商人舎オフィスに出たら、
「セルコレポート」が届いていた。

私の新連載は、
「結城義晴のTide of Time」
そして今回の第10回は、
「食品消費税率1%に備えよ」

ちょうど今日その法案が、
衆議院を通過した。
議論が深まったとは言えないし、
財源も明らかにはならなかった。
成り行き任せ、の強行。
この印象はぬぐえない。
しかし実務の面では、
対応しなければならない。
政治も経営も理論的に、
筋が通っていなければならない。
政治は論理なし、
だが経営は論理性。
これで行こう。
さて、
㈱バローの関東2号店が開業。
工藤澄人編集長が取材に行った。
バロー本羽田店。
小池孝幸バローホールディングス社長が、
「商業的な爆弾を投下するイメージ」と称した、
関東1号店「横浜下永谷店」開店からからほぼ1年。
今度は、東京都下に初の商業的爆弾を投下した。
場所は羽田空港に近い、東京都大田区本羽田の住宅密集地帯。
元々はOlympic本羽田店があった物件への居ぬき出店。

売場面積は659坪。
1年前の横浜下永谷店の617坪よりやや大型となり、
その分、通路幅を広く取って店内の回遊性向上に努めた。
横浜下永谷店はすでに年商55億円を超えて、
60億円に近付きつつあるとのこと。
小池社長は記者会見で語る。
「この本羽田店も年商60億円は狙いたい」

横浜下永谷店との違い。
青果→鮮魚→精肉だった流れを、
鮮魚に人が溜まりやすかったことから、
精肉を手前にした。
ぱっと見の印象は、
「前作より派手な人気シリーズ第2弾」といった趣。
「われわれとしては、
(関東)2号店はどうしても、
失敗するわけにはいかないじゃないですか」
「一発屋と思われたくないから」
笑いながら語った小池社長だが、初見は、
「これはかなりの高確率で成功するのでは」という印象だ。
鮮魚売場は前作の横浜下永谷店よりも面積を拡げた。
築地・豊洲から仕入れた50種類の魚が所せましと並ぶ。

鮮魚売場担当者が声を張り上げる。
「今ある商品は今日だけですよ、
売り切れごめんで明日はありません」
青果売場冒頭を華やかに飾るのが、
「八百屋の生フルーツデザート」

フルーツ大福に加えて、
この店からシュークリーム商品を投入。
野菜売場では、自社工場で製造されたえのきやぶなしめじを、
菌糸栽培瓶付きの状態で陳列。
販売時に担当者が商品部分を切って手渡す。

精肉売場では大皿盛の飛騨牛が所狭しと並び、
この店からはロースビーフに加えて、
ローストポークが導入された。

惣菜売場では「飛騨牛コロッケ」を、
オープン記念価格税別100円で販売。
横浜下永谷店では開店3日で7000個を売ったが、
本羽田店では3日で1万個販売を狙う。

バローグループの指定農園から購入したサツマイモ「シルクスイート」を、
天ぷら、大学芋、焼き芋等で商品化。
フルーツ商品でもこのサツマイモを使った商品を展開し、
一つの素材を部門を超えて活用する体制を売場で実現している。
取材で小池社長はしきりに「製造小売業」という言葉を口にした。
店内には「自社工場製造商品」のPOPが多数並び、
そこには競合店を始め、
他のスーパーマーケットでは置かれていない商品が並ぶ。

開店チラシをまったく打たずとも、SNS時代、
オープン初日の開店時間は40分前倒しの8時50分。
その時点でお客はすでに200人並んでいた。

小池社長によれば、
Olympic全体の買収も視野にあったが、
「同社独特の多角経営で、店舗規模がばらばらで、
それをすべてというのは難しかった」
今春、PPIHがOlympicを買収する直前に物件提案があった、
この店舗に入居という流れとなった。
とにかく自転車客が多い。
一方、車客は少なく、
店の周辺には長蛇の列ができているのに、
屋上始め駐車場は空いている。
公的データはないが、AIによれば、
「地域の地理的特徴や大田区の施策資料から推測すると、
本羽田周辺は自転車の所有率や利用頻度が非常に高い(多い)地域」
確かに糀谷駅への道すがら、自転車屋がよく目立つ。
「平日に自転車のお客さんが取れることは今日でわかった。
問題は週末広域からのお客様にどれだけ来ていただけるか」
その意味で、開店翌日の週末がまた別の大きな勝負。
今年9月に都内で自転車客を主とするスーパーマーケットが、
雨にたたられた。
同じように雨の日の集客力は気になる。
晴天に恵まれた開店日は、
「箱もの商品」を積んだ自転車客が多数いたが、
それがどうなるか。
と不安点もないわけではないが、今冬、
その成り行きは必見という大注目の店である。
以上が工藤編集長の報告だ。
私も行ってみよう。
しかしこのバローの新店も、
食品消費減税対策になることは間違いないだろう。
〈結城義晴〉

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