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林廣美の今週のお惣菜

林廣美の今週のお惣菜

【#888】胡麻たっぷり「オクラ胡麻和え」

2025年11月21日(金曜日)
カテゴリー:
  • 和風惣菜
  
10:00 AM

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胡麻たっぷり「オクラ胡麻和え」
 ~売上げ不調時に売り込む商品!~

11月は惣菜商品が動かない
無理に売り込もうとすると
ロスが出て利益が下がる月
11月から12月23日までは
毎年惣菜の動きが鈍い

そこでロスを出さずに売れる
商品をつくって売り込みます

冷凍野菜食品を使った「和え物」2品
「オクラの胡麻和え」と
「インゲンの胡麻和え」です

この商品は原料メーカーがあり
簡単に調理できると評判ですが
競合店も同じ味の商品が多い

そこでひと手間かけて
売上げUPと差別化を図ります
㊙テクニックです

冷凍野菜を研究して
冷凍野菜の欠点を理解します

それは野菜を普通に冷凍すると
野菜の自然の甘味が減少して
おいしさが失われまずくなる

ここに「胡麻和え」の素を
まぶしてもおいしい味は出せません

口に入れた時に「胡麻和え」の
甘さや旨さが先に感じられたあと
口に冷凍野菜の味だけが
残ってしまいます

そこで冷凍野菜に甘さを加えて
野菜本来の味に近づけます
このテクニックが売れる秘訣です

まず大切なのは使う冷凍野菜
解凍後そのまま食べられる野菜かどうか?
が重要です
解凍してそのまま食べてよい冷凍野菜ならば
「胡麻和え」などに使えます
冷凍メーカーに専用の冷凍野菜なのか
確認しましょう

そのまま食べられる冷凍野菜に
冷凍野菜の5%分量の砂糖を振りかけて
解凍しながら甘味を付けます
おいしさの違いは歴然です

冷凍野菜一袋ずつ
ポリ袋などに入れて
分量の砂糖を加え
振ってよくまぶし
袋ごと解凍します

一度に大量につくると失敗します
手間でも少量ずつつくります

メーカーの「胡麻和えの素」は
決められた解凍野菜との
分量で混ぜ合わせます

パックした和え物の緑色に気を配り
早めに売り切ります


★林廣美のワンポイント★

過去の経験からの報告。毎年11月から12月23日までは惣菜商品が動かない時期です。それでも最近は、惣菜の需要増加もあって売れる商品も増えていますが、確実に売れる商品を中心に売り込みます。鶏ムネ肉唐揚げ、コロッケをはじめとした安い揚げ物が人気ですが、野菜の煮物、おでん、季節商品の野菜やキノコの「胡麻和え」など価格の安くて秋らしい商品も重点商品です。安いのに「オヤ?おいしい!」と感じさせることが売れる販促になります。

メーカーのおいしい「胡麻和えの素」はおすすめです。つくる手間が省けます。砂糖を加えて冷凍野菜を解凍する工夫には、野菜の緑色を長持ちさせる効果もあります。


●林先生の家庭料理教室●

今回は「チョイ足し」メニューです。使う材料は、どこのスーパーでも販売している、大手ハムメーカーの大きな袋に入って販売されている「ピザ」です。ピザの上に別売りのピザ用シュレッダーチーズをたっぷりと乗せて焼く方法。たっぷりと足したチーズで、宅配ピザに負けないぜいたくなピザが手軽に食べられます。メーカーの「マルゲリータピザ」にハムやソーセージ、茹で卵、アンチョビやハム、ブロッコリーなどをプラスして焼くと、宅配ピザよりも豪華なオリジナルピザがつくれます。忙しい時の食事メニューなどにおすすめ。

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<By 林廣美>

 

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【#887】手づくり小粒カキフライ

2025年11月14日(金曜日)
カテゴリー:
  • 和風惣菜
  
10:00 AM

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手づくり小粒カキフライ
 ~小さくても味はピカイチ秋の必須商品~

「小粒カキでも旨味たっぷり」
秋の旬は海のカキと山の柿
カキフライは惣菜の人気商品

メーカー提供の冷凍カキを
揚げての販売
ありふれた惣菜売場の風景です

手づくりのカキフライは
どんな味か知っていますか?
本物の味を届けませんか!

