商人舎

アメリカ流通 浅野秀二のアメリカ寄稿

浅野秀二のアメリカ寄稿

セーヌ川クルーズ(2)

2012年01月12日(木曜日)
カテゴリー:
  • 旅先からのつれづれ日記
  
9:21 AM

明けましておめでとうございます。
商人舎エンターテイメント担当として
今年もよろしくお願いいたします。

****************************

今回きているセーヌ川クルーズ・ツアーの行程に
世界遺産の中で人気ナンバー1の
モンサン・ミッシェル修道院が含まれていなかったので、
ツアーの前に、インターネットでホテルを2日間、予約した。

飛行機はいつもマイレージを使用しているので、
金を払ったことがない。

空港からホテルまで、タクシーで45ユーロ(約60ドル)。
ニューヨークのJFK空港からマンハッタンより、多少高い。
運転手はカンボジア人だった。
パリ周辺に60万人もいるそうだ。
パリも多国籍化している。
ホテルは中くらいのクラスで230ユーロ、
これもニューヨーク並だ。

翌日は「マイ・バス」という日本人向けのツアーに参加。
パリからドーバー海峡に向け、片道5時間走る。

20120112_montsaintmichel.jpg

フランス人のガイドさんいわく、
モンサン・ミッシェル修道院に行く観光客は
日本人が一番多いそうだ。

20120112_montsaintmichel2.jpg

中国人も目立つが、日本の若い人が多い。

20120112_montsaintmichel3jpg.jpg

夜の7時ごろ、パリに帰ってきて、町を散策することにした。
運よく、15分でコンコルド広場にでた。

20120112_paris2.jpg

大きな空中回廊があった。

20120112_paris.jpg

ここはあのフランス革命の時、
マリー・アントワネットがギロチンにかけられた場所だ。

ここから凱旋門まで2キロ歩く。
あの有名なシャンゼリーゼ通りだ。
スペルはLes Champs Elyseesと書くらしい。

20120112_champs-elysees3.jpg

道の幅は100メートルもある。
クリスマスのためか、
たくさんの日本の露天商のような出店が、
左右数百メートルにわたって出ている。

20120112_champs-elysees.jpg

EUは景気後退に入ったと言われているが、
そんな感じはしない。

20120112_champs-elysees2.jpg

ぶらぶらと、でもスリには合わないよう気をつけながら、
人波をかき分けて進む。

ホームメイドのワインが3ユーロで売られていた。
なんと燗がしてある。

20120112_champs-elysees-hot-wine.jpg

ワインをあたためて飲むのは初めて、いい気持ちになる。
ところが、まったく酔わない。
また別のホームメイド・ワインを飲んだが、
気持ちはよくなるが、酔わなかった。
理由はわからない。
安物、ホームメイドのワインはアルコールが低いのか?
でも冬場に飲む暖かいワインは最高であった。

20120112_champs-elysees-dog.jpg

なんとか凱旋門までたどり着いた。

20120112_arc-de-triomphe.jpg

それからホテルまでまた歩く。
合計7~8キロ、約5時間ほど歩いた。
今日の歩きのノルマは達成、今晩は熟睡だ。

翌日の午前中はルーブル博物館に行った。

20120112_louvre-museum.jpg

あまりの広さに圧倒され、駆け足で見て歩く。

20120112_david.jpg

モナリザの前の人だかりは凄かった。

20120112_mona-lisa.jpg

28年前に見た、
敵の首を刀で切ろうとしている戦争の絵は
見つからなかった。
日本でも外国でも、殺し方は同じなのだと、
非常に興味を持った記憶があった。

いったんホテルに帰り、チェック・アウト。
タクシーで船着き場へ行き、
チップ込みで18ユーロを支払った。
「2ユーロはチップだ」と言ったら、
運転手は望外の喜びのような笑顔を見せた。
チップを払う習慣があまりないのかな?

さて、午後は小売業でも見よう。
地下鉄乗り場にきたものの、
切符を買う自動販売機の使い方がまったくわからない。
他のアメリカ人も戸惑っていた。
親切なフランス人に教えてもらい、
なんとか切符が買えた。
フランス人はアメリカ人ほど親切ではない。
今回はラッキーだった。

20120112_subway.jpg

パリ市内の繁華街に着いた。
イタリアのローマほど、
小型のグロサリーとレストランが
一緒になっているような店舗も見受けられないし、
スーパーも目立たない。

パリ郊外にはカルフール、オーシャンなどの
ハイパーマーケットや、
LIDL(リドル)のようなハードディスカウントストアが
たくさんあったが、見学はできなかった。

そこでパリ市内では百貨店を見ることにした。
さあ、デパ地下見学だ。
パリには食品を売っている高級百貨店が2軒ほどあると調べていた。

とりあえず、ギャラリー・ラファイエット百貨店に入った。

20120112_lafayette.jpg

なかなかの高級感だ。
すぐ地下に行くが、食品売り場がない。
もしかして最上階か?
が、ここにもない。
こうなったらと、全フロアーを見てまわった。

20120112_lafayette-center.jpg
店の真ん中は総吹き抜けになっていて、
巨大なクリスマスツリーが飾り付けられていた。

20120112_lafayette-chiristmas-tree.jpg

天井のステンドグラスのようなアートは、
まぶしいほど美しかった。

20120112_lafayette-ceiling.jpg
これには正直興奮した。
サンフランシスコのノードストローム百貨店の
一階から最上階まで総吹き抜けは、
このデパートがモデルだったのかと、感銘した。

