RMLC2009年6月度報告―#3 ケノス小林氏の報告
杉山昭次郎氏に引き続き、ケノスの小林清泰氏より
環境省の「省エネ照明デザインモデル事業」優秀店舗を受賞した
セーブオン本庄蛭川店の取り組みについて語っていただきました。
『「平成20年 省エネ・照明モデル事業」にみるセーブオンのエコストア』
㈱ケノス代表取締役社長 小林清泰さん
セーブオンのストアデザインの刷新の例を紹介したい。
同社にとっては、3回目のデザイン刷新になる。
ストアデザインの基本的な部分は
トップランナーであるセブン‐イレブンが先導していて、
業界全体としては大きく変わっていない。
したがって、機能と社会性を提案すべく、
環境省主催の「省エネ・照明モデル事業」にエントリーした。
コンビニ業態は、環境省にとっても、24時間営業問題もあり、
敵視していた業態だけに、逆に注目してくれた。
紹介店舗はサービスエリアの店であるが、店外店内オールLED。
24ワット照明で、通常は40ワット。
LEDの消費電力は少ない。
照度も3分の2とし、補うために壁面にも照明を施した。
照射角90度。机上面よりも正面(立面)の明るさを感じる。
天井もライン照明で連続感を出した。
製品も国産。
40.3%の電力削減で4万時間の寿命(フル営業で5年間)。
リーチインには異なった防水仕様のLEDを設け、明暗をくっきり出した。
照明にはさまざまな見方があるが、
太陽光の100を指数として、その再現性にRAという指標がある。
この指標の程度がLEDの質を決める。
レジ上では顔色を良く見せる自然光に近い、高いRAのLEDを採用。
LED選定の重要な要素である。
オープンケースでは違ったLED。
初期コストは通常の3~5倍かかる。
社会性を持つという意味で、環境省は小売業の取り組みに注目している。
スーパーマーケットで8店舗、コンビニでは30店舗規模が
温対法、改正省エネ法の対象になるだろうし、その対策も注目されている。
パン売場。
炎色性がよくて暖かい色。
熱は出るが、光そのものには熱は出ないので、
商品の品質にも影響は出ない。
ただし、基部が熱を持つため、その放熱に課題がある。
モデル事業については、工場、オフィスのエントリーは多いが、
商業施設の意識はまだまだ高くない。
平成20年度実績では、小売り・サービス業では
イトーヨーカドー、ダイエー、その他、フードサービス、
ツタヤ、カーディーラー、モデルハウス、スポーツクラブがある。
上限400万円の助成金が出る。
デザイン、設計が助成金の対象。
取り組みの結果は、新聞全段広告で発表され、
雑誌、テレビなどの取材もなされるなど、パブリシティ効果は高い。
消費者に対するメッセージ効果は十分にある。
『食品商業』編集長 山本恭広