結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年01月17日(火曜日)

ニューヨークへ出発する日の「クルーグマンの諦念?」

今日の1月17日。
22年前の今日、
阪神淡路大震災が起こった。

6434人が亡くなった。

そのあと、2004年10月23日に、
新潟県中越地震が起こり、
さらに2011年3月11日の東日本大震災。
そして昨年4月16日、熊本地震。

22年前、私は㈱商業界で、
食品商業編集長だった。

あれから、22年。

こんなにも大きな地震や津波が、
次々に日本列島にやって来るとは、
とても想像できなかった。

ただ、耐えるしかないのだろうか。
多分、耐え続けて、そのたびに、
それを乗り越えるしかないのだろう。

今日は朝から、横浜ベイブリッジ。
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大きな橋の真ん中くらいから、
横浜港、みなとみらい、
そして富士山が見えた。
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絶景に感動。

バスは動いて、
ランドマークタワーと、
富士の姿が重なった。
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美しい。

1時間半で、成田空港。
第2ターミナルで、
チェックイン。
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そして出発。
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今回は㈱ロピアのニューヨーク研修。
福島道夫さんと浅田圭介さん。
福島さんは取締役営業本部長、
浅田さんは人事総務部チーフ。

本隊は別便で、羽田空港発。
2班に分かれて、期間は10日間。

実り多い研修をして、
ロピアの躍進を支えたいと思う。

JAL006便に乗り込んで、
12時間。
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このブログはしばらく、
最新アメリカ報告となる。

もちろん今週金曜日の20日には、
ワシントンDCで大統領就任式。

その現場感覚も、
報告しようと思っている。

日経web刊の経営者ブログ。
IIJ会長の鈴木幸一さん。
「それでもトランプ氏が
大統領に就任する」

「その言動は相変わらずで、
いささか食傷気味になってきた。
選挙中の発言と、
大統領としての考えは違うわけで、
少しは変わってくるのかと思ったのだが、
どうも余計な深読みのようだった」

同感。

「大統領という責務を担う資質が
ないことを危惧するばかりである」

ツイッターで繰り返しているのは、
「米国第一、生産の場を米国に戻し、
雇用を取り戻す」ばかり。

「世界経済に触れることもない。
まして、世界の将来に対する理念や、
世界における米国の役割には、
一切触れようとしない」

初めての記者会見。
「はぐらかしては脅す」
従来のやり口の繰り返し。

CNN記者の質問に対しては、
「君のメディアは、Fakeだ」

「一切の質問に答えようとしないのには、
空いた口がふさがらなかった」

「ツイッターでしかものを語らない
米国の大統領の時代」

「今後、世界はどこに向いていくのか、
いささかなりとも、考えてみたくなる」

「トランプ現象を注意深く見つめることが、
未来を考えるためのひとつの
鍵になるかもしれない」

日本の知性は、
トランプ現象に対して、
冷静だ。

一方、アメリカの頭脳。
ポール・クルーグマン教授が、
ニューヨークタイムズのコラムで発言。
朝日新聞デジタルに掲載。

ニューヨーク市立大学教授で、
2008年にノーベル経済学賞受賞。

「さあ、私たちはいま、
何をしたらよいのだろう?」

クルーグマン博士、
ずいぶん落ち込んでいる。

「さしあたり、このひどいショックに
個人としてどんな態度を取り、
どう振る舞えばいいのかを話したい」

率直だ。

「選挙とは、権力をつかむ人を
決めるものであって、
真実を語る人を決めるものではない」

「トランプ氏の選挙運動は、
かつてないほど欺瞞に満ちていた。
このうそは政治的な代償を払うことなく、
確かに多数の有権者の共感をも呼んだ」

「だからと言って、
うそが真実に変わることはない」

経営者も政治家も、
もちろん学者もジャーナリストも、
嘘は絶対にいけない。

「理知的に正直に考えれば、
だれもが不愉快な現実を
直視しなければならない」

「つまり、トランプ政権は米国と世界に
多大な損害を与えることになる」

「悪影響は、今後何十年、
ことによると何世代も続くだろう」

ずいぶん、深刻な言い回しだ。

第1に「気候変動の行方が懸念される」
パリ協定はおそらく白紙に戻される。
「損害は計り知れない」

第2に「最悪の場合、陰湿な人種差別が
米国全土で標準となる可能性がある」

第3に「市民の自由」も、
心配しなければならない。

そしてトランプ現象の皮肉。
「トランプ氏の政策は、
彼に投票した人々を
救済することにはならないだろう。
それどころか、支持者たちの暮らしは、
かなり悪化すると思われる」

「しかし、このことは徐々に
時間をかけて明らかになる」

だからすぐに、
政権の破たんが訪れるわけではない。

ではアメリカ国民は、
どうしたらいいのか?
「一つの素直な対応は、
沈黙することだろう。
政治に背を向けることだ」

クルーグマン自身、
「あの日以降の大半はニュースを避け、
個人的なことに時間を費やし、
基本的に頭の中を
からっぽにして過ごした」

しかしクルーグマンは、反省する。
「民主主義国の市民の生き方」は、
そうでは決してない。

そして米国人の特性を語る。
「道を誤ることもあるかもしれないが
必ず元に戻る道を見つけ、
そして必ず最後は正義が勝つ」
そう考えるのが、
アメリカンスピリッツである。

