商人舎

林廣美の今週のお惣菜

林廣美の今週のお惣菜

【#893】煮物盛り合わせ

2025年12月26日(金曜日)
カテゴリー:
  • 和風惣菜
  
10:00 AM

20251225_hayashi

煮物盛り合わせ
 ~ダシが決め手の冬の味~

惣菜で煮物商品が売れません
煮物は惣菜の基本だったのに
おふくろの味は消えました!?

人手不足に加えて
煮物をつくれる人が減り
煮物は外部メーカーに任せで
大量調理の平均的な味に
手づくりの煮物は消えました

でも最近
煮物惣菜が人気復活
和風煮物が期待されています
つくれれば人気商品になるのです

写真の「煮物」で説明します

まずは煮ても崩れない
レンコン(冷凍)
タケノコ
ニンジン
がんも(小)
鶏肉を
まとめて合わせて鍋で煮ます

煮込むダシは「煮物調味液」や
「白ダシ」を水で薄めて用意
手間がかかりません
「追いダシ」も用意します

「追いダシ」とは
鰹節や煮干し
昆布やシイタケなどの
天然ダシのことです

専用ダシの布袋を用意して
天然ダシを袋に入れて閉じます

煮物材料にこの天然ダシ袋を
加えてコトコト煮るのです
煮込みながら本格ダシも取る
煮物を炊き上げる裏技です

味付けは地元人気の醤油を使い
本みりん、塩、砂糖で味を見て
煮上げます

煮物のコツは煮方を覚える
すべての材料を鍋に入れたら
合わせたダシ汁をヒタヒタより
少し多めに入れて落し蓋です

沸騰したら火を弱めて中火に
蓋をして20~30分煮込んで
火を止めて室温まで冷まします

カボチャは煮崩れするので
カットして別に調理します
スチコンで蒸して塩で味付け
ナスは油で揚げ
ダシ醤油で味付け
インゲンも別茹ででトッピング

パックに煮物を形よく
盛り付けて販売します

 


★林廣美のワンポイント★

惣菜の煮物は本気でつくればよく売れます。ただし家庭料理のつくり方では売れません。全国的な味では地域の客に馴染まず、人気も出ません。煮物はその土地、その地方の好みに味を合わせることで人気が出るのです。ダシを効かせて醤油と塩分をその土地に合わせます。

写真を参考に説明します。野菜はカットされた野菜と冷凍野菜、水煮野菜を使って手を省き、「小がんも」のように手間のかからない材料と、その他カットされた材料を上手に選んで、炊き上げています。ただし水煮の野菜を使う時には水っぽい分、ダシの味を濃い目にするなどの工夫をしてください。

さらに煮物のコツは、炊き上ったら必ず面倒でもそのまま鍋ごと「室温まで冷やす」ことです。おい味しい味」は煮ている時ではなく、冷める時に材料に浸み込むからです。だから前日につくって一晩置いてから、温め直して売り込むとよく売れるのです。煮物商品を見直してください。煮物は二日間工程に作業システムを組むことが大切です。

(参考)
大量のダシのつくり方です。業務用の「白ダシ」や「ダシの素」を使います。指定の量の水で薄めて使いますが、使う大量のダシ汁の量に合わせて「鰹節」「昆布」もケチらず量を増やしてください。大きな木綿の袋を用意し、ダシの材料を全部入れた袋と一緒に煮込んで構いません。ダシの材料を揃えるのが大変なら手を抜く方法もあります。うどん店などが使っている「業務用のうどん」用の専用ダシ袋が材料問屋にあります。大袋で鰹削り節、昆布などが入っているので便利です。一緒に煮込んで使います。


●林先生の家庭料理教室●

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「栗カボチャ」を手抜きでおいしく調理します。レンジでつくる煮物です。カボチャ1/4個を洗って、ワタと種を取り、大きめの一口大の角切りにして、ポリ袋に入れ、電子レンジ500Wで7~8分チンします。カボチャが熱いうちにボウルにあけ、上からダシ醤油大さじ1~2杯を振りかけてから、ボウルをゆすってダシ醤油を全体にまぶします。これででき上がりです。甘味を出すには本みりんを好みで加えます。おいしくつくるコツは、必ず野菜売場で甘い・ほくほくのカボチャを求めることです。


