【#872】柔らか酸味の「鯵南蛮漬け」
柔らか酸味の「鯵南蛮漬け」
~夏の定番・イチオシ、酢の物おかず~
猛暑の時に
よく売れるのは
鯵を油で揚げて
甘酢に漬けた南蛮漬け
三枚におろした鯵の身に
衣を付けて唐揚げにして
おいしい甘酢に漬ける
猛暑に人気のさっぱりおかず
昔は海岸近くの土地か
料亭でしか食べられなかった
季節の魚料理の味
今では冷凍新鮮な原料で
どこでも食べることが
できるようになりました
ただし簡単に考えないでください
解凍した鯵を唐揚げにして
甘酢に漬ければできる
と単純に考えたら売れません
その理由は陳列中に
揚げた鯵の衣が
甘酢の水分でふやけて
まずくなるからです
そこで林式㊙ワザの出番です
甘酢の水分で衣がふやけない
衣を作る技術です
その衣は天ぷら粉を少量の水で
濃く固くドロリと溶きます
次に生卵をよく溶いて加え
トロリとした天ぷら衣になるように
混ぜ合わせて濃い衣をつくります
この衣を鯵に付けて揚げれば
多めの甘酢に漬けても
甘酢で衣がふやけて溶けたり
することはありません
消費期限も1日延ばせます
売上げをさらに増やすには
酸味に苦手な子どもや男性客が
食べられるように
酸味を抑えた柔らかい甘酢に
することです
★林廣美のワンポイント★
「生卵」がふやけない揚げ衣のノウハウになります。天ぷら粉を溶く時に、できるだけ水を少なくして、卵液でとろみを付けて衣をつくります。特に工場などで商品をつくってアウトパックで出荷する場合などには必須の調理技術となります。
またおいしい「甘酢」づくりは結構大変なので、㊙として業務用の「寿司酢」を使うことにします。関西風の「寿司合わせ酢」は柔らかい酸味になっていることが多く、これを使います。酸味は売上げに大きく影響することを覚えてください。
●林先生の家庭料理教室●
猛暑の夏の健康を保つ料理の一つが「南蛮漬け」です。甘酢を使った料理をおいしくするには、酢を選んでください。日本料理の酢の物は、お酢の使い方ひとつで大きく味が変わります。おすすめはスーパーマーケットの調味料売場の甘酢を選んで使うことです。色々ある商品の中から、まったりとした味の「関西」のお酢メーカーの寿司用「合わせ酢」を選び、量を控えめに加減して使います。甘味が強く、関東のメーカーよりも味がまったりとしています。この甘酢に少々の醤油を加えると三杯酢にもなります。好みのメーカーの「合わせ酢」で、柔らかな味の「南蛮漬け」や「酢の物」を手軽につくれるので便利です。
トッピングには香味野菜を多めに使って飾ります。酸味は加える量で加減をしますが、量を減らし過ぎると甘味が下がって味が大きく変わるので、味を確認しながら量を加減して使ってください。
<By 林廣美>