しかしそれでも、
自信喪失気味に自戒する。
「おそらく、米国は特別な国ではなく、
一時代は築いたものの、
いまや強権者に支配される
堕落した国へと転がり落ちている
途上にあるのかもしれない」

あのクルーグマンが、
行ったり来たりの論説。

最後に気を取り戻す。
「だが、免れようがないと言って、
この状況を受け入れるつもりはない。
受け入れたら、予言の自己成就に
なってしまうだろう」

「米国があるべき姿へと戻るのは、
だれもが予想するより、
長く、険しい道のりだろうし、
うまくいかないかもしれない」

「でも、やってみるより
ほかに、ない」

このアメリカ随一の頭脳の反応は、
次々に起こる大地震への、
日本人の諦念のごとくに聞こえてしまう。

その日本人らしさを意識しつつ、
アメリカ・ニューヨークの空気を、
吸いながら考えることとしよう。

〈結城義晴〉

2017年01月16日(月曜日)

万代知識商人大学第一期修了式とGEの“Big Thinker”

Everybody! Good Monday!
[2017vol3]

2017年も第3週。
こうして時間は、
ずんずんと進んでいく。

力強く、正確に、規則正しく。

気分次第でこれが、
早くなったり、遅く感じたり。

しかし、年齢を経るとともに、
確かに時間は早まっている。
永遠に向かって。

永遠といふ幻とゐる日向ぼこ   
〈朝日俳壇より 東京都・重田春子〉

空閉ぢてこの国だけの冬に入る  
〈同 高槻市・山岡猛〉

日本列島を包んだ寒波、
裏日本に雪を降らせている。

一羽来て二羽来て三羽初雀   
〈同 今治市・横田晴天子〉
(稲畑汀子選評)平素見かける雀である。
正月には特に初雀として親しむ作者。
一羽二羽三羽と目の前に降りてくる。

しかし、このところ、
街で雀を見たことがない。
これも地球温暖化に、
どこかで影響を受けているのか。

その地球温暖化を、
「でっちあげ」と言ったのは、
ドナルド・トランプ次期大統領。

アメリカの科学専門誌『サイエンス』
昨年、ラッシュ・ホルト会長の署名で、
論説を発表。
「大統領になったら、
科学を尊重してほしい。
事実に基づいてほしい」

今週金曜日の20日に、
その大統領就任式。

アメリカでは現在、
大規模な反対デモが計画されている。

私は明日の17日火曜日から、
ニューヨークに滞在する。

昨年11月8日にも米国にいた。
一般有権者の選挙人選挙の日だった。

トランプがわずかな差で勝利したが、
あの時にも大規模なデモが起こった。

大統領に限らず、
事実を重視する姿勢は必須だ。

さて、昨日15日は、
「小正月」
関西では、小正月までを「松の内」と呼ぶ。
この松の内に忙しく働くのが主婦。
そこで彼女らをねぎらう意味で、
「女正月」ともいう。

その小正月の午後、
新横浜から新幹線のぞみ。
相模川も美しい。
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そして小田原の富士。
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頂上に雲がかかっている。
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その威容。
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いつも、これを見ると、
得した気分になる。名古屋を過ぎ、
岐阜羽島のあたりは、
もう、雪。
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しかし大阪には雪はなかった。

明けて今日は、東大阪市。
朝7時30分過ぎに、㈱万代へ。
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万代知識商人大学。
第1期の最終講義は、
いつもの会議棟。
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世界で初めて、1956年に、
企業内大学を創設したのは、
米国ゼネラルエレクトリックだった。

通称「クロントンビル」
「ジョン・F・ウェルチ・リーダーシップ開発研究所」という。
現在も続いている。

GEは幹部教育と、
次世代のリーダー教育こそ、
もっとも重要だ考えている。

そして望む人財は、
“Big Thinker”  
すなわち「大きな考え方の人」
「大きな視野を持つ人」

GEに続いて、アメリカでは、
ほとんどの大企業が、
企業内大学を開校した。

ゼネラルモーターズ、モトローラ、
コカ・コーラ、インテル、
ディズニー、マクドナルドetc。

日本でもアメリカの影響を受けて、
1990年代後半にNECが先鞭をつけた。
その後、トヨタ、ソニーなど、
日本を代表する製造業に、
企業内大学はブームのように広まった。

小売業では現在のイオンが、
かつてジャスコ大学を開設し、
それがイオンビジネススクールへと、
発展している。

ちなみに私は毎年、
その開校記念講演を担当している。

ファーストリテイリングも、
2010年からFR-MICを開始。
ファースト・リテイリング・マネジメント&イノベーション・センター。

万代知識商人大学は、
日本のスーパーマーケット企業としては初めて、
昨2016年4月からスタートして、
8回の講義とアメリカ視察研修を重ねてきた。

そしていよいよ、最終回。

全員が揃って7時50分から開始。
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30名の精鋭たちが、
毎月丸1日の講義を受講し、
考えに考えて、レポートを執筆。

やっと最終日を迎えた。
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私の冒頭の挨拶の後は、
一人ひとりが卒論レポートの内容を、
プレゼンテーションする。

