商人舎

林廣美の今週のお惣菜

林廣美の今週のお惣菜

【#804】シラスと新ワカメの酢の物~季節の定番和風おかず~

2024年03月29日(金曜日)
カテゴリー:
  • 和風惣菜
  
10:00 AM

20240328_hayashi

シラスと新ワカメの酢の物
 ~季節の定番和風おかず~
春には新ワカメが
出てきます
売場に季節のおかずを
提供するのも惣菜の役目です

酢の物は地味な商品
それだけに季節が大事
とくに惣菜の基本商品は
はずせません

店が海に近ければ
生の原料を使います
採れたて生ワカメを
熱湯でさっと茹でて
地域を強調

海から遠い内陸の店の場合は
三陸などの有名産地で採れた
塩蔵ワカメを水で戻して
塩抜きをします

ここからが本番です
ワカメは緑の色が大事
生は茹で過ぎないこと

塩蔵は柔らかく
色の良い原料を選ぶこと

次に大事なのは甘酢です
地域で人気の甘酢を調べて使います
ユズを使ったり
ダイダイの絞り汁を使うなど
その土地ならではの
昔からのつくり方にします

つくり方はやさしいのですが
惣菜の「酢の物」は
商品化と売り方が難しいのです

大切なのはワカメの色
売場の中で目立ちます

次が値段です
大盛りで安く売ります
客はワカメの値段を
知っています
だから店でつくって陳列
混ぜるだけなので
安く売れます

昔からの商品だからこそ
気配りが大切なのです


★林廣美のワンポイント★
ワカメが新鮮な地のものなら、「地元の産地」を表示します。三陸などの場合は「柔らかい三陸ワカメ」と表示、そして地元の甘酢味なら「地元産の果汁使用」など強調します。食べた時の酸味が強くならないように甘酢をつくり、男性や子どもの好みを考えて口当たりの優しい酸味のメーカーの甘酢を使うなど気を配ります。

また冷ケースで長時間陳列していると、ワカメの色が黒く変色して、売れなくなります。色を気にするなら常温販売で売ってもいいでしょう。その方が色が持ちます。

材料を合わせてつくるだけなので、昼に売る分は午前中、ピーク時の夕方に売る分は午後につくるなどの工夫も大事です。人手が難しい時ですが頑張ってください。


●林先生の料理教室コーナー●

hayashi-hiromi_2

テーブルに並んだ時、ワカメの色がきれいだと誰でもうれしくなるものです。塩蔵ワカメは水で戻してカットして使いますが、戻した時に緑色がいい、柔らかい、ワカメを選びます。塩抜き戻しをしてから2~3日は冷蔵庫で日持ちするので、時間のある時に戻しておいてポリ袋などに入れておくとすぐに使えて便利です。

甘酢はスーパーで販売されているものを使います。残念ですが普通の甘酢のレシピでは酸味を抑えきれません。男性や子どもは酸味の強い味が苦手です。そんな場合は甘酢に「本みりん」を少し加えるとおいしく食べられます。みりんは小さな器に入れてレンジでチンをしてアルコールを飛ばします。この手間でアルコールが無くなるので子どもでも安心です。昔でいう「煮切りみりん」です。必ず本みりんを使ってください。みりん風調味料では効きません。入れる量は甘みを見て調整します。和食で一味足りないなと思った時のみりんのマジックです。調理人の㊙技術です。


<By 林廣美>

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【#803】春の「ポテトサラダ」~春はポテトサラダのスタートです~

2024年03月22日(金曜日)
カテゴリー:
  • 洋風惣菜
  
10:00 AM

20240321_hayashi

春の「ポテトサラダ」
 ~春はポテトサラダのスタートです~

気温が上がり春先になると
ポテトサラダが
目立って売れるようになります
チャンス到来です

3月から売れ始め
6月に売上げのピークとなります

最近は色々なサラダが人気
でもポテトサラダの
ダントツの売上げを越える
サラダはありません
ポテトサラダの売上げは
惣菜サラダ全体の70%を占めます

このチャンスを
逃してなるものか
手を打っていますか?