<By 林廣美>

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【#892】小さめ「エビフライ」

2025年12月19日(金曜日)
カテゴリー:
  • 洋風惣菜
  
10:00 AM

20251218_hayashi
小さめ「エビフライ」
 ~年末年始のヒットメニューはこれだ!~

クリスマスが終わると
一気に新年の惣菜に変わる
売れるメニューが
がらりと変わるところが
バイヤー泣かせの
頭の痛い時期です

12月31日は誰が何と言おうと
年越しそばの「海老天」で決まり
海老天は海老が大きいほど人気

でもへそ曲がりな客もいるのです
家族全員が喜ぶ「エビフライ」
手づくりなら最強商品です

「エビフライ」なら小さな海老でも
安くてたくさん食べられると人気

海老には摩訶不思議な
魅力があるのです

「エビフライ」の冷凍原料
もありますが人気なのは
手づくりです

海老の皮を剥いて
パン粉付けをしなければなりませんが
手づくりの「エビフライ」こそ
何よりのご馳走惣菜なのです

そこで12月25日から
1月3日までロングランの
「エビフライ」の売り込みをします

できるだけ手づくりに挑戦します
ですがもし仕入れで
冷凍既製原料が安く仕入れることができて
その分、安く売れるのなら
冷凍原料でもよいでしょう

年末は冷凍
新年は手作りなど
「エビフライ」を上手に使って
売り込む方法もあります

「エビフライ」だからこそ
そんな計画を立てることが
できるのです


★林廣美のワンポイント★

エビフライが手づくりかどうかは、パックを見ればすぐにわかります。「エビフライ」の冷凍原料にはシッポにパン粉は付いていません。シッポがきれいに出ています。手づくりだといちいちパン粉を取る手間が大変なので、写真のようにシッポまでパン粉が付いていることが多いのです。

客はそのことに気づいています。さらに食べるとおいしさの違いが判るからでしょう。しかもカリッと揚がったシッポは海老好きの食通たちが喜びます。ですから小さめの海老でもシッポまで食べられる商品が人気なのです。POPで「尻尾までカリッと揚がっているので、そのおいしさを味わってください!」と、訴求するのも効き目があります。


●林先生の家庭料理教室●

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私事ですが、12月31日になるとおいしい手づくりの「海老天」と「エビフライ」を惣菜売場で買い求め、ジッパー付のポリ袋に空気を抜いて入れて、冷却室に保存(肉などを保存する低温スペース)します。なぜかというと来客等の時に、麺つゆを使って玉ねぎと一緒にさっと煮込んで、卵でとじて「海老天丼」にするためです。元旦までおいしく食べられます。ただ、冷蔵庫保存しているので、煮る時はしっかりと煮てください。

だからと言って惣菜の「海老天」を冷凍することはお勧めしません。冷凍で海老の食感が変わり、煮込んで天丼にしても海老がパサパサでおいしくないからです。海老の冷凍は家庭用冷蔵庫の冷凍室では難しいと思います。買い求める時は揚げたてを確認して購入します。


<By 林廣美>

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【#891】コーンポテトサラダ

2025年12月12日(金曜日)
カテゴリー:
  • 洋風惣菜
  
10:00 AM

20251204_hayashi

コーンポテトサラダ
 ~今から売れるクリスマスメニュー開発準備~
不思議なことに毎年Xmasには
ポテトサラダ商品が
ビックリするほど売れます
今から売り込んでおいしさをPR