その一人ひとりの報告を、
加藤徹会長、阿部秀行社長をはじめ、
役員の皆さんが聞き入る。
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そして鋭く厳しい質問を投げかける。
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そのあとで私が講評をする。

図らずも大学院の論文審査と、
全く同じ形式となった。

主査が結城義晴で、
副査が加藤徹、阿部秀行。

タジタジの第一期生たちだったが、
その彼らに、昼食後、
サプライズのプレゼント。

アカデミックガウンだ。
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もちろん万代知識商人大学理事長、
加藤さんもガウンを羽織る。
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阿部さんも似合っている。
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昼食をはさんで、
全員のプレゼンが終わったのが、
午後2時半。

学長の私も久しぶりに、
アカデミックガウンを羽織り、
最終総括講義。
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知識商人大学のマネジメント体系を整理、
知識の習得と実践の重要性を語った。
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ピーター・ドラッカーは言う。
“As a rule, theory does not precede practice”
「原則として、理論が実践に
先行することはない」

そして“Practice comes first!”
「実践第一!」

事実を最重視しつつ、
実践を第一にしてほしい。

実践と理論化、そしてまた実践。
これが繰り返されるところから、
進化やイノベーションが生まれる。

今日のクライマックスは、
修了証書授与式。
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一人ひとりに修了証書と、
記念のピンバッジが贈られた。
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阿部社長からの祝辞。
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万代の全役員も加わり、
全員での記念撮影。
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心からおめでとう。

私も加藤さん、阿部さんと、
3人で記念撮影。
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最後は本社玄関前で、
帽子投げ。
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見事に30の帽子が宙を舞った。

おめでとう。

その後は、謝恩会。
万代取締役も全員、
祝いの席に駆けつけてくれた。
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下岡太市副社長が
噺家並みの司会ぶりで、
大いに盛り上がった。
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第一期生全員が語り、
役員も全員が話した。

級長の津田睦さんから、
色紙をもらって、感激。
第一期生の言葉が書かれていた。
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そのお礼にふたたび激励の言葉。
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中締めは、不破栄副社長。
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大阪締め。

朝から長い長い1日だった。
全員が幸せを感じる、
記憶に残る1日だった。

最後に朝日新聞『折々のことば』
みんなを照らす太陽も
たまには休んで
月にもなりたいと
思う時もあるはずだと
分かる人で ありたい
(岩崎航『点滴ポール 生き抜くという旗印』から)

「幼くして筋ジストロフィーを発症し、
凄絶な吐き気に苦しみ、今も、
人工呼吸器と栄養摂取の管を
外せない岩崎航さん」

「『在る』ことが、
苦難そのものだと知るからこそ、
彼を支える家族らの
エンドレスの頑張りを思い、こう詠う」

商人は日々、休まず、
店を開け、顧客を迎える。

みんなを照らす太陽のようだ。

そんな太陽もたまには休んで、
月にもなりたいと思う時もあるはず。

それでも考えることは休まず、
“Big Thinker”であってほしい。

では、みなさん、
今週も、よく考え、
よく働きましょう。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2017年01月15日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その30】ツバキ・寒椿・山茶花

猫の目で見る博物誌――。
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猫の目は冬の季節をとらえる
――。

寒い朝でも 寒椿
きりきりしゃんと
ひらいてる

ながめていると
手をたたき

こっちのキモチも
しゃんとする

寒い朝なら 寒椿
きりきりしゃんと
ひらいてる

庭下駄はいて
そばへ行き

何かを話して
みたりする

〈サトー八チロー「寒椿」
『抒情詩集』(サンリオ出版)より〉
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詩や小説など文学作品には、
「寒椿」(かんつばき)が多い。

演歌や童謡には、
「山茶花」が多い。

しかし寒椿と山茶花は、
混同されていることが多い。

さらにツバキが加わってくると、
またわかりにくい。

学名で見てみると、
「椿」はCamellia japonica。
ツバキ科ツバキ属の常緑樹。
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花が開くのは、原種が2月~4月。
園芸品種では9月~5月。

花の開き方は、
内側にまとまっている。
花が散るときには、
根元から首が落ちる。
香りは弱い。

寒椿は学名Camellia sasanqua cv。
こちらもツバキ科ツバキ属の常緑樹。
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花が咲くのは10月~2月。
花は平に開く。
香りは強い。

そして山茶花は、
学名Camellia sasanqua Thunb。
ツバキ科ツバキ属の常緑樹。
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寒椿と山茶花は非常に近い品種。

花が開くのは10月~1月。
こちらも花は平らに開く。
そして花びらが一枚ずつ落ちる。
香りは強い。

こうしてみると、
まず、寒椿と山茶花は、
見分けにくい。

寒椿のほうが花びらの数がちょっと多い。

ツバキと寒椿・山茶花は、
比較的違いが明確だ。

花が咲く時期が違う。
花が閉じているのがツバキ。
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開いているのが寒椿と山茶花。
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有名な話だが、散るときに、
首からすとんと落ちるのがツバキ。

