれるか?
どこに泊まるか?
詮索されない。
もちろん、どこかで聞いたような、携帯のチェックなどはない??。
「浅野さん、私の主人は回遊魚ですから、とにかく泳いでいないと、体も頭も死んでしまうから、どこでも好きなところへ、心置きなく、出かける。元気でいれば良いのよ?」

大学に入学した当日、寮の机の上に、「行動なき信念は死である」書いてあった。
頭に衝動が走った。そうだこれを座右の銘にしようと思った。
朱子学の一派、陽明学の言葉と理解をした。
しかし、私は特別に信念があるわけでなかった。
何をすべきか? 正直迷った。
陽明学はこうとも言っている。
「信念などは行動をしている時、走っている間に生まれて来るものである」
「まず行動せよ」
と。
そう言われても?困った? 
取り敢えず本能に従って生きることにする。

当時、小田実の「何でも見てやろう」という本がベスト・セラーだった。
タイトルが気に入った。
「あるとあらゆる仕事を学生時代に体験する、たくさんの彼女をつくろう。」
この程度の発想しか、頭に浮かんで来なかったのである。

挑戦第一は、今でもある大阪駅と阪神梅田、阪急梅田をつなぐ陸橋に立って、
一日何人の女性に声を掛けることがが出来るか? 
数カ月前まで、受験高校のために、男女は別なクラス異なる方針で教育を受けた。
歪んだ青春でもあった。
お陰で女子生徒と口を聞いたこともない、19歳の田舎っぺであった。
陸橋を歩く女性を何時間も睨みつけても、
一声も声を掛けることが出来ない日々が続く? 
陽明の徒?よ、浅野頑張れ。
心は恥ずかしさで震えていた。

その点、授業をサボることを覚えた当時の学生には、アルバイトの挑戦は簡単である。しかし、肉体的にはキツカッタ。
翌日の道場でも練習はフラフラで臨むことになる。
まず声が出ない。出ないと容赦なく蹴りや、拳が飛んでくるのである。
ヤケクソで声を出す。
しかし、練習が終わる頃、すっかり、元気になっている。
これが不思議であった。
「元気であるから、声が出るのではなく、
声を出すから元気が出る」
これは勉強になった。

朝の挨拶は大事だ。大きな声の出る職場は成功する。

日本は今未曾有の不景気である。
企業業績が良くなく、また豚インフルもあって、米国視察研修の取り止めも多い。
研修が本当に役に立つか?
再吟味されているとも聞く。
役に立つか、たたないか? 
それは考え次第だ。

私は個々の企業の業績は、経済環境もあるが、フット・ワークが大切と思っている。
あのモンゴルが、重装備のゲルマン騎士団を破ったように、
軽快なフット・ワークこそ命だ。
金があるから、業績が良いから、米国まで研修に行くのか?
行動をしたから、業績が良くなるのか? 
私は信念をもって後者と考えている。
まず、人間常に動くことである。
回遊すべきと思っている。

思った瞬間、行動する。それが若さである。
経験の乏しい若者が、常に経験豊富な熟年に勝つのは、理屈ではない。
行動力である。時には無駄もある。
それでも学ぶものが大きい。

米国研修が、役にたつか?立たないか? 
それはアメリカで勉強した知識ではなく、太平洋を越えてやって来る、
行動力と意欲である。

男は、女に会えるなら、万里の波濤を越えて、どこにでも行かねばならないのである。
躊躇する奴は追いかける資格さえない。(この部分は蛇足)

過去30年にわたって多くの会社、経営者を見てきた。
どんな状況であろうと、毎年やって来た零細スーパーの社長。
会社はすべて大企業になっている。
スーパーも成熟産業になった。ほどほど成功もした。そろそろ守りに入りたい。
日本経済は若さがなくなった。

海外研修は知識の取得ではなく、国際化社会に通用する心と体の行動力を鍛えるチャンスである。
やる気のある奴は、必ず異文化に好奇心を持っている。
国内のマンネリ化した日常生活の中では、感受性が鈍っている。
故郷から遠く離れた時に、感性が研ぎ澄まされる。
そこに喜びと感動がある。
また、上司や人事部が行く人を選ぶのではなく、手を挙げた人を連れて来る、そのような
方法も考えていただきたい。

清水会長のひと言で、幹部全員、650名を連れて来ていただいた会社もある。
毎年、2回必ず来る社長もたくさんおられる。
豚インフルの一番騒々しい時に来たグループもあった。(写真)
彼らの行動力には、私も脱帽した。
大いに楽しんで、感動して帰った。
もちろん、何事もなく、無事に帰って、元気で全員働いている。

「行動無き、信念は死」相変わらず、信念なぞない、
ただ、回遊魚のように動きまわること、それが信念となった。

浅野秀二
6月19日

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レッツ リサイクル!

2009年06月19日(金曜日)
カテゴリー:
  • はつえの発見! in USA
  
3:08 PM


最近の日本では、リサイクルのためのゴミの分別なんて当たり前!
のことかもしれませんが、私の住むネバダ州ラスベガスではまだまだなのです。

日本を離れてグアム島へ移住した時も、まずビックリしたのはゴミの分別がないこと。

生ゴミ、ビン類、アルミ缶、粗大ゴミ、み~んなまとめて同じ場所へポイッなのです。
大変なゴミの分別をしなくてもよいので、最初は楽ちんでいいなぁと安易に思っていました。

そして、アメリカ本土へ引っ越してきた時もこの状況は同じでした。

最初に住んだアパートのゴミ収集場所には、家庭から出る普段ゴミに混ざって
ソファからタンスに大型テレビまであり、
引っ越してきたばかりの私たちには、ちょっとした宝の山でした。
実に我家の最初のコーヒーテーブルも、テレビ棚も、ソファもそんなゴミ収集所からの勝利品だったのです。

数年が経ち、やはりプラスチックボトルやガラス瓶を他のゴミと一緒に捨てることに抵抗があった私は、
コンドミニアムから一軒家へ移り住んだと同時に、リサイクルを始めることに決めました。 

ラスベガスでは任意のリサイクル。
まずはゴミの収集業者『リパブリックサービス』に問い合わせて、リサイクル用のバスケットを貰います。
そして、決められた日に家の前へそのバスケットを出しておけば取りに来てくれるというシステム。

リサイクル用のゴミの分別は至って簡単で4種類のみ。

①赤バスケット***アルミ缶、缶詰缶、プラスチックボトル。

②白バスケット***新聞、電話帳、雑誌類。

③青バスケット***ガラスビン。 

④段ボール類(解体しておくこと)

それでも、2週間に一度のリサイクルデーに家の周りを見渡せば、
私の住んでる通りでは約半分くらいの家でしか実行していないのが現状です。(少ないよねぇ。)

あるリサイクルデーに、バスケットを外に出し終え家の中へ戻った私は、
知らないおじさんが今出したばかりの我家のゴミを漁っているのを窓越しに発見! 
ごそごそと何かを選んでいる彼の不審な行動をしばらく見ていると、
我家のビン類をバスケットの中から抜き取っているのだということが分かりました。

カリフォルニアほか、数州では、ある種類のビンやペットボトルを
お店やリサイクル所へ持って行くと、一本につき数セントの現金に交換してくれるのです。 
泥棒さん達にとってこのリサイクルデーは絶好の稼ぎ時なのかもしれませんね。

ゴミを盗まれるのは変な気分だけれど、彼らの目的はお金であれ、リサイクルには変わりないからね、
良しとしましょうかね。。。

初絵スミス

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