結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年08月23日(土曜日)

鈴木敏文セブン&アイ元会長が日経MJに登場して語ったこと

今日は二十四節気の処暑。
「暑さが峠を越えて後退し始めるころ」

しかし全国で35の都府県に、
熱中症アラートが発せられた。
20250818_tokiwa

第107回全国高校野球選手権大会決勝。
K10014899881_2508231104_0823111247_02_08
沖縄尚学高校が日本大学第三高校(西東京)を、
3対1の投手戦で破って初優勝。

いいゲームだった。
K10014899881_2508231340_0823134814_02_08

沖縄尚学は春の選抜大会を2度制覇している。
1999年と2008年。
しかし夏は初めて。

嬉しかっただろう。
K10014899881_2508231340_0823143208_02_18

一方の日大三校は、
夏の甲子園で2度優勝している。

私の長男が東京地区で高校野球をやっていた。
最後は東東京の第2シードだったが、
その前の練習試合で日大三校と戦った。

プレイボール前に向かい合って並んだら、
全員が大人と子供ほどの体格の差だった。

それだけ日大三校は、
体力のある選手ばかり集めていた。
今回も、どの選手も鋭い振りをしていた。

2年生が多い。
来年がある。

頑張れ。
K10014899881_2508231340_0823161328_02_11

さて日経MJに、
鈴木敏文さん、ご登場。
92歳。

私は日経電子版で読んでいる。

タイトルは、
「セブン&アイ、激動の20年」

セブン&アイ・ホールディングスは、
この9月1日に設立から20年を迎える。

鈴木さんは1963年に、
イトーヨーカ堂に入社した。
東京出版販売(トーハン)からの転職だ。

1973年にヨークセブンを実質的に設立し、
そのセブン-イレブンが奇跡的な成功を収めた。

1978年、㈱セブン-イレブン・ジャパン社長。
1992年、㈱イトーヨーカ堂社長。
2005年からセブン&アイ会長兼CEO。
2016年、退任。
71IGnzeibbL._SL1378_

鈴木会長時代に社長として右腕となったのが、
村田紀敏さん、今、81歳。

このインタビューは村田さんが説明役となり、
核心の一言を鈴木さんが語った。

その鈴木さんの言葉だけを拾った。

プライベートブランドを開発したとき、
最初は「安さ」を狙おうとした。

しかし鈴木さんは違った。
「時代の変化を見ないで、
自分たちがやってきたことの延長で
ものを考えていた」

「ところが、実際には、
世の中が変わっていく。
世の中の変化に対して
どう対処していくかを
考えなくてはいけなかった」

「要するに、
モノを売る側から考えるのではなく、
消費者である顧客の側に立って
考えるように変化した」

ヨーカ堂やデニーズの今の停滞に対して。

「さっきも言ったけどね、
売り手側の立場で考えるな。
消費者である買い手側の立場で考えるように
変わったということよ」

「セブン-イレブンは最初から
顧客の立場で考えていた」

いまコングロマーチャントから、
コンビニ業態への集中を決定した。

「なんて言ってよいのかな、要するに、
世の中の変化に立ってモノを考えることに
変わってきたということだろうね」

「時代とともに変わる。
モノが不足していた時代は
売り手側の立場で考えれば良かったが、
今は買い手側の立場で考えるように変わった」

セブン-イレブンの商品や味について。

「商品はまず身近であること。
味は時代とともに変わる」

今のセブン-イレブンに満足しているのか。

「いや、満足ということはあり得ない。
どんな時代になろうとも満足はあり得ない」

「売り手側も変わるが、
もっと変わるのは買い手側。
お客さんが変わるということは
売り手側はそれに合わせないといけない」

「ということはね、
もっと努力した方がいいなと思います。
何もやっていないということではなくてね」

「限界はないのよ。
なぜなら世の中は変化するから。
日本の流通業の変化はほとんど、
我々が先頭に立ってきたからね」

アリマンタシォン・クシュタールが、
セブン&アイに買収提案した。

「あのね、色々な考え方があるが、
それは見極めないといけない」

加盟店オーナーからは不安と期待の声がある。
「店の立場から言えばそうでしょう。
店からすると売上げや利益が
増えることはうれしいこと」

人材の育成について。
「次の社長をつくるというより、
自分たちが新しいモノに挑戦するということ」

「次の時代の人たちがそれに追随して、
考えるようになるんじゃないの」

次の経営者に伝える言葉は。
「世の中の変化よ」

イオンをどう見ているか。
「あんまりね、同業他社がどうとかこうとか、
そういう目で見たことがない」

「まずは自分たちの成長だ」

新聞に載った写真は、
眼鏡をかけていなかった。
だから余計に92歳の年齢を感じさせた。

かつての鈴木さんは、
いつもピカピカに磨かれた眼鏡を、
キリッとかけていた。

今回も眼鏡は欲しかったなあ。

同じことを言っているように見えるが、
それはずっと変わらない。
同じなのだ。

私は商業界社長の時代に、
鈴木さんと相対で問題解決をしたことがある。

商業界とセブン&アイとの間の問題だ。
10年くらいかかったが、
2004年の年末の12月30日に、
二人だけで話をして、
お許しをいただいた。

このブログの2005年1月の項に、
さりげなく書いている。
「2005年1月の20日〆行動日誌」
これは両者にとって歴史的なことだった。

商人舎の社長になってからも、
退任した鈴木さんにインタビューを申し込んだ。
もちろんセブン&アイの広報を通してだが。

丁重にお断りの返事が来た。

予想通りだったし、
そのことは十二分に了解している。

お話をしたかった。
ただ、それだけ。

「世の中は変わる」

「とくに買い手側が変わる。
だから顧客の立場で考えねばならない。
売り手はそれに合わせなければいけない」

「いつも新しいものに挑戦する。
自分たちがやってきたことの延長で
考えてはいけない」

「人がどうかなどということも考えない」

「満足ということはあり得ない。
もっと努力したほうがいい」

御意。

ありがとうございました。

〈結城義晴〉


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

国内研修会
ミドルマネジメント研修会
商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2025年8月
« 7月  
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.