河東碧梧桐の句。
赤い椿白い椿と落ちにけり

散るときに一枚ずつ、
花弁が落ちるのが、
寒椿と山茶花。

夏目漱石の俳句。
二三片山茶花散りぬ床に上

ここはやはり山茶花だ。

小林一茶にあるのは、こちら。
火のけなき家つんとして寒椿

それでもみんな、
キク類・つつじ目、
ツバキ科・ツバキ属。

仲良く咲いてください。

寒い朝なら、
ツバキ、寒椿、山茶花。
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首から落ちるツバキ、

一枚ずつ散る寒椿と山茶花。

猫はツバキ派でした。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

2017年01月14日(土曜日)

カルロス・ゴーンのCFTと「No Profit! No Program!!」

連日の新年会。
ああ、疲れた。

昨日は横浜商人舎オフィス。
朝から来客。

まず、第一屋製パンの幹部の皆さん。
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私の隣が前川智範社長。
マッキンゼー・アンド・カンパニーから、
ポッカコーポレ-ションなどを経て、
昨年1月に第一屋製パン社長就任。

今年は正念場の改革の年です。

入れ替わるように、
村上篤三郎さん、来社。
ランチは野田岩で鰻。
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村上さんは、
㈱西友から㈱エコス常務を経て、
現㈱たいらや社長へ。
その後、現在は、
㈱ロピアの管理本部長。

商業経営問題研究会メンバーでもあって、
杉山昭次郎先生や磯見精祐さんと、
熱いディスカッションを重ねてきた。

お二人とも故人となってしまって、
なんとも寂しい限りだが、
村上さんは西友入社のころから、
昨年、物故された髙山邦輔さんに、
かわいがられた俊英だった。

現在は、躍進するロピアを、
マネジメントサイドから支える。

さて、日経新聞『私の履歴書』
今月はカルロス・ゴーン。
日産自動車社長で、
ルノー会長兼CEO。

おもしろい。

1954年、ブラジル生まれのレバノン人で、
パリ国立高等鉱業学校を卒業。
フランスの工学系グランゼコールの俊英。
卒業後、ミシュランに18年間在籍。
その後、ルノーに、
上席副社長としてスカウトされる。

ミシュランはタイヤメーカー、
ルノーは自動車メーカー。

子どものころから天才的な頭脳を持ち、
理工系の論理性を備える。

ミシュランでもルノーでも、
ゴーンは自ら、
数々の改革を成し遂げる。

その後、ルノーと日産は資本提携を結ぶ。
日産の経営が危機を迎え、
ルノーが救済に入る。
ゴーンはルノー上席副社長のまま、
日産COOとなって、
改革のために乗り込んでくる。

昨日の第12回は、
その「再生計画」
今日の第13回は、
「ゴーン・ショック」

再生のためにゴーンは、
各部門から中間管理職を集めて、
CFTを組織する。
「クロスファンクショナルチーム」

1チームは10人。
それが購買、生産、財務など、
10のチームに分かれて、
詳細を詰めていった。

CFTはゴーンの中心的な経営手法である。

ゴーンも各チームの議論に加わった。

例えば購買チーム。

「日産の車はルノーに比べて
20%も高く部品を買っていた。
高級品を使っていたわけではない。
取引部品メーカーがあまりにも多く、
規模の経済を生かせていなかった」

この現象、どれだけ多くの企業
現在も抱えていることか。

CFTメンバーは当初、
「3年間で5%のコストを削減」と言った。

しかしそれでは、
抜本的な改善にはならない。

ゴーンは言った。
「もっと大胆に考えよう」

すると一連の会議の最後には
「2年間で20%の削減」となった。

「積極的で、しかも、
裏づけのある数字を
導き出した」

ここで大事なことがある。

「私は頭の中に
自分だけの数字を持っていた。
だが、それを明かすことは一切なかった。
日産に必要なことは日産にある。
答えは社員の中にあるはずであり、
それを自力で見つけて仕事をしなければ
再生の難事業は不可能だった」

