2011年3月11日(金曜日)
お待たせいたしました。
本日より、POPのプロ・中山政男先生と結城義晴のSpecial対談
『間違いだらけのPOP!にモノ申す』
を連載でお届けいたします。
店頭での現状、問題点を洗い出し、本来のPOPの役割について
中山先生と結城が鋭い切り口で語りつくします。 [事務局]
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この5年間でPOPが乱れている
結城義晴
中山先生はスーパーマーケットをはじめ、
小売業のPOPについて長年、指導をされてきました。
最近、アメリカのスーパーマーケットを見てきたばかりですが、
改めて思うのは、
アメリカのスーパーマーケットの売場は、
商品そのものが、お客に訴えかけている。
POPはプライスカードを中心に展開されていて、
非常にシンプルで、お客は分かりやすい。
トレーダージョーにしても、ホールフーズにしても、
あるいは、セイフウェイにしてもウォルマートにしても、
そうです。
それでいて、お店の主張がきちんと出ている。
コーナーボードやサイン、
おすすめする商品のショーカードにしても、デザインの統一がされている。
企業ごとに、あるいは店ごとにデザイナーがいるそうで、
その店の主張がこめられたビジュアルツールが展開されているわけです。
日本では、近年、「コトPOP」などといわれ、
POPの効用があらためて注目されてはいるのですが、
どうも、店頭でPOPだけ氾濫している気がしてならない。
中山政男
私はPOPづくりの指導をさせていただいて、
何十年と店頭をも見てきましたが、
ここ5年くらいでしょうか、
あまりにも店頭のPOPがひどくなってしまっています。
POPコンサルタントとして、この業界で
長年、仕事をさせていただいてきました。
自分なりに、これをなんとか直さなきゃいけない、
その責任があると思っているんです。
だから、私で役に立つことがあればと、
一年中、全国を歩いて、お話しさせていただいている。
店頭のPOPの乱れには、
いろんな理由があるんだろうとおもいます。
コンサルタントの方の影響があったり、
機械化が進んで、誰もがPOPがつくれるようになったり。
その機械化を先頭になって進めてきたのは、
私自身ですから、その責任もあるでしょう。
でも、どうも勘違いされている。
私がスーパーマーケットにいた頃、
POPのデザインと制作技術を学んで、
そのうえで、商品部と相談しながら
店頭のPOPデザインを決めていた。
だから、店のデザインもキレイに統一されていた。
それがいつの間にか、パソコンと印刷機で
基礎を学ばなくとも、誰でもが作れるようになってしまった。
機械化は、
良かったのか、悪かったのか。
ただね、機械でもちゃんとできていないですよね。
例えば、これなんかは(POPの写真を示して)
何が言いたいのかが分からない。

結城
1枚のPOPに情報が入りすぎているんですね。
中山
「今日はこれだ」って、訴えているんですが、
あれもこれもとPOP枚数が多くて、
何がおすすめなのか少しもわからない。
手書きの問題点
中山
ある先生が「手書きがいい」といったら、
こうなってしまったんですよ。
手書きがいいと言ったって、
これではあまりにもひどいだろうと。
こうしたことが実は全国の店頭で行われているんです。
いまここにあるPOP事例は、
大きいところで数百億円規模の企業です。
10億、50億、100億、500億規模の
チェーンストア企業でもこれが現状です。
驚くじゃないですか。
POPシステム会社が、
導入先の小売企業と一緒になって
いいものをつくろうという意識が
希薄になったことも原因でしょう。
いまは、POPシステム開発よりも、
デジタルサイネージや電子POPに関心が移っている。
そうしたなか、誰かが「手書きの方がいい」といいはじめた。
もちろん、手書きはいいんです。
技術がしっかりしていれば。
でも、実際には、
何が書いてあるか分からないものが多いんです。
誤字や脱字、送り仮名が抜けてたり。
ところが平気でこうしたPOPがつけられているんです。
見直すこともしないで、作ったらそのままをつけてします。
そんなPOPが店頭に溢れているんです。
<続きます>
2010年12月22日(水曜日)

