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アメリカ流通 浅野秀二のアメリカ寄稿

浅野秀二のアメリカ寄稿

サムライ日本優勝

2009年03月26日(木曜日)
カテゴリー:
  • 日本と日本人への想い
  
3:33 PM

ついに喜びの土下座の写真を載せる日である。

やきもき、ハラ、原、させられたが、サムライ日本が優勝だ。
ロスは韓国系の人口が非常に多い。
ソウルに次ぐ韓国人の多い街は、ロスアンゼルス周辺
と豪語する彼らの圧倒的な数と熱狂的な応援団も付いている。

彼らは攻撃を主体とするチームである。すなわち、波に乗る可能性を秘めている。
その点、日本は、ヒットで1塁に出ると、必ず次はバンドだ。
これでは攻撃は波に乗らない。
WBCのような国際試合は実力伯仲、背水に陣を引いた方が有利だ。
それはノーアウトでも2死と思ってやる気構えで、1死献上はありえない。
少なくとも私はそう理解をしていた。

今回もバンドによる追加点ではなく、すべてヒットを打って加点をしてきた。
アメリカ人の解説者も何度も言っていた。

『 Japanese are too conservative.保守的過ぎる』
『Lack of Aggressiveness,積極性が足らない』
『Korea should win,韓国が勝つべきだ』

これがアメリカの見方だった。
でもそのアメリカは日本に負け、日本は強敵韓国も下して優勝した。
最後まで自分の野球を貫いた原辰則に敬意を表したい。

今回は、私も日本人の気持ちに変化を感じていた。
それは男・サムライの覚悟である。
『武士道とは死ぬ事に見つけたり。』
葉隠れではないが、自己犠牲をはらってでもチームに貢献する、
命を掛けてもやるべきことはやる、そのサムライ伝統がある。
若い選手はそこまで理解があったかどうか知らない。
でも最後のイチローの言葉にそれを感じた。

イチローこそサムライだ。

それにしても、日本人選手は、イケメンだった。
岩隅の端正な顔、ダルビュシューの美男振り、
稲葉、イチロー、すべての選手も精悍な面構えであった。
戦う男の顔であった。
その点、韓国は野武士集団の面構えであった。
戦後の50年、野球も強くなったが、体格、面構えも、動きも洗練されてきた。

今回、多くの国の選手には共通点があった。
それはプロレスラー紛いの太った選手が多い事だ。
それは近年のアメリカ野球の、パワー・ヒッター依存の野球にある。
私はサンフランシスコで何度も、バリー・ボンズのホーム・ランを見てきた。
彼は真芯にボール当てることだけ考えていた。
力がある(筋肉強制剤?)のでそのまま当たれば、ホーム・ランになる。
マクガイヤも同じであった。

筋肉強制剤は、本来の野球の面白さを奪ったのかもしれない。
単純化したアメリカの野球に、走る、取る、投げる、打つ、
イチローがもたらした効果は大きい。
明らかに日本人選手は、どこの選手より、体が絞り込まれていた。
アメリカの選手ジーターが言っていた。
日本人選手は誰も足が速い。

100キロを越す韓国人選手が2名出てきた時は驚いた。彼らも大砲依存野球か?

日本に野球が世界一であることを証明したと言うより、
力を合わせ、一つの目的に向かって突き進む、
日本人の特徴の良いところが発揮された。

野球でこれが可能なら、経済でも政治でも可能なはずだ。
日本人は実に能力の高い国民である。
今、それをあらためて再認識をし、誇りを取り戻し、すべてに前向きに挑戦して欲しい。

サムライ日本万歳

浅野秀二
3月24日

「ブログの写真はお辞儀だけでは、さえませんので、花と鳥を入れます」という浅野氏の要望により、写真を入れました。本当は、土下座姿だけでも、十分、絵になったのですが…。<事務局>

