商人舎

アメリカ流通 浅野秀二のアメリカ寄稿

浅野秀二のアメリカ寄稿

近況報告:つれづれ日記

2011年12月02日(金曜日)
カテゴリー:
  • アメリカからのメッセージ
  
4:42 PM

今年はシーズンが早く終わり、
11月17日以降の出張はない。
久しぶりに事務所にいることが多くなった。

20111202_flowers.jpg
さて、昔「酒とバラの日々」という映画か、歌があった。
酒を一切飲まず、女性にも縁がない暮らしをしていた私には、
「酒とバラの日々」は想像しえなかった。

ところが、ワインを飲みだしたら、
止まらなくなったのである。
朝からワインを飲み、ほろ酔いでする仕事は、
実に愉快なのである。

20111202_asano-wine.jpg

わずか一カ月でアル中になりかけた。

酒はひとりで飲みたくないものである。
やっと酒飲みの気持ちがわかりはじめた頃、
一日にボトル半分まで飲むようになった。

血糖値をはかった。
やはり、多少上がっていた。
やばい。
では焼酎でテストしてみよう。

20111202_shochu.jpg

要するに酔った時の気持ち良さが忘れられない。

人体実験の結果、焼酎の方が、
ワインより血糖値があがらなかった。
結論、ワインでも焼酎でも1日1杯までで、
これ以上は勧められない。

20111202_wine.jpg

先日の私のブログに、ワインは問題ないと書いたが、
これは修正しないといけない。

ところで、バラの日々の方は、
庭のバラを愛でることで解消している。
やはり、酒飲みの気持ちのように、
本物のバラの日々を体験しないと、
正確なコメントは出来ないような気がする。

酒の方はワインで体験できたので、
「バラの日々」もあきらめたわけではない。

20111202_roses.jpg
さて、今日は株が高騰した。
史上7番目の上げ幅、490ポイントの棒上げである。
「世界の6つの中央銀行がドル資金の協調供給拡大」
というニュースを受けてである。

アメリカの11月の小売業も、
ブラック・フライデー、サイバー・マンデーと、
過去最高の売上高の記録を更新した。
11月の民間部門の就業者数が市場予想を上回り、
米雇用情勢の改善が確認されたことも好感された。

今回の9月、10月の株価の暴落は
いろいろな情報から、ある程度予想されていた。
私もたくさんのニュースや雑誌を読み、
その可能性を確信していたが、
それでも株をすべて売るという行動は取らなかった。
いや、取れなかった。
「知っていること」と、「行動すること」と、
「出来ること」とは、実に違うのだと、
今回ほど感じたことはない。

三途の川で、1ドル紙幣が現世と地獄前を行ったり、来たりしていた。
これは苦しい。
地獄に落ちてしまえば、意外と快適かもしれない。
逮捕された大王製紙前会長の井川意高氏など、
すがすがしい顔をしている。

人生の進路が決まらない時、迷ってる時こそ苦しい。
すべてにおいて、判断のあやまりの根源は
心の慾である。
すべての病気は慾病である。

ところで、3~5年後には円は暴落する、
誰もが漠然と思っている。
でも多くの人は行動を取らない。
そんな中、行動をしようとしている先生がおられる。
それは先日の商人舎のツアーでご一緒した林廣美先生である。

20111202_haayshi-tujino.jpg

円の暴落を予想される方は、林先生と話してみてください。
面白いです。
頭の体操にはなります。
確信をもったとしても、
多くの日本人は行動はしないでしょうが。

その商人舎ツアーで、ロサンゼルスにある
林廣美先生の指導先の日系スーパー、
「ニジヤ」をご案内戴いた。
ロサンゼルス郊外の山の中の広大な土地で、
自社で有機農業をしている会社である。

