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世話人・品川昭さんの提起2008年4月13日 | 商業経営問題研究会

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世話人・品川昭さんの提起2008年4月13日 

2009年02月05日(木曜日)
カテゴリー:
  • General
  
10:46 PM

2008年第2クールRMLCのセミナーテーマについて  

                     品川エコ・エコノミー研究所代表 品川 昭

RMLCは故磯見氏の遺志を引き継ぎ、主軸テーマとして「SMの競争力」を掲げ、
本年の第一クール目(世話人高木和成氏がご担当)は終り、
4月より第二クール目を迎え、品川が世話人の一人として担当することになりました。

つきましてはこれからの3回(4月、5月、6月)は誠に僭越かつ勝手ながら、
下記のテーマで私の方から問題提起をさせていただき、
議論の材料とさせていただきたいと思います。

もちろん外部講師を迎えての講演も併せて行うつもりですので、よろしくお願いいたします。
7月以降は次の世話人にバトンタッチをしたいと考えています。

記
(1)日程とテーマ
第1講 SMの競争力研究のレビューと現在小売業の競争局面
    2008年4月23日(木)定例会
第2講 いわゆる戦後の「流通革命」は何を革命したのか。
    2008年5月定例会
第3講 市を起点とした日本の小売商業の業態変革の歴史
    2008年6月定例会

(2)各テーマの趣旨
①第1講:SMの競争力研究のレビューと現在小売業の競争局面
○RMLCの前身である杉山ゼミ(故磯見氏は会のプロモーター役を果たされた)で、
「SMの競争力」について数年にわたって議論してきました。
RMLCがこれから同テーマで継続して研究するに当たって、
杉山ゼミで行われた議論のレビューをし、
その到達点について皆様と共有化できればと思っております。

杉山先生、故磯見氏が難解なマーケティング論、マネジメント論を展開されましたので、
私なりの解釈となりますが問題提起としてとらえていただき議論を深めていただければと思います。

○その上で、現下のSMの競争局面とともに、小売業全体の現況を報告したいと考えています。
2007年後半から2008年の今日まで、世の中が大きく変わる節目のようにおもえます。
サブプライムローン問題とドルの暴落、原油値上げに伴う石油製品の上昇と食料資源の高騰。
政治面で米国大統領民主党予備選挙では強いオバマ氏人気、日本の自公と民主党との攻防、
その渦中に小売業もはいり、
4月11日の朝日新聞1面トップには「小売り2強息切れ セブンアイとイオン」と、
大きくとりあげられています。
百貨店業界では再編成が進んでいることは周知のとおりです。
縮む消費マーケットに対し、大手小売資本同士の競争激化とともに、
再編成も急速に進む状況にあります。
その報告をし、皆様の議論の材料としたいと思います。

②第2講:いわゆる戦後の「流通革命」は何を革命したのか。
私は昭和43年(1968年)㈱西友ストアーに入社しました。
最初に読んだ本が林周二氏の「流通革命」です。
今年で丁度40年になります。
西友はウォルマートと資本提携し、昨年西友株を100%取得され、
ついには株式市場から姿を消しました中で、
西友退職後、表記のテーマが頭からはなれませんでした。

そもそも革命とは権力の奪取です。
林周二氏はこの頃流通を支配していた問屋の権力を奪取し、
メーカーと小売が直結することを唱えていたようにおもいます。
他方ダイエーの故中内氏はメーカー支配を破り、
流通・小売資本が権力を握ることを考えていたと思いますし、
それに果敢に挑戦してゆきました。
また当時の小売の王様は百貨店でした。
それから首位の座を奪い、小売マーケットシェアであっという間に抜きました。
SMのマネジメントシステムを確立したサミットの荒井氏は、
別の視点から当時のビッグストアのとった戦略について批判をしています。
(スーパーマーケット原論)

我がセゾンの戦略は必ずしもメーカーと戦うことではありませんでした。
むしろ大手のNBメーカーとタイアップして良い商品をつくることを考えていました。
セゾンが大手メーカーと戦ったのはマーケッティングの分野です。
つまりこれまでに無い、メーカーの未開発の分野を作り出し、
そこでものづくりを始めました。
それが無印良品です。

このようにいわゆる流通革命に対してどのように戦略を立て、行動したかは様々です。
この40年の歴史を振り返りながら、流通革命の実態に迫ってみたいとおもいます。

③第3講:市を起点とした日本の小売商業の業態変革の歴史
これは我が母校の山口大学経済学部(旧 山口高等商業学校)で、
6年前に特別講師として講演したものを発表させていただきます。

私は商業の歴史は業態変革の歴史であったと思っています。
商業の原点は市場(いちば、マーケット、マルシェ、バザール)でありました。
この市場を原点にして様々な業態変化をくりかえしながら今日にいたっていると考えています。
商業の面白いのは原点である市場は絶えることなく、今も脈々と活きているということです。
温泉地の朝市、新潟寺泊の生鮮市場、函館・塩釜などの市場、・・・・
そして今日のスーパーのチラシには「○×市」などふんだんに言葉も使われています。
またコンビニという業態は全く新しい業態といわれていますが、
しかし昔の田舎にあった「よろずや」といわれた小売店舗は、
「まさに開いてて良かった便利店」でした。
100円ショップと同様な店を戦前に高島屋が、
「10銭ストア」の名前で均一価格で売るチェーン店をつくっていました。

このように商業史の紐を解けば色々と面白いことがわかります。
私の仮説として問題提起し、皆様のご批判を仰ぎたいと思います。

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