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アメリカ流通 浅野秀二のアメリカ寄稿

浅野秀二のアメリカ寄稿

旅・北京

2009年05月08日(金曜日)
カテゴリー:
  • 旅先からのつれづれ日記
  
7:20 PM

福岡に行く用事ができた。
日本行きは、どこかに寄り道をする習慣になっている。
それは子供の頃の、学校の行き帰りと変わらない。
山あり、川あり、田や畑があり、魚とり、ザリガニ、野球の三角ベース。
だいたい親もまっすぐ帰ると心配をした。

先日、日本で見たジョン・ウー監督映画
『レッド クリフ PART2』三国志の赤壁の戦いが忘れられない。
100億円以上かけた壮大なシーン、こんな面白い映画は久しぶりだ。
林チーリンの(台湾のモデル)小喬役があまりにも可憐で、可愛くて、
日本的で感動した。
服まで日本の着物そっくりである。
曹操の風林火山、紀元221年ごろの三国志の時代が、
1500年後の日本人の戦国時代と、どうしてもオーバーラップしてしまう。

この映画を見た後、今回の寄り道先は、中国に再度行こうと決めた。
もちろん、21世紀の超大国、躍動する中国も見たいとも思った。

サンフランシスコから北京まで12時間半、搭乗前にアナウンスがあった。
『最近・2週間以内にメキシコに行った人は、申し出ください。
北京到着後、検査・拘束する可能性があります。』

一瞬全員に、緊張と動揺が走った。
でも飛行機の中は誰もマスクをする人はいなかった。
オリンピック前に完成した超モダンな北京空港に到着すると、
健康状態を書き込んだ書類の提出し、入国手続き。
ところが税関、荷物検査は無いのである。
豚インフレも忘れた。

空港内も外も蒸し暑い、空気が汚れている。
到着の喜びと言うか?興奮も期待も感じない。
過去の経験から来る??緊張だけが走る。

空港から途中、オリンピック会場、鳥の巣をみてホテルに向かった。
高速道路の両側はたくさんの木々を植林され、緑が非常に多くなった。
また街のあちこちに高層ビルが乱立している。
ところが、一歩路地に入ると、まだ昔の中国が残っている。

翌日は天安門、紫禁城、万里の長城を見学。
北京は古くは、女真族の金の都、その後モンゴルの行政の中心、大都となり、
明の時代に中国の首都なり、清、中華民国、中華人民共和国と、
中国政治の中心として今日に至る。
600年の歴史の都である。
現在の人口は1700万人を越え、広さは四国ほどあるそうだ。

それにしても中国各地から来たお登りさんで、どこも人が溢れかえっている。
赤や青の帽子をかぶり、添乗員が旗をもって民族の大移動だ。
40年前の日本の農協さんと変わらない光景だ。

紫禁城の柱を建築する時に、一本切り出し、運ぶのに1万人の労働者が
かり出されたが、500名しか、生き残れなかった苦難の話をきく。
長城建設に召集されることは、死刑宣告と同じで、2度と故郷に帰ることはなかった。

山の頂上を連なる6000キロを越える長城、
まさに地と汗、涙と怨念、悲しい多くの物語は、我々の想像を絶する。
多くのお登りさんを見て、
今の中国の人々は、歴史的に一番幸福な時代に生まれた人たちではないかと、
つくづく思えた。
飯が食えて、毛沢東霊廟見学ができる彼にとって、
灰色の空は大きな問題ではないのかもしれない。

紫禁城は9995部屋もあり、敷地は72万平方メートル。
城壁の高さは10メートルを越す。
赤と金色、多少の青い色だけだ。
暗殺を恐れたため、木は植えていないので緑はない。
後宮3000人は、中国人特有の大言壮語と思ったが、
システムとして本当に3000名いたそうだ。

現代の一般人は、生活や食事でも当時の王侯貴族のような暮らをしている?が、
女性の人権の高まりで、残念ながらこれだけは適わない。
それとも私に知らない世界があるのでしょうか?

浅野秀二、5月07日

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旅・モンゴル

2009年05月06日(水曜日)
カテゴリー:
  • 旅先からのつれづれ日記
  
2:40 PM

「可愛い子には旅をさせよ」
子より可愛い自分が、まず旅をする事と思っている。
豚インフレエンザで暇になった。
5月05日、北京に行くことにした。

今回は昔話。
3年前に堺屋太一さんに付いて行ったモンゴルの旅のことを思い出した
今までで旅の中で一番楽しかった、そのことを書こうと思う。

ご存知のように、モンゴルには、あの世界帝国を築いた宮殿・遺跡など何もない。
ユーラシア大陸の真ん中、見渡す限りの草原に覆われた高原・山々があるだけ。
私の見たこの光景はジンギスカンが見た光景。
1000年経った今も変わらないはずだ。


何もないと不思議と想像力が逆にわいてくる。
当時の生活や、戦い振り、ジンギスカンの思い。
彼らは何を思い、何に駆られて、ヨーロッパの果てまで兵を進めたのか? 
地に境界はなし、人の間に差別なし?