答えは社員の中にある。
それを自力で見つける。

「日産は絶望的な状況にあった」

国内シェアは26年間も下降線。
それまで8年間に7回の営業赤字計上。
有利子負債は2兆円を超えていた。

なぜか。

「1つは利益を
大切にしてこなかったからだ」

私の言葉でいえば、
利益にストイックでなかった。

当時、日産は43種類の車を売っていた。
黒字を出していたのはわずかに4車種。

当時の経営会議で、
新型車の開発計画が上がった。
赤字になることが明らかだった。

ゴーンは一言、
「ノープロフィット、ノープログラム」
そして却下した。

役員会で新車計画が通らなかったのは、
初めてだった。

担当者は反論した。
「それでは販売店で
売る物がない」
この発言、多いよな。

しかし赤字が明らかな製品は、
つくってはならない。

再生計画の検討は、
99年9月後半まで続いて、
1冊のファイルにまとまった。

10月、ゴーンは執務室にこもっって、
ファイルを熟読、推敲を重ねた。

「社員や株主、社会に、
どう伝えるべきかを考えた」

10月18日。

ゴーンは東京・箱崎の会場で、
「日産リバイバルプラン」を発表する。
NRPと略称された。

「説明し終えた私に、
国内外のメディアで埋まった会場からは
一拍おいて大きな拍手が起きた」

ゴーンはNRPを自ら信じ
人々にも信じてほしいと願った。

そのために公言した。
「1年後に
黒字化できなければ、

他の役員とともに辞める」

様々な反響。

部品取引の見直しは、
「系列破壊だ」と言われた。

しかしゴーンはすべて破壊するつもりは、
全くなかった。

「系列そのものが
悪い仕組みだと思ったことはない」

「日本には固有の歴史や慣習がある。
それはできうるかぎり、
尊重されるべきだと思っていた」

「ただし、それは仕組みが
機能していればの話である」

日産の系列取引の場合は、
そうではなかった。

NRPでは当時、
取引先を半分に減らすと
表明していた。

しかし、18年が経過した現在、
取引先の数は一度は減ったが、
日産の再生が果たされることで、
2000年以降、大幅に増えた。

同様に、NRPでは、
5つの工場を閉鎖し、
従業員を15万人から2万人減らした。

しかし再生後は、
世界中で15の工場を新設。
従業員数も24万5000人、
2倍近くに増員した。

財務では2兆円超の有利子負債が減り、
手元資金がそれを大きく上回る。

日産は売上高営業利益率を4.5%にし、
有利子負債を7000億円以下に減らした。

公約を2002年3月期に、
1年前倒しで達成。

「V字改革」と呼ばれた。

「目標を1つでも達成できなかったら、
日産を去る、と約束した私は、
00年6月に社長、
01年6月にはCEOに任命された」

私も㈱商業界社長のころ、
実はこのゴーンのCFTを採用して、
会社の改革にあたった。

そしてそれは一定期間に、
劇的な効果を発揮した。

日産のようには、
完結しなかったけれど。

中間管理職は、
非組合員で管理監督者である。

そのミドルマネジメントが、
改革の中枢を担って、
問題意識を共有し、
活発に部門間のやり取りをする。

そしてCFTの各チームが、
大胆に考え、積極的に、
裏づけのある数字を導き出す。

この改革の時に大事なのは、
「No Profit! No Program!!」
そして「利益にストイック!」であること。

これが時代を超えた、
改革のセオリーである。

〈結城義晴〉

2017年01月13日(金曜日)

トランプ記者会見批判とAJS新年トップ研修会の「信頼の文化」

昨夜は満月。
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美しい月。
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しかしドナルド・トランプ次期大統領。
当選が決まってから2カ月後、
やっと記者会見を開いた。
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バラク・オバマ大統領は3日後、
ジョージ・ブッシュ大統領は2日後。

その間、ツイッターで、
勝手な放言をするだけ。

世界の新聞が一斉に、
社説で批判した。

日経新聞の社説タイトル。
「トランプ氏は疑問にきちんと答えよ」

「会見の中身もお粗末だった。
事業を続けつつ、公職に就くと公私混同、
利益相反が起きるのではないか。
その疑問に答えるはずが、
経営を長男らに任せると述べたに留まった」

「補足した弁護士は
株式の売却などは否定した。
だとすれば、事業は引き続き
最大株主であるトランプの影響下にある。
外国企業との取引を有利に進める観点から
外交政策を判断するのではないか、
などの懸念は払拭されない」

「トランプ氏の本質は当選後も変わらない。
初会見でそれはわかった。
激動への備えが必要だ」

朝日新聞社説。
「危うい自分中心の政治」

「その口から出たのは、
雇用増など『業績』の自賛と、
自らへの批判や疑惑に対する
容赦ない反撃の数々だった」

「記者会見で浮き彫りになったのは、
説明責任を果たさず、
政治倫理に無頓着なまま、
『自分』にとって得か損かを
基準にするトランプ氏の考え方だ。
そんな『自分第一主義』からの
決別を促すために、
議会やメディアが果たすべき責任は重い」

読売新聞。
事実誤認に基づく対日批判だ」

「日米貿易摩擦が過熱していた時代から、
頭が切り替わっていないのではないか。
貿易赤字を絶対悪とする
過去の物差しに基づく対日批判は
看過できない」

「標的にされたトヨタ自動車は、
米国に10工場と1500の販売店を持ち、
13万6000人を雇用する」

「日本の対米直接投資は、
英国に次いで2番目に多い。
米経済を潤す側面を軽視し、
事実誤認の発言を繰り返すのは、
見識と品位を欠く。
貿易赤字は、米国の消費市場が
巨大である結果と言える」

「『最も偉大な雇用創出者になる』
と強調したが、失業率は4.7%で、
『完全雇用』に近い。
支持者の期待に応える手立ては、
外国たたきではなく、
賃金上昇と格差是正だろう」

そして英国フィナンシャルタイムズ。
「見下げ果てた『利益相反』への対応」

「トランプ氏は利益相反の問題に
茶番劇のような対応を取っている」

「トランプ氏は自らの会社の経営を、
絶えず連絡を取り合っている
息子2人に譲り渡した。
2人とも政権移行チームのメンバーだった」

「自分の富の全てが
家族の管理下にある会社と
結びついている状態は『分離』ではない。
子供でもわかることだ」

「トランプ氏は、このお粗末な対応に、
確かめようのない
一連の約束を付け加えた。
息子2人とファミリービジネスに
関する話をすることは一切やめる。
会社の意思決定に、
『倫理的な』制約を課す。
外国の公職者が
自分のホテルを利用した際の
収益は財務省に譲り渡す。
外国との『取引』は禁じる
(何が『取引』にあたるのか、
はっきりしないままだ。
例えば、外国の相手からの投資は
『取引』にあたるのか、知るよしもない)」