ポテトサラダは
昔はお肉屋さんや惣菜屋さんの
手づくり人気商品でした

しかしつくるのに手間がかかるのと
衛生管理の問題で
今ではサラダ屋さんメーカーの
ポテトサラダを仕入れて
パックを並べるだけの時代に
なってしまいました
だからおいしくありません

ジャガイモの皮むきが大変ですが、
つくってみませんか?
惣菜の人気を高めるには
ポテトサラダが一番なのです

手づくりを食べたら客の誰もが
「これはおいしい!」と叫びます
自家製ポテトサラダをつくれれば
話題の人気店になることができますよ

季節商品として少しでも
特製ポテトサラダをつくって
売ってみませんか?

つくり方です
参考にしてみてください

洗ったジャガイモを
スチコンで柔らかく蒸し上げます
片手に軍手をはめて
その上からポㇼ手袋をはめて
熱いジャガイモの皮を剥いて
ボウルにいれます

ジャガイモの量の5%くらいの
「すし酢(業務用甘酢)」を
ジャガイモが熱いうちに
全体に振りかけて潰します

すぐにポリ袋に入れて
冷めやすいよう平らに薄く伸ばして
冷蔵庫で冷やします
※ポリ袋に入れるのは菌を付けない
衛生管理のためのテクニックです

冷えたらジャガイモ1kgに対して
マヨネーズ200gくらいを加えて混ぜます
味をチェックして
マヨネーズの量を加減します

スライス玉ねぎと薄切りキュウリを
熱湯でさっと茹でて殺菌し
水で冷やして水を切って
好みの量を加えてでき上がり

薄い塩水で茹でた人参も加えて仕上げます
昔はハムの薄切りも入っていました

 


★林廣美のワンポイント★

手づくりのポテトサラダと、メーカーのポテトサラダを両方試食して、おいしい味のものを選んで販売することを勧めます。店でポテトサラダをつくらなくなったのは、衛生管理が面倒なため。いつの間にか本当の味を知らないバイヤーが多くなりました。でも担当者が本当のおいしさを知ることで、おいしいメーカーのポテトサラダを選ぶことが可能になります。ぜひ勉強をしてください。

ジャガイモは澱粉です。ご飯と同じように長時間、冷蔵庫や冷蔵ケースで冷やすと味が悪くなります。手づくりポテトサラダは弁当と同じく「当日販売」のみです。


●林先生の料理教室コーナー● 

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ダントツのつくり立てのポテトサラダ。ジャガイモ3個を洗ってポリ袋に入れて、電子レンジで7~8分チン。ジャガイモに楊枝を刺して柔らかくなったら取り出して、皮を剥く。片手に軍手、その上にポリ袋をはめて熱いジャガイモの皮を剥くと楽です。

剥いたジャガイモをボウルに入れて軽く潰し、甘酢を大さじ2杯ほどふりかけて、さらに潰して冷まします。冷めたらマヨネーズ大さじ3~4杯、塩、砂糖少々を好みで加えて味を調えて、塩でもんだキュウリの薄切りと、玉ねぎの薄切りを加えてでき上がり。玉ねぎの薄切りは子どもが嫌うことが多いので、無くても良いです。

野菜の量は好みで決めてください。ただし野菜を増やしたら、マヨネーズもその分増やします。茹で卵のスライスやトマトで飾ると豪華です。

また、スーパーで買ったポテトサラダは、レンジでチンして温めてから冷まし、必ずマヨネーズを少し加えて混ぜるととてもおいしくなります。温めることで冷えたジャガイモのでんぷんがおいしくなるからです。冷やしても、少々温かくてもマヨ味のおかずサラダに変身です。


<By 林廣美>

 

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【#802】一口チキンカツ~安くておいしい鶏惣菜が人気です~

2024年03月15日(金曜日)
カテゴリー:
  • 洋風惣菜
  
10:00 AM

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一口チキンカツ
 ~安くておいしい鶏惣菜が人気です~

インフレです
何でも値上がりです
惣菜も例外ではありません
安くて旨くて
蛋白質が摂れるチキンカツです

鶏ムネ肉を使います
えッ ムネ肉ですか?
パサついて売れないと
思うでしょうが
しっとり柔らかくつくれたら
サラダチキンのように
よく売れるものです

ムネ肉は単価が安くて
儲かるように思いますが
鶏皮を剥がすと目方が減って
儲かりません
頑張って皮付きのまま棒状に
包丁でカットします

よく切れる包丁なら
鶏皮も上手に切れますが
切れない包丁だと
時間がかかり
人件費がかかります
鶏皮がスイスイ切れる
包丁が儲ける秘訣です

カットしたら
鶏胸肉をボールに入れて
酢とマヨネーズを加えて
よく混ぜ合わせ
半日~一晩置きます

この肉にバッターを付けて
パン粉をしっかりと付けます

揚げ過ぎないように
油で揚げます
揚げ過ぎるとパサつきます

 