ロシア、トルコ、イラン、イラク、東欧諸国、インドまで征服、
中国、韓国を支配、2度にわたって鎌倉時代に日本にも攻めてきた。

ヨーロッパで彼らを迎え撃ったのは、ヨーロッパ最強軍団、ドイツとポーランド連合軍。
7万のゲルマン民族騎士団、重装備の将兵たちが、
博物館でお馴染みの鎧、兜で対抗した。
ところが、皮の鎧をまとった軽装備の、馬を自由に操るモンゴル兵の敵ではなかった。

スペード・フット・ワークの勝利であった。
今、企業経営で望まれるも、それは軽快なフット・ワークである。
さあ、腰を上げよ。走れ。
豚インフレエンザなど恐れるな?
(店舗も設備投資に金をかけた重装備の時代ではない。人材教育・人に投資)

東方遠征で有名なアレキサンダー大王や、ロシアは失敗、
最強の軍事力をほこる米軍ですら手こずっている、
そのアフガニスタンもモンゴルは征服。
インドを攻め、あの世界遺産の霊廟タージ・マハルを造ったムガール帝国(モンゴル帝国のインド的発音)も建国。
あの勇猛果敢なモンゴル兵もインドの暑さには、
疫病続出で歴史的な苦戦をしている。

誰もが平和を望むと、日本人は言う。
彼らの征服の歴史を知ると、それはうそだと思える。
人間社会はそんな言葉でくくれない。
平和より、覇権を望んでいる人も多くいることが、歴史からわかる。

平和より、覇権が尊い。
今の中国は平和なぞ望んでいると思えない。中華民族の栄光と覇権である。
ロシアもそう考えられる。ジンギスカン時代と変わらないのだ。
私がモンゴルに行こうと思った理由は、
堺屋太一さんが日経新聞で連載していた、
ジンギスカンの小説と本を読んだことにある。

それはアメリカの仕組みは、すでにモンゴルが作っていたという文章であった。
アメリカを売って、飯を食っている私には見逃せない言葉である。
モンゴルの仕組み
1、文化不介入と敵を抹殺できる圧倒的な軍事力を持つ
2、人材の登用は民族や、宗教、氏素性は問わない
3、自由貿易と非兌換券、元朝が出した紙幣は当時のユーラシア大陸、どこでも通用した
4、帝国全土に張り巡らした、通商重視の駅伝と道路、情報網の整備

第二次世界大戦後のアメリカ
1、広島、長崎に落とした核、東京大空襲など、それにあたる。
2、シリコンバレー、ウォール街に代表される、多国籍な人材の活用
3、自由貿易の標榜と世界で通用するドル通貨
4、高速道路・フリーウェイの整備、スーパー・ハイウェイ構想による情報網の拡充

もちろん、これ以外にもたくさん共通点はある。 

わが国日本のことを考えると、2世議員に代表される閉鎖性など、問題が見えてくる。
少数民族のモンゴル人が、巨大な人口を誇る中国や、イランを支配がなぜ出来たか?
その人材活用ノウハウを、企業経営者は、知らないといけない。
日本人しか通用しない、同郷、同窓の優遇、また有能な人材の定年、女性の活用の遅れなど、日本企業にまだ改善のチャンスがある。

グローバル化する今の経済活動は、
地域社会で、こじんまりと生きて来れたスーパー経営者にとっても、
他人事ではなくなった。
小売業において、平和でない、覇権を求めた戦いは、今始まったばかりである。
経営者2世は優秀な遺伝子を持つ人が多い。
戦場や修羅場をくぐれば、立派な経営者になれる。
可愛い子には旅が必要だ。
商人舎の研修に2~3世の参加も期待したい。

浅野秀二
5月01日

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今日のニュース② 新型インフルエンザ

2009年04月30日(木曜日)
カテゴリー:
  • JACアメリカ流通リポート
  
10:10 AM

メキシコを中心に新型インフルエンザが世界各地に広がる中、
同国だけでなぜ犠牲者が増えるのか、専門家の間で謎が深まっている。

同国の死者数(28日午後10時半現在)は152人に上る一方、
同国以外では犠牲者が出ていない。

(30日現在、米国内に滞在中だったメキシコ人幼児が死亡と報道されました―事務局)

疑い例を含む感染者数(同)は1995人で、豪州の88人、ニュージーランドの54人に比べて突出する。
計算上の死亡率は7・6%に達する。

AP通信などは
〈1〉ウイルスの種類が違う
〈2〉栄養不足
〈3〉水不足
〈4〉大気汚染
〈5〉医療体制の不備
を「考えられる理由」として挙げるが、すべて憶測にすぎない。

2009年4月29日
JAC報告

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