屋上に行くと、360度にわたってパリ市内が見えた。
真下はオペラ座だ。

食品売り場は実は別館にあった。
惣菜や高級食品を売っている日本のデパ地下と違い、
本格的なスーパーマーケットだった。

20120112_lafayette-produce.jpg

野菜、魚、肉、グロサリー、すべて売っている。

20120112_lafayette-chicken.jpg

しかも、地下でなく、1階にあった。
私はその方が合理的だと思えた。

20120112_lafayette-seafood.jpg
日本の百貨店も売上げマイナスに悩んでいないで、
1階に本格的なスーパーマーケットを展開すればよい。
既成概念で商売を考える必要なない。
グルメである必要もないし、
まして利便性の低い地下である必要はない。

ちなみにアメリカのデパートには食品売り場はない。
これも不思議だ。

来客頻度を高めるためには、食が主戦場である。
「百貨店の1階にスーパー」こそ、
百貨店の再生の起爆剤になる可能性を感じた。

20120112_lafayette-display.jpg

最終日はもう一つの百貨店、
ボン・マルシェに行こう。

(つづく)

<By 浅野秀二>

コメント (2)

セーヌ川クルーズ(1)

2011年12月20日(火曜日)
カテゴリー:
  • 旅先からのつれづれ日記
  
2:35 PM

なぜかは知らないが、
12月はセーヌ川のクルーズだそうだ。
山の神のお告げは絶対だ。

20111220_river-cruise.jpg

セーヌ川はフランスの中では第二の長さの河川で、
全長は780kmほどある。
パリを流れる川として、あまりにも有名。
欧州大陸の多くの川がアルプスを源流とするが、
セーヌ川は標高480メートルの高原が水源である。

20111220_tree.jpg

今回きたのは、
パリから大西洋の近くまでの450kmを、
5日間かけて往復するリバー・クルーズ。

さて、クルーズの2日目。
ヴァン・ゴッホの住んでいた家と、
彼と兄弟の墓を見学した。

20111220_vangogh-cemetary.jpg

偶然にも、「ジョージ君、アメリカへ行く」第20話の中で、
「浮世絵がフランスの印象派の絵に
影響を与えたというスピーチをした」
という話を掲載したちょうどその日だった。
年間300万人もの人が訪れていると聞いた。

20111220_vangogh3.jpg

印象派はフランスでは非常に人気があったようだ。
正直、中学の美術の時間にゴッホや
印象派ではないが、ムンクの「叫び」を初めて見た時、
自分の心の嫌な部分を見ているような、
愛憎半ばした複雑な感情があった。
印象派のマネや、踊り子の絵で知られるドガなどは、
人前で好きと言えた。

20111220_vangogh2.jpg

それにしても連日、雨である。

20111220_tour-in-rain.jpg

気候は冬の日本海のようだ。
朝は9時頃まで暗く、夕方4時過ぎるともう暗くなる。
この気候は明らかにゴッホの性格や絵に
影響を与えた気がする。
明るい色に憧れたはずだ。

20111220_rainbow.jpg

セーヌ川沿岸は世界遺産に指定されているが、
特別に興味をもつような風景はなかった。
古い城跡と教会、中世の町並み、
5年前に初めて見た時のような感動はない。

20111220_church.jpg

船の中ではもっぱら、パソコンに向かって仕事をした。
アメリカにいる時の生活と正直、変わらない。

20111220_asano-working.jpg

インターネットのおかげで、
我々の仕事はどこでもできる。
良いことか、悪いことはわからないが。

時間が取れず、なかなかバケーションに行けない人には、
リバー・クルーズは最高の選択肢かもしれない。
船から見る景色は、いつも変化するし、
食事はあげ膳すえ膳。
仕事に飽きるころには、陸地に立ち寄り、
バスで適当に観光地案内もしてくれる。

クルーズ4日目は、「史上最大の作戦」と言われた、
ノルマンディー上陸作戦のビーチを訪れた。

20111220_normandy2.jpg

実はあまり気にしていなかったが、今回のクルーズは、
パリとノルマンディーがメインだったらしい。

20111220_asano2.jpg

ノルマンディーとは、North man という意味で、
12世紀にはバイキングが占領していた土地らしい。
また、ここの領有を巡り、
イギリスとフランスは100年戦争を繰り広げた。

