マーケティング&ストラテジックマネジメントの「良い戦略」

今日も大阪。
万代知識商人大学第10期。
11月の講義2日目。
東大阪市渋川。
奥が㈱万代本社、右が会議棟。
今日は意外に暖かい。

万代カレッジの11月のテーマは、
マーケティングマネジメント。
今日は最後に、
ストラテジックマネジメントも語る。
司会は石川慎也さん。
人事部マネジャーで万代大学第1期生。
はじめにいつものようにレポートの発表。
前回の講義に対して各自がレポートを書く。
10月はオペレーションマネジメントの講義だった。
生産性向上や実務の改善についての考察を発表。

恒例の発表が終わると、
今度は機能の店舗クリニックの報告。
10期生たちは昨日の座学のあとで、
6班に分かれて大阪エリアの6カ所の店舗を視察した。
いわゆるMR、マーケティングリサーチ。
チェーンストア業界で言えば「ストアコンパリゾン」。
競合店を見て、その良さを学び、
自社の強みと弱みを改めて確認する。
一つの班の発表が終わると、
受講生から質問が投げかけられる。

和久取締役からの質問も出る。
和久さんはそのうえで班ごとの発表を評価する。
私はストアコンパリゾンを
「基幹経営戦略にせよ」と言っている。
ウォルマートの創業者サム・ウォルトンは、
「Retail is Detail」と言った。
「神は細部に宿る」

つまり現場にこそ企業の戦略が現れる。
店舗を詳細に見るスキルこそ、大事な技術なのだ。
その班もよく調べて、
自分たちなりの報告してくれた。

見たい範囲、自分が担当する売場だけを、
見たり調査したりするのではいけない。
食品以外の住関連や衣料の売場も、
さらには施設全体の環境や顧客の買物行動まで、
丁寧に見ることが大事だ。
もちろん短時間のMRでは、
焦点を絞って調査する場合もある。
つまり目的に応じて臨機応変にMRする。

MRを当たり前の習慣にする。
阿部秀行社長も加藤取締役も和久取締役も
経営トップたちはMRのスキルに長けている。

そこでラインストラクチャー・グラフをおさらい。
そのなかでもっとも使われているのがPFグラフ。
価格(Price)とフェイス(Face)数を調査して、
折れ線グラフにする。
そこに企業の商品戦略が現れる。
それから講義はロイヤルカスタマー論。
角田雄二のスターバックス創業物語。

最後はコトラーの「マーケティング4.0」。
そして結城義晴の持論。
「チェーンストア3.0」
マーケティングマネジメントをテーマにした、
1日半の講義はこれで終了。
昼食をはさんで、
午後は「ストラテジックマネジメント」

はじめにMessage。
「今、良い戦略を」
戦略が良ければ、
戦術の失敗は、
挽回できる。
良い戦略があれば、
戦術でミスを犯しても、
その間違いを取り戻すことができる。
しかし戦略が悪ければ、
まず戦術は失敗しやすい。
現場の努力は実りにくい。
さらに悪い戦略の場合、
ある戦術が成功したとしても、
それが成功すればするほど傷は深まる。
戦術が成功するほどに、
悪い戦略の深みにはまっていって、
戦略の悪さが表に出てこない。
その結果として、
悪い戦略が長きにわたり継続され、
組織は茹でガエル化によって破滅に至る。
戦略が良ければ戦術の失敗は挽回できる。
戦略が悪ければ戦術の成功が逆に、
マネジメントの死をもたらす。〈結城義晴〉

それからJ.バーニーとマイケル・ポーター。
SWOT分析とPPM分析。
一気呵成にストラテジックの中心理論を、
しかもわかりやすく話した。
これ、私の特技の一つ。
将来、幹部になったら必須の理論だ。
社内講師として芝純常務が登壇。
テーマは「万代の営業戦略」。

営業の総責任者として、
現在の戦略とこれからの方向性を丁寧に語ってくれる。

全体像を示して営業の戦略について学ぶ。
こんな贅沢な講義はない。
それだけ期待されていることを、
受講生たちは真摯に受け止める。

万代カレッジの講義も今日で終了。
1月には修了のための発表が残っている。

最後の最後はブルーオーシャン戦略と、
バリューエンジニアリング論。
そして総括の講義。

カレッジの最終講義が終わると、
受講生たちが深々と礼をしてくれた。

10期生の講義にずっと付き添ってくれた、
和久取締役にも振り返って礼。

3月にスタートした万代カレッジ10期。
いよいよ年明けの論文発表と修了式だけ。

和久さんには心から感謝。
そして来年もよろしく。

良い戦略は戦術の失敗を挽回する。
これ、一番重要なことだ。
〈結城義晴〉









