「しかも、トランプ氏は
納税申告書の公表を拒んだままだ」

「資産を完全な白紙委任信託に預託したり、
売却したりするなど、
自分をビジネス上の権益から
切り離すことをしないせいで、
トランプ氏は大統領就任初日から
不正を疑う目で見られるばかりか、
政権内の他の億万長者らに対して、
さらに最も重大な点として
世界各国の政府に対して、
ひどいメッセージを発信している」

トランプ政権、いつまでもつか。

さて昨日は、
AJS2017年新年トップ研修会。
オール日本スーパーマーケット協会。

第一部は特別講演会。
三菱総合研究所の為本吉彦さん。
「IoT×AIで変わるビジネスモデル」

私は第二部から参加。
AJSの若手経営者が登壇し、
パネルディスカッション。
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テーマは、
「スーパーマーケットの未来」

スーパーマーケットにかけるロマンを、
語り合った。

㈱かましん社長の若井禎彦さん。
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かましん4代目社長で、46歳。
40歳で社長になった。

「三つの考え方を貫く。
①続かないことには手を出さない
②どこを変えてどこを変えないか
③正直商法」

㈱サンプラザ社長の山口力さん、45歳。
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2016年5月期で年商118億円。

「『食卓に安心と健康』をテーマに、
フードアクションニッポンでは、
5年連続6部門で入賞した」

㈱マルイチ社長の高木大さん、43歳。
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「特徴のない『最高のふつう』を提供する。
つまり、高級でなく、
ディスカウントでなく、
普通のスーパーマーケットの
一番店を目指す」

電子マネー利用率は4割を超える。

そして㈱丸合社長の梅林裕暁さん。
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現在、39歳だが、社長就任は35歳。

「AJSは共通の基盤をもって、
緩やかな連携をしていく必要がある」

コーディネーターは田尻一さん。
AJS会長で、前サミット社長。
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いいパネルディスカッションだった。

もうちょっと元気のいい話がほしかった。

第三部は懇親会。
AJSは着席しながらの懇親。
これがいい。
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はじめに田尻さんのあいさつ。
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そして乾杯のご発声は、
布施孝之さん。
キリンビール社長。
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45分間の食事タイムの後は、
会場いっぱいで名刺交換や懇親。

私も多くの方と新年を祝いあった。
エレナ会長の中村圀昭さん。
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キョーエイ社長の埴渕一夫さんと、
いちやまマート社長の三科雅嗣さん。
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埴渕さんから、
とてもいい提案をいただいた。
実現させましょう。

ヤマナカ社長の中野義久さん。IMG_2347-1
最近、店が元気になっている。

関西スーパーマーケット社長、
福谷耕治さん。
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みんなを巻き込んで、
ワイガヤでいきましょう。

コノミヤ社長の芋縄隆史さん。
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若手経営者ながら実に頑張っている。

井上淳さん。
日本チェーンストア協会専務理事。
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こうした会合には、欠かさず出席。
ご苦労様です。

AJS名誉会長の荒井伸也ご夫妻を囲んで、
セブンスター社長の玉置泰さんと。
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今度は荒井さんを囲んで、
サミット社長の竹野浩樹さんと
服部哲也さん。
服部さんは取締役常務執行役員。IMG_2354-1

スーパーアルプス社長の松本英男さんと、
伊藤園副社長の本庄周介さん。
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ゴルフ談義で盛り上がった。

同じく伊藤園副会長の江島祥仁さん。IMG_2320-1

エバラ食品工業社長の宮崎遵さん。IMG_2313-1
月刊『商人舎』11月号、
「働き方改革×人材マネジメント」特集を、
評価してくれた。

私の隣は寺岡精工社長の片山隆さん。
そして専務の山本宏輔さん。
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左は松井康彦さん。
商人舎エグゼクティブプロデューサーで、
アドパイン代表

岡村製作所の皆さん。
右から、酒徳真司さん、
取締役西日本営業本部長。
山本文雄さん、常務取締役事業本部長。
井上健さん、取締役東日本営業本部長。
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カスタマーコミュニケーションズの2人。
企画本部長の越尾由紀さんと、
リテールマーケティング部課長の長谷川徹さん。
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越尾さんは今、最強のマーケッター。
私はCCLの社外取締役を務めているが、
どんどん改革が進んでいる。

夕方5時から2時間。
宴の後の会場で、
AJS専務理事の松本光雄さんと。
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お疲れ様でした。

そして大活躍だった
田尻一さん。
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ひと
仕事の後の、いい笑顔。

最後の最後は、
恒例、AJS事務局の皆さんと。
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チョットつまらない。
おとなしすぎる、ということで、
今年AJSは55周年を迎えるから、
両手を開いて、55。IMG_2364-1

今日も最後は、
朝日新聞『折々のことば』
鷲田清一さん編著。

背に腹は代えられぬ
(言い習わし)

「せっぱつまったとき、自分を守るため
他を二の次とすることになっても
やむをえないと人は言う」

「背が内臓を護る人体の外壁だとすれば、
腹は、いのちを養うその臓器を包む内側。
が、ほかの生き物なら他に対して
まずはひた隠しにするその柔い〈内〉を
たがいに触れあわせる習慣をも
ヒト社会は育んできた」

