【#893】煮物盛り合わせ

煮物盛り合わせ
~ダシが決め手の冬の味~
惣菜で煮物商品が売れません
煮物は惣菜の基本だったのに
おふくろの味は消えました!?
人手不足に加えて
煮物をつくれる人が減り
煮物は外部メーカーに任せで
大量調理の平均的な味に
手づくりの煮物は消えました
でも最近
煮物惣菜が人気復活
和風煮物が期待されています
つくれれば人気商品になるのです
写真の「煮物」で説明します
まずは煮ても崩れない
レンコン(冷凍)
タケノコ
ニンジン
がんも(小)
鶏肉を
まとめて合わせて鍋で煮ます
煮込むダシは「煮物調味液」や
「白ダシ」を水で薄めて用意
手間がかかりません
「追いダシ」も用意します
「追いダシ」とは
鰹節や煮干し
昆布やシイタケなどの
天然ダシのことです
専用ダシの布袋を用意して
天然ダシを袋に入れて閉じます
煮物材料にこの天然ダシ袋を
加えてコトコト煮るのです
煮込みながら本格ダシも取る
煮物を炊き上げる裏技です
味付けは地元人気の醤油を使い
本みりん、塩、砂糖で味を見て
煮上げます
煮物のコツは煮方を覚える
すべての材料を鍋に入れたら
合わせたダシ汁をヒタヒタより
少し多めに入れて落し蓋です
沸騰したら火を弱めて中火に
蓋をして20~30分煮込んで
火を止めて室温まで冷まします
カボチャは煮崩れするので
カットして別に調理します
スチコンで蒸して塩で味付け
ナスは油で揚げ
ダシ醤油で味付け
インゲンも別茹ででトッピング
パックに煮物を形よく
盛り付けて販売します
★林廣美のワンポイント★
惣菜の煮物は本気でつくればよく売れます。ただし家庭料理のつくり方では売れません。全国的な味では地域の客に馴染まず、人気も出ません。煮物はその土地、その地方の好みに味を合わせることで人気が出るのです。ダシを効かせて醤油と塩分をその土地に合わせます。
写真を参考に説明します。野菜はカットされた野菜と冷凍野菜、水煮野菜を使って手を省き、「小がんも」のように手間のかからない材料と、その他カットされた材料を上手に選んで、炊き上げています。ただし水煮の野菜を使う時には水っぽい分、ダシの味を濃い目にするなどの工夫をしてください。
さらに煮物のコツは、炊き上ったら必ず面倒でもそのまま鍋ごと「室温まで冷やす」ことです。おい味しい味」は煮ている時ではなく、冷める時に材料に浸み込むからです。だから前日につくって一晩置いてから、温め直して売り込むとよく売れるのです。煮物商品を見直してください。煮物は二日間工程に作業システムを組むことが大切です。
(参考)
大量のダシのつくり方です。業務用の「白ダシ」や「ダシの素」を使います。指定の量の水で薄めて使いますが、使う大量のダシ汁の量に合わせて「鰹節」「昆布」もケチらず量を増やしてください。大きな木綿の袋を用意し、ダシの材料を全部入れた袋と一緒に煮込んで構いません。ダシの材料を揃えるのが大変なら手を抜く方法もあります。うどん店などが使っている「業務用のうどん」用の専用ダシ袋が材料問屋にあります。大袋で鰹削り節、昆布などが入っているので便利です。一緒に煮込んで使います。
●林先生の家庭料理教室●

「栗カボチャ」を手抜きでおいしく調理します。レンジでつくる煮物です。カボチャ1/4個を洗って、ワタと種を取り、大きめの一口大の角切りにして、ポリ袋に入れ、電子レンジ500Wで7~8分チンします。カボチャが熱いうちにボウルにあけ、上からダシ醤油大さじ1~2杯を振りかけてから、ボウルをゆすってダシ醤油を全体にまぶします。これででき上がりです。甘味を出すには本みりんを好みで加えます。おいしくつくるコツは、必ず野菜売場で甘い・ほくほくのカボチャを求めることです。
<By 林廣美>










