結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年05月03日(火曜日)

憲法記念日の日本国憲法とリンカーンとキング牧師

日本の憲法記念日。
1947年5月3日、日本国憲法施行。

それを記念した祭日。

69年間、私たちは、
この日本国憲法のもとで生きてきた。

アメリカ合衆国の憲法は、
1787年9月17日に作成され、
1788年に発行した。
起草者はジェームズ・マディソン、
第4代大統領。

そしてちょっと意外に感じられるだろうが、
世界最古の成文憲法だ。

憲法記念日は9月17日。

そのアメリカ合衆国憲法の有名な前文。
We the People of the United States,
in Order to form a more perfect Union,
establish Justice, insure domestic Tranquility,
provide for the common defense,
promote the general Welfare,
and secure the Blessings of Liberty
to ourselves and our Posterity,
do ordain and establish this Constitution
for the United States of America.
「われら合衆国の人民は、
より完全な連邦を形成し、
正義を樹立し、国内の平穏を保障し、
共同の防衛に備え、人民の福祉を増進し、
われらとわれらの子孫のうえに
自由のもたらす恵沢を確保する目的をもって、
アメリカ合衆国のために、
この憲法を制定する」

安全な連邦、正義の樹立、
国内の平穏、共同の防衛、
人民の福祉、そして自由の恵沢。

ワシントンDCのリンカーン記念堂。
DSCN0054-6

ワシントン記念塔と、
リフレクティング・プール。
DSCN0049-6

そしてまた有名な言葉。
DSCN0046-6
and that government of the people,
by the people, for the people,
shall not perish from the earth.
「そして人民の、
人民による、
人民のための統治を、
この地上から消え去さらせてはならない」

記念堂の石段には、
マーティン・ルーサー・キング牧師の言葉も、
刻まれている。
DSCN0043-6
アメリカ合衆国憲法は、
連邦の堅持を強く謳っているが、
その精神はリンカーンのフレーズにあるし、
その未来はキング牧師の言葉にある。

一方、イギリスには成文憲法がない。
だから憲法記念日もない。

しかしこの国が、
1215年のマグナ・カルタ(大憲章)以来、
世界の法や立法の骨組みを築いてきた。

また、フランスは第五共和国憲法。
基本のひとつになっているのは、
1789年のフランス人権宣言。
その第三条は、
「いかなる主権の原理も
本質的に国民に存する。
どの団体も、どの個人も
そこから明確に発しないような権威を
行使することはできない」

フランス人権宣言は、
アメリカ合衆国憲法の翌年に、
発せられている。
これも意外な気がするが、
人間の権利を憲法の骨組みにしている。

ドイツの憲法は、
ドイツ連邦共和国基本法。
1949年に制定され、
5月23日が憲法記念日。

一番最初に謳われているのが、
「第1条・人間の尊厳の不可侵」

ドイツが人間の尊厳を、
第一としていることは意義深い。

さて日本国憲法。
私は毎年、憲法記念日には、
日本の憲法のことを書く。

昨年の憲法記念日は日曜だった。
だからブログは『ジジの気分』だった。

一昨年の今日のブログは、
日本国憲法前文と第9条の短文と
「集団的自衛権の行使」
これは読んでみてほしい。

このブログでも何度か書いているが、
私は自分の著書の「はじめに」の冒頭に、
日本国憲法を使った。
『小売業界大研究』。
2010年、産学社刊。

こう、はじまる。
「私たちの日本国憲法は、
『主権が国民に存することを宣言』しています。
国の基本原理・基本原則を定める日本国憲法は、
まず、国民主権を掲げるのです」

「そのうえで、
基本的人権の尊重、
平和主義の、
三つの考え方が謳われています」

「一方、すべての小売業もまた、
この三つの考え方を基盤としています」

「国の主権者である国民に、
一人ひとりの人権を尊重して、
商品とサービスを提供する。
そして、平和の中で、
小売業は繁栄する――」

「あらゆる産業は、
国民生活に貢献するために
営まれています。
しかし、とりわけ小売業は、
国民の毎日の暮らしを
維持・向上させるために、
最も国民に近いところで
日々、活動します。
小売業はそのことに、
最大の存在意義をもつのです」