20111220_germany-map.jpg

とにかくこのビーチは、アメリカ人にとっては、
大切な訪問地のようであった。

ノルマンディー上陸作戦では、
16500名ものアメリカ軍、イギリス軍、カナダ軍が
砂浜に船を沈め、8kmにも及ぶコンクリートの浮橋に
人工的な港湾施設を造った。

20111220_normandy3.jpg

1944年6月6日、上陸用舟艇4,000隻および
艦砲射撃を行う軍艦130隻を含む6,000を超える艦艇と
12,000機の航空機が上陸を支援した。
迎え撃ったのは、20世紀最高の戦術の天才と言われた
ドイツの有名なロンメル将軍だ。

これこそ歴史に残る、史上最大の上陸作戦だった。
これにより、最終的に300万人近い兵員が
ドーバー海峡を渡ってノルマンディーに上陸し、
ベルリンを目指した記念すべきビーチであった。

20111220_normandy.jpg

いずれにせよ、気の遠くなるような物量・数字である。
連合国側は1万人以上の死傷者をだした。
アメリカ人にとって、ノルマンディーは、
日本人にとっての日露戦争で勝利した旅順港や
302高地のような聖地なのかもしれない。

クルーズのツアー客全員で
アメリカ人兵士の慰霊塔に黙とうし、
アメリカ国歌を歌った。

20111220_normandy4.jpg

現在、軍に所属している人、
またはかつて米軍に奉仕していた人が
グループの中で3分の1もいた。
その人たちは最敬礼をしていた。
しかもその中の3名は第二次世界大戦に出征していたそうだ。

20111220_normandy5.jpg

それにしても戦争では双方、多くの若者が亡くなった。
平均年齢21歳だったという。
このような記念碑や戦争博物館をみると、
ここまで生き伸びてきたことに、
本当に感謝の念が湧いてくる。
どうしたら世界は平和で暮らせるか?
人類はいまだに回答を見つけられない。
大量破壊兵器が、戦争への誘惑を阻止している、
という皮肉な現実がある。

帰りのバスの中では、寒いからということで、
地元ノルマンディー産のカルバドス酒が配られた。
カルバドスとは、リンゴサイダーから作られる
アルコール度数40%のブランデーである。
私はそれを、一気に2杯飲んだ。

その後、車内にはシャンソンが流れた。
『枯葉』、『ラ・メール』、『愛の賛歌』、『摂氏盆(C’est si bon)』…
若い頃、聞きなれた歌が旅情を誘う。
そして最後は美人ガイドさんが自ら歌を歌ってくれた。

20111220_tour-guide.jpg

そこで最高に盛り上がった。
彼女は若くはないが、私が唯一見つけた、
田舎のパリ・ジェンヌであった。

パリ市内はニューヨークと同じで、
北アフリカや中近東の人々で溢れ返っていた。
本当のフランス人は地方にしかいない。
20年後の日本見るようである。
日本の東京、大阪の大都市は中国人だらけになり、
地方都市のみが、日本人の住みかとなる。

ワイン1杯でまた妄想が始まる。
2杯飲めばどうなるか?
果てしない妄想だ。
そろそろ2杯目が欲しいので、
今日のブログはここで終わる。

20111220_asano.jpg

浅野秀二
12月19日

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JACからのクリスマス・カード

2011年12月12日(月曜日)
カテゴリー:
  • アメリカからのメッセージ
  
3:40 PM

JACからのクリスマス・カードを皆さんにお届けします。

holiday11webjpg.jpg
今年大活躍してくれた、ジョージ君も一緒に。
ちなみにこのイラストを描いてくれているのは、
後列左端にいる、はつ絵Smithさん。

先日、ロサンゼルスでJACのクリスマス・パーティをした。
その時の写真をはつ絵さんが送ってくれました。

イタリアンレストランでみんなで食事。
20111212-jac-italian.jpg

もちろん五十嵐ゆう子さんもいます。
20111212-jac-italian2.jpg

夕食後、私の部屋でワインやビールを飲んだ。
20111212-jac.jpg

酒を片手に仲間たちと至福のひととき。
20111212-jac2.jpg

盛り上がってきたところで、
ダンスを披露してくれるJACのメンバーたち。
20111212-jac3.jpg

私の話をきいてくれる女性陣。
20111212-jac5.jpg

翌朝はホテル内のスパ「利楽園」で楽しんだ。
20111212-relaken.jpg

ロスに進出している、日本のスパ。
20111212-relaken2.jpg

コーディネーターの森山なおみさん。
20111212-jac6.jpg

みんなもリラックスできたよう。
20111212-jac4.jpg

では、読者のみなさま、
今年も1年間ありがとうございました。
2012年もよろしくお願いいたします。
20111212-christmas-tree.jpg

<浅野秀二&JAC一同より>

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