商人舎

アメリカ流通 浅野秀二のアメリカ寄稿

浅野秀二のアメリカ寄稿

エンターテイメント スピーチ

2009年05月30日(土曜日)
カテゴリー:
  • アメリカからのメッセージ
  
2:00 PM

日本のパーティーに招かれた。アメリカに住んでいると、本当に幸運である。
30分間のスピーチ、私はエンターテイメントと認識した???
歌を歌うことにする?もちろん、カラオケではない。
バック・グランド・ミュージックもない。
歌なら3分で感動させることができるる。
もちろん、30秒で絶望の可能性もある。

加山雄三の歌、「恋は紅花」
♪I love you、Yes I do、愛しているよと、君に言いたくて、
そのくせー恐いのさー、君に今度会うまで、見つけておこぉね、その勇気を♪

気持ちよく歌った。
でも、期待の感動した顔はどこにも見えなかった、
それどころか? 絶望し、あきれた、哀れみの眼差しだ。

以下、スピーチに切り替える。
(テープからの文字起こしをいただきました。)

―私のアメリカ体験と今感じていること―

この歌が日本での私の青春だったのです。でもアメリカで体験したことは、そのオープンな愛情表現に素直な人たち、言葉で表現する文化でした。新鮮でした。
私は変わろうと必死にもがきました。

ところで皆さん、キリストの高弟、ヨハネの言葉で、“初めに言葉ありき、言葉は神なり”という言葉を聞いたことがありますか?
日本では言霊(ことだま)、という言葉もあります。言葉に宿っていると信じられていた不思議な力のことです。それから、神という字を思い出してください。示すに申す、と書きます。言葉なんです。これは東洋も西洋も変わらないのです。

言葉で表現することが大切です。はっきりと彼女や、奥さんや子供さんに、お前かわいいよ、愛しているよ、そしてよく働く社員がいたらありがとうと。もし、皆さんのお店におばあちゃんが来られたら、おばあちゃん来てくれてありがとう、と言う。店に来る人には、言葉で感謝を伝えましょう。
会社が、仕事があることも、本当にありがたいことですよ。思うだけではダメだと私は思います。言葉で表現することが本当に必要だと思います。彼女や奥さんに対しても、子供さんに対しても、おばあさんに対しても、社長さんに対しても、世の中の全ての人に対して、ありがとうが必要だと思います。

今日は700人の方が出席されていると聞いています。30分の持ち時間をいただきました。30分かける700人です。計算したことがありますか? 350時間ですよ。1日は24時間しかありません。皆さんの15日分以上の時間をいただいております。こんなにすごいことはありません。皆さまに心からお礼を申し上げたいと思います。

さて、アメリカでの体験談を今からお話ししたいと思います。

アメリカに来た初日に女子大の寮に入りました。そのころから女子大は共学に変わりつつありました。部屋に入って1時間も経たないうちに、がっちりした韓国の若者がドアをノックしました。
「お前は、Mr.Asanoか?」
「そうだ」
「お前はこの寮で何が起こっているか知っているか?」
「知らない? 毎日、日本の女性の留学生が誘拐されて、アラブ人の男たちにレイプされている。俺は東洋人の男としてこんなことは絶対に許したくない。アラブ人は36名くらいいる。日本の男たちに声をかけても誰もついて来ない。お前、戦おう、やるか?」。

もちろん、NOですよ。会社まで辞めてアメリカに来たのに、初日から喧嘩、闘いに巻き込まれるわけには行きません。怪我をしたり、死んだら、先輩や友人は笑うでしょう。親はどんなに嘆き悲しむか?
断ろうと思ったけれども、出てきた言葉はイエスでした。韓国人の若者が、日本女性を救うというのです。私は25歳の若者でした。

2日後、金曜日の夕方6時に講堂にみんな集める。お前はできるだけ強そうな格好をしてこい。私は下駄をはき、黒帯を締めました。彼はミリタリールックでした。
韓国の猛虎部隊って知っていますか?
大日本帝国陸軍の将校だった、朴大統領の自慢の部隊です。空手4段以上で組織した人殺し集団です。ベトナム戦争に行って、ベトナム人を一人殺すと耳と鼻をちぎって持って帰るんですね。現金100ドルが、米軍から出たんですよ。一日10人殺すと1000ドルもらえました。本物の殺し屋です。

彼がへたな英語で演説しました。今でもこの英語は良く覚えています。
永遠に忘れません。
From now on, Anybody touch oriental girls,I will break your neck.
今日から東洋人の女性に手を出したらあなたの首をへし折る。

2対36ですから向こうは勝てると思うわけですよ。男たちが立ち上がりました。ジャック・ナイフの鳴る音を数えました。カチカチカチ6回、相手は6名です。

私は一番前の男と2番目は、下駄を顔面におもいっきり投げつけようと思いました。その後はどう戦う? 

