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第五回 ハードウェアが1000倍進歩したのにも関わらず…| コンピュータ・リテラシー研究会

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第五回 ハードウェアが1000倍進歩したのにも関わらず…

2009年02月16日(月曜日)
カテゴリー:
  • 當仲寛哲VS玉生弘昌 対談
  
8:00 AM

當仲寛哲(USP研究所)VS玉生弘昌(プラネット)対談 

玉生:今から20年ほど前に、ダウンサイジングという言葉が流行りました。
メインフレーム、大型汎用機と呼ばれる、昔からのコンピュータを入れ替えて、
新しいオープン系の機械にし、コストを数分の一に下げようというものです。

実際、アメリカの場合は、ソフトウェア会社が、
昔からの古いテクノロジーしかもっていないSEをリストラして、
UNIXが分かるSEを採用しました。

当時は、会社が儲かっているのに、なぜ人の首を切るのか?
という批判も出ましたが、これはまさに技術の入れ替えだったのです。

ところが、そのとき、日本は全く技術の入れ替えを行いませんでした。
そのため、今でも古い仕組みのものを、日本だけがたくさん抱えている
状態になってしまったのです。

皆さん、ムーアの法則はご存知かと思います。
ゴードン・ムーアという、インテルの創業者の予言で、
「半導体チップは1年半で倍に進歩する」というものです。
1年半で倍ですから、3年で4倍、4年半で8倍、6年で16倍、
…10回倍になると1000倍になります。
15年間ぼやぼやしていると、
ハードウェアは1000倍進歩していることになります。

プラネットでは、23年間で5回マシンを入れ替えていて、
その度に、システムの運用コストが大幅に下がっています。
そのため、サービス利用料を、これまで7回も値下げしてきました。

一番最初に導入したプラネットのセンターマシンは、20億円しました。
ところが、今では同様以上のものを200万円ほどで調達することができます。
それだけITは進歩しているのです。

皆さんの会社は、この20年間で何回マシンを入れ替えたでしょうか?
最新の機械を使えば、売上1000億円の企業でも、
マシン1台で全ての伝票処理ができます。
そのために必要なソフトウェアは、たぶん数十万円で済みます。
ところが、そこに踏み込むことができない企業が大半です。

なぜなのでしょうか?

■オープン化を邪魔するマシンルームの大型汎用機■

玉生:企業のシステムは、表で示したように分類できます。

例えば、基幹系と呼ばれる業務の基本は、受発注を行い、
このデータ処理をコンピュータで行い、請求書に発行するというものです。

これを大型汎用コンピュータで行えば、提携的な業務を自動化することができます。
この業務を高性能サーバに入れ替えれば安くなるのですが、
大型汎用コンピュータからの移植ができません。

一方で、事務所内にパソコンはたくさんあります。
このパソコンはオープン系です。
それが増殖して、LANでつながっている。
事務所を見渡して、それぞれの机にパソコンがあると、
自分の会社がオープン系だと勘違いしがちですが、
実はマシンルームの奥の方には、
大型汎用機に象徴されるような昔からの仕組みが密かに動いており、
企業の変革を阻むのです。

さて、レガシーとオープン系はどのように違うのでしょう?

UNIXやLinuxのように、公開して開発されたOSで動く仕組みを、
オープン系といいます。
ここではWindowsもオープン系に含めます。
オープン系とレガシー系では、OSも違いますが、文字コードも違います。
オープン系はアスキーコードが中心で、統一が取れていますが、
レガシー系ではEBCDICなどが中心で、統一が取れていません。

文字コードが違うと、互換性がありません。

また、レガシー系の仕組みでは、
世界で当然の通信仕様とされている
TCP/IPでの通信ができないということも、大きな問題です。

ところが、レガシー系のシステムを、オープン系のシステムに
切り替えようと思っても、
システム部長には技術的な知識が無いために、
社長に問題点を説明することができないのです。

                                      第六回に続く

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