このようなPOPを見た方は多いはず。
作った人は、「さー作るぞー。」と意気込んで
パソコンに向かっている姿が浮かんでくる。
「キムチ鍋だからぁ・・・ インパクトが欲しいな。」などと
写真やイラスト、飾りケイ、書体を選んで、
入れ込んでいるうちに止まらなくなってきたようだ。
また、なぜか焼き肉類や韓国風鍋物などでは、
バックの色は 『黒』 だ。
作業を終え、「イメージでてる。」と満足して売り場に。
しかし、どうだろう。
店内のPOPが全てこのような作り方ではないはず。
どうしても他のPOPと見比べると違和感がある。
色使い、飾りケイ、文字ワクの色、文字の大きさなど、
各パートごと、打ち込む作業を一段階でも引いてみてはどうか。
「POPなんか目に付けばこれでいいんだ。」と、よく言われるが、
そんな気持ちで作っているとしたら、
お客の立場としてはいい気持ちはしない。
ショーカード(商品説明カード)などを作る場合、
POPとはいえ、多少でもデザインを考える必要があるのだ。
作り終えたら、余計な飾りを入れていないか、大きすぎないか、
引き算できるところを最終確認する。
対象商品を格下げしないように。
<By 中山政男>
2010年10月27日(水曜日)
季節も変わり・・・
何か旬の食材でも入っているかなぁとスーパーマーケットへ。
「今夜は何かウマイもの食べたいな」と、
献立を決めずに買物をする主婦や主夫にとって、
食材探しはワクワクするし、ときに悩ましい問題でもある。
さて、店内に入ると何にしようかと、さらに迷ってしまうことはないだろうか。
野菜は?と平台を見ると、「朝どれ、本日超おすすめ!」とある。
オープンケースのほうは、「今が食べ頃!」だそうだ。
肉、魚、惣菜と回るうちに、もうどれにしようか分からなくなってきた。

「今日はコレダ!」 「本日のおすすめ品」 「本日限り!」
「今日だけこの価格!」 「店長・本日のいちおし!」 「今日の得だ値」
「惣菜部より本日はこれがおすすめ」なんていうのもあった。
店内全ておすすめ品ばかりだと訴えたいのは分からないでもないが、
一度、店中のプライスカードのタイトルを見直してみてはどうだろう。
各部門の担当者同士のコミュニケーションが少なくなっていて、
それぞれでタイトルをつけているようで、
全体の統一感がなく、
タイトルばかり増えてしまっているようだ。
POPで献立が浮かび、めずらしい調味料などを衝動買いしながら、
スムーズに買物が終わる・・・なんていうのは、理想なのだが。

「季節の黒板POP」
<By 中山政男>
◆お知らせ◆
中山政男先生が久々の登場です。
中山先生曰く、
「間違いだらけのPOPとして、指摘し、語りたいことはたくさんあれど、
スーパーマーケット店頭の写真を悪い見本として掲載することができない」
そこで、事務局は考えました。
ぜひ、先生が結城義晴を相手に、スーパーマーケットのPOPについて
思うところを存分に語っていただき、
それを商人舎事務局が記事にまとめましょう!と。
11月1日に対談を収録する予定です。
このブログで、随時ご紹介していく予定です。
ご期待ください。 <事務局>
2010年4月27日(火曜日)
ご無沙汰してしまいました。
不定期ですが、お許しを。
とあるドラッグストアでのこと。
定番商品だけでも多いのが、次々と新商品が登場し、
陳列棚もめいっぱいな様子。
プライスカードの用紙は、基本の大きさも決まっているようで
それらを使用して作成する。
さて、取り付ける段階で、パッケージの大きなもの、小さなもの、
2列に並べたものなど、必ずしも手にしたカードの幅に合わない
ことに気付く。
しかし、作り直す手間も惜しい。
それぞれの商品を前に、とにかく貼らなければという気持ちが
先に立ち、次のような行動に出た、らしい。

なんと陳列した商品の幅に合わないカードを、横にしてしまったのだ。
重なり合っているカードはよく目にするが、これはあまり
お目にかかったことがない。
手にしたPOPを貼り終えたとき、
はたして仕事の達成感はあったのだろうか。