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WBC

2009年03月12日(木曜日)
カテゴリー:
  • 日本と日本人への想い
  
7:52 PM

命あるものは愛しく、美しい。
サバンナで獲物狙って全力疾走するライオン、
熱砂漠の人知れぬ小さな花、
厳寒地で春を待つ草木や動物、植物も動物も全力で生きている。

また生きることは戦うことでもある。
我が家の愛犬、チビタも餌さに手を出すと必死で噛み付く。
チビタくん

人間は、全力で生存のために生きる力に触れた時、感動を覚える。

さて、3月8日、アナハイムのホテルで朝の4時に目が覚めた。
出発は朝6時、時間がある。
思わずテレビをつけた。
韓国と日本のWBC予選決勝をやっているはずだ。
いやな予感がする。

韓国に一勝した日本は必ず気持ちが守りに入る。
1・韓国対ゼロ・日本、接戦だ。
奇跡を信じて8回まで見た。

*以下、私が説明をするより、インターネットから引用*

韓国の3番手は柳賢振。1死後、イチローがセンター前へ運び出塁。
ここで韓国は4番手・ヤクルトの林昌勇に交代。
続く中島がバントを決めて2死二塁の好機を演出するも、
青木が投ゴロに倒れ日本はこの回も無得点。

信じられない、2番中島が初めからバントの構えだった。
クリーンナップにバントをさせる。
まして俊足のイチローが一塁にいる。高い盗塁の可能性もある。
ここでバントすれば、2死。
次は限りなく得点の可能性が低くなる。

これを好機と考えるセンスはわからない。
アメリカ人の解説者も言っていた。

「Doesn’t Make Sense 理解出来ない。誰か教えてください。」

私もわからない。誰か野球に詳しい方、教えてください。

日本は前回の世界チャンピオン。
このスタイルで優勝したのだから、
アメリカが正しく、日本が間違っているとは言わない。
後は好き、嫌いかの問題である。

私は少なくとも、原の采配には失望をした。
感動を覚えなかった。
小手先の勝利には感動はない。

心で叫んでいた。
「守ってはいけない。攻めないとだめだ。
 死ぬまで挑戦者だ。守るべき物は何も無い」

日本経済は不況である。
1500兆円を貯めて不景気?? 老後が不安だ、もっと貯金をしよう。
あと50兆円積み増せば不景気から脱出出来るとでも言うのか?
1400兆円の10%を使えば140兆円、
アメリカの経済活性化、スタミナ・プランの2倍の金が動く。

アメリカと違い、日本には資金はある。
原監督のような確実な勝利を考えた官僚の政策では、
感動も経済活性化も不可能だ。

経済と野球は違う?

2009年のWBCに、再び日本はチャンピオンになれるか? 

疑問だ。

なれたらこのコーナーで、土下座した写真を載せます。
そしてどんな非難にも耐えます。

チビタくん2

ああ、土下座をしたい。

挑戦者、日本頑張れ!

浅野秀二
3月10日

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That is the end of the world・地の果て

2009年03月09日(月曜日)
カテゴリー:
  • 視察&インタビュー日記
  
10:07 AM

3日間、テキサスのオースティン、ダラスを走っている。
30年以上前に最初のホームスティー先の人に言われた。
「テキサス?」
「That is the end of the world。それは浅野君、地の果てだ」

天国のようなカリフォルニアから考えれば、
確かに“西部の荒くれカーボーイ”の大男、
バーボン・ウイスキーと喧嘩、撃ち合いのイメージがある。

2軒目のホームスティー先でのマフュー女史との会話。
当時は毎日、2000名のベトナムの難民がサンフランシスコ空港に、
着の身、着のままで、押し寄せていた。
私はこの薄汚いアジアの難民を、同じアジア人でありながら、
こんなにたくさん毎日入ってきたら、
アメリカは困るのではないかと変な心配をした。

その事をマフュー女史に聞いた。
彼女はキョトンとした不思議そうな顔をして答えた。
「浅野君はサンフランシスコから、テキサスまで車で走った事はあるか?」 
もちろんなかった。
「一度走って見なさい。ミリオン・ザ・エーカー(何百万ヘクタール)の荒野、
人が住んでいない土地がある。アメリカは無限だ。
ベトナム人の100万人や200万など屁(?)ともない。」