そしたら韓国の男が静かに、さっと右手を上げて、俺がこの右手で何人の人を殺してきたかお前たちは知っているのか?と言いました。その時の、蛇のような目を私は今でも覚えています。要するに、今、あなたたちが私を叩きのめしても、俺を殺さない限り、俺は夜、お前たちを襲うよ、必ず仕返しをしてお前たちを殺す・・・。

彼を殺さない限り、絶対に殺されます、殺し屋ですから。向こうもその気配・殺気がわかります。
彼らは引き下がりました。

その日は勝利のうちに終わりました。そして、彼が部屋にやって来て、
「Mr.Asano、酒を飲もう」と言いました。
彼は酒を飲んで、やがてワンワン泣き始めました。
俺たち韓国人は、柔道をしても、空手をしても、スポーツをしても、勉強しても、何をしても日本人に負けるものはない。しかし、3対3、5対5で、日本人と韓国人が喧嘩したら、100%俺たちは負ける。絶対に勝てない。お前たちは団結する強さを知っている。悲しいかな、われわれは団結を知らない。彼らは、日本の団結力を高く評価していました。

会社経営もベクトルを、方向を、合わせて、同じ方向に向かっているわけですね。大変な力を発揮します。小数精鋭の、ベクトルを合わせた、そういう組織、そういうものは日本人がもっとも得意とするところです。海外に出ると日本のことが良く理解できます。
皆さん、われわれは、日本は、今でもその団結の精神、伝統を保持しているでしょうか? 

これは35年も前の話です。

次回に続く

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島国ジャパン

2009年05月17日(日曜日)
カテゴリー:
  • 日本と日本人への想い
  
3:03 PM

水際作戦で、毎日テレビに出てくる厚生大臣は、今は大スターである。
総理大臣に相応しい人物として順位を上げてきた。
自民党・麻生内閣にとっては、この作戦は自民党人気に一役かっている。

「福は内、鬼は外」
平安時代?から続く豆蒔き、江戸時代の「鎖国」その精神は今も変わらない。
「非核三原則」「平和憲法」そして今度の水際作戦、
島国日本は門戸閉ざし、閉じこもる事によって多くの問題を避けてきた。
決して解決をしたのではなく、避けて来たと言った方が良いと思う。
いや、本当を言えば、国民の目を欺いたと言うべきである。

中国から福岡に入った。
10日間以内にアメリカにいた方は、申告の必要があった。
書類を渡され、日本での行動予定を記載しなければいけない。
長崎、熊本、福岡と書いた。担当者はどこに宿泊するか?聞いてきた。
「私は知らない」と答えた。
それでは困る、追跡調査にホテル名が必要と言うので、携帯番号はあげた。
携帯は繋がらないことが多いのでこれも駄目と言う。
何とか友人の名前を言い、日本人ということで入国が許された。

一時間後、空港詰め所の保健所から携帯に電話があった。
「その後の健康状態はどうですか?体温を毎日測ってください。」
「私は先ほど出たばかりです。健康状態が悪かったら、自分で病院に行きますよ、子供でないですから?」
取り敢えず、友人がホテル名は伝えた。
その後、福岡の中央保健所から携帯に電話があった。
翌日は一時間おきに、長崎、熊本、福岡の保健所から電話が掛かって来た。
保健所「ところで翌日は何時に電話をしましょうか?」
私は答えた。
『予定を変更して明日帰ります』

もう指名手配者のような気分になった。
徹底していると言えば格好はいい。

政府やマスコミが騒ぐのは解らなくもないが、でも何か?異常だ。
季節風のインフルエンザと変わらない。弱毒性ははっきりしている。
そしてまもなく世界中に流行する。
その時は、世界中から入って来る人の水際作戦、追跡調査をするのか? 

アメリカでは季節風インフルで年間20万人が病気になり、
36000名が死んでいる。

成田空港で完全武装をした保健所の一団が行進していた。
彼らが浮き上がって見えたのは、私だけでないと思う。
徳島の学校が京都の修学旅行を中止した。
京都は外人が多いから危険?
子供の楽しみや、一生の思い出は、どうなるのか?