自店の自慢メニューで
クリスマスに単品大量販売を
するための事前販促強化策です

ローストチキンにポテトサラダ
洋風メニューにピッタリ合いますね
今年は「フランス風」にレベルを上げて
今から売り込みです

ベースのポテトサラダは
できれば手づくりが良いのですが
仕入れたおいしいポテトでもOK

このポテトサラダに
ベーコンとコーンを
たっぷりと合わせます

コーンは甘い冷凍コーン
カットしたベーコンは
塩コショウ少々と
油とバターで炒めます

ボリュームを付けて
トレーに盛り付けます

写真にはありませんが
クリスマスには飾りを添えて
雰囲気を演出してください


★林廣美のワンポイント★

クリスマスに突然、新メニューを出しても売れません。普段のおいしいおかずとして売り込んでこそ、クリスマスに大量販売が効くのです。ポテトサラダを自店で製造するのは大変なので、仕入れて使ってもOKです。

また、クリスマスには「ローストチキン」が定番ですが、いつもの「鶏唐揚げ」もよく売れるので、忘れずに強気で売り込みます。さらに普段は売れない「パエリア」や「ナポリタン」などの洋風メニューもクリスマスには売れます。ただし、変わったメニューはその日限りの販売なので、気を付けて仕入れ数を決めます。

ちなみに冷凍ローストチキン原料の仕入れは売れ残っても、正月3が日にも売れることを考慮して仕入れましょう。


●林先生の家庭料理教室●

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冬はジャガイモのおいしい時期です。大き目のジャガイモを選んで買い求め、よく洗ってポリ袋に入れて8~10分電子レンジでチンをします。柔らかくなったら少し冷ましてから、皮を剥いて、ジャガイモをつぶします。マヨネーズに甘めの「すし酢」と「牛乳」を少し加えて「マヨネーズソース」をつくり、つぶしたジャガイモに加えてポテトサラダをつくります。

素朴な味が、簡単なステーキやハンバーグに合わせるとレストラン風になります。蛇足ですがスーパーの仕入れポテトサラダはレンジでチンしてから冷まし、マヨネーズを少し混ぜ合わせて味修正すると、おいしくなります。


 

<By 林廣美>

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プロフィール

<林 廣美>

日本フードサービス専門学院 学院長

週刊誌編集長、料理雑誌「魚菜」編集長を経て74年料理研究家として独立。 同年、(株)シェフを設立、代表取締役となる。一流メーカーの販促企画メニュー開発など食材および調味料マニュアルの指導にあたる。 食品総合コンサルタントとして活躍の傍ら、日本フードサービス専門学院を設立、デリカの調理理論、実技指導を担当。惣菜業界の第一人者として講演依頼も多数。

【執筆活動】
『惣菜の教科書』(商業界)、『ミートデリカ入門』(食肉通信社)など。月刊誌『食品商業』(商業界)の常連執筆者。

<山中 典子>

フードプランナー・日本フードサービス専門学院 講師

東京家政大学短期大学部栄養科卒業後、辻クッキングにて副校長を務めた後、退社。キッコーマン(株)商品開発室に入社し、「タレ・メニュー開発」を担当。 その後、キッコーマンデリカ(株)にて全店のメニュー開発・商品開発・企画にたずさわる。現在は、フードプランナーとして、フリーで活動中。

【現在の活動】
日本フードサービス専門学院講師、コーディネータースクール講師、レストランのテイクアウト商品のアドバイザー、食品メーカーのメニュー開発・撮影、展示会のメニュー開発・デモンストレーション・展示品作成、食品関係の撮影、料理教室主宰

【免許・資格】
衛生管理者、フードコーディネーター、野菜ソムリエ、食品衛生責任者、食生活アドバイザー、雑穀エキスパート、フードアナリスト、食の検定(食農検定)、食育指導士、介護食アドバイザー、中級食品表示診断士、普通自動車運転免許など多数。

<大塚 長務>

株式会社明治屋 代表取締役

1975年12月19日大分県竹田市生まれ
高校卒業後、大阪あべの辻調理師学校に入学。その後、京都の料亭、福岡、現ミシェラン三ツ星獲得料亭を経て、和食では、ほとんどなかった真空料理・新調理法を10年以上前から自社で取り入れ指導者とし全国を中心に活動。調理人としての感覚と工業的調理知識を取り入れた調理技術の伝道師として、経済誌などに掲載され実力を認められている。

【資格】
国家技能調理師・調理師免許・河豚調理師免許・利き酒師

【趣味】
食べ歩き

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