季節の黒板POP
2010年1月19日(火曜日)
年が変わり、私は今年も様々なPOP広告に出会い、
感心したり、寒心したり・・・する一年になりそうだ。
本年もよろしくお願いいたします。
さて、1枚のプライスカードを作ったとする。
プリントアウトしたカードに、
商品の説明やイラストなどを加えたいと思ったとき、どうするか。
作りかえるのが一番だろうが、このケースではすでに取り付けて
しまった後だったのかもしれない。
「そうだ、貼ろう」ということになり、
1枚貼ると、次の内容にも気付く。
2枚貼り、3枚目になると、もうとまらなくなり・・・
次のような状態に。

貼り方がひどいと、もとのプライスカードの商品名の文字が
分からなくなっているものさえある。
よほど力を入れて売りたい商品なのだろうが、
イメージとして品質はどうなのだろうと心配になりはしないか。
やはり、訴求内容を整理し、ポイントを絞って作り直すほうが
お客様も安心して商品に手をのばすだろう。
でも、この貼り付けPOP状態を見たときに思い出した。
最近流行の「盛る」ということを意識したのだろうか・・・。
2009年12月21日(月曜日)

「本日の特別おすすめ商品はコレ!」

こういうプライスカードを目にすると、少々困惑してしまう。
タイトル部分は、いったい何と書いてあるのだろうか・・・。
本当に分からなかった。
しかも商品名から見て分かるとおり、並べられたものは
どれも同じ内容のプライスカードである。
4枚であれば4度、5枚であれば5度、
取り付け作業をするわけだから、
その度にカードを見ているはずだ。
何も感じずにいたとすれば、
完全に店側の立場に立っていると言える。
POPはできるだけ短時間に内容を読んでもらえて、
理解されるように作ったほうがよい。
商品名と価格が分かるのだからよいではないか、と言われそうだが、
それではタイトルを付けている意味が分からない。
タイトルを決め、
それに合わせて商品を選び、
陳列したフェース数などによりPOP用紙の大きさを決め、
文字が打ち込まれる。
その流れが全て仕事なのだとすれば、
やはりしっかりと役割をはたしたいはずだ。
POPの前で「これは何だろう」と
お客の眉間にシワがよらないように注意したい。

『今月の黒板POP』
白一色でも、クリスマスの雰囲気は出せる。
<by中山政男>
2009年11月20日(金曜日)
連載にあたって
POP診断で全国各地のスーパーマーケットを訪問して長くなるが、
近頃、POPを見ていて胸やけのような症状が続く。
ふと思いだしたのは、以前、月刊『食品商業』(商業界刊)で
結城社長が書いた「POPが危ない!チラシがやばい!」と題した企画ページの内容だった。
深刻な不況という背景の違いはあるにせよ、
何とか意見交換をとの思いから結城社長をお訪ねした。
POPは誰のものなのか、説明文は、レイアウトは・・・など
話合っているうちに溜飲が下がるのを感じられたのはうれしかった。
「POPは物言わぬセールスマン」とするためには、
説得力がある文章を、分かりやすいレイアウトにまとめることではないだろうか。
それが自己主張しすぎて、うるさくなってしまっているのが増えてきている。

悪い取り付け例
POP広告は、言うまでもなく、作り手の自己満足であってはならない。
お客の立場に立って作らなければならない。
買い物中、よく見なければ分からない文字、文章に
少々いらいらするのは私だけではないだろう。

レイアウトもよく、上品にまとめられていた店さえも変わっていくのを
見るととても残念だ。
売れない時期に迷いがあるのは当然だろう
が、もう一度落着いて原点に立ち戻ってみてはどうだろう。
各企業の販促責任者からも、担当者がPOP制作に時間をかけすぎて困っているとの話をよく聞くようになった。
POP診断後に、多色使いやベタ塗りの枚数の多さ、それに制作時間をプラスすると、商品売価に対しPOPのコストのほうがかかっている。
その現状を指摘すると、非常に驚かれることも多い。
特に現在の売り上げ状況では再考の必要、大いに有りだ。
POP広告ひと筋!
なんとかしなければ・・・。
例証しながら、私なりに改善点を考えていきたい。
<by中山政男>