Everyone, Good Monday!
[2025vol㊲]
2025年第38週。
9月第3週。
敬老の日。
私はいつもと変わらない。
朝日新聞「天声人語」
朝日、読売、毎日、日経。
メジャーな新聞やテレビ、
さらに有名な雑誌などを、
「マスゴミ」と揶揄する向きがある。
しかし私はインターネットの情報も、
そういったマスメディアも、
できるだけ同じように接して、
そのうえで自分で判断する。
仕事に関する店舗などは、
必ず自分の目で見る。
その自分の判断力こそ、
大事にしている。
天声人語。
ギリシャ神話に登場するスフィンクス。
有名な問いを発する。
「朝は4本足、昼は2本足、
夕は3本足で歩く生き物は何か」
答えはハイハイする赤ちゃんから、
2足歩行の大人。
そして杖をつく高齢者。
人間の歩みを示す。
「杖」は「他者に頼ること」も、
意味するのではないか。
山極さんは説く。
高齢者に求められるのは、
「利他の精神と遊び心」。
地位に執着しない「平和な世代交代」も、
生物圏の原則だとか。
コラム子。
「最近気になるのは、
高齢者向け保険のCMで語られる、
『子どもたちに迷惑をかけたくない』
というせりふだ」
「残された者への配慮だとしても、
どこか寂しく響く」
いや、あのCMは下品すぎる。
「人間は太古の昔から、
迷惑をかけたり、頼ったり、
弱みをみせたりしながら
支え合ってきた」
「すべての『杖』を
自分で調達しなくていい」
中国新聞「天風録」も、
『老いの思考法』
「海外で高齢者をイメージする色といえば
グレーらしい」
「シルバー=高齢者」なのは日本だけのようだ。
コラム子。
「尊敬の念が込められているようで、
グレーよりいい」
ゴリラの世界でもシルバーは尊敬の的だ。
ここから山極寿一さん。
「子育てを担うのは雄。
子どもと遊ぶ中で次第に
優しさと威厳が同居する」
「やがて背中の毛の色が黒から白銀へ変わる。
『シルバーバック』という成熟の証しで
老いても美しい」
山極さん。
「シルバーバックは暗闇でも
群れを迷わせないためにある」
コラム。
「背中で語るのは人間も同じだろう」
赤瀬川原平著『老人力』
「人生というのは物じゃないんで、
残したりできない」
「日々食べて、感じて、
エネルギー変換のそのものである」
「我思う故に我ありと、
昔の哲学者はいったけど、
この世の半分以上は人生だといった方が、
わかりやすい気がする」
「あるいは世の中の八掛けが人生だとか」
前にも書いたけれど、
お天気博士の倉嶋厚さんは、
1年を1日にたとえた。
冬至を真夜中の0時とすれば、
5月は「午前10時」に当たる。
「まだ昼食前、
期待に満ちた長い午後も残されている」
倉嶋さん流に人生を1日にたとえると、
ハイハイの自我のない無意識のころは、
午前6時まで。
少年、青年は午前12時までで、
このときに自我を確立する。
そして午後6時までが壮年で、
目いっぱい仕事する。
すると老年は午後6時以降。
そう考えると、
老いるのは一番楽しい時間帯だ。
立教大学院でご一緒した岸本光永先生。
今年の私の誕生日に言葉を寄せてくださった。
「80歳が一つの区切りであることを実感しました」
そうか午後6時以降は、
80歳からなのだ。
では、皆さん、今週も。
人生はエネルギー変換そのものである。
Good Monday!
〈結城義晴〉