カキフライを差別化したい
味も差別化したい
旬の味を惣菜で届けたい

メーカーのカキフライも
おいしいけれども
小粒でも手づくりは美味
見た目は小粒でも旨味は濃い
値段も安くお買い得です

原料のカキにひと工夫
鮮魚部門でブロック凍結を
仕入れて解凍して使う
手づくりだから安く販売可能

解凍したカキは
沸騰した熱湯でさっと茹でる
カキの中心は生に近い状態のまま
外側だけを加熱

茹でたら
冷水で中心まで冷やし
取り出して水気を切り
さらに冷蔵庫で冷やして
低温管理の前日作業

この処理でカキは丸く
外側が固めになるので
手づくりトンカツのように
パン粉を付けて
油で揚げます

小さなカキフライが
大きなカキフライに勝つ㊙技術
同じ値段でフライの数も
増やせるので人気商品に
おいしいパン粉も決め手です


★林廣美のワンポイント★

とにかくおいしいパン粉を使います。冷凍カキは大きな塊で冷凍されているので、使う日を逆算して冷蔵庫に移し、2~3日かけて解凍します。急ぐ時には流水解凍でも構いませんが、流水解凍したらすぐに水からあげることです。水に漬けたままだと水っぽくなってまずくなります。解凍したカキは2日で使い切ります。

パン粉付けはトンカツと同じように、水で溶いた業務用バッターとパン粉を付けます。見た目が多少悪くても手づくりが強調されていれば大丈夫です。ただし、カキフライは揚げ方に気を付けて。小さいカキフライは揚げ時間がかなり短くなります。くれぐれも揚げ過ぎないように気を付けましょう。


●林先生の家庭料理教室●

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夕食のカキフライに挑戦。鮮魚売場で「生食用」のカキではなく、なべ物用など「加熱用」のカキを買い求めます。値段がまったく違います。安い方が加熱用です。

カキを少し濃い目の塩水で軽く振り洗いをします(味も付きます)。ペーパータオルで水気を拭き取ります。卵を割りほぐした卵液に小麦粉を加え、濃い目のドロドロ液をつくります。ここに水気を取ったカキを多めに入れて、強めにかき混ぜてカキに卵液をしっかりと付けてから、パン粉をまぶすと、楽にパン粉が付きます。

フライパンに油を少なめに入れて「焼き揚げ調理」(焼くようにして途中でカキの上下をひっくり返して焼くように揚げます)で仕上げます。野菜のナスやサツマイモなどの野菜も加えて焼き揚げをすると、豪華な一品になります。


<By 林廣美>

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【#886】柔らか「よだれ鶏」

2025年11月07日(金曜日)
カテゴリー:
  • 中華・韓国惣菜
  
10:00 AM

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柔らか「よだれ鶏」
 ~鶏ムネ肉の人気中華名菜~

パサつきやすい鶏ムネ肉を
柔らかく食べやすくした
中華料理の傑作メニュー

その昔、中国の乞食が
盗んだ鶏を紙に包んで
粘土で回りを包んで
焚火で焼いてつくった料理で
じんわりと火を回した蒸焼鶏は
柔らかでおいしそう
見ている人のよだれを誘ったので
「よだれ鶏」
そして別名 「乞食鶏」とも
言われる美味中華料理です

今、蒸し料理がブーム
蒸し器もたくさん売っています
そこで蒸し㊙鶏ムネ肉商品

皮をむいた鶏ムネ肉を
「鶏ムネ肉漬込み液」に
漬け込んで蒸し調理

この漬け込み液に鶏ムネ肉を
24時間ほど漬け込んで
低温調理加熱で蒸すと
しっとり柔らかに驚き仕上がり

<漬け込み液> ※鶏ムネ肉・中6枚分
水  600㏄
塩  18g
砂糖 30g
よく攪拌して溶かします

鶏ムネ肉は皮を取り
ポリ袋に鶏肉と漬け込み液を
入れて空気を抜き
冷蔵庫で一昼夜(24時間)漬け込む
長時間の漬込みは味の変化に注意

漬け込んだ肉を取り出して
蒸し器で蒸し上げます
蒸し器で肉の中心温度が
80℃になったら取り出して冷却する
(スチコンで中心温度計を使って
調理すると便利です)