アメリカのように、患者とパーティーをして免疫をつける。
これも行き過ぎかも知れない。でも解らなくはない。
強毒性に変化した時、免疫があるので病気にならない?
これが正論かもしれない。

生きて行くことは、実はあらゆる危険に免疫をつける行為と同じだ。
生きていれば、危険は避けて通れない。
いかに免疫をつけ、たくましくリスクと同居して生きるか? 
短期的にリスクを避けることは、長期的にリスクをかぶることと同じである。

経済も同じ。
グルーンスパンの不景気を避ける政策で、今回の大不況を招いた。
恋愛も同じ、リスクを避けたら前には進まない。

故郷の尼子氏の武将、山中鹿之助は「我に七難八苦を与えたまえ」祈った。
今の不景気も、豚インフルも大きな問題ではない。
身が震えるような、困難の時こそ幸運、それを神に感謝して生きる。

リスクを避けて、ごまかして生きる時には、破滅的なリスクに遭遇する
それだけは避けたい。

アメリカ入国は通常どうりであった。(何の質問も書類記入もありません)
半年後にまた土下座を覚悟して、このブログを書いた。
馬鹿は死ななきゃ直らない。???

浅野秀二
5月15日

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旅・北京PARTⅡ

2009年05月11日(月曜日)
カテゴリー:
  • 旅先からのつれづれ日記
  
10:11 AM

ある中国人に尋ねた。
「中国の王朝で一番領土の広かった時代は?」
「元朝時代」私は反論した。
「それはモンゴル人の王朝でしょう。」
「それなら唐の時代」
「もちろん、唐の時代は中国の全盛期、領土も元朝に次いで広かったですね。
でも、唐とか、隋はトルコ系ですよ。」
「それなら清の時代?」
「それは満州人でしょう。」
「いや、中国中原に兵を進め、政権を樹立すれば、すべて中国ですよ。」
これは単一民族の日本人にはなかなか理解できない。
中国は他民族国家である。

秀吉の夢想が実現して、朝鮮を手にして、
明の大都・北京に政権を樹立していれば、
その後は、日本人も中国の少数民族になっていた可能性がある。


3日目は、広大な頤和園にタクシーで行く。
ここは清の乾隆帝の時代に完成、あの西太后が隠居後住んでいた別荘もある。
期待以上に美しく、2時間、池の周りを歩いた。

疲れたので、裏門のような所から出た。
タクシーは無かった。白タクの運転手が寄ってきた。
「50元?」私は相手にしない。外国では絶対白タクは駄目である。
正門まで帰る。タクシー乗り場には、たくさんのタクシーが駐車していた。
3~4名の運転手が近づいてきた。その中の一台に乗る。
目的地、カルフールの店に着く。
運転手が「50元と言った。」
そんな馬鹿な「25元だ?」
メーターを確認しようとした。何とメーターが無いのである。
これは白タク? おかしい?
私は間違いなく、タクシー乗り場でタクシーに乗ったはずだ。
巧妙なトリックに嵌った。
猛然と抗議をした。怒鳴りつけた。
相手が振り返る。
マフィヤの目つきだ。これは危険だ。
タクシーの運ちゃんが、マフィヤに脅かされてビジネスを譲ったのか?
たいした金ではないが、これが、中国に来ると感じる緊張感の原因である。
その後は、できる限り、地下鉄利用に切り替えた。
わずか35円で相当の距離が乗れる。駅員さんも外人に親切であった。
当然だが、中国にも良い人はいる。

カルフールの店は、天井も低く、狭く、洗練されたフランスの雰囲気はまったくない。
中国社会に埋没した店舗であった。


徒歩でITO YOKADOに行く。
日本の商品も多く、ローカルの店より、多少価格も高いし、高級感もある。

ウォルマートにも行って見る。
当然ながら高級感はないが、価格の品揃え、店の雰囲気、
アメリカから来た良さが感じられる。
中国の品揃えと非常にうまくミックスされていた。
かなりの賑わいである。

ウォルマートの中国での展開の成功は疑いの無い事実だ。
今後も一段の飛躍が期待される。
スーパー・センターは、すでに121店舗、3店舗のサムズ・クラブ、2店舗のネイバー・フッド店、これから100店舗のコンビニを計画中でもある。
ウォルマートのキャッシャーの月給は2万5000円程度、30年前の日本の給与と考えられる。

北京で最大・巨大シッピング・センターにも行ったが、
かってテレビで放送されたような消費ブーム・熱気はなかった。
世界同時不況もここでも感じた。

日本企業は、中国を新規市場として熱い眼差しをむけている。
確かに人口も多く、金持ちも増えてきたかもしれない、
中国のビジネスには、3つの欠けたものが目についた。
①サービス精神がない
②信用できない
③コピーの世界(オリジナリティがない)

高校時代に日中友好協会のミーティグに何度も出席をした。
目を輝かせ、「アジアに光を、東京・北京」と歌を歌ったこともある。
3度の訪問で中国ビジネスと政治の幻想は醒めた。
これからも、観光、映画、文学の世界は、楽しませていただこう。

今年中に、BRICのロシアとインド、次に続くトルコをできれば訪問したい。

浅野秀二
5月09日

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