2026年9月最後の日。
ニ・シ・ム・ク・サムライ。

そのク。

日経新聞一面トップ記事。
スクープだ。

「トイザらス、日本撤退へ」
――ドンキが買収し全店継承

日本トイザらス㈱からも、
買収する㈱PPIHからも、
ニュースリリースは出されていない。

タイトルの通り。

トイザらスが日本から店舗を撤退し、
それの150店をPPIHが引き継ぐ。

PPIHは、
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス。
何とかならないかなあ、この長い名称。

取得総額は100億円規模と日経の取材。

日本トイザらスは8期連続赤字。
2025年12月期は37億円の最終純損失。

1991年12月20日に日本1号店を開業。
トイザらス荒川沖店が茨城県阿見町に開店。
エブリデーロープライスを、
玩具業界にもたらした。

大規模小売店舗法に対して、
アメリカ政府が市場開放を要求した。
その日米構造協議の象徴だった。

時の大統領ジョージ・ブッシュ(パパブッシュ)が、
来日してトイザらスの開業式典に出た。

懐かしい。

以来35年、とうとう撤退する。

アメリカではすでに2017年9月18日に、
連邦倒産法第11章の適用を申請。

トイザらスの店舗はない。
ベビザらスが残っている。

アメリカの消費社会で不必要になった。
そのうち日本の消費社会からもノーと言われる。
そう予測された。

戦後の1948年、チャールズ・ラザラスが、
ワシントンD.C.でChildren’s Bargain Townを開業。

1957年、2号店開店で、
「Toys “R” Us」と改名。

玩具店を子ども用品から子ども衣料まで扱う、
業態に進化させた。toys-1

私の言葉で言えば、
チェーンストア1.0のChildren’s Bargain Townを、
チェーンストア2.0のToys “R” Usに転換した。

そして急成長を遂げ、
「カテゴリーキラー」の代表とされた。

しかしチェーンストア3.0になり切れなかった。
そしてウォルマートとターゲットから、
マーケットを奪われた。

ディスカウントストアとハイパーマーケット。

さらにアマゾンをはじめとする、
ネットリテーラーから、
決定的な打撃を与えられた。
ウォルマートもeコマースを強化した。
オムニチャネルリテーラーとなった。

米国トイザらスは急激に衰退した。

ただし日本では、
ディスカウントストアも総合スーパーも、
それ自身が完成を見なかった。
すなわち収益性が担保できず、
市場を支配できなかった。

だから日本トイザらスは、
アメリカよりも長生きした。

アメリカでは2018年に、
ラザラスが94歳で逝去した。
〈写真はCNNJapanより〉toys-r-us-founder-charles-lazarus-getty

そして残った200店舗が閉店した。

日本ではPPIHが運営を引き継いで、
どうするかはわからない。

日経の記事には予測が書かれているが、
それもわからない。

ただしPPIHは、
チェーンストア3.0のフォーマットにする。
それだけは間違いない。

あるいはドン・キホーテに寄せていく。

一方、日本の玩具市場は拡大基調だ。

日本玩具協会の調査。
2025年度は1兆1664億円の市場。
前年度比約6%増、5年連続過去最高。

カードゲームがヒットし、
インバウンド需要も高い。

チェーンストア2.0が、
3.0に蛻変出来ない理由の一つが、
組織の官僚化である。
大企業病である。

業態があまりに短期間に、
大きな成果をあげると、
組織はどんどん腐っていく。

トイザらスも同じだった。

「1.0」の業種チェーンストアが、
「2.0」の業態チェーンストアに転換する。
総合業態もあれば専門業態もある。

その専門業態チェーンストアを、
「カテゴリーキラー」と読んだ。

それは大抵、うまくいく。

しかし「3.0」に蛻変しようとすると、
「業種」の延長であることが壁になる。

だからカテゴリーキラーは、
いずれも限界を迎えた。

オフィスサプライチェーンも、
コンシューマー・エレクトリックストアも。

ステープルズやオフィスデポ、
サーキットシティやレディオシャック。

これは重要な観点だ。
単行本の骨子となる。

さて日経新聞最終面「私の履歴書」
9月は岡田彰布だった。
阪神タイガースの元監督。

大阪・北陽高校から、
一般入試で早稲田大学へ。
okadaakinobu

私はこの岡田のデビュー戦を、
神宮球場で観た。
鮮烈に覚えている。

東京六大学で次々に記録を塗り替え、
2年先輩の法政大学/江川卓と死闘を繰り返し、
それでも三冠王、日米野球の四番サード、
そして阪神タイガースに入団。

このあたりリアルタイムで岡田を応援した。

岡田の応援歌を作詞作曲した。

ところは甲子園
ピッチェーはあの江川
回は進んで9回の裏
カウントはツー・スリー
それゆけ お・か・だ
まけるな お・か・だ
5万の観衆が期待する
岡田のホームラン♫

その岡田が現役を終え、
指導者となって、
タイガースを優勝に導いた。
81KoA0HFulL._SL1500_

私は18歳から50年間、
岡田彰布を見続けた。

いい野球人生を全うした。
解説者としての活躍が待っている。

野球人にも1.0、2.0、3.0がある。

〈結城義晴〉

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