結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年07月02日(水曜日)

トライアル傘下となった西友トップ人事と「TRIAL GO」の可能性

記録的短時間大雨が各地に降った。
京都、宮城、鳥取。

お見舞い申し上げたい。

気象に関する世界の専門研究者の間で、
地球温暖化を否定する人はだれ一人いない。

それが真実なのだ。

「フェイクだ」などと言っている者は、
何一つ根拠を示すことができない。

それでも「Fake!!」と言い続ける。

今の世界ではそんなことが多過ぎる。

さて今日は、
月刊商人舎7月号の最終追い込み入稿。

1日中、必死の思いで執筆と原稿整理。

正午から記者会見。
場所は赤坂ガーデンシティ。
trial-akasakagarden
山本恭広編集長が取材に行ってくれた。

会場の18階ホールには、
100人を超えるメディアが集まった。
trial-media

㈱トライアルホールディングスの記者発表。
IMG_E9217

3月5日に㈱西友の完全子会社化を発表したが、
昨日の7月1日付けで買収を完了。

商人舎流通SuperNewsに2本の記事。

トライアルnews|
西友新社長に楢木野前トライアルカンパニー会長

冒頭で西友の経営体制が発表された。
記者会見には4名が出席。
trial-session
左から大久保恒夫取締役副会長、永田洋幸取締役会長、
楢木野仁司社長、武田正樹経営企画本部長。

西友の大久保恒夫社長は、
取締役副会長として残った。

トライアルホールディングス永田洋幸社長が、
西友の取締役会長を兼務。

トライアルカンパニー楢木野仁司(ならきの・ひとし)会長が、
西友代表取締役社長となった。
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西友の買収には約3800億円が必要だった。
トライアルホールディングスは調達のために、
三菱UFJ銀行から3674億円を借り入れた。
返済は1年後である。

トライアルホールディングス永田社長は語った。
「統合ビジョンを、
『買い物を面白く、暮らしを豊かに』と定めた。
西友との統合で、テクノロジーを生かし、
ムダ・ムリ・ムラを解消し、
顧客ニーズの深い理解、
パーソナライズされた買物体験の提供など
流通情報革命を進める」
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具体的には4つの施策を進める。

⑴既存店強化
両社のプライベートブランドを相互に展開する。
西友のプライベートブランドは、
トライアル全店で扱われる。

⑵出店戦略
目玉は関東でのTRIAL GO(小型スーパーマーケット)の立ち上げ。
⑶収益性の向上
プロセスセンターとセントラルキッチンの相互活用。
⑷リテールメディア展開
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大久保さんのコメント。??????????

「2021年3月に社長就任以来、
情報システムと人への投資を重要と考えて、
経営改革を進めてきた。
商品力と販売力の強化は順調に成果が上がり、
次のステップに向かう状況になった」

「トライアルはITに強く、先進的な企業。
商品力と販売力がさらに強化され、
価値創造ができると思う」

私は月刊商人舎2月号の座談会で語った。
「西友はどうなる?!」
スクリーンショット 2025-04-20 114106

「現時点の経常利益率5%という経営内容は、
大久保恒夫CEOの個人的力量に
負うところが大きいと思う。
大久保抜きの西友が5%を出せるか」

「だから大久保恒夫ごと、
傘下に入れるという案も考えられる」

トライアルの人たちが、
この発言を読んでいたかはわからないが、
大久保さんが副会長に残ったのは、
西友にとって良かったし、
トライアルにとっても幸いだったと思う。

トライアルnews|
西友との統合完了/西友PB販売と小型店の首都圏出店

楢木野新社長が西友の今後の施策を語った。trial-narakino

「TRIAL GOは、コンビニや小型店の跡地に
数多く出店できる可能性がある」

「トライアルのグループ企業・明治屋が開発した、
弁当、惣菜、寿司などの商品で、
価値を創出する」

「福岡ではデジタルサイネージ、
顔認証、AIカメラ、
デジタルを使ったリモートによる
店舗管理などを実験しながら、
30人時で運営できる小型店を作り出してきた」
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「新しい小型店を関東に投入することに、
統合の最大の価値がある」

「TRIAL GO」の売場面積は40~300坪、
取扱商品は3000~1万1000アイテム。
西友の店舗・製造拠点を活用して、
でき立て惣菜・生鮮などを高頻度で配送する。

これは大いに可能性がある。

しかし東京・神奈川・埼玉の都市部には、
イオンのまいばすけっとがある。

すでに1204店、年商2904億円。
絶好調だ。

イギリスにはテスコエクスプレスがある。
私はこのフォーマットを、
「エクスプレスストア」と名づけて、
2014年11月号で特集し、謎解きをした。

Express Store大研究
グローバル・リテイラーの大潮流「店舗小型化」の謎を解く2014nen11gatugou

アメリカではウォルマートもターゲットも、
このフォーマットの実験をした。

イオンとトライアル。
日本にさらに新しい参入があるかもしれない。

そしてそれはコンビニに大打撃を与えるだろう。

新しい時代の創造に西友が機能すれば、
堤清二さんや上野光平さんも、
少しは喜んでくれるに違いない。

〈結城義晴〉

2025年07月01日(火曜日)