冷ました鶏ムネ肉をカットして
トレーに盛り付けて
業務用中華ドレッシングをかけ
煎り胡麻 細ネギカットを
トッピングしてから
中華スパイス(花椒の粉末)を
振りかけます


★林廣美のワンポイント★

低温調理をするための肉の中心温度計があります。肉を蒸すとき、肉に刺して温度の確認に使います。この調理は温度が肝心なので便利です。100℃以下の温度で加熱するので「低温調理」と言われています。肉がパサつかず、しっとり仕上がるのでサラダチキンなどにも使われています。

上にかける業務用中華ドレッシングは砂糖を足して甘くするとさらに美味。本格的な味にするための中華スパイス 「花椒(ホワジャオ)」の粉末を使います。

(注意)鶏肉は蒸した後、すぐに冷水で表面を冷やすと肉の色が白くキープ出来ます。蒸したままの冷却だと変色することがあります。剥がした鶏ムネ肉の皮は、「鶏皮唐揚げ」で販売してロスを無くします。


●林先生の家庭料理教室●

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鶏ムネ肉で、家庭ならではの絶品の焼き鶏です。鶏ムネ肉は皮を剥き一口大に切り、焼き鳥風に竹串に刺して、油を敷いたフライパンに並べて、弱い中火にかけて焼き始めます。ひっくり返さずにそのまま焼き続けて、鶏肉の表面を見て白っぽくなったら、火が通った証拠で焼き上がりです。取り出しておきます。

フライパンは洗わず、本味醂と醤油を同量入れて火にかけて炒めるように沸かせば焼き鳥のタレ。ここに焼いた焼き鳥を入れてさっと絡めてでき上がり。ジューシーな柔らかさに感激です。鶏ムネ肉をひっくり返さないので、低温調理と同じように焼けます。串が無くても焼けます。皮は直接強火で焦げ目を付けて焼き上げて、残ったタレをかけていただきます。


<By 林廣美>


 

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プロフィール

<林 廣美>

日本フードサービス専門学院 学院長

週刊誌編集長、料理雑誌「魚菜」編集長を経て74年料理研究家として独立。 同年、(株)シェフを設立、代表取締役となる。一流メーカーの販促企画メニュー開発など食材および調味料マニュアルの指導にあたる。 食品総合コンサルタントとして活躍の傍ら、日本フードサービス専門学院を設立、デリカの調理理論、実技指導を担当。惣菜業界の第一人者として講演依頼も多数。

【執筆活動】
『惣菜の教科書』(商業界)、『ミートデリカ入門』(食肉通信社)など。月刊誌『食品商業』(商業界)の常連執筆者。

<山中 典子>

フードプランナー・日本フードサービス専門学院 講師

東京家政大学短期大学部栄養科卒業後、辻クッキングにて副校長を務めた後、退社。キッコーマン(株)商品開発室に入社し、「タレ・メニュー開発」を担当。 その後、キッコーマンデリカ(株)にて全店のメニュー開発・商品開発・企画にたずさわる。現在は、フードプランナーとして、フリーで活動中。

【現在の活動】
日本フードサービス専門学院講師、コーディネータースクール講師、レストランのテイクアウト商品のアドバイザー、食品メーカーのメニュー開発・撮影、展示会のメニュー開発・デモンストレーション・展示品作成、食品関係の撮影、料理教室主宰

【免許・資格】
衛生管理者、フードコーディネーター、野菜ソムリエ、食品衛生責任者、食生活アドバイザー、雑穀エキスパート、フードアナリスト、食の検定(食農検定)、食育指導士、介護食アドバイザー、中級食品表示診断士、普通自動車運転免許など多数。

<大塚 長務>

株式会社明治屋 代表取締役

1975年12月19日大分県竹田市生まれ
高校卒業後、大阪あべの辻調理師学校に入学。その後、京都の料亭、福岡、現ミシェラン三ツ星獲得料亭を経て、和食では、ほとんどなかった真空料理・新調理法を10年以上前から自社で取り入れ指導者とし全国を中心に活動。調理人としての感覚と工業的調理知識を取り入れた調理技術の伝道師として、経済誌などに掲載され実力を認められている。

【資格】
国家技能調理師・調理師免許・河豚調理師免許・利き酒師

【趣味】
食べ歩き

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