東京羽田国際空港は秋空。

4時間後には台北・松山空港上空。
こちらは曇り空。

松山空港到着。

台風30号が接近している。
あいにくの雨。
2014年以来、12年ぶりの台湾。
その間に台湾小売業は「複占」となった。
かつて外資系小売業の刈り取り場の印象があった。
フランスのカルフールやオーシャン、そしてアメリカのコストコなどが、
強みを見せていた。
だが地元大手企業2社が力を発揮している。
第1は全聯(ぜんれん)グループ。
スーパーマーケットの全聯福利中心(PXマート)を中心に、
オーシャンを傘下に入れた。
さらに潤泰(じゅんたい)グループから2022年に、
ハイパーマーケット「大潤発(だいじゅんはつ;RTマート)」を買収。
これらハイパーマーケット(総合スーパー業態)は2025年にブランド統合を完了。
「大全聯」(メガPXマート)として整理した。
つまり食品スーパーマーケットからハイパーマーケットまでを網羅する、
巨大コングロマーチャントへと成長した。
第2は統一グループ。
台湾セブン-イレブンを展開する統一企業(Uni-President)グループが、
台湾カルフール(家楽福)の株式を取得して完全子会社化した。
コンビニ首位の圧倒的な店舗網に加えて、
ハイパーマーケットをもつ。
さらに高級スーパーマーケット業態ももっていて、
こちらもコングロマーチャントである。
楽しみだ。
台北(たいぺい)は台湾北部にある中華民国の首都。
市の人口は約250万人だが、周辺の新北市などとあわせると、
台湾最大の都市圏となって、その台北都市圏は人口700万人。
台風の雨風の中、店を回る。
最初に向かったのは、
三井ショッピングパークららぽーと台北南港。
2025年3月に開設された台北1号店。

1階には無印良品の旗艦店が出店している。

そして地下1階にフードコート。

真ん中にミスタードーナッツ。
統一グループが運営している。

それから「万家福(PROSPERITY PLAZA)」南港店へ。

旧「家楽福(カルフール)」。
統一グループに買収され、さらに提携も終了して、
今年7月1日から名称が変更された。
看板差し替えが進まず、白く塗りつぶしてある。
フランス第1の小売業カルフールは、
ウォルマート以上に海外進出に積極的だ。
アジアにも日本にもウォルマートに先んじて出店した。
ハイパーマーケットとスーパーマーケットの二本立ての店舗展開。
この店は食品の比率が高いスーパーマーケットだ。
導入部の価格プロモーション。

ワンフロアで展開するが右側の入り口は青果。

その青果の品揃えも悪くはない。

「NICE TO MEAT」の精肉売場。
牛肉は品揃えが少ない。

乳製品などの日配品や冷凍食品はリーチインケースで陳列する。

最後に惣菜売場。
「BON APPETIT」はフランス語で「召し上がれ!」。
かすかにカルフールらしさが残る。

ただし店としての完成度とパワーが不足しているから客数が少ない。
そこで人件費もかけずローコスト運営をする。

統一企業グループの流通部門は台湾のセブン-イレブンを主体としている。
このカルフールのスーパーマーケットをどう改革するのか。
まだ手が付けられてはいない。
次に大型ショッピングモールの台北美麗華(Miramar)。
屋上観覧車や大型シネコン、グルメが揃った商業施設。

ショッピングセンターは日本と遜色がないレベルだ。

夜は都心型の全聯PXマートを訪問。
100坪ほどの小型店。

町中の小さな公園のわきに入り口がある。
地下1階に降りるとごみごみした感じの店が現れる。

それでもスーパーマーケットとしての品揃えは十分。
繁盛もしている。

阪急デリカのパンが入荷している。

通路は狭いが都心型の店舗としては仕方がない。

レジはこの写真だけ。

全聯が台湾スーパーマーケットの王者。
コンビニの王者はセブン-イレブン。

街中、いたるところにある。
大通りには通りを隔てて、2店が向かい合っている。
統一がセブン-イレブン・インクのエリアフランチャイジーとなって、
店舗数7248店(2025年末時点)、単体売上高約2200億台湾ドル、
約1兆340億円。
入り口に即食の入った鍋などが並ぶ。

奥には飲食スペースもある。

全聯のスーパーマーケットと統一のコンビニ。
これが複占の原動力となっている。
私は台北から南の高雄に向かうつもりだった。
そして3日目に高雄国際空港からタイに行く計画だった。
しかし、台風30号が最接近していて、
結局、欠航が発表された。
そこで台北にとどまる。
ならば目いっぱい台北を見てやろう。
そんな気になってきた。
(つづきます)
〈結城義晴〉

