2025節分。
明日は立春。
今年は2月2日のゾロ目の日曜日となった。
けれど今冬一番の寒気が、
日本列島に南下してきた。
ライフ中原井田店。
鮮魚売場は手巻き寿司セットを売り込んだ。
円形のトレーは1380円。
惣菜売場は寿司コーナーを2倍に広げた。
そして平ケースは恵方巻。
1本ものとハーフを半々くらい。
恵方巻と手巻き寿司。
徹底して売り込んだ。
今日は朝から、
第50回将棋棋王戦。
その第一局。
藤井聡太棋王に増田康宏八段が挑む。
持ち時間それぞれ4時間の1日制の対局。
5番勝負の第一戦。
ときどきパソコンとスマホで、
AbemaTVを開いて観戦。
手が進むたびに覗いた。
藤井棋王は22歳。
現在、タイトル七冠。
2023年に史上初の全八冠独占。
叡王のタイトルだけ、
同年の伊藤匠に奪われて、
今、七冠。
棋王戦は2022年度に、
当時の渡辺明棋王に挑戦。
3勝1敗で破ってタイトル奪取。
今期は3連覇に挑む。
増田八段は27歳。
「藤井が西の天才、増田は東の天才」
そう呼ばれたこともある。
東京都昭島市出身。
2024年度に順位戦のA級にランクイン。
棋王戦参戦10期目となる今期、
タイトル初挑戦を決めた。
角換わり相腰掛銀の戦型。
増田が新工夫を見せて、
中盤までリードした。
しかし終盤、増田にわずかに緩い手が出ると、
藤井が逆転して一気に優勢に持ち込む。
そしてそのまま藤井曲線で勝利。
読みの深さが他を圧している。
今、藤井聡太と同時代に生きている。
大谷翔平とも井上尚弥とも。
それは幸せなことなのだと思う。
さて1日中、とびとび将棋観戦。
一歩も外に出ず、
原稿執筆に勤しんだ。
日経新聞夕刊「あすへの話題」
作家の荻原浩さんの1月30日のエッセイ。
「原稿用紙、1枚2枚」
「昔の文豪のポートレートでは
万年筆を手に
原稿用紙に向かっている姿を
よく目にするが、
私は文豪ではないし、
いちおう昔の人というほどでもないので、
原稿はパソコンで書いている」
私も。
「ほとんどの小説家が
キーボードを叩いて文章を書いているのに、
小説の世界では、なぜか、
文字の分量を表す単位は、
いまだに原稿用紙換算だ」
原稿料の支払いも。
「20字×20行の400文字が1枚で、
何枚を書くとか、書いたとか、
というやり取りをするのが、普通」
私も自分の名前の入った商人舎の原稿用紙に、
何枚書いた、とやっていた。
「著者渾身の大作、1200枚!!」
「一挙150枚掲載」
このときの「枚」は原稿用紙の1枚2枚。
萩原さん。
「新聞の連載小説は、1日分が原稿用紙2枚半弱。
週刊誌連載は経験上は毎週15~17枚。
月刊小説誌の場合、50~60枚をメドにしている」
「こういう枚数って、書きはじめる時には、
『○枚かあ。ずいぶん多いな』
と思うのだが、書き進めるうちに、
なぜか毎回、文字数がオーバーしそうになるのだ」
「このコラムも気づけば、
ああ、残り1行。また来週」
このエッセイ。
ネタがないときの常道。
いわゆる原稿用紙ネタ。
わかる‼
私は今「何枚」を卒業した。
「何文字」
ブログは今年の初めに、
1000字から1500字と宣言した。
2000字を超えることもある。
1000字は原稿用紙2枚半。
やはり短い。
1500字は3枚と4分の3。
2000字は5枚。
雑誌に書くときは、
4ページで5000字くらい。
原稿用紙にすると12枚ちょっと。
いい具合だ。
以前は1本1万字くらいだった。
原稿用紙で25枚。
雑誌原稿では大作だ。
思い返せば、
立教大学院で指導した院生の修士論文が、
最少で4万字だった。
結城ゼミでは、
10万字を書き連ねた豪の者がいた。
そのころから私も「原稿用紙何枚」を卒業した。
20代から30代のころは、
原稿1枚について会社から500円が支給された。
毎月100枚書けば5万円だった。
私は少なくとも年間に1000枚以上は書いた。
原稿料が欲しかったわけではない。
取材したり座談会を開いたりして、
それを原稿にして雑誌に載せたら、
自然にそうなった。
万年筆かボールペンテルで、
筆圧強く、原稿用紙に書き込んでいく。
中指にペン蛸ができた。
1時間に4、5枚。
2時間で8枚から10枚。
3時間で1本。
そんなペース。
原稿書きの仕事は、
本来、出来栄え管理なのだが、
原稿用紙に書いていくと、
出来高管理の気分になる。
それはそれで、
「やったー」「書いたー」の心持ちになって、
いいもんだった。
原稿用紙には効用がある。
出来栄えという「質」の仕事と、
出来高という「量」の仕事。
「量と質」には、
単純には言い表せない、
不思議な関係があるのだ。
〈結城義晴〉