「ビオラル」の衣料PBと「小暑から大寒まで」の万代カップ

2025年7月1日。

夏至から数えて11日目。
半夏生(ハンゲショウ)

「二十四節気」とは別に「雑節」がある。
節分も彼岸も、
八十八夜や入梅も、
土用、二百十日、二百二十日も、
雑節だ。

半夏生もそれ。

さらに二十四節気をそれぞれ3つに分けて、
七十二候がある。

二十四節気がほぼ15日間の期間で、
七十二候は5日間。

その二十四節気の夏至のなかの、
最後の「末候」が半夏生である。

暦を細かくしていくと、
生活にメリハリができる。

昔の中国人がそれを考えて、
日本人が真似をした。

しかし彼らは7日間と言う発想はもたなかった。
凄いですね、1週間の単位は。

1週間が13週で四半期、52週で1年となる。

このWeekの単位を考え出したのは、
古代バビロニアだと見られている。

古代ローマは当初、1週間を8日とした。
古代エジプトや古代ギリシアは10日。
中国は15日の二十四節気。

何とも中途半端な感じがする7日間が、
実は一番実用的だったし、
宇宙の現象とも合致していた。

バビロニアは現代のイラクの南部。
ティグリス川とユーフラテス川下流の地域。
世界四大文明のひとつ。

いまイスラエルとアメリカが攻撃しているが、
イランは「Week」が考案されたところ。

その点ではもっと尊重してもいいだろう。

その暑いあつい半夏生。

この日までに田植えを終える。
それが日本の目安だった。

関西では半夏生に蛸を食べる。
苗が蛸の吸盤のように根付くように。
そう願って蛸を食す。

なんか、いいなぁ。

関東の梅雨明けはまだ。

気象庁は歯切れが悪い。
自信なさそう。

さて商人舎流通SuperNewsに、
面白い記事が2本。

ライフnews|
PB「BIO-RAL」初の衣料品・オーガニックコットン肌着投入

20250701_life-bioral

㈱ライフコーポレーション、
アパレルのプライベートブランドを開発した。

「BIO-RAL」ブランドから、
「オーガニックコットンインナー・ショーツ」

無染色・無漂白のオーガニック綿花を100%使用。
天然素材の肌着。

洗濯表示を布生地に直接印刷した。
それによってタグが不要となり、
肌へのチクチク感がなくなる。

細かい配慮だ。

3種類の肌着がそれぞれ本体価格990円、
キャミソール・タンクトップ・フレンチ袖。
ショーツが798円。
差込みカップ付きタンクトップが1590円。

これは売れる。

ライフは実はアパレルに力を入れている。
それがよくわかる事例だ。

2025年2月期の衣料品の売上高228億円。
全体の3%を占める。

ファミリーマートが、
「コンビニエンスウェア」を開発している。

コンビニエンスでオーガニック。
そんなアンダーウェアは、
どんな店でも売れる。

もう一つの流通SuperNewsは、
万代news|
32メーカー参加「M-1決定戦★万代カップ2025」7/8開幕

このポスターが凄い。
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もう恒例の「万代カップ」。

今年は「M-1決定戦★万代カップ2025★」
32社のメーカーがレシピバトルを行う。

昨年の16社から、2倍の32社。

この企画はサミットカップを模したもの。
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サミットから承諾を得て、
万代カップとなった。

首都圏のサミットと関西圏の万代。
顧客もメーカーも重ならない。

メーカーは4社ずつ、8ブロックに分かれて、
トーナメント戦を展開する。

予選は7月8日(火)からスタート。

店内の投票コーナー、
あるいは「万代アプリ」のアンケートで、
顧客に投票してもらう。

そしてそれぞれの対戦で勝者を決めていく。

準々決勝は10月、準決勝と決勝戦は11月。
優勝セールは12月。

このイベントは夏から冬まで続いて、
最後に年末商戦に勢いをつける。
20250701_mandai-cup3

7月8日は二十四節気でいえば「小暑」のころ。
そのころから始まって、
12月の「大寒」あたりまで。

万代カップは半年間の連続企画だ。

月刊商人舎3月号で、
万代常務の芝純さんは発言している。
「万代の販促にお客さまが、
生活サイクルを合わせてくれています」

小暑から大寒まで顧客の生活サイクルをつくる。
それが営業企画の仕事だ。

〈結城義晴〉

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