夕闇に浮かぶテキサス州庁舎


桜が咲いていました。美しいものは良い。

2年前、一人で視察の下見を、レンタカーでした。
ダラス・オースティン・サンアントニオ・ヒューストン、またダラスと、
2000キロ近く3日間で、40店舗回った。
店舗視察は平均10分、ただひたすらに走る続けるしかない。
もちろん山などない。
見渡す限りの平原が続いている。

途中、夕立に会う。
バケツをひっくり返したような、日本的表現はここでは合わない、
雷は天を八つ裂きに割き、太平洋を逆さまにしたような雨量。
まさに水中散歩なみである。
ワイパーなど役に立たない。車を止めてじっと待機した。

やがて雨が止んだ。猛暑、熱波が瞬時に襲ってきた。
ガソリンスタンドに飲料を求めて入る。
クレジットカードで金を支払った。
インド系のオーナーが私の住所を見た。

貴方は、カリフォルニアのアラメダ市に住んでいるのか?
私も3年前まで、あの町に住んでいた。
懐かしい、帰りたい。
テキサスには、ビジネスのチャンスがあると聞き、
20年間経営をしたアラメダでのレストランを売り払って、ここにやって来た。
人生最大の後悔。それはテキサスに来たことだ。ここの夏の暑さはたまらない、
あの北カリフォルニアのような天国のような気候が、たまらなく恋しい。

しかし、テキサスの人はそのようには考えない。
この地は神から自分たちに与えられた地上の楽園。
テキサス州民であることに、偉大なる誇りを持っている。
その広大な土地、かってアメリカの中で唯一、独立国であった歴史。
優秀な企業も多い。

ハイテックのデル・コンピューター、テキサス・インスツルメント、
航空機業界でナンバー・ワンになったサウス・ウエスト航空、
小売業でもたいへん優秀な企業がある。


セントラル マーケット

スーパー業界では必ず、トップにあがる、H-E-B、セントラル・マーケット、
自然食スーパーの雄、ホール・フーズ、
地元で絶大な支持を誇るマーケット・ストリート、
働きたい会社の上位に必ず名を連ねる、コンテナストアと、
すべてテキサスが本拠地だ。

マーケット ストリート

これらの企業に共通する点。
それは、いずれもカスタマー・サービスが、大変優れていることである。
彼らは本当に親切だ。
サウザン・ホスピタリティーと呼ぶ。

ホール・フーズ

サウス・ウエスト航空は、JALのように、最初に安心・安全を標榜はしていない。
航空会社では、そんな事当たり前である。それ以上の事を誓う。
顧客・従業員を喜ばすこと、幸福にすることこそを、使命と考えている。
ホール・フーズも単なる自然食スーパーではない。
人を喜ばすこと、エンターテイメントこそ、事業の根本と考えている。
H-E-Bもエブリディー・ロープライスの単なる低価格の店ではない。
サービスこそ、彼らが売っているそのものだ。

日本も世界に冠たる、サービス大国である。
日本人は世界で一番親切かもしれない。
でもテキサスのそれと何かが違う?? 形の文化?それだけではない。
それは心の問題だ。
自己肯定の文化と、自己否定の文化との違いと考える。

昔、韓国人の大変不親切な運転手に会った。 
私は尋ねた。
「君はそんなに日本人が嫌いか?」
「I hate Japanese. 日本人は憎い」
「アメリカ人は?」「I hate American.」
「では韓国人は?」「I hate Korean、韓国人も憎い」

不思議でもなんでもない。
これが自己否定の論理、その当然の帰結である。

自分が可愛いいから、人も自分が可愛いと考えられる。
自ら誇りに思うから、人も同じように、
自分を誇りに思っていることを前提で考えられる。
自分の会社や、住んでいる国を愛せない、誇りに思えない人の親切など欺瞞だ。

外国で日本の悪口を言う政治家など信用できない。
外人に馬鹿にされているのが、解っていないようだ。

自己肯定こそ、接客、カスタマー・サービスの原点であると考える。
テキサス人のサービスは自らを誇りに思う心や、自己愛から来ている。
日本人よ、もう一度誇りを取り返そう。
その時こそ、日本は、真に世界一のサービス大国と言えるのではないか?

浅野秀二 3月07日

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