20111202_nijiya-farm2.jpg

社長の辻野氏自ら、本気で有機農業に取り組んでいる。

20111202_nijiya-farm.jpg

林先生の指導のもと、
ニジヤは日本食惣菜で人気を得ている。

ところでニジヤの駐車場にフード・トラックがあった。

20111202_nijiya-truck.jpg

まだ、稼働して2日目だそうだ。
辻野氏いわく、
「1日30~50食で赤字にはならない」らしい。

20111202_nijiya-truck2.jpg
実はサンフランシスコでは、
このフード・トラックが度々問題になっていた。

20111202_newspaper.jpg
20111202_bev-truck2.jpg

移動式スーパーならぬ、移動式レストランである。
不動産の家賃を支払うこともなく、
昼飯時にトラックを路上に停め、
近隣のレストランのビジネスを
根こそぎ奪ってしまうというニュースである。

20111202_bev-truck.jpg

場所と広さにもよるが、
サンフランシスコの家賃は高い。
新聞記事では、毎月9000ドルの家賃を支払っている
レストランのオーナーがサンフランシスコ市に
フード・トラックに対する苦情を述べ、規制を求めている。

20111202_newspaper2.jpg
たくさんの労働者が働く農場や工場前、工事現場では、
飲み物や簡単なブリトー(メキシカン)、サンドイッチなどを
売っているフード・トラックは昔からたくさんあった。
しかし、今回は本格的なミール(食事)である。

サンフランシスコで一番人気なのはJapaCurry。

20111202_japacurry-truck3.jpg

実際に行ってみた。
本当にすごい人気であった。

20111202_japacurry-truck2.jpg

メニューはカツカレーなど、
普通のカレーレストランと変わらず、弁当もあった。
価格はだいたい7ドル~8ドルである。

20111202_japacurry-menu.jpg

20111202_japacurry-logo.jpg
日本のカレーとは何ですか?
日本のカレーは日本で最も人気のある料理の一つです。
野菜と肉の多種多様な日本のカレーを作るために使用されます。
カツカレーは、カレーソースとパン粉をまぶして揚げた豚カツです。
(ジャパカレーHPより抜粋)

大阪の御堂筋でもたくさんの弁当屋が、
路上で商売をしている。
30年前には見られなかった光景である。
これから移動式スーパーや、移動式レストランが流行る。
これこそ新たなるニッチだ。

20111202_japacurry-truck.jpg
時間に余裕が出来ると、
この街に住んでいるありがたさを感じる。

20111202_lake-view.jpg

紅葉した木の葉や、

20111202_autumn-trees.jpg

落ち葉が風に吹かれ、さまよう姿、

20111202_autumn-trees2.jpg

また小動物の可愛さ。

20111202_cat.jpg

20111202_ducks.jpg

やはり、かけがえのない地球を
人間の慾によって、これ以上汚すわけにはいかない。

20111202_birds.jpg

ビジネス社会と地球環境を調和させようとする、
ホールフーズのCEOジョン・マッケイ氏のことをふと思った。
今、久しぶりに時間を堪能している。

浅野秀二
12月2日

コメント (2)

商人舎のツアーを終えて

2011年11月10日(木曜日)
カテゴリー:
  • 視察&インタビュー日記
  
10:03 AM

商人舎ツアーの帰国の日、
ロス空港へ移動中のバスで思わず歌ってしまった。
自然と口から出たのだ。
歌は、「楽しくて、楽しくて、とてもやーりきれない。
この楽しさをみんなーに、告げたァーい。
胸にしみる空の輝き、今日もみんなーで、笑顔で旅をーする、
うれしくて、うれしくて、とてもやりきれなーい。」

結城先生から指摘があった。
「それは、悲しくて、悲しくて、とてもやりきれない。でしょう。」

我々が青春時代に歌った、サトウ・ハチローの詩だ。
確かにあの若い時は、悲しくて、悲しくてが、
その時の気持ちに合っていたように思う。
青春は孤独でさみしいものだ。

20111109_musician.jpg

でも今回のバス中での気持ちは、間違いなく、
楽しくて、楽しくて、だったのである。
もちろん、ツアーが大成功した充実感もあった。

今回は商人舎の10回目の記念ツアーであり、
結城先生は気合いが入っていた。

20111109_wegmans-wine-tasting.jpg

それに実践の師である大久保恒夫先生、
林廣美先生のセミナーもあった。

20111109_asano-ookubo.jpg

今回は10回の中で最高の研修ツアーであった。
もちろん、亀谷さんのリーダーシップ、
トッパントラベルの鈴木さんの献身的な努力もあったが、
それは毎回のことであり、今回が特別であったわけではない。