★林廣美のワンポイント★
アメリカでは鶏ムネ肉を「ホワイトミート」と言って、鶏モモ肉より高級肉として食べられています。鶏モモ肉は、「ダークミート」と言って嫌われます。日本とは反対ですね。だから日本にはアメリカから骨付き鶏モモ肉がたくさん輸入されているのはこれが理由です。ムネ肉が安いからと言って、皮を剥がしてしまうと原価が高くなります。皮を剥がすのなら、鶏皮は「鶏皮の唐揚げ」として販売し、利益を確保します。


●林先生の料理教室コーナー●

hayashi-hiromi_2

家庭料理では鶏皮を剥いて、料理をすることが多いものです。剥いた皮は熱湯で茹で、水でさっと冷やしてから細切にします。胡瓜の千切りと共に器に盛り付け、ポン酢醤油をかければ、もう一品の完成です。鶏皮は茹でてしまえば、包丁でスイスイと切れます。

皮を剥いた鶏ムネ肉は、一口大に切って小麦粉、卵液、パン粉を付けて手のひらで押し付けてペチャンコにしてから、フライパンで油を少なくした、揚げ焼きでフライにします。ソースはマヨネーズとソースを混ぜたものを添えます。春キャベツの千切りを添えます。


 

<By 林廣美>

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プロフィール

<林 廣美>

日本フードサービス専門学院 学院長

週刊誌編集長、料理雑誌「魚菜」編集長を経て74年料理研究家として独立。 同年、(株)シェフを設立、代表取締役となる。一流メーカーの販促企画メニュー開発など食材および調味料マニュアルの指導にあたる。 食品総合コンサルタントとして活躍の傍ら、日本フードサービス専門学院を設立、デリカの調理理論、実技指導を担当。惣菜業界の第一人者として講演依頼も多数。

【執筆活動】
『惣菜の教科書』(商業界)、『ミートデリカ入門』(食肉通信社)など。月刊誌『食品商業』(商業界)の常連執筆者。

<山中 典子>

フードプランナー・日本フードサービス専門学院 講師

東京家政大学短期大学部栄養科卒業後、辻クッキングにて副校長を務めた後、退社。キッコーマン(株)商品開発室に入社し、「タレ・メニュー開発」を担当。 その後、キッコーマンデリカ(株)にて全店のメニュー開発・商品開発・企画にたずさわる。現在は、フードプランナーとして、フリーで活動中。

【現在の活動】
日本フードサービス専門学院講師、コーディネータースクール講師、レストランのテイクアウト商品のアドバイザー、食品メーカーのメニュー開発・撮影、展示会のメニュー開発・デモンストレーション・展示品作成、食品関係の撮影、料理教室主宰

【免許・資格】
衛生管理者、フードコーディネーター、野菜ソムリエ、食品衛生責任者、食生活アドバイザー、雑穀エキスパート、フードアナリスト、食の検定(食農検定)、食育指導士、介護食アドバイザー、中級食品表示診断士、普通自動車運転免許など多数。

<大塚 長務>

株式会社明治屋 代表取締役

1975年12月19日大分県竹田市生まれ
高校卒業後、大阪あべの辻調理師学校に入学。その後、京都の料亭、福岡、現ミシェラン三ツ星獲得料亭を経て、和食では、ほとんどなかった真空料理・新調理法を10年以上前から自社で取り入れ指導者とし全国を中心に活動。調理人としての感覚と工業的調理知識を取り入れた調理技術の伝道師として、経済誌などに掲載され実力を認められている。

【資格】
国家技能調理師・調理師免許・河豚調理師免許・利き酒師

【趣味】
食べ歩き

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