私の基本的な考え方だ。

今日の日経新聞一面に世論調査。
日本経済新聞社&テレビ東京が実施。

読売新聞は改憲論を主張している。
一方、朝日新聞・毎日新聞は護憲派。
現時点では、
立憲主義と非立憲主義という枠組みで、
改憲論を攻撃している。

日経新聞は立場を鮮明にしていない。
経済、ビジネス優先で、
その意味ではノンポリ。

だから世論調査に客観性が出てくる。
おもしろい。

その調査は日経リサーチが、
4月29日~5月1日に、
全国の18歳以上の男女を対象に、
乱数番号(RDD)方式によって電話で実施。
固定電話と携帯電話を合わせて、
2210件を対象に991件の回答を得た。
回答率は44.8%。

調査の方式も、
今回は18歳以上となったし、
固定電話と携帯電話を組み合わせた。
変化が面白い。

その調査結果、
日本国憲法に関して、
「現在のままでよい」の回答が50%。
2004年以降、同じ質問で調査して、
初めて5割に達した。

反対に「改正すべきだ」は40%。

「現在のままでよい」と答えた人の理由。
「平和主義が変質する恐れがある」が51%。
「よほどのことがない限り、
憲法改正すべきでない」が38%。

昨15年4月の1年前の調査。
「現在のままでよい」(44%)
「改正すべきだ」(42%)

護憲派がこの調査では伸びた。

年代別にみると、
改憲支持が護憲を上回ったのは、
30代、40代、50代。
逆に護憲が上回ったのは60代と70代。
18~29歳の若い世代も、
護憲が55%、改憲が39%。

さらに支持政党別の結果。
自民支持層は当然ながら改憲支持が多い。
無党派層は52%が護憲、改憲は36%。
民進支持層では77%が護憲、改憲は2割。

この論議は、安倍晋三政権のときだけでなく、
将来も続けられていくに違いない。

しかし、リンカーンとキング牧師の精神は、
世界の憲法の精神に、
通底しているものである。
DSCN0043-6
なによりも、大事なものだ。

〈結城義晴〉

2016年05月02日(月曜日)

5月の商人舎標語は「自らの成長に責任をもとう!」

Everybody! Good Monday!
[2016vol18]

2016年5月2日。
ゴールデンウィークの真ん中。

小売りサービス業は書き入れ時。

Weekly商人舎日替わり連載。
月曜朝一・2週間販促企画。
IDとパスワード保有者だけのページで恐縮。

5日(木)こどもの日から、
8日(日)母の日が、
今年の大目玉テーマ。
母と子の1週間。

そして明けた9日(月)からは、
夏夏夏夏ココナッツ!
そのくらいの劇的売り場転換が望まれる。

朝日新聞一面の『折々のことば』
編著は鷲田清一さん。

今日の言葉は、
「仕事はお芝居でしょ」(酒場にて)

たまたま隣り合わせた
“酒場の哲人”の言葉。

パスカルは『パンセ』のなかで言う。
「人が熱中する仕事も学問も遊戯もみな、
『自分』という存在の空しさに
向きあわないで済むよう、意識をたえず
他のものへと散らしておくための
『気晴らし』にすぎない」

いや、「仕事はお芝居でしょ」は、
劇的空間の店舗で、
役者を演じよ、ということだ。

このよろけ地球の自転山笑ふ  
〈朝日俳壇より 佐賀県有田町・森川清志〉
老齢の俳人。
おっと、よろけた。
転びそうになった。
地球の自転の所為?
かんしゃくのくの字をとって生きていく  
貼ってあるのにダメだな私  
〈朝日歌壇より 草加市・梶田純子〉
「癇癪」から「く」をとれば「感謝」
いい標語だ。そこで5月の商人舎標語。
月刊商人舎5月号の[Message of May]
自らの成長に責任をもとう!