自分にとって他に何かが違っていた。
実は歌を歌ったのは、ほろ酔い状態だったからかもしれない。
この仕事をして初めて、毎晩、皆様とワインを飲んだのだ。

実は大学の拳法部の新入生歓迎コンパで私は死ぬ思いをした。
それ以来、酒は絶対に飲まないことにし、
この年まで何の疑念もなく生きてきた。

それが最近、ワインにハマッタのである。
きっかけは、糖尿病の完全なるコントロールである。
いままで色々なことを試してみた。

「一日3万歩歩けば、糖尿病はコントロールできる」
というエコスの平社長の言葉を信じて、これを試みた。
しかしこれは時間的に非常に厳しかった。
2万歩までが通常の生活では限界のようである。

今回は食生活の中から炭水化物と糖分を完全に排除する方法だ。
この方法は、東京のセミナー講師として同席した
元ハローデイ熊本の社長、神戸みずちさんに教えていただいた。

食生活を完全に変えて3週間後の数値は完璧。
驚くべき効果があった。
薬もやめた。
しかし、この食生活は自制心を必要として、なかなか辛い。
やはり、何かご褒美が必要なのである。

20111109_wegmans-wine.jpg

ワインは比較的、糖尿病には悪くないという話を聞いた。
そこでワインを飲み始めた。
なんと数値は上がらなかった。
正常値のままであった。
それに気をよくして、以来、夕食時にワインをいただくことにした。
(※後日追記:やはりワインは1日1杯までの方がよい。)

ワインを嗜むようになり、人間関係が変わってきた。
今回はメンバーの皆様と特に親しくなったような気がする。
それが楽しくて、楽しくて、の歌に繋がったようだ。

経営にはコミュニケーションが重要とされる。
コミュニケーションとは、
人間関係重視の経営のことを意味している。
京セラ経営学ではコンパの重要性を説いている。

今回の重要視察先は、
ダラスのHEB・セントラルマーケット、
20111109_central-market.jpg

ホールフーズ、
20111109_whole-foods.jpg

ウェグマンズ、
20111109_wegmansnyc-facade.jpg

マーケットストリート、スチューレオナルド、トレーダージョーなど。
これらのアメリカの優秀小売業は
この人間関係を最重要視している会社である。
アメリカの経営は必ずしもドライでない。
金だけの世界でもない。
日本が昔、得意としていた人間関係重視の考え方だ。

20111109_fairway-market.jpg

価格や商品政策はもちろん重要だが、
それより重要なのはコミュニケーションを通じて
形成される人間的な強い繋がりだ。
それは感情的ともいえる。

トレーダージョーのマネジャーは、
感情的インパクトを最重要視すると言っていた。

ウェグマンズやホールフーズのマネジャーも、
顧客―アソシエイト―マネジャー―経営者の
良好な関係こそ成功の要因だと、強調していた。

20111109_wegmans-interview.jpg

8か所で行ったインタビューは、
すべてそのあたりの話題が中心に進んだ。
20111109_walmart-interview.jpg

それには、人材教育がもっとも大切である。
スチューレオナルドも年間一人当たり$1000以上、
人材教育に投資をしている。

「働きたい企業ランキング」で
常に上位に入っているウェグマンズは
社会に対して5つの宣言を行っている。

20111109_wegmanswdc-facade.jpg

①従業員の親身になり、その声に耳を傾ける。
②常に高い水準を追求する。
③他社との違いを明確にする。
④従業員を尊重する。
⑤従業員の仕事を向上させ、お客さまと当社の利益をとなる決断をすべく、
従業員の権限を移譲する。

CEOのダニー・ウェグマンは、自分ですべて経営判断するのではなく、
従業員の裁量に任すと言ったのである。
20111109_wegmans-2f.jpg

ノードストローム百貨店は、
そのミッション・ステイトメントの中で、
Nordstrom Rules #1:
Use Best Judgment in all situations.
There will be no additional.