「抱擁と握手」
「胸を開いて」
「腹を割って」。

「そう、信頼という文化を」

AJSにも、
真の信頼の組織文化が求められる。

トランプにも、本当は、
「胸を開いて、腹を割って」が、
必須であるのだが。

〈結城義晴〉

2017年01月12日(木曜日)

セブン&アイのトップ人事とオバマ大統領の”Yes, we did”

セブン&アイ・ホールディングス、
トップ人事を発表。

亀井淳さんと大久保恒夫さんが退任。
亀井さんはイトーヨーカ堂、
大久保さんはセブン&アイ・フードシステムズ、
それぞれの社長。

ほんとうにご苦労様でした。

亀井さんは前任の戸井和久さんの、
突然の辞任での、急遽の返り咲き。
後任は三枝富博常務執行役員。
亀井さんが72歳、三枝さんが67歳。

竹田利明さんが取締役副社長で、
営業本部長に昇格した。

大久保さんの後任は、
小松雅美取締役執行役員。
小松さんはデニーズ生え抜きの57歳。
大久保さんはまだ60歳で、働き盛り。

私もよく知る大久保さんだけに、
セブン&アイにとっては、
残念なことになったと思う。

もったいない。
惜しい。

大久保さんは、
セブン&アイを世界企業にし、
流通革命に貢献したいと、
本気で考えていた。

そんな志を持つ人間はいま、
セブン&アイにはあまり見当たらない。

私も残念だと思う。

周知のことだが、同社は、
昨年5月に鈴木敏文さんが退任。
井阪隆一さんが急遽、社長に就任。

井阪さんは昨年10月7日に、
いわゆる「100日プラン」を策定して、
改革に勤しんでいるが、
いまのところ人事以外はやっていない。

その10月には、
そごう・西武の松本隆社長を、
林拓二さんに交代させた。
松本さんは西武百貨店生え抜きの64歳、
林さんも西武出身で63歳。
セブンカルチャーネットワーク社長をしていた。

このそごう・西武に続くトップ人事が、
今回の三枝・小松人事。

まあ、お手並み拝見といったところだが、
セブン&アイから、
「商売人魂」や「商売経験」が、
どんどん薄れていくような印象だ。

大高善興さんの存在が、
このグループにとって、
ますます重要になってきた。
もちろんヨークベニマル会長。

大久保さんも引く手数多だし、
外食産業よりも小売業の専門家だから、
もっと力を発揮できる舞台が、
待っているに違いない。

退任といえば、
バラク・オバマ米国大統領。

イリノイ州シカゴで最後の演説。
実にうまい演説だと感心した。
聴衆もその言葉に酔いしれた。

デモクラシーとダイバーシティ。
それがオバマの精神だ。

アフガンとイラクの戦争を終結させ、
キューバとの国交回復を果たし、
イラン核合意を実現した。

「核なき世界」への働きかけは、
2009年ノーベル平和賞受賞として、
評価された。

しかしその半面、
理想主義だけでは解決できない、
現代の国際社会の実態も、
浮き彫りになってしまった。

それでも私たちは、
そのデモクラシーとダイバーシティを、
忘れてはならない。

8年前に“Yes,we can”で始まって、
8年後に“Yes,we did”。
最後に未来に向かって、
“Yes,we can”。

しかし政治家の真価は、
“we did”にこそある。
経営者も同じだが。

オバマさんにも、
亀井さん、大久保さんにも、
「ご苦労様」と言っておこう。

さて、昨日は東京・昭島。DSCN1814.JPG-6

エコスグループ会の賀詞交歓会。DSCN18137

取引先を中心に800人が参集した。
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平富郎会長がまず、挨拶。DSCN1818.JPG-7

77歳になった平さん、
ますます元気。
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48歳の平邦雄社長。
増収増益を果たして満足げだ。DSCN1830.JPG-7

その後、卸売業トップの挨拶が続いた。
いずれもエコスグループ会副会長。

まず三菱食品も森山透さん。DSCN1833.JPG-7

日本アクセスの佐々木淳一さん。DSCN1839.JPG-7

その後、㈱エコスの役員と監査役紹介。DSCN1842.JPG-7

乾杯の音頭は、
伊藤忠食品社長の濱口泰三さん。DSCN1848.JPG-7

そして懇親。
佐伯行彦さんと酒井紘一さん。
さえきセルバホールディングス社長と、
エコス常勤監査役。
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そして桑原孝正さん、
さえきセルバホールディングス副社長。
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中締めは藤吉泰晴さん、
三井食品社長。
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三本締め。
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最後の最後に、4人で。
一番右は、平典子さん、
㈱たいらや社長。
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今年も頑張ってほしい。

最後に朝日新聞『折々のことば』
その633、鷲田清一さん編著。

覚悟ってのは、
どこかでぽきりと
折れちまったりする。
納得ってのは、
どんなに曲げられても、
折れやしねえんだよ。
(北方謙三長編小説「楊令伝」より)

つづいて、
「折れたら、折れたところで納得する」

鷲田さんの述懐。
「腹をくくるより、
肚がすわっているほうが
強靱ということか」

「たしかに判断や決断と
納得や得心とは水準が違う」

だから人は言う。
「話はわかるけど納得できない」
逆に「わからないけど納得はできる」

納得、得心して経営し、
経営させなければ、
長続きはしないし、
ほんとうの革新はできない。

〈結城義晴〉

2017年01月11日(水曜日)

ウォーラーステイン教授の「トランプ現象」評と「バタフライ効果」

月刊商人舎1月号特集。
日本オーガニック元年を宣言する!!