責任とは、
引き受けて、
なすべき任務である。

当然、
負わなければならない義務、
となる場合もある。

しかしこの責任は、
自由があるから生まれる。
逆に自由を求めれば、責任が伴う。

そして、
責任が生まれたら、
任務や義務が明確になる。

自由、責任、義務のトライアングル。

組織においてもっとも大事なことは、
地位ではなく、責任である。
成功の鍵は、責任にある。

顧客に対して、社会に対して、
仲間や仕事に対して。
自ら責任をもつことである。

そして、一商人として、
自らの成果と成長にまで、
責任をもたせることである。
〈結城義晴〉

自分の成長にこそ、
自分で責任をもつ。

だれにも頼らない。
そうすれば、パスカルのニヒリズム、
超えることができる。

ピーター・ドラッカー先生は、
その心のあり方を言う。

ありがとうございます。

さて、ゴールデンウィークの、
『ほぼ日』糸井重里がつぶやき。

「気づいてみたら
休み中にやっておきたい宿題を含めて、
ずいぶんたくさんの仕事が溜まっていた」

まったくの、同感。

「だいたいいつごろまでにやっておこう、と、
考えかけてそのままにしておいたことが、
ひとつずつ増えていたというわけだ」

そうなんですね。
私も、あれもこれも。
溜まりまくっている。

「ぼくももう、こどもじゃないんだから、
もうちょっとやり方があったとは
思うんだけどねー。
やりかけのこと…。
やってる途中のことばかりだなぁ」

「と、どんよりと弱気になるところで、
おいおいおい、と、
気がついてしまったんだけど、
あらゆることは
『やりかけのこと』じゃありませんか」

このあたりが糸井らしい。

「ひとつなにかが終わったって、
その終わったところから
次の局面がはじまってる」

得意のたとえ話。
「こどもが生まれて、
親になったなんてときも、
やっと生まれましたね
という意味では終わりなんだけど、
そこからそのこどもを
育てていくことがはじまるわけで、
子育てが終わったねという日が来ても、
それでもまだなにかが続いているはずだ」

上手ですねぇ、相変わらず。

「人生は、
やりかけの日々の
積み重ねである」

名言?

「あらためてそう言うと、
なにか意味ありそうだけど、
ものすごく当たり前のことで、
そうに決まってるよね」

論理性とは、実は、
身も蓋もないことです。

「しかも、すべての人は、
たくさんのやりかけのことを
やりかけのまま残して、
生きることのエンディングを迎える」

「その、死という終わり方は、
目的にしてなかったのにね」

話は大げさになる。

「そして、じぶん以外の人たちが、
亡くなった人のやりかけのことを
引き継ぐわけでもなく
そのままにして忘れてしまったりもするし、
ときには続きとして、
またはじめたりもするわけだ」

パスカルも言う。
「多数の人々が鎖につながれ、
死刑を宣告されているさまを想像しよう。
幾人かが日ごとに眼前で絞め殺され、
残った者は、自分たちも
同じ運命をたどることを悟り、
悲しみと絶望の中で
互いに顔を見合わせながら、
自分の番がくるのを待っている。
これが人間の状態なのである」

パスカルほどストイックではないが、
糸井の妄想はさらに広がる。

「もともと宇宙とかいうやつだって、
目的のないどこかへと向かう
やりかけの積み重ねだ。
おれのやりかけの仕事ぐらい、
なんだっつーのだよ」

着眼大局着手小局。

「うむ。言い訳のなかにも、
幾分かの真実はあるものだよな」

のんきに見える糸井重里。
だが、いつもいつも
こういった思考回路を訓練している。

それは有益だ。

今日は一日、
横浜商人舎オフィスで、
原稿書きと責了仕事。
IMG_8152-6
今月の広告は、
エバラ食品工業㈱。

宮崎遵さん、感謝します。
近藤康弘さん、ありがとう。
http://www.shoninsha.co.jp/wp-content/uploads/2015/05/DSCN2004-5.jpg

産業と業界の指針を示し、
それを動かすメディアが、
月刊商人舎です。

なぜなら主だったトップマネジメントが、
全員、熟読してくれていて、
しかも私たちの問題提起に、
真摯に取り組んでくれているからです。

私は自分の責任において、
このメディアを編集しています。

ありがとう。

では、みなさん、
今週も、Good Monday!

