結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年05月07日(水曜日)

「1年で最も好きな月」と老いることの「軽さ」

ゴールデンウィークが終わった。

東京新聞コラム「筆洗」

1年で最も好きな月。
20250505_tokiwa

物理学者の寺田寅彦。
5月ファンだった。
「初夏の若葉時が年中でいちばん気持のいい、
勉強にも遊楽にも快適な季節になって来た」

同感だ。

「なって来た」というのは、
若いころの寺田は5月が苦手だったから。
「理由のない不安と憂鬱(ゆううつ)」を感じていたが、
年齢を重ねて好きになったという。

五月病だったのか。

一方、お天気博士の倉嶋厚さん。
1年を1日にたとえた。
冬至を真夜中の0時とすれば、
5月は「午前10時」に当たる。
「まだ昼食前、
期待に満ちた長い午後も残されている」

倉嶋さん、さすが。

いい表現だ。
これにも同感。

その5月、私は明日からアメリカへ。
ラスベガスで商人舎USベーシックコース。
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今日は横浜商人舎オフィス。
いろいろなレターを書いた。

月刊商人舎5月号贈呈文。
商人舎発起人にみなさんに、
毎月、手書きのレターを、
雑誌に同封して送っている。

原稿用紙一枚に、
一気呵成で手書きする。

英語でHandwriting。
手書きは気持ちが伝わる。

3月期の増収増益決算が発表されている。
商人舎流通SuperNews。

アクシアルnews|
年商2819億円4.3%増・経常127億円3.1%増の増収増益

新潟県を中心とする㈱原信と㈱ナルス、
群馬県を中心とする㈱フレッセイ。
その3月期連結売上高は2819億円、
前年比4.3%増。

営業利益121億円(2.4%増)、
経常利益127億円(3.1%増)。
売上 高、経常利益は過去最高。

営業利益率4.3%、経常利益率4.5%。
グループ全体では130店舗となった。
素晴らしい。

来期は3000億円の大台か、と思いきや、
2026年3月期は2860億円、1.5%増。

厳しい1年だととらえている。
その考え方はよろしい。

一方、
ノジマnew|
年商8534億円12.1%増・経常512億円55.4%増の増収増益

連結売上高は8534億円、前年比12.1%増。
営業利益484億円(58.3%増)、
経常利益512億円(55.4%増)。
こちらも売上高と営業利益は過去最高。

営業利益率5.7%、経常利益率6.0%。
3月末時点の店舗数は1297店。

社長の野島廣司さんは商業界ゼミで勉強した。
川崎進一先生のお弟子さんだった。
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手堅い経営。

しかもメーカーなどからの派遣販売員を置かない。
自社従業員が店頭に立って、
コンサルティングセールスを貫徹する。

売上金額を上げるのではなく、
質を売る「家電質販店」を標榜する。

家電チェーンのなかで、
際立つポジショニングだ。

素晴らしい。
ノジマの2026年3月期は、
5.5%増で大台の売上高9000億円。
1兆円が視野に入った。

さて川崎先生で思い出した。
最後に「老人力」

ほぼ日の糸井重里さん。
「ぼくの尊敬する先輩たちは、
だいたい年をとってくると、
そのことについての文章を書くようになる」

赤瀬川原平さんの『老人力』
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この「老人力」という逆説的なコンセプトに
赤瀬川さんが気づいて文章にしたのは、
ご本人が60歳になりかけたころだった。

糸井さん。
「いまのぼくから思えば、
ぜんぜん『老人』じゃなかった」

私も同感。

この本、実に面白い。

「横尾忠則さんも、
ずっと『老い』『老人』を語っている」

「『老い』よりもずっと前から、
『死』のことを言っている。
合間合間に『病』も語っているから、
筋金入りだ」

「吉本隆明さんは、
海の事故からあと、持病もあって、
ある時期からはじぶんの『老い』を、
もっとも近くにある自然として
観察しはじめた」

もっとも近くにある自然。
凄い。

「感じて、思って、考えて、
変化して、感じてを…繰り返す」
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朝日新聞「折々のことば」
第3395回。

軽くありたいという希望は、
どの老人にも共通する、
いちばん切実なことだと思います。
〈幸田文〉

「高齢者には
食料品の買い出しも重さがこたえる。
白菜一個で手一杯。
着物も洗いざらした軽いのがいい」

「ついでに責任、義務、仕事、財産、
交際も軽くしたい」

「人生の処し方を体で知るのが老いの季節」
そういえば若い独身者を「身が軽い」と言い、
他の命を宿す人を「身重」と言う。

『季節のかたみ』所収随筆「目方」から。
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倉嶋さん流に人生を1日にたとえると、
自我のない無意識のころが午前6時まで、
少年、青年は午前12時まで、
自我を確立する。

午後6時までが壮年。
目いっぱい仕事する。

そして老年は午後6時以降か。

そう考えてみると、
老いるのは一番楽しい時間帯だ。
その時期にこそ、軽くありたい。

ありがとう。

〈結城義晴〉

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