英語で表現すると、
“Declaration of Organics”in Japan
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おかげさまで、大・大・大好評です。

あの『dancyu』からも、
注文が来ました。

町田成一さん、ありがとう。

さて昨日は、㈱商人舎スタッフ揃って、
浅間神社に初詣。IMG_2295.JPG-7

鳥居の横の狛犬。
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横浜市西区の浅間神社。
IMG_2298.JPG-7
御利益がありますように。

さて、朝日新聞オンライン。
イマニュエル・ウォーラーステイン教授登場。
Immanuel Wallerstein。
1930年生まれの、
ニューヨーク州立大学名誉教授。
元国際社会学会会長。

政治経済学と社会学を包括して、
「世界システム論」を、
確立・提唱。
index

その世界システムの観点から、
トランプ現象を読み解き、
豊かな視点を提供してくれる。

まず、昨年11月8日の米大統領選。
「結果を聞いて驚き、失望しました」

しかし分析的な視点に立つと、
「米国内には
大きなインパクトがありますが、
世界にはほとんどないでしょう」

つまり、世界システム論で考えると、
「トランプ大統領の誕生は
決して大きな意味を持ちません」

「米国のヘゲモニー(覇権)の衰退自体は
50年前から進んできた現象ですから、
決して新しい出来事ではない」

この後の表現がいい。
「今の米国は巨大な力を持ってはいても、
胸をたたいて
騒ぐことしかできない、

ゴリラのような存在なのです」

「世界の資本主義システムが
構造的な危機を迎えている。
こうした危機の時は
予想外の動きが起こりやすい」

それがBrexit(英国のEU離脱)や、
トランプ当選。

「今は高揚感が広がっていますが、
トランプ氏の支持者も1年後には、
『雇用の約束はどうなったのか』と
思うのではないのでしょうか」

そしてグローバリゼーションへの見解。

「私はグローバリゼーションという言葉に懐疑的です」

「物と人と資本がより簡単に
行き来するために障壁をなくす、
という状態を指しているのであれば、
それは500年前から続いてきたことです」

「流れによって利益を得る時は
皆が開放的になりますが、
下向きになると保護主義的になる
という循環が繰り返されてきました」

「最近は、この上向きのサイクルのことを
グローバリゼーションと呼んでいますが、
すでにスローガンとしての価値は
なくなりつつある」

「実際にTPPやNAFTAなど、
グローバリゼーションの成果とされていた
構造は崩れています」

「TPPは今回の選挙結果で
終わりを迎えるでしょう」

「さらにこうした協定は、
実は開放的ではありません。
当事者間では障壁をなくしますが、
参加していない国との壁は逆に高くなる。
むしろ、保護主義的な仕組みだと
とらえています」

正しい。

TPPは環太平洋経済連携協定、
NAFTAは北米自由貿易協定。

そして持論「近代世界システム」について。

「現在の近代世界システムは
構造的な危機にあります」

「はっきりしていることは、
現行のシステムを今後も
長期にわたって続けることはできず、
全く新しいシステムに向かう
分岐点に私たちはいる、
ということです」

その新しいシステムはどんなものか。

「私たちは知るすべを持ちません。
国家と国家間関係からなる
現在のような姿になるかどうかすら、
分からない」

「西暦2150年の世界を現在、
予想することはできません」

「搾取がはびこる階層社会的な
負の資本主義にもなり得るし、
過去に存在しなかったような
平等で民主主義的な世界システムが
できる可能性もある」

そして「バタフライ効果」
「世界のどこかでチョウが羽ばたくと、
地球の反対側で気候に影響を与える」
という理論。

「どんなに小さな行動も
未来に影響を与えることができます」

「私たちはみんな、
小さなチョウなのだと考えましょう。
つまり、誰もが
未来を変える力を
持つのです」

「良い未来になるか、
悪い未来になるかは
五分五分だと思います」

そしてドナルド・トランプ評。
トランプも一つのチョウに過ぎない。

「大切なのは、決して
諦めないことです」

「諦めてしまえば、
負の未来が勝つでしょう」

「民主的で平等なシステムを願うならば、
どんなに不透明な社会状況が続くとしても
あなたは絶えず、前向きに
未来を求め続けなければいけません」

誰もが
未来を変える力を持つ。

だから決して諦めない。

私の恩師壽里茂。
早稲田大学名誉教授。
日本の産業社会学の権威。
ウォーラーステイン教授より、
少し先輩で、同じ社会学者。

昨年10月13日、逝去。
大正15年(1926年)生まれの90歳。

壽里茂も、未来を求め続けていた。
決して諦めなかった。
私もその遺志を継ぎたい。

心からご冥福を祈り、合掌。

〈結城義晴〉

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