〈結城義晴〉

2016年05月01日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その2】タンポポの綿毛

猫の目は、
斜め後ろも見える。
距離感を正確につかむ。
暗いなかでも見える。

そんな目で見る博物誌――。
DSCN8963-2016-4-10-66666

「博物誌」といえば、
ローマ帝国時代のプリニウスの『博物誌』。

プリニウスは、
ストア派のいわば禁欲主義者。

自然法則にしたがって、
徳の高い生き方を目指した。

プリニウスは、
夜明け前から仕事をはじめて、
勉強している時間以外は
すべて無駄な時間と考えた。

読書をやめるのは
風呂につかっている時だけだった。

紀元79年、ヴェスヴィオ山が大噴火。
ポンペイの町が壊滅した。

プリニウスは、
ローマ西部艦隊の司令長官だったが、
ポンペイの友人らを救出し、
同時に火山現象を調査しようと、
ナポリ湾をわたって上陸。

そこで死亡した。

そのプリニウスの大作が、
37巻の『博物誌』
自然と芸術についての百科全書。

プリニウスとまではいかないが、
猫の目博物誌――。
DSCN8963-2016-4-10-66666

春の川辺。
IMG_4528-6

新緑の季節。
IMG_4529-6

黄色いタンポポの花が、
一度閉じて、蕾になる。
それがふたたび開くと、
綿毛が現れる。

〈http://www.rightplants4me.co.ukより〉

右端は綿毛が開く直前の蕾。
IMG_4527-6

そしてタンポポの綿毛が開いた。
IMG_4526-6

タンポポは、
キク科タンポポ属(Taraxacum)の多年草。
生命力が強い。
DSCN8475-6
英語では、dandelion。
プリニウスが使っていたラテン語では、
Taraxacum

そう、学名はラテン語を使う。

春の花の代表だが、
猫はそれほど、
この花が好きではない。

むしろ、綿毛がいい。
IMG_4524-6

もともとは、
「フヂナ」あるいは「タナ」と呼ばれた。

江戸時代には、
鼓草と言われた。
「つづみぐさ」

鼓をたたく音が、
「タン」と「ポポ」

この擬音語が語源で、
鼓草は「タンポポ」となった。

これは通説。
正しいかどうかわからない。

DSCN8476-6
英語の「dandelion」は、
フランス語の「dent-de-lion」からきた。
lionはライオン、dentは歯。
つまりライオンの歯。

ギザギザした葉が、
ライオンの牙を連想させた。

現代フランス語では、
pissenlitという。

piss-en-lit。
ピサンリ。
tは発音しない。

pissはおしっこ、litはベッド。
「ベッドのおしっこ」
つまり「おねしょ」

タンポポには利尿作用があるから。

フランス人の観察は、
かわいい。

綿毛は英語でblowball。
「吹かれる球」か。
IMG_4525-6
しかしこの綿毛は、
タンポポの果実である。
つまり種子。

綿毛の飛行距離。
なんと約10kmとか。

秒速0.5mの風でも、
それに吹かれて、
宙に浮いている。

風によって種子を飛散させ、
種の存続を図る。
IMG_4530-6

綿毛は生命の源だ。
IMG_4522-6

「タンポポと南風の物語」

南風は怠け者だ。
いつも寝そべって野原を眺めていた。

ある春の日、南風は、
野原のなかに、
黄色い髪の美しい少女を見つけて、
恋に落ちた。

実はその少女はタンポポだった。

それに気づかない南風は、
毎日夢中になって、
少女を見つめ続けた。

しかし、いつのまにか少女は
白髪の老婆になってしまう。

南風は、悲しみのあまり、
大きなため息をついた。

すると、ため息に飛ばされて、
白髪の老婆も 、
いなくなってしまった。
IMG_4521-6

しかしタンポポの綿毛は、
白髪の老婆ではない。

未来をつくる生命の源だ。

タンポポは、
花を開かせるために
生まれてきたのではない。

宙に浮き上がって、
世界を見下ろす。
そして、生命の種を、
植えつける場所を探す。

そのために、
タンポポは生まれてきた。IMG_4523-6

それに猫は、
黄色い髪の少女に、
恋をしたりしない。

怠け者の南風よりも、
勉強家のプリニウスでいたい。
DSCN8963-2016-4-10-66666

〈『猫の目博物誌』(未刊)より by yuuki〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
ミドルマネジメント研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.