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知識商人登場!當仲寛哲の巻[第3回 LINUXとの出会い①]| コンピュータ・リテラシー研究会

コンピュータ・リテラシー研究会

知識商人登場!當仲寛哲の巻[第3回 LINUXとの出会い①]

2009年07月27日(月曜日)
カテゴリー:
  • 當仲寛哲VS結城義晴 対談
  
11:50 AM

対談は、當仲氏がダイエー時代に取り組んだ衣料品部門での帳票整理の話に及びます。
バイヤーや担当者と夜中の1時、2時まで話し合ってつくられたのは
「単品詳細」「アイテムマネジメント」「品番動向」という三つの帳票でした。
初めは、紳士服の水着の部門で使われたこれらの帳票が、
これはなかなか使えると評判を呼んで、
紳士服全体、婦人服、子供服へとダイエーの衣料品全部門で帳票が活用されました。

結城:

コンピュータシステムとか情報システムというと、
まず、トータルなものができあがっていて、
そしてそこからパーツができるというふうに考えられがちです。
でも當仲さんの言う「安い、早い、柔らかい」だったら、
部分から始まり、どんどんどん広がって、
横にアメーバ状にひろがっていくというんでしょうか。
そういう機能みたいなものがあるということですね。

★「システムはコンピュータにない、システムは業務にある」

當仲氏:

そうですね。
僕の基本的な考え方は、「システムはコンピュータにない」という言い方をするんですが、
「システムは業務」にあるんですね。

システムは、仕組みとか仕掛けのことですから、
要するにスイッチを押したら明かりがつくとかですね、
そういったのがシステムであって、別にコンピュータではないんです。

じゃあ、会社としての一番大きなシステムというのは、
要はどうやったら会社を維持できるかとか、
どうやったら売上げが伸びるか、
そういった仕組みが一番、会社にとって大事なシステムです。

そのシステムを細分化していくと、
たとえば、商品を仕入れる仕掛け。
どうやったらいい商品を安く仕入れられるかといった仕掛けです。
あるいは販売のシステム。
売場を良く見せて、お客さんが選びやすいようにする、お買いものが楽しいと感じる、
そういった売場をどうやって作るかという、
そのノウハウそのものがシステムなんですよ。
そして、間を繋ぐ物流。
だから、それをいかに効率よく無駄なく、鮮度を保ちながら運ぶかという、
そういった工夫の一つ一つがシステムです。

結城:

小売業の基本、経営そのものですね。

當仲氏:
コンピュータというのはあくまで道具で、
コンピュータだけでシステムができているわけじゃないんですね。
だから、あるケースは紙でやった方がいい場合もあるし、
あるいは、みんな集めて直接話かけた方がいい場合もある。

當仲氏:

そういうふうにして考えると、
いいシステムを作ろうと思ったら、
逆に、コンピュータでなんでもかんでもやろうと思ってはいけない。
いいシステムというのは、業務や現場の中に眠っているのであって、
それを引き出して、
その中でコンピュータを適用したらいいところに、コンピュータを入れる。
そういう発想なんですね。

だから、何か全体を決めてやるんじゃなくて、
もともと業務がある場所から、
どうやったらその業務が上手くいくかということを、
やっぱり業務をやってる人間と一体になってやるということが大事です。

コンピュータをベースにおいた発想からすると、
全部決めてないと、無駄なコンピュータを入れるんじゃないだろうかとか、
最終的に繋がらないんじゃないかとか、
いろんな心配をするんです。
最終的に繋がらなかったとすると、それは業務ではありえない。
業務をサポートする以外の変なものを作ると、
それは繋がらないかもしれないけど。

でも、もともと業務っていうのはあるわけだから、
つまり小売業の場合、仕入れて、要は売るといった、
そうったこう仕事がある限りにおいて、
システムとしては機能してるんですね。

★「コンピュータ技術は会社の知恵をパワーアップするもの」

當仲氏:

コンピュータを全てを理解してからじゃないと入れられないというのは、
実はコンピュータの技術の問題です。
柔軟でないような、一回入れたら直しが効かないとか、
全部話を聞いてからでないと作れないとか、
それは、道具としてのコンピュータのレベルが低いから、
そういう話になっているだけです。

それをあたかも全部聞かないと作れない、
それがコンピュータなんですよとか、
それがシステムなんですよとかいうのは、
それは多分、問題のすり替えだと思うんですよね。

だから、僕はコンピュータの技術を磨くことによって
本来、その会社の知恵であるようなシステム、
その業務の中にあるようなシステムっていうものを抉り出して、
それをさらにパワーアップしていくようなものを作っていく。
そのための技術っていうのを追い求めていくべきだと考えたんです。

結城:

そこで出会ったコンピュータ技術というか、
情報の世界があったんですよね。

當仲氏:

そうです。
私が使っているコンピュータはちょっと変わったコンピュータを使ってまして、
普通みんなが使っているコンピュータは、Windowsというのを使ってると思うんですが、
私が使っているコンピュータはLinuxというコンピュータです。

続きます

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