と明記している。
「現場の判断のすべてを任せる。
それ以外のルールはない」という意味。

また、返品ポリシーでは、
「ポリシーがないのがポリシー」として、すべて現場任せだ。

従業員を信頼するという経営は従業員の心に幸福をもたらす。
消費者満足のためには、従業員満足が必要だ。

2009年のフォーチュン経済誌によれば、
従業員が会社に希望することのトップ3は
(1)良い仕事をした事に対する評価
(2)決定への参加
(3)個人的な問題に対するサポート

である。

給与や昇進より、
「人として認められたい、人間として扱って欲しい」
という渇望を感じる。

楽しかった理由は、実はもう一つあった。
応援しているテニスの錦織圭君がスイスの大会で決勝まで進んだからだ。

20111109_asano-kei.jpg

残念ながら決勝でフェデラーには負けたが、
体力の劣る日本人にとって、これはものすごいことである。

20111109_nishikori2.jpg

14歳でアメリカに来た圭君には、人知れない苦労があったはずだ。
若い時の苦労はすべて人生の預金。
20111109_nishikori.jpg

教育さえすれば、日本の若者もちゃんと世界で勝負できることを証明している。
我々先輩が若者に残せるのは、人生の預金、苦労という人材教育だけだ。

【追加情報】
毎日サンフランシスコから、
ナパのワインナリー見学ツアーがたくさん出ています。
今後、着実にワインの需要増加につながるような気がします。
ワインへの期待は、いつも裏切られてきたが、
今度こそ、ワインのブームがくるか?
私は飲み始めた。
それは保証する。
今後のツアーには産地を見るワイナリー見学は必須です。
20111109_winery.jpg

浅野秀二
11月10日

コメント (5)

日本とカリフォルニアの暑い夏

2011年09月14日(水曜日)
カテゴリー:
  • アメリカからのメッセージ
  
12:38 PM

残暑お見舞い申し上げます。
日本はまだ暑い日が続いているようですね。

私にとっては日本の暑い夏は終わり、
カリフォルニアで再びインディアン・サマー(残暑)と、
仕事が一番忙しい時期を迎えた。

今年の日本の夏は阿波踊りから始まった。

20110913_asano-sasaki.jpg

数日前まで、普通のおねえちゃんやおばちゃんだった人達が、
袈裟をかぶり、下駄を履き、浴衣を着て、見せる踊りの
色気、オーラに圧倒された。

20110913_awaodori2.jpg

400年前、民百姓の暮らしが
あまりにも貧しく、悲しく、喜びがないことを、
阿波の国の領主さま、蜂須賀様は嘆き悲しみ、
阿波踊りを奨励した。
そしてその後の夜這いを許したことにより、
領民は喜び、やる気になり、国が豊かになったそうだ。

20110913_awaodori.jpg

日本では計数管理が主体の経営が流行っているようですが、
小売業には心理学的側面が大きいはず。
楽しければ、必ず生産性はあがる。
阿波踊りはその原点を象徴していると思った。

その後、故郷で親父の初盆、
広島でアメリカ大学時代の同窓会。

自伝ブログの7話に登場する梅尾さんは、
日本帰国後、英語塾経営で財をなし、
宮島が見える高級マンションのペント・ハウス別荘と
大型ボートを所有するまでになった。

20110913_miyajima.jpg

今回の同窓会は彼のマンションで寝泊まりさせてもらった。
これを見たら、梅尾先輩のアメリカの学生時代の貧乏暮らしは、
誰も想像できないだろう。

年収5千万円の外資系の社長になった人、
大学の英語講師、故郷でホテルマンになった人、
音響メーカーのパイオニア㈱の米国事業を立ち上げたパイオニア(先駆者)、
いろいろな人材がいて本当に楽しかった。

広島では福山に立ち寄り、
山本知典氏の案内で福山のエブリイの新店を見学。

20110913_every-facade.jpg

松江にあるエブリイの業務用スーパーと違い、高質スーパーで、
開店して半年で年商30億円ベースの売上げで進んでいる。

20110913_every-peach.jpg
日本のスーパーの戦いは安さだけが主戦場ではないことが、
非常に勉強になった。

20110913_every-fish.jpg

レストランの開店式で忙しかった岡崎雅廣社長にも
挨拶をする機会があった。
ここでお礼を申し上げます。

その後、東京でセミナーをさせていただいた。

20110913_asano-kouen.jpg

店舗を見ながらの研修と違い、
ウォルマートやホール・フーズ、
トレーダー・ジョーを見たことが無い人に
アメリカ小売業の語りかける難しさも感じた。

8月24日、アメリカに帰国したその日から、
時差ぼけを感じる暇もなく、
すぐに日生協の下見の仕事を開始。

その後、伊丹の豆腐屋さん、但馬屋食品の
中島耕作社長以下8名参加の4日間の研修があった。
社長みずからの陣頭指揮で
アメリカの小売業の視察のみならず、
社長と社員とのコミュニケーションを良くし、
ベクトルを合わせ、結束を固め、
ヤル気のある集団をつくるのが目的です。
社長は、いずれ社員全員を
アメリカに連れて来ると言っておられた。

さて、週末が空いた。
木曜日に友人に電話して、ヨセミテで登山をしないかと誘った。

20110913_lake.jpg

登山の経験は3年前の富士山以外は皆無。
理由は最近体力が落ちているという意識があるからだ。
富士山に登った時ほどの体力がまだあるのかを試したかった。

登山のベテランの水戸さんが言った。
「では明日、二人で行きますか?
Mt.Dana、標高3979メートルの山に案内します。」
「富士山より高い山か、それなら挑戦し甲斐がある。
行きましょう。」さっそく、道具を買いに行った。

20110913_camping.jpg

テントでキャンプもするという。

20110913_climbing-tools.jpg
「二人だけは面白くないな、女の子を誘いましょうよ?」
突然の話で、誰ものってこなかった。
当てが外れた。今さらやめましょうとは言えない。

金曜日の朝8時に家を出た。
明日、土曜日は50%の確率で雨。
「雨模様ではやばいので、
3307 メートルのMt.Hoffmannに切り替えましょう。」
文句はない。
そもそも登山は名目で、女子と行くのが目的のような
出来心からスタートしている。

20110913_bear-trap.jpg
ヨセミテまで4時間半、公園内のキャンプ地は満員だった。
ヨセミテのTioga峠(3000メートル)を越えて、
ヨセミテの外にキャンプ地を設定した。
まだ時間がある。

取りあえず、足ならしに2900メートル級の山に今日は登る。
黙ってついて行くしかない。
弱音は吐けない。
富士山に登ったプライドで頑張った。

20110913_top-of-mt2.jpg

何とか登頂した。足が疲れた。
明日は朝から雨が降ればいいと思った。

20110913_marmot.jpg

テントを張り、キャンプ・ファイヤ用の材木もたくさん集めた。
オカマでもあるまいに、野郎二人のキャンプである。

20110913_camping-asano.jpg

食事の前に水戸さんは夕食のおかずを釣りに行き、
ニジマスを3匹、釣ってきた。

20110913_mito-rainbow-trout.jpg

これで夕食のおかずに不足はない。
銀紙で包み、焼いて食ったが、美味しかった。

20110913_rainbow-trout.jpg

キャンプ・ファイヤの火は煌々と燃えている。
話は尽きないが、何かが不足している。赤い声がないのだ。
早々と9時半に寝ることになった。
外は曇っていた。雨も降りそうだ。
しめしめ、明日は雨だ。
今日の2900メートル登頂で十分に目的は達成だ。
明日は体を休めたい。インディアンの雨乞の歌と踊りでもしようか?

20110913_mountain-view.jpg

真夜中、トイレに起きると、
空は満天の星、月は満月、明日は晴れそうだ。
これは大変、熟睡をしないと体力はない。

朝7時起床し、コーヒーにベーグル、バナナ。
テントをかたづけ、2300メートル地点まで車で行った。
「あの見えている山の手前を回って、
その向こうが、Mt.Hoffmannです。
私の足で登って、2時間のコースです。」
「あの見える山より高いですか? 」
「はいそうです。」

20110913_mt-hoffman2.jpg
ショックだが、水戸さんに弱音は見せられない。
私には3時間はかかりそうだ。
最初は話をしながら歩くが、10分もすると、
彼と数十メートルの差が開き、会話は途切れる。

20110913_lake-yosemite.jpg

それにしても壮大な景色だ。
ヨセミテ国立公園ほど美しい公園は知らない。
2000メートル級から3000メートルを越える山々がたくさんある。
それに世界第2位の落差を誇るヨセミテ滝をはじめ、
たくさんの滝や湖がある。
登山道(トレイル)だけで2000キロもあると聞いた。

20110913_mt-hoffman.jpg

景色を見ながら、一歩一歩登って行く、残雪がある。

20110913_snow.jpg

高山植物の花が美しい。

20110913_flower2.jpg

20110913_flower.jpg

高原に住むリスは見たが、
標高が高いためか、シカや熊は見ない。ラクーンも見ない。
背中が山猫のような動物を見た。
大型のリスのような風貌のマーモットがたくさんいた。

20110913_marmot2.jpg

太った体型の猫より大きな感じで、
ペットとしては大きすぎる。でもかわいい。

遠くの山には雲がかかっている。
雨が降っているようだ。雲が近づいてくる。
山頂近くまで登って来た。
あと50メートル、ここからは道はなく、
岩を這い上がるしかない。

20110913_mountain.jpg

ステッキを置いて、岩を這い上がろうとするが、足がもつれる。
膝が笑うような状態だった。

雷が遠くで鳴っている。
先ほどから小雨がぱらついてきた。
「岩が濡れてくる可能性がある。
この岩登りは危険ですね。どうしますか?」
「危険なら、やめておきます。」と答えたかったものの、
山頂を目の前にして3307メートルを諦めるようでは、
キリマンジャロは夢のまた夢。
ここで止めるわけにはいかない。
止めてはあまりに情けない。
よしやるぞ。

恐る恐る、這いつくばってのぼり始めた。
足を滑らせれば、間違いなく、死の可能性がある。
彼の助言を聞きながら、なんとか登頂できた。

20110913_mt-hoffman-top.jpg

ヨセミテ360度の視界が見えた。
壮大なパノラマである。

20110913_asano-mito.jpg

いつもヨセミテ・バレーから見上げていた、
ハーフ・ムーン・ドームが眼下に見えた。
やはり登って良かった。静かな感動があった。

20110913_asano-mountain.jpg

雨が強くなってくる。
早く下山しないといけない。
尻を岩につけながら、滑るように降りる。
出来るだけ立って歩かない。

道がある所まで降りた。
さあ、急ごう。雷が怖い。

帰り道、数組のグループに会った。

20110913_climbing-group.jpg

「君たち、バカな行為はやめた方がいいよ、雨が降るよ。」
と言いたかったが、若者にしたら、
この登山など、お茶の子さいさいかもしれない。
自分の器量で人に助言など、とんでもない話だ。
これを老婆心と言うのか?

何とか下山した。
登り始めたのは8時半、下山したのが午後2時10分。
合計5時間40分もかかった。

下山の途中はもう2度と山登りはしないぞと思ったが、
翌日になると、また山に登りたくなってくる。
自然の中に身をおいた心地よさは、都会では得られない。

水戸さん、またお願いします。
次回はできれば、赤い声をする人にも声を掛けてください。

20110913_mito-mountain.jpg

体力がないと言うより、足腰が弱っている。
これから鍛え直さないといけない。
平地を歩いている程度では難しそうだ。
その気力があるか?
それこそ問題である。

20110913_top-of-mt3.jpg

